メールマーケティングの基本Vol.5
~これは避けたい!コンテンツ作成、配信設定の注意点~
<目次>
よく失敗しがちなコンテンツ作成
メールマガジンの原稿を作成し終わってから、「こうしておけばよかった!」と気づくことが少なくありません。コンテンツ作成においてどんなところに注意すべきなのか、その代表的なものをいくつか取り上げます。
差出人アドレスにフリーアドレスを使用してしまった
フリーアドレスやプロバイダードメインのアドレスはお手軽ですが、差出人アドレスにそれが使われている場合は信頼性に欠けてしまいます。自社の独自ドメインを使用したアドレスを必ず用意しましょう。
プロポーショナルフォントを考慮していなかった
フォントには、等幅(とうはば)フォントとプロポーショナルフォントの2種類があります。
等幅フォントは一文字の横幅が統一されており、メールマガジンの装飾でもその利点を生かして描いている場合が多いです。一方、プロポーショナルフォントは文字によって幅が異なるため、レイアウトやアスキーアートが崩れて表示されます。
ユーザーにとって見やすいのは等幅フォントですが、受信者側のメールソフトによってはフォント表示が異なります。また、Gmailは自動的にプロポーショナルフォントで表示されてしまいます。
そこでこの点を考慮し、コンテンツにはテキストによる囲み枠のレイアウトや複数の罫線の組み合わせを避けることが賢明です。あるいは、フッタ部分に「このメルマガは等幅フォントでご覧下さい」と一文入れると親切です。
URLと文章がつながってしまった
URLの前後に文字をつなげて配信すると、URLだけでなく文字の部分までがクリッカブルになってしまい、リンクできません。また、行頭にスペースを入れずにURLを置いてしまうと、メールソフトによってはURL自体がクリッカブルにならないこともあります。
なるべくURLの行頭に半角スペースを入れ、URLの前後を文字で挟む場合は、URLの前後に半角スペースを入れておきましょう。
スマートフォンでURLがクリックしにくい
URLを2行以上並べた場合、スマートフォンのように画面タッチで操作しているとそれぞれのURLがクリックしにくくなります。そのため、URLとURLの間、上下を開けておくことでクリックしやすくなります。
機種依存文字を本文に入れてしまった
丸数字や記号、省略文字など、パソコンの環境に依存して表示される機種依存文字は、受信すると文字化けをする恐れがあるので極力使わないようにします。
また、機種依存ではありませんが、半角の「\」は、iPhoneではバックスラッシュ(\)になってしまうので、全角の「¥」か、日本語で「円」と表記するようにします。
デコメ配信で容量の大きな画像を使ってしまった
主に携帯向けのデコメ配信は、最近ではスマートフォンユーザも増えており、昔ほど配信するメール容量は神経質にならなくてもよくなっています。それでも、ガラケーユーザ向けの配信では、件名・本文などを含むサイズが100KBを超えるとキャリアや機種によってはデコメ画像などが表示されない場合があります。
画像サイズは、1画像あたり数KB程度の軽いものを用意したほうが無難です。
配信設定で注意したい点
コンテンツを作成し、いよいよ配信システムを使って配信する段階です。配信設定の手順は配信システムにより異なるため割愛しますが、配信設定においても注意すべき点はいろいろとあります。その中でも、配信設定する作業者が特に注意すべき基本的な点を記載します。
配信対象者の確認
PC・携帯どちらに配信するのか、基本属性(性別、都道府県、年代など)別に配信するのかなど、あらかじめ決めた概略に沿って配信対象者のリストを用意します。
通常の配信システムでは全体のリストから絞って配信できるので、絞り込み可能なリストを作成し、配信システムのデータベースに登録しておきます。また、特定電子メール法にのっとりメールマガジンの登録時や店頭での受付時などに、事前にメールマガジン配信の同意が取れたオプトインのデータを用意しておきます。
スマートフォン向けに絞り込んでの配信
PCや携帯のメールアドレスと異なり、スマートフォンの場合はメールアドレスだけでスマートフォンのアドレスと識別することは困難です(@i.softbank.jpのドメインがiPhoneユーザであることが分かる程度)。
そのため、スマートフォン向けに配信を行なう場合は、あらかじめユーザにメールマガジン登録していただく際に、利用している端末がスマートフォンなのかを聞くフローを組み込んで登録させておくと、配信対象者としてスマートフォンユーザを絞りやすくなります。
※配信システムによっては、登録時にユーザーエージェントを取得し、スマートフォンへの送り分けが可能な「スマートフォン識別機能」を搭載しているものもあります。
クリックカウント、開封の設定
メールマガジンを受信したユーザがどのURLをクリックしたのかを計測するため、通常の配信システムではクリックカウントを取得する機能を持っています。配信の際は、サイトやランディングページへの流入数などを計測するためにも、クリックカウントは必ず取得しましょう。
また、HTMLメールの場合は、HTML形式の特性を生かして配信システムで開封設定を行なうことができるため、受信したメールを開いたかどうかを計測することもできます。
配信タイミング
どの曜日・時間帯が配信しやすいのかはこのブログでもまた別の機会に詳しく取り上げますが、原則として、配信する曜日や時間帯は固定させておくべきです。
月1回の発行なら、第何週の何曜日の何時に配信すると決めておきます。購読者が、いつも決まったタイミングでメールが届くことを認識し、期待させておく必要があるからです。何度か配信を行ない、クリック率や開封率が思ったほど伸びない、あるいは徐々に低下するようであれば、配信曜日や時間帯の変更を検討してもよいでしょう。
なお、携帯向けについては、20時以降の配信は控えるなど、遅い時間帯にメールが届いてしまわないよう注意が必要です。
配信作業
Vol.3でも触れましたが、誤った配信操作を行なわないよう、操作の際は最低2名の確認者を使い、設定に誤りがないかなどチェックシートを用いて操作を進めるべきです。お詫び配信など無駄なコストを発生させないよう、ここで注力しましょう。
次回は、配信後の効果測定の方法や検証についてお伝えしたいと思います。
メールマーケティングの基本シリーズ
- Vol.1 効果的な配信を行うために必要なこと
- Vo.2 目的を明確にする
- Vo.3 メールマーケティングの実行を阻む3つのわな
- Vo.4 どのようにメールマガジンのコンテンツを構成すればよいか
- Vo.5 これは避けたい!コンテンツ作成、配信設定の注意点(本記事です)
- Vo.6 【効果測定】思ったような効果がない場合、どのようにすべきか?
読まれるメール配信のための、実践手法を大公開!
メールマーケティング虎の巻【実践編】
本書には、メールマーケティングの実践、特に
- 配信するコンテンツの制作(そのチェック)
- 配信作業
- 効果検証
の業務プロセスで押さえるべきポイントを、作業の順番に沿ってまとめています。
また、作業チェックシートなどのツールも含まれていますので、1度の見直しだけでなく、今後の運用でも活用できます!
※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。