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初めての『顧客管理』 Vol.3
~顧客管理の第一歩、インポート前のデータ整形~

『顧客管理=CRM』を原点から見つめ直し、単なる「顧客データの保持」から「顧客管理」へ脱却する場合のコツをご紹介していきます。今回は、データベースに登録する準備についての第一弾をお送りします。

データ整形のコツその1:データ・クレンジング

前回の記事では、目指す『顧客管理』を行う際に、自社に最適な顧客管理システムを選定するポイントについて述べました。今回から2回にわたり、いよいよデータベースにデータを登録する準備のコツをご紹介したいと思います。

インポートデータを作成する前に、まず既存データを見直す必要があります。データ・クレンジングはその名の通り、これから顧客管理システムを利用していく上で最適な形となるよう、データを整える作業です。

データ・クレンジングはなぜ必要なのでしょうか?

たとえば、既存のデータベースに「シナジーマーケティング株式会社」「シナジーマーケティング㈱」「シナジー㈱」「シナマケ」と登録されている場合を考えてみます。

この場合、営業Aさんが「シナジーマーケティング」で検索した際、「シナジー㈱」「シナマケ」のデータはヒットしません。仮に「シナマケ」に最近の商談データが入っていたら、Aさんはその事情を知らずにお客様にアプローチすることになります。

このように、データベースに同じお客様が複数存在するために、使えない(使わない)データが発生している可能性があります。こういったデータを標準化し、使えないデータを減らすためにデータ・クレンジングを行います。その後「名寄せ」などの作業を行ってデータを更にきれいにしていきます。

データの標準化

データ・クレンジングとは、簡単に言うと“データをあるべき状態に標準化すること”です。

前述の例なら、「会社名は社格などを省略せず、正式社名で入力する」「カタカナは全角で入力する」といったルールに基づいて修正することでデータが整います。

ほかに、スペースが半角/全角でばらついている場合は半角に統一する、などこれから蓄積していくデータのあるべき姿を想定し、データを整えていきます。

データ整形のコツその2:Excelを利用した名寄せ

データが整ったら、重複データをひとつにまとめる作業(名寄せ)を行います。

世間にはさまざまな名寄せツールが存在しますが、今回はExcelのIF関数を使った、重複を簡単に確認する方法(今回の例ではメールアドレス)をご紹介します。

 ※元データのサンプルは架空のデータであり、実在のデータとは関係ありません

1. メールアドレスなどのデータを降順に並べ替えます。

2. メールアドレスの項目の右に関数を入力する列を挿入します。
挿入した列に『上のセルと値が等しければ「1」、等しくなければ「0」を返す』というIF関数を入力します。例でいうと「=IF (B1=B2,1,0)」です。

3. 2の数式を最後のセルまでコピーします。

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4. 重複しているメールアドレスには「1」が入力されます。
必要であれば標準化のルールに従ってデータをまとめ、不要なデータは削除します。

名寄せの完了です。

データ整形のコツその3:登録ルールの設定

データ・クレンジングを行うと同時に、今後「データの標準化」を維持するために登録ルールを設定しておくことも重要です。

  • 会社名は正式名称で(「㈱」などと略さない)
  • 英数字は半角にする(「株式会社ABC」は「株式会社ABC」にする)
  • 氏名の間は半角スペースを入れる(「椎名 次郎」ではなく「椎名 次郎」にする)
  • 電話番号はハイフンありで入力する(「0612345678」ではなく「06-1234-5678」にする)

設定したルールは、今後登録フォームなどでお客様に登録をしていただく際にも入力ルールとして適用します。

お客様に登録を一任する「会社名」の記載などは、登録の揺れを完全に標準化することは難しいですが、たとえば、システム的にメールアドレス登録の項目には半角英数字の文字種制限をかける、などの設定ができれば標準化の維持に役立ちます。

今回でデータベースに入れるべきデータをきれいにすることができました。次回はそのデータの受け手側である顧客管理システムに、受け皿となる項目を作成するコツをご紹介したいと思います。

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※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。

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