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Synergy!×J-Streamで「オンライン/オフライン」同時開催イベントの仕組みを一気通貫で実現
~“参加者視点”の機能とデータ活用基盤の構築事例~
コロナ禍でオンラインでのイベント開催やウェビナー開催が主流になりました。
円滑なオンラインイベントの運営と開催前後のマーケティング活動をサポートするため、シナジーマーケティングではJストリームが提供する動画プラットフォーム「J-Stream Equipmedia」と弊社の「Synergy!」を連携したパッケージを提供しています。
今回取材に協力いただいたシスメックス様は、毎年1,000~2,000人規模のセミナーを開催しています。2021年6月には、新型コロナウイルスの影響も鑑み同セミナーをオフラインとオンラインの同時開催を計画(※)。
その際に「J-Stream Equipmedia」と「Synergy!」を採用いただき、オンライン参加者が快適にセミナーを視聴してリアルタイムで質問できる環境と、フォローアップ施策まで一気通貫で行える仕組みを構築しました。参加者にとってスムーズな導線を実現しつつ、裏側ではアンケートデータや視聴データを参加者情報と紐づけて取得できているため、今後はデータを活用した施策も検討しています。
本プロジェクトについて、弊社ディレクターの橋村を交えてシスメックス株式会社の前田氏と田中氏にお話を伺いました。
※結果的に緊急事態宣言が発令されオンラインのみの開催となりました。
写真右より
前田 忠 氏
シスメックス株式会社 学術情報部 学術サポート統括グループ
田中 麻衣 氏
シスメックス株式会社 学術情報部 学術サポート統括グループ
橋村 嘉人
シナジーマーケティング株式会社 デジタルマーケティング事業部 デジタルマーケティンググループ
※部署名・役職は取材当時(2021年9月)のものです
当初の目的はデータの一元管理。オンラインセミナーに活用できる点も魅力に感じてSynergy!を導入
― 学術情報部はどのような業務を担当しているのでしょうか。
前田氏 検査機器や専用診断薬の専門領域において、開発や営業に対する学術サポートを行っています。具体的には血球計数検査や血液凝固などの専門領域について学術サポートを行ったり、病院の待合室に置いてあるような学術資料を作成したり、検査機器の設定やデータの精度管理を行ったりしています。こうした活動を学術情報部が手掛けることで、お客様がシスメックスの製品・サービスを選ぶ際や導入した後に、「シスメックスなら安心」と思っていただけるようなブランド構築にも繋がります。
その中でも私は「シスメックス学術セミナー」の運営に携わっています。「シスメックス学術セミナー」とは、医療への貢献を目的として毎年開催している1,000~2,000人規模のセミナーです。近年では骨髄の医科学・自己免疫疾患・遺伝子検査・再生医療など幅広い領域からテーマを取り上げて、主に医師や研究者、医学部の学生に向けて最新情報を提供しています。
― まずは、日々の業務の中でどんなところに課題を感じていたのかを教えてください。
前田氏 一番大きな課題だったのは、学術情報部内でお客様のデータが散在しており、メール配信手段が複数あったことです。たとえば、「学術通信」というメールマガジンの配信リストと学術情報部が主催するセミナーの参加者リストがバラバラで、配信ツールも統一されておらず、中には個別のメーラーで送っているものもありました。また、利用していたメール配信システムはカスタマイズされているため、担当者以外が配信することが難しく、属人的になってしまっているという課題もありましたね。学術情報部は販促を目的としたマーケティングを行う役割ではないものの、お客様とコミュニケーションを取る点では「CRM」の考え方があてはまると思ったので、こうした状況に危機感を感じて、まずは部内のデータを統一したデータベースを作り、メール配信環境を整えなければと思いました。
― 課題解決のためのツールを検討する中で、シナジーマーケティングに声を掛けたのはなぜですか。
前田氏 別部署でマーケティングを担当していたときに、シナジーマーケティングと取引をさせていただき、必要な機能が揃ったCRMを安価で提供されていて好印象を持っていたからです。展示会運営について情報交換の機会も設けていただくなど、ツ―ル提供にとどまらないサポートをいただけて印象に残っていました。
― ご相談を受けて、シナジーマーケティングからはどのような提案をされましたか。
橋村 顧客データを一元化して、誰もが手軽に安心してメールを送れることがSynergy!の強みの1つですが、それだけに留まらず、「シスメックス学術セミナー」の運営もご支援できると感じました。というのも、ご相談をいただいたのは、Jストリーム社が提供する動画プラットフォーム「J-Stream Equipmedia」と「Synergy!」を連携した、オンラインイベント用のパッケージをリリースしたばかりの時期でした。シスメックス様ではすでに「J-Stream Equipmedia」を導入されていたので、「Synergy!」と組み合わせることで、申し込み管理→リマインドメールの配信→ライブ配信→アンケートや視聴データの取得といった仕組み一式をご提供できると思いました。
▼運用全体像
― シナジーマーケティングからの提案を受けて、どう思われましたか。
前田氏 これまでも会場で開催されたセミナーの様子を録画し、後日配信を行っていました。ただ、コロナ禍によってオンライン開催をメインで考えなければならなくなったタイミングで「動画を配信するだけでなく、参加者から質問を受け付ける機能が欲しい」など要望は膨らんでいたので、シナジーマーケティングからの提案がぴったりはまりました。また、「誰が視聴したか」といった視聴データを取得できる点もいいなと。既存のセミナー受付システムをオンラインイベント仕様に改修しようと思うと高額な費用が掛かると言われていたのですが、Synergy!にカスタマイズを加えるだけで、はるかに安価な金額で実現できると聞いて魅力的に思いました。
参加者側は使いやすく、企業側は必要なデータを取得できる仕組みを実現
― どんなステップで、仕組みを構築していきましたか。
橋村 2021年6月開催の「シスメックス学術セミナー」で活用いただけるよう、スケジュールを組んで準備していきました。ただ、セミナーの受付自体はすでに既存の受付システムで運用されていたので、今回は「イベントページ上での動画によるセミナーのライブ配信や、オンデマンド配信」の仕組みから構築に取り掛かったのです。具体的には、Synergy!のフォームをカスタマイズして、動画プレーヤーとセミナーのプログラムが見られるページを作りました。そのフォームをSynergy!から配信するメールで案内すると、参加者がログインすることなくスムーズに視聴が開始でき、Synergy!の中では参加者と視聴情報を紐づけることができます。これはSynergy!がデータベース機能とメール配信機能を兼ね備えているからこそできることであり、ユーザビリティとデータ活用の両立が実現できます。
― シスメックス様からは、どんな要望を伝えられましたか。
田中氏 「シスメックス学術セミナー」は、会場とオンラインの両方で開催する予定でした。そのため、それぞれの参加者管理をどうすべきか悩んでいたのですが、スマートフォン版の視聴ページにだけ参加票となるQRコードを付けていただくことで、来場者のQRコードを読み取れば「参加した」ことがデータベースに格納されるようになって助かりました。当初は、PC用とスマートフォン用両方の視聴ページを用意しなければいけないかなと思っていたのですが、レスポンシブデザインで叶えてくださって嬉しかったです。
▼PCとスマートフォン用の動画視聴とセミナープログラムのページ
前田氏 他には、参加証明書の発行機能に対応いただきました。参加証明書とは、医師や研究者の方が「仕事の一環で出席した」と証明するために医療系のセミナーでは必要となるものです。Synergy!の標準機能には無かったもののカスタマイズで対応いただけて助かりましたし、「ダウンロードする仕様にするより、そのまま表示する仕様にする方が印刷などもしやすいのでは?」といったディスカッションを重ねて、参加者の方にとって使いやすい設計になった点にも満足しています。
橋村 参加証明書は、お客様の名前を埋め込んだり、セミナー申込者のみが表示できる認証をかけたり、また証明書の取得状況も把握できるような仕様にしましたね。こうした仕様に対応できるのも、データベースを持つSynergy!だからこそだと思います。
― 実際に仕組みを構築されて無事に2021年「シスメックス学術セミナー」の開催を終えられましたが、特に良かった機能はありますか。
田中氏 私は質問機能です。質問もSynergy!のフォームを使うことで、参加者が配信を見ながら手軽に質問を投げ掛けられるようになりました。一方で、データベースと紐づいているので、当社側では「どなたがどの質問をしたか」をデータとして取得できて便利だなと感じています。会場で質問を紙で回収していたこれまでに比べて、多くの質問が寄せられたので、セミナーも盛り上がったように思います。
前田氏 医療系のセミナーは、大勢の前で手を挙げて質問するという形態が多いのですが、それらに比べるとオンラインでは気軽に質問ができるため、参加者の方にも好評です。個人的には、レスポンシブデザインの視聴ページが非常に気に入っていて。スマートフォン用の視聴ページには会場への地図も記載されているので、ご来場いただく参加者の方にとって便利な設計になっていると思います。残念ながら、今回は緊急事態宣言下での開催の影響でオンライン開催のみになってしまったので、次回活用するのが楽しみです。
「標準機能でできない際は別の方法を提案してくれて、要望を実現するために伴走してくれた」
― シナジーマーケティングからの支援で印象に残った部分はありますか。
前田氏 今回提案いただいたパッケージをすごく気に入っています。というのも、ウェビナーやオンラインイベントが盛んになっていますが、私たち主催者にとってはイベントを配信することが目的ではなく、どのようにアフターフォローをしてリピートに繋げるかといったコミュニケーションが大事です。その際に、参加者データとあわせてアンケートデータや視聴データを溜めておけることは大きな利点になります。CRM機能を有した動画配信システムはなかなか無いからこそ、今回のスキームを提案いただいて、かつ短期間で高性能・高機能なシステムを構築していただいて助かりました。また、何より「ツールを売って終わり」という姿勢ではなく、カスタマイズを活用しながら、ディレクターの橋村さんが私たちの要望を実現するために伴走してくれた点が良かったです。こうした支援を提供されているところが、シナジーマーケティングの魅力だと感じます。
田中氏 私自身、このようなプロジェクトへの参加が初めてだったため、「システムで何ができるのか」「どこまでお願いしていいのか」がわからず、難しい要望を伝えたこともあったと思います。ただ、橋村さんはSynergy!の標準機能でできないことも、必ず別の方法で実現できないかを考えて提案をしてくださったので、とても助かりました。
― シナジーマーケティングとしては支援をする上でどんなことを心掛けていましたか?
橋村 お客様のやりたいことを実現しつつ、今後の運用・活用を見越した設計としてのあるべき形を考慮して導くのが、ディレクターの役割だと考えています。どのようにしてシスメックス様の要望を叶えられるか、どうしたら参加者にとって快適なフローになるか、そして構築しているものは今後のどのように運用され、データはどう活用されるのかを、シスメックス様と一緒にディスカッションしながら進めることができて良かったです。また、個人的にはSynergy!の標準機能だけではないカスタマイズやJ-Stream Equipmedia連携も活用する今回のプロジェクトを通して、自社サービスの拡張性の高さも再認識することができて、とてもやりがいがありました。
― 次回、2022年開催の「シスメックス学術セミナー」に向けて、現在はどんなフェーズですか?
橋村 受け付けからすべて「J-Stream Equipmedia」×「Synergy!」で行うため、現在は既存の受付システムからの移行作業を進めている最中です。2021年の「シスメックス学術セミナー」が無事に開催できたことで手応えを感じましたが、次回以降は1つのプラットフォーム上でよりシームレスにセミナー管理ができると思います。
アンケートデータや視聴データの活用も今後は検討
― 今後の展望について教えてください。
田中氏 セミナー運営はもちろんのこと、新しい参加者やリピーターの集客も私たちの大事なミッションです。最近では、シナジーマーケティングからPRや集客に役立つ提案もいただいているので、引き続きご支援いただきたいです。また、今回の取り組みについて社内で発表したところ、他部署からも「この仕組みを使いたい」という問い合わせが沢山ありました。オンラインでイベントをする際にとても便利なパッケージだと思うので、社内での横展開も期待しています。
前田氏 2022年開催の「シスメックス学術セミナー」は、海外の参加国を大幅拡大して配信するため、参加者が過去最大の3,000人を超える規模にしたいと考えております。規模が大きくなっても、参加者の方により満足いただけるセミナーになれば理想だと思っています。
また、私たちは一般的な販促マーケティングの役割を持つ部隊ではないとはいえ、今回のパッケージ導入によってあらゆるデータがSynergy!のデータベースに格納されるようになったので、今後データの分析や活用もできる余地があると考えています。たとえば、「シスメックス学術セミナー」の配信を始めたことで、居住地にかかわらず全国から参加できるようになったものの、まだまだ地域ごとに参加者の偏りはあると考えています。都道府県や地域別に参加者数を可視化できれば、参加者が少ない地域ではPRを強化するなど、次のアクションを打つことができます。シナジーマーケティングはデータ分析サービスも提供されているので、その辺りでもご支援をお願いするかもしれません。
橋村 質問やアンケートデータも取得できているので、参加者の所在地や役職などによる傾向に関してもわかりますし、「どれだけの長さ視聴したか」といった視聴データと掛け合わせることで「特に参加者からの関心が高い領域はどれか」がわかるなど、データ活用の方法は沢山ありそうですよね。ツールの提供だけでなく、PRや分析の支援まで一気通貫でご支援できる点も弊社の強みなので、今回整えた仕組みを起点にデータを活用して、「シスメックス学術セミナー」参加者の利便性や満足度向上に繋がるご支援を今後もさせていただきたいと思います。
※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なることがありますが、ご了承ください。