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古くて新しい「インバウンド・マーケティング」 vol.2

こんにちは。櫻田です。
「INBOUND MKTG TOKYO」「アドタイデイズ」と弊社が出展する展示会が立て続けに開催されたこともあり、少し時間が空いてしまいましたが、vol.1に引き続き弊社のインバウンド・マーケティングへの取り組みについてご紹介させていただきます。

実際にアプローチしているのは、ほんのひと握り

短期的に目の前の見込み顧客だけを刈り取る販促は、効率を追求するあまり、顕在化していないターゲットを無視することになる。

前回、「販売促進からマーケティングにシフトする」と述べました。

これは短期的な売上げ増進を「販売促進」、中長期的な販売促進を「マーケティング」と定義しています。言い換えれば、『短期でたくさん売り上げる「販売促進」はターゲットを特定すればする程「効率」が上がる反面、顕在化していないターゲットを無視することになる』ということです。

弊社の場合もそうですが、意図していなくても、効率を追求するあまり陥りやすい傾向だったりします。特にBtoB企業は消費財を扱う企業などとは違い、潤沢とはいえない予算であり、費用対効果を厳密に求められますから、詳細な数字が取れるWebマーケティングは格好の最適化対象となります。

弊社もリード獲得数とCPAを追求してきた結果、リード獲得数は前年対比170%、CPA20%低減と良好なKPIを記録したのですが、逆にKPIと販売状況の伸びがリンクしないことが顕著になってきました。

リード数を集めるだけの販促は(焼き畑農業的)は永続しない。

大量のリードが流れ込めば、営業現場では確度の高いリードの選別が始まり、「少量でも良質なリードを!」という声が高まります。同様のご経験のある営業企画、マーケティングご担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。

部門間の部分最適による弊害とも取れますが、最初は「リードは多ければ多いほど良い」としていたんですね。「営業は確率論だから、結果を増やすにはまず母数!」という方針も間違ってはいないと思います。

ただ、こういった焼き畑農業的な販促活動は、市場によっては踊り場から脱出するどころか、むしろ先細っていく可能性が高いことに早晩気づくことになります。

リードから成約に至る数は限られる。多くは情報収集目的なので、中長期的な視野にたったマーケティングが重要となる。

リードをSFAなどで厳格に管理し始めると、同じ企業、同じ担当者から何度か資料請求を頂いたり、時には数年越しでの問い合わせからご契約に至るケースが少なくないことが分かります。また、新規のリードも、自社のメールマガジンなどオウンドメディアからの流入より、リスティングからの流入が圧倒的に多いことも分かります。

高額商材やBtoBの案件では、一度の接点で成約に至るのは一部の方で、認知からコンバージョンまで数ヶ月に渡る方が最終的な成約率が高い傾向にあります。

弊社を例に見ると、検索>LP>コンバージョンと初回からストレートに着地するのは60%。ただし、成約の大多数は残り40%の長期的な訪問から生まれています。実際、リードからの成約が過半数を超えているケースは、まれです。ほとんどが商談化せず、ナーチャリングリストやメールマガジンの配信リストとなっています。

リードナーチャリングをしていくと、このあたりも明確な数字に出てくるのですが、コンバージョンしたリードといっても、欲求段階はさまざまです。具体的に機能や料金を比較したい方もいれば、興味本位で情報収集した方もいます。

では、検討段階のリードは営業対応、情報収集の方にはリードナーチャリングで・・・という話になるのですが、この方々がいずれ態度変容を起こすのでしょうか?またそれは何を見て起こすのでしょうか?

いわゆるビュースルー分析などのサービスベンダーによれば、潜在顧客全体に対し直接CVは4%程度、つまり96%は全く把握できていない、ということだそうです。つまり大多数がこの「情報収集」タイプになります。当然、膨大で多様な「情報収集層」から態度変容を誘発し、しかるべき人に高い満足度で自社のサービスを選択して頂くことが理想です。そのためには、中期的なマーケティング視点が不可欠です。

これまでわたしたちマーケティング担当者は、ターゲットを購買ファネルに組み込むことに腐心してきましたが、人々は必ずしも商品やサービスを探していませんし、メディアが多様化している昨今、接触チャネルの選択権は顧客側にあります。

この点はBtoCも、BtoBも変わりません。

企業がターゲットを探してメディアを使い分けていたように、人々は目的に応じて情報を探すメディアを使い分け、企業が知り得ないところで態度変容が起こっているのです。これまでのように、特定のキーワード広告やキャンペーンのWebサイトを用意して待ってさえいれば、お客様がファネルに流れ込んでくれていたようなやり方では、ほんの一握りのターゲットしか獲得できない可能性が高いのです。

需要を創造するために

お客様のニーズに合わせたコンテンツを提供していくインバウンド・マーケティングが重要。

弊社も、足りないと思った時に出稿量を増やしても、クリエイティブを変更しても、投下予算に見合う大きなレベニューは得られないと体感していたところに出会ったのがインバウンド・マーケティングでした。

インバウンド・マーケティングでは「get found」「見つけてもらう」ということが盛んに言われていますが、我々企業側がターゲットに寄り添い、態度変容を誘発するコンテンツを提供しなければいけない時代です。

それは必ずしも広告とは限りません。むしろ、お客様のニーズに合わせたコンテンツをさまざまなチャネルを通して提供していく必要があります。購買ファネルまでの導線をより広範囲で長期的に設計する「需要を創造するマーケティング」です。

弊社もインバウンド・マーケティングを実践し、マーケティングの仕組みを再構築中。

弊社はSEM,SEOに依存し、顕在層にフォーカスしていた数のマーケティング手法から、自社のサービス、ノウハウをオープンに提供し、高いエンゲージメントを獲得したリードを営業送客すべく、広告~リードナーチャリングのスキームを大きく見直しています。

とはいえ、いきなりインバウンド・マーケティング一本に切り替えるわけにもいきませんので、引き続きリスティングも出稿しているのですが、広告>LP>コンバージョン、各パイプラインで提供するコンテンツの改修を始めました。

並行して、本ブログを筆頭にオウンドメディアのあり方、取り組みを刷新し始めています。まさに「マーケティングの仕組みを再構築中」です。

次回も弊社の取り組みと成果の出ている部分についてご紹介したいと思います。

古くて新しい「インバウンド・マーケティング」シリーズ

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※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。

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