古くて新しい「インバウンド・マーケティング」 vol.3
こんにちは。シナジーマーケティングの櫻田です。
今回は、弊社のインバウンド・マーケティングに関する取り組みを具体的に紹介していこうと思います。
まずはすべてを見直してみる
皆さんに、今お読みいただいているブログ自体が、弊社のインバウンド・マーケティングの取り組みの一環なのですが、弊社はこれまで、ブログ以外にも幅広くコンテンツ制作に着手してきました。
例えば、コラムやメールマガジン、ダウンロードできる事例や素材集、そしてサービス紹介のマンガにいたるまで、多くのコンテンツが存在しています。またSNSは、facebookやtwitter、そしてGoogle+までサービスごとに存在しています。さらに、セミナーやサービス紹介のためにSlideshareやYoutube、vimeo、U-stremなどの公式ページを開設してきました。
これらは、誰にどのような目的でという基本的なターゲット設定はしていましたが、コンバージョンや登録をおこなわないと見ることができないクローズドなものが多く、また掲載する階層が深く、なかなか見つけてもらえないなど、コンテンツが埋もれてしまっている状態でした。
このような状況に転機が訪れたのは、SEM(Search Engine Marketing)の見直しを通じてでした。
踊り場が見えてきたリスティングの成果に対し、DSP(Demand-Side Platform)の採用やSEOの見直しを進めていきました。「今までアプローチできていなかった確度の低い潜在層へのアプローチを強化しよう」という狙いを持ってです。
その過程で「既存コンテンツが検索エンジンから一定の評価を得ている」ということがわかってきました。
もともと「入り口出口戦略」として、検索>LP>フォームまでの一連のフローを出来る限り最適化してきたので、DSPでこれまで出していなかった領域に出稿しても微増という結果となったのは当然なのですが、広告への予算集中のためにSEOを停止したら、逆に自然検索の順位が上昇(!)という不可思議な現象が発生したのです。これは恐らくGoogleの検索エンジンの更新(パンダアップデート)による影響と思われますが、外部被リンクを外していくと、逆に少しずつ上昇を始めたのです。
これらと同時並行で、facebook経由でのリード獲得や、メールマガジンからの案件創出など、しばらく日の目を見なかったオウンドメディア、アーンドメディアの施策にも少しずつ可能性が見えてきました。
このように、広告効率の限界とコンテンツマーケティングの有用性に直面していた弊社としては、インバウンド・マーケティングの考え方や手法は、とても素直に腹落ちする、新しい手法だったのです。当記事の見出しに用いている「古くて新しい〜」という表現も、このあたりを意図して書いたのですが、インバウンド・マーケティングを実践するにあたって最低限必要なのは、考え方や手法であって、特別なサービスや特殊なコンテンツではありません。
逆に、長く愛されているコンテンツ、最新のいち押しのコンテンツ、など多数存在する既存のコンテンツを顧客視点で改めて評価してみることをオススメします。
ブログが補完する事
前置きが長くなりましたが、弊社で直近の課題としてカイゼンに取り組んでいるのは次の3点です。
- Get Foundしてもらう、オープンなコンテンツの創出
- コンテンツを消費した方へのオファー(Call To Action:以下、CTA)や導線の整備
- 累積するリードとの継続的なリレーション構築
まず1ですが、このブログを筆頭に、今まで提案書やコンバージョン後のダウンロード資料にしか記載していなかったコンテンツをどんどんオープンにしていこうというものです。
とにかく急いで始めたので、ブログのターゲット設定〜見出し〜キーワード設計が未熟過ぎる!というご指摘もいただいております。本来であれば、明確なターゲティングのうえで、詳細にタグやキーワードを設計し、ライターとCTAの導線を共有した上で投稿する。事前の設計時間をたっぷり取って、過去の(自社)統計から綿密な計画を練る、という段取りを踏むべきだと思います。
ただ、弊社のように「ブログいつやるの?」「いまでしょ!」という見切り発車のスタートでも、やってみれば具体的に見えてくることもあります。ポスト別のいいね!数、PVや参照元から、どこから何トリガーでどれくらいリーチしているのか、獲得したリードは何を見ていたのか、などの統計情報は普通にわかりますよね。
加えて、例えばこのブログの一つ、「メールマーケティングの基本 Vol.1〜」は、弊社のサービス利用者様に多いメール配信需要に向けたHow-toのポストですが、「メールマーケティング 基本」の掛け合わせで検索すると、オーガニック最上位(!)に出てきます。競合のリスティングやコラムに混じって、つい先日ポストしたブログが1位表示です。これには驚きました。
他方、BtoBマーケティングについては多くのコンテンツが存在するものの、「SFA」で検索すると弊社の古いコラムがオーガニックで5番目に表示されます。この「SFA」というキーワードは、弊社サイトのオーガニック新規流入で上位のワードですので、ここからトラフィックが発生しているのは明白です。しかし古いコラムのアーカイブは、導線的には事実上行き止まりになっており、CTAが設定されていないことが非常にもったいない状況です。
以上のように、キーワードの使い方一つでGet Foundされるための露出が大きく変わってきます。
確かにブログはキーワード検索に対して有効なツールであるものの、ブログで既存コンテンツを塗り替える必要もありません。既存のコンテンツも含めて、課題を抱えている、興味を持っている潜在顧客に、自社のコンテンツがどのように見えているのかをしっかり把握することが大切です。特にリスティングやディスプレイ広告を利用している場合は、事前に効果的な露出を設計し、運用しながら検証するサイクルが必要になります。
少し長くなりましたので、2)3)の取り組みについては、次回、ご紹介させていただきます。
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