脱・Excel(エクセル)!クラウドで顧客管理を行うとどう変わるのか?【営業編】
弊社へお問合せいただくお客様へのヒアリングの中で、顧客管理のご相談をよくいただきます。顧客管理の仕組みは企業の経営活動において今やインフラとなってきていますが、仕組みはExcelやaccess、パッケージやクラウドのシステム、Postgre等の開発言語を用いて開発していたりと企業の数だけ多数存在します。企業によって予算や人的リソースが異なるので、仕組みの数が多数に及ぶのは当然でしょう。
そんな中、『Excel(ローカル)で管理している顧客のクラウド化』のご相談をよくいただきます。ある程度の規模(例えば顧客数1,000件以上)になれば、Excelでの顧客管理には限界がきます。
今回はExcelからクラウドへの移行の相談が多いという実情を踏まえて、何に課題を感じ、クラウド化することでどのような成果を求めているのかをひとつのケースとして捉え、どのように課題解決するかご紹介します。
※そもそもクラウドが分からないという方は、こちらをご参照ください。
<目次>
クラウド化を求める企業の特徴
よく耳にするのが「顧客数が増えてきたので管理が限界です」という決まり文句です。より詳細をヒアリングすると大きく以下の5点に分類できます。
特徴1:検索が手間
特徴2:同時に編集ができない
特徴3:外出先で閲覧できない
特徴4:データ管理が個人に依存しているため、組織で管理できていない
特徴5:セキュリティが不安
そもそもデジタル化のメリットは大きく2点あり、〝ログを残せること〟と〝検索できること〟です。Excelも一応デジタルなのになぜこのような課題が出てくるのでしょうか?
答えは単純で、Excelは顧客管理を行うためのツールではないからです。ただ顧客管理をできそうなツール(Excel)が目の前にあったから普及しただけです。無料ですし、始めやすいですし・・・
上記の特徴をケーススタディで考える
【企業情報】(仮)
Synergy!make株式会社 従業員30名程の中小企業のメーカー
【顧客接点】
顧客(会員)を1,000人程かかえ、既存顧客からの問い合わせを1日20件受け付けている。
基本は電話でお問い合わせを受け付け、窓口は営業事務4名で、他業務と兼任している。
問い合わせの内容は、製品への質問や製品に付随する内容の相談、さらにクレームまで多岐に渡る。
営業は訪問前にExcelを閲覧し、メモ(または印刷したもの)を基に顧客情報を確認し訪問する。
【求められる品質】
・問い合わせ対応時:お客様へストレスを感じさせない、スムーズで的確にニーズを汲み取った対応
・営業訪問時:過去の情報を基になぜ今の状況に至ったのかを把握した上で対応し、顧客接点があれば履歴を残す
【課題】
特徴1:検索が手間
お客様の名前や顧客IDで検索するが検索窓があるわけではないため、電話がかかってきたタイミングで目検の手間が生じます。また、PCのスペックにも依存しますが、1,000人以上の顧客管理(購買履歴や接触履歴を含む)を行うのは、検索や編集時に“画面が止まる”というストレスを感じることもあるでしょう。
特徴2:同時に編集ができない
同時に電話が鳴った際、どちらか一方は個人情報を閲覧できないままの対応となり、品質が下がります。
特徴3:外出先で閲覧できない
特に営業の方がストレスを感じるでしょう。事前に社内で確認していたとしても、全てを事前に確認することは難しく、急な予定があれば事前確認できないケースもあるでしょう。
特徴4:データ管理が個人に依存しているため、組織で管理できていない
何が最新の情報で、何が正しいのかわからなくなるかもしれません。バージョン管理も手間がかかります。
もし、営業や問い合わせの対応履歴を残しているのであれば、管理者はどのように状況を把握するのでしょうか。おそらく状況の評価を行うのは難しいと思います。
特徴5:セキュリティが不安
Microsoft Office のいくつかの最新バージョンではセキュリティ モデルがあります。マクロの有効無効、及びデジタル署名の有無、最高、高、中、低に分けられます。とはいえ、最高=警告を表示せずにすべてのマクロを無効にする程度です。(もっと詳細まで設定できたらすいません) 最高に設定したところでヒューマンエラーのリスクから逃れるのは難しいですし大金の入った財布を銀行に預けず、持ち歩いている状態に近そうです。
クラウドでどう変わるのか
改善1:検索が容易になる
クラウドに限らず顧客管理システムは顧客を管理するためにつくられているため、以下のような検索が可能になります。
「2013年10月に商品を購入した関東の男性で、過去売り上げ合計10,000円以上の方」
また、上記のような複数の検索条件を保存することで、毎回検索をかけなくてもボタンひとつで検索ができるようになります。
改善2:データ容量が軽くなる
クラウドはサーバーを共有し、データを自分のパソコンや携帯電話ではなく、インターネット上に保存するサービスです。容量をデバイスに依存せずに利用できるので、ストレスなく快適な環境で利用することができます。
改善3:同時編集や外出先での編集ができるようになる
Excelで最も簡単な同時手法の方法はSkyDriveとの連携です。要はクラウド化です。同時編集や外出先での編集、閲覧はクラウド化がマストになります。またクラウド化すれば、スマホやタブレット、PCといったデバイスに制限がなくなるというメリットもあります。これによって、大幅に業務効率化が図れます。
改善4:セキュリティが強固になる
顧客情報を扱うベンダー企業は個人情報取り扱いのプロです。お金は銀行、個人情報は顧客管理サービスに預けましょう。サーバーはデータセンターで管理され、24時間365日、有人監視での入退出管理をおこなっています。また個人情報を管理しているデータベースサーバーは、Webサーバーのみがアクセスできるセキュアな環境に保管しており、さらに2重のファイアウォール(侵入防護壁)とIPSによる外敵チェックを行うことでより強固に保管されています。
クラウドの付加価値は他にも
マーケティングできる
個人に依存している名刺情報をクラウド化し一元管理することで、「組織として」顧客情報を共有することが可能になります。これによって顧客とのコミュニケーション履歴や顧客属性、購買パターンなどを複合して多角的に分析することができ、購買に結びつく角度の高い顧客層を抽出するなど、マーケティング戦略のターゲットを明確にすることができます。
顧客情報をスムーズに取得できる
フォーム to データベースの実現で入力の手間なく顧客情報を管理できます。また、ヒューマンエラーも回避できます。
リスクを軽減できる
顧客情報漏えいを防ぐ高度なセキュリティで、侵入者防止、なりすまし防止を行っています。また、システムだからこそ可能な、システム担当者の細かな操作権限の設定や操作ログの管理も可能になります。それにより、不正アクセスや内部漏洩の防止を実現しています。
システムベンダーのノウハウを参考にできる
顧客情報の管理、活用にはその道のプロがいます。ベンダー各社には営業がいて、サポートがいます。そこから顧客管理や活用方法のアドバイスもらうことで、顧客情報の安全で効率的な運用ができるのではないでしょうか。
Excelのメリット
価格が無料です。作成しやすく、情報量がほどほどであれば管理も簡単にできます。
ExcelやAccessでの顧客管理の方法については、詳しくはこちらをご参照ください。
顧客管理を実現できるクラウドサービス8選
- Synergy!
弊社シナジーマーケティングの、顧客管理の枠を超え、より戦略的なマーケティングを可能にする統合CRMシステム
- Zoho CRM
3ユーザーまで無料で使えるCRMシステム
- Sales Cloud
世界で最も使われているクラウド型営業支援・CRMツール
- NetSuite
ERP/財務会計、CRM、Eコマースを統合した経営基盤に活用可能なサービス
- SkyDesk
名刺スキャン、Webフォーム、インポートなどデータ入力の対応範囲に定評があるサービス
- SPIRAL
幅広い業種で利用できる情報資産管理プラットフォームなので、様々なニーズにフレキシブルに対応可能なシステム
- Sansan
ユーザーが名刺をスキャンするだけで正確なデータが格納される名刺管理サービス
- KREISEL
比較的低価格ながら顧客管理やWEBサイト作成まで実施でき、初心者にも優しい設計が特徴のシステム
今回はクラウドのメリットをご説明させていただきましたが、全ての企業にとってクラウドで顧客管理を行うことが正解ではないと思います。しかし、ある程度の顧客数になればExcelからクラウドに移行することで業務効率の改善を感じていただける企業は多いはずです。
今や多くの企業がさまざまな顧客管理システムを提供しています。Excelでの顧客管理に限界を感じているのであれば、一度検討してみてはいかがでしょうか。
まずは、データからお客様を知るための基礎知識から
顧客管理のノウハウ・ドゥハウ【導入編】
本書では、ExcelやAccessでの顧客管理の限界、ツールの選定、データの名寄せ・データクレンジング、顧客データベースの設計など、「顧客データを活用するための準備」に関する実践的な手法とそのポイントをまとめています。
いますぐ、成果の出る顧客管理へとステップアップしましょう!
※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。