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未来の顧客との接点づくりにLINEを活用
株式会社モリタ様は、日本の歯科医療業界をトータルにサポートされている企業で、歯科医療のサポートにおいてトップのシェアを持たれています。歯科医療業界においては、歯科医師がユーザーとなるため、そのユーザーが開業するまでに、接点をいかにはやく密に構築していくかが大きなビジネス課題です。開業前のユーザー接点の構築においてLINEを活用されているモリタ様のお取り組みを取材させていただきました。
写真右より
土光 宜行 氏
株式会社モリタ セールスプロモーション部 1グループ 係長
井上 拓巳
シナジーマーケティング株式会社 西日本事業部 デジタルマーケティングG
※部署名・役職は取材当時(2020年1月)のものです
1. 医院開業前のユーザーにいかにアプローチをするか?
井上 モリタ様の事業内容・土光様の担当されている業務を教えてください。
土光様 当社は歯科医師様向けのあらゆる製品・サービスをご提供している企業です。医院で使われる椅子・機材・薬など、歯科医院で使用するモノ・サービスを全般的にご提供しているようなイメージです。私の担当している領域は、開業前のお医者様との接点をつくることです。歯科医師の方が、学校卒業後に就職をし、経験を積み、ご自分の歯科医院をオープンします。その開業のタイミングで当社サービスを選んでもらうことが非常に重要です。最初に開業のご支援をさせていただければ、後の設備更新などでも選んでいただけます。歯科医師の方は、35歳頃に開業されて65歳くらいまでは医院を続けられるケースが多く、長期的なお付き合いが前提です。そのため最初の接点は非常に重要となります。最初の接点づくりである開業支援を行うことは、当社にとっても競合他社にとっても、優先度の高い事業目標です。
開業前の接点づくりに向けて、見込み顧客リストを獲得するような施策や、営業マンの接点構築を目的とした開業のセミナーなども運営しています。
井上 顧客との長期的なお付き合いを前提に開業前の見込み顧客の段階から接点をつくられているのですね。モリタ様では接点構築のために会員サイトも運営されていますが、そちらのお取り組みについても教えて下さい。
土光様 開業前の歯科医師(勤務医)向けの接点としてOneToOneCLUBという勤務医向けの会員組織を運営しています。OneToOneCLUBでは学術的なセミナー動画などのコンテンツを提供することで、お医者様との関係を創っています。大学を卒業されたお医者様は研修医として大学病院で勤務されますが、その研修の過程でOneToOneCLUBの紹介を行い入会いただいています。
2. LINE活用の背景は学生との接点をつくること
土光様 実は研修医向けのアプローチは競合他社も行っており、当社だけが先行してできているわけではありませんでした。そこで、歯科大学に通われている学生の段階から接点をつくるための会員サイト、OneToOneCampusを開設しました。
学生の段階から、モリタといい関係を作り、卒業後に研修医・勤務医・開業と50年・60年の関係が続いていくことを目指しています。「畑に種をまく」というより「開墾する」イメージですね(笑)
井上 その学生に対するアプローチにあたりLINEを検討されたのですね。
土光様 はい。学生の方が普段から使っているツールでアプローチを行っていく必要があり、LINEとの相性が良いと判断しました。学生との接点をLINEで作り、国家試験の合格後に、勤務医向けのコンテンツであるOneToOneCLUBに誘導していくようなイメージです。
井上 具体的には、どのようなコミュニケーションを行っているのでしょうか?
土光様 学生の方が興味を持つのは国家試験の情報や先輩の歯科医師の声です。LINEに登録を行ってもらうことで、それらの情報を受け取ることが可能です。
学生の方には、国家試験が終了した4月にOneToOneCLUBへの移行を促し、歯科医師になってからのコミュニケーションに引き上げていきます。
登録の機会としては、当社の提携している大学内の売店にチラシを設置することや、YouTubeでコンテンツを配信して接点を作っています。
学生へのアプローチに際しては、シナジーマーケティングさんにも協力してもらい学生インタビューなども実施しました。そこで想定していた仮説を検証して、施策を立案しています。
3. LINEとSynergy!を連携するメリットとは?
井上 学生にとって明確なメリットがあり、有益なコンテンツですね。LINEの配信にあたっては、当社の顧客管理システムSynergy!と連携をいただいております。具体的にはどのようなメリットがあるかを教えてください。
土光様 1つ目はSynergy!に格納されているOneToOneCLUBの会員情報とLINEの友だちを紐付けて管理出来ることです。学生の方がLINEに登録をした時点で、Synergy!で作成したアンケートへ誘導し、コネクトさせることで、LINE登録者と会員情報を連携させています。そうすることで、メールでのコミュニケーションも行えるようになり国家試験後のOneToOneCLUBへの移行をスムーズにしています。
2つ目は、自動的にステップLINEを配信できる点です。登録者に対して、Synergy!を活用してステップLINEを配信しています。最初に提供するコンテンツをまとめて設定して自動配信をすることで、工数の削減と学生に届ける情報を網羅できる仕組みを作っています。
※登録日を起点に2日後・10日後など、自動でLINEを配信する機能。
LINE活用イメージ
自動配信や会員の一元管理は、LINEのプラットフォームだけではまかなえませんので、Synergy!の機能を活用しています。
4. 手段ではなくビジネス課題の解決策としてのLINE
井上 ご活用いただきありがとうございます!LINEへの取り組みに関心は集まっていますが、まだまだ企業様、特にメーカー様では取り組まれている会社様は少ない印象です。社内の起案にあたり難しい部分はなかったですか?
土光様 学生段階からの関係性の構築に関しては社内でも事業課題としての認識がありましたので、その解決策としての起案に反発はありませんでした。また、LINE活用の社内啓蒙に際しては、シナジーマーケティングさんにもご協力をいただき勉強会も実施いただきました。
5. LINEの配信対象を広げていく。
井上 いろいろな部門の方に集まっていただけましたよね。では、最後にモリタ様がお考えの今後のLINEの活用について教えてください。
土光様 LINEでアプローチするターゲット層の拡大を検討しています。今は学生をターゲットにしてLINEを活用しています。今後は対象範囲を広げて、メールで接点を作っている勤務医向けのコミュニケーションに関してもLINEを活用していこうと考えています。
学生を卒業したからといって、急にメールだけを使うわけではなく、ユーザーはLINEもメールも併用していますので、勤務医向けのタッチポイントにおいても活用余地があると考えています。
井上 勤務医向けのLINEアカウントで運用をする際も、Synergy!で一元管理が可能なため、お取り組みは開始しやすそうですね。
土光様 もうひとつは、学生のLINE登録数を増やすことです。さらに多くの接点を作って行く必要があると考えていますので、より学生の方と接する機会を構築していこうと考えています。
井上 ぜひ活用の幅を広げる支援を今後もさせていただければと思います。本日はありがとうございました!
※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なることがありますが、ご了承ください。