Synergy!で運用負荷と操作性を改善!
プロラグビーのファンマーケティングを発展させるCRM活用

インタビュー参加者

写真右より

山内 省吾
シナジーマーケティング株式会社 クラウド事業部 第1アカウントソリューションG マネージャー

竹内 勇太
シナジーマーケティング株式会社 クラウド事業部 第1エージェントG

長島 潤也
シナジーマーケティング株式会社 クラウド事業部 第6アカウントソリューションG マネージャー

塩谷 篤史 氏
ジャパンラグビーマーケティング株式会社 システムグループ エグゼクティブリーダー

金木 寛之 氏
ジャパンラグビーマーケティング株式会社 チケッティング・ファンクラブ・CRMグループ リーダー、経営企画グループ リーダー

※部署名・役職は取材当時(2025年2月)のものです

山内 まずは、お二人のお役割について教えてください。

金木氏 私は主にCRMに従事をしています。我々のミッションは多岐に亘りますが、主にジャパンラグビーにおける各種サービス(チケット販売、ファンクラブ入会、グッズ販売等)で利用できる共通ID「JAPAN RUGBY ID」(登録無料)の会員を増やすこと。そして、会員データを分析、可視化し、主催興行のマーケティングに活用する。さらに各クラブが取得したデータをマーケティングに活用できるようなMA/BIツールの提供、導入推進に従事しています。

塩谷氏 私は、システムの開発から運用保守のフェーズまで一気通貫で担当しています。最初の設計や要件整理、実装に向けての確認や構築もそうですし、運用までを担当するので、チケット販売やファンクラブ運営などで動く裏側の部分を担っています。

山内 なるほど、ではSynergy!へのシステム切り替えの部分では、塩谷様が設計などをご担当されたのですか?

塩谷氏 そうですね。JRMのMAをSynergy!に切り替えると決まったときに、竹内さんたちに早々にSynergy!の設定を全部終わらせたいと希望を出したのですが、スピーディーに進めてもらえて一安心です。

竹内 我々としても、構築する前段階で塩谷さんが詳細までしっかり詰めてくださったので、スムーズに設計が進んで助かりました。

塩谷氏 システムを作るのはシナジーマーケティングさんだとしても、例えばチケット部分にはチケット専門のシステム会社さんがいたりと複数のものを組み合わせますし、システムグループとはいえ我々が構築するわけではないですもんね。
良いものを作るために必要な情報を提供するのは、大切な要素だと思っていますので、お役に立てたのなら良かったです。

竹内 そのお考えはとても素敵ですね、うまく連携ができて非常に良かったです。ありがとうございます。

良いものを作るために必要な情報を提供するのは、大切な要素だと思っています、と仰る塩谷氏

「運用負荷」と「操作性」を解決するツール選定

山内 Synergy!をご導入いただいた背景について、詳しくお伺いできますか?

塩谷氏 システムの面からは、やはり運用負荷とコストが課題にあがっていました。運用負荷としては、システムが2つあることでデータの入り方やメール配信の仕組みも異なりますし、システム的に何か生じたときに両方の想定されるケースを把握していなければ解決することができません。もとは同じデータを利用しているはずなのに、投げ先が異なることで運用負荷が高まっていました。
また、コスト面では維持費用としてのコストもそうですが、それぞれのツールを知るための学習コストとしても負荷が高くなっており、操作性の良いツールへリプレイスを考えていました。

金木氏 マーケティングの面からは、もともと他のツールを利用していましたが、セグメント配信やID登録者へのアンケートをユーザーに紐付けて可視化することに手数がかかり、同一システム内で完結できませんでした。
例えば過去のチケットの購買履歴からセグメント配信をしたいとなったとき、データの持ち方により制約がかかってしまうことが悩みでした。

山内 なるほど、お客様の行動をデータとして格納することができる「履歴DB」ですね。氏名や住所などの基本的な情報以外のものを格納できる機能ですが、この履歴DBの存在が決め手の1つになったのですね。

金木氏 そうですね、お客様のチケット購買履歴をよりいかしたマーケティングの重要性を感じていました。例えばセントラル側でやっていたマーケティングの好事例をクラブ側にも共有したり、逆にクラブ側から「こんなことをやって成果が出た」という施策をセントラル側にも取り入れたりして、双方向で相乗効果を高めていきたいという思いがありました。

山内 ありがとうございます。確かに学習コストが高くなってしまうとそれだけでリソースが圧迫されますし、本来マーケティングは施策を検討するところに時間をかけたいですよね。

お客様のチケット購買履歴をよりいかしたマーケティングの重要性を感じていましたと語られる金木氏

シナジーマーケティングに依頼した決め手

竹内 従来のツールを併用するという選択肢もあったと思うのですが、ツールの1本化を決断された理由はどこにありましたか?

塩谷氏 確かにメールマーケティングツールの統合という観点だともう一方に寄せる、というのも手法としてはありますが、Synergy!に切り替えるほうがシステムグループとしての負荷が下がり、かつ今後の開発拡張性も上がると判断しました。いくつか理由はあるのですが、まずは「BigQueryからのデータ連携方式のシンプルさ」と「エラー発生確率と発生時のリカバリ対応の少なさ」です。

竹内 なるほど。

塩谷氏 もともとの連携方式が悪い訳ではないですが、エラーが多発した時期もあり、かつBigQueryからの連携が差分連携であったために、例えば項目を追加した場合の既存データへの流し込みが1回でできないことやエラー発生時のリカバリが煩雑になっていました。
Synergy!の場合、SFTPでのファイル連携かつ全件連携が可能なので、一度開発をして運用が開始すればDMPからSynergy!へのファイルの連携部分については何かが発生する、ということはほぼないこと、またSynergy!への取り込みでの問題や障害はシナジーマーケティングさん側で対応してもらえるという役割の切り分けが明確なことがポイントが高いと感じています。

竹内 そうですね、とくに複数のシステムを連携させたり組み合わせたりするときはトラブル時の原因特定が複雑になります。今回、運用の仕方などもサポートに入っていましたので「何をしてエラーになったか」がすぐ特定できます。ここは、私たちの特徴でもあり強みのポイントです。

塩谷氏 また、運用しているときの設定変更や、何かを選択するときに参照する負荷がとても楽です。自動処理エラーが起こっても、管理画面に入ってエラー内容を確認し結果ファイルを落とせば、「こんなエラーが起こっています」「該当箇所はここです」がすぐ特定でき、調査の手間がかからないというのは大きいですね。

長島 先ほどお話にあがった、データベース構成のところも材料になりましたか?

塩谷氏 そうですね、顧客データベースだけではなく情報を履歴的にためることができる履歴データベースがあり、かつ複数用意ができることは非常にメリットが大きいと思っています。

金木氏 JRMやチームのメールマーケティングの仕方として「〇〇の試合を見に来てくれたユーザー向け」や「△△のグッズを購入してくれたユーザー向け」といったメール配信があり、それが1年前の試合(前シーズンの開幕戦)に来てくれた人など期間が空いたターゲット向けの施策もあり得ます。そのため、ユーザーの動向に関するデータは履歴的に一定の期間、保持して利用できる状態にしたいというニーズがあります。Synergy!だとこうしたデータが保持でき、かつチケット購入、グッズ購入といった種別ごとに分割して保持できるため、管理運用が簡単という点が非常に優位性が高いと考えています。

長島 なるほど、そうですよね。属性のデータと、チケット購入データなど紐付けて分析する方が、顧客理解の深さがより深まります。その点をお手伝いできたことは、我々も良かったと思っていました。

塩谷氏 もう1点、開発、運用両面でのサポートの手厚さとコストメリットでしょうか。
BigQueryとの連携開発時、運用保守におけるシステム面での諸々の確認や対応などでシナジーマーケティングのシステム部門の方が前面に立ってやり取りをしてくれるため、非常に業務を推進しやすいと思っています。
業務運用面でもカスタマーサクセス的な観点で迅速に対応をしてくれていると思っています。JRMに対して伴走をしながらSynergy!の活用や浸透をしていこう、JRMやチームが使いやすいようにしていこうというふうに考えて、実際に動いてくれていると感じています。

長島 うれしいお言葉です、ありがとうございます!

塩谷氏 結局のところシステムは道具の1つで、提供されるサービス自体が自社の業務にマッチするかということも大切ですが、関わっていただける方がどれだけ一緒に仕事をしやすいか、伴走してもらえるかが重要だと思っています。「こんなことをやりたい」と伝えると、「Synergy!だとこう実現できそうです」「でもこういう要件もあるんですよね」など、向き合って答えてくれることが非常にありがたいですね。

山内 ありがとうございます。デジタルマーケティング領域の幅広いサポートおよび伴走体制は、当社の強みであり特徴でもあります、これからもご期待ください。

デジタルマーケティング領域の幅広いサポートおよび伴走体制は、当社の強みであり特徴でもあります、と語る山内

クラブでの活用を視野に入れた構築とこれから

山内 どのようにシステム構築を進めていき、また、これから取り組んでみたいことなどはありますか?

塩谷氏 JRMにて取りまとめた業務要件をもとにSynergy!で実現するためのシステム要件定義をシナジーマーケティングのシステム担当の方と進めました。
メールマーケティング施策を実施するにあたって施策時のフィルタリングを考慮してどういったデータの持ち方をするのが良いかや、どういったデータベース構成にするかなど施策の想定もしながら設計を一緒に進めていっていただけたのは非常に助かりました。

長島 要件定義の段階で塩谷さんのオーダーに対して、今ある状況整理から始まり細部まで、「こういうときだったらどうするんだろう」や「こういう場合だったらこういうことが起きるんじゃないか」といった議論を重ねていたのが印象的でした。

竹内 綿密に打ち合わせを重ねていくなかで、皆さんすごくわかりやすく資料にまとめてくださって、我々としても構築がやりやすかったですね。こうして皆さんの業務の流れを知ることは、構築のうえで非常に大切な要素です。

塩谷氏 Synergy!の導入時に、履歴データベースでイベントの申し込みや抽選の履歴、実際の参加・不参加などの一連の管理をするための運用設計を行ったのですが、そこでも大変お世話になりました。

山内 そうですね、「システム構築は自分たちでできるので、サポートは不要です」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、いざ蓋を開けてみると、やりたいことと設計が噛み合っておらず、データベースを再設計しなければならない、といったケースもあります。密に議論しながら構築全体のご支援をさせていただいたことが、今回の成果につながったのではないかと考えています。

金木氏 これからの観点では、今の「点」となっている各施策を1つのジャーニーに沿って進めていきたいなと思っています。

長島 ありがとうございます。これまでは、なかなかできない部分だったと思いますが、これから施策をより展開していけるように、我々もご支援したいなと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。

塩谷氏 ラグビーは試合が少ないんです。かつ、リーグ戦が12月から5月の期間に開催されます。リーグ戦の他に代表戦があり、8月ぐらいから12月にかけて開催されていますが、リーグの試合は観戦しても代表戦は来ないという方もいらっしゃいます。

長島 そうなると、リーグ戦や代表戦の空白の期間も含め、お客様と接点を持ち続けたいですよね。ラグビーへの熱を高めて欲しい。

金木氏 そうです。これが例えば他のクラブ同士でデータを見ることができる世界観になれば、「◯◯と、△△のクラブが合同でイベントを催そう、それを両方に向けて一気に告知しよう」といったことも実現しますし、面白い世界になるんじゃないかと思います。

クラブでの活用を視野に入れた構築とこれからについて対話する長島と竹内

クラブとともに現場からラグビー界を発展させていくビジョン

山内 これからのビジョンが広がっていきますね!

金木氏 はい、多くのプロスポーツチームで実績のあるシナジーマーケティング社と新しい取り組みができることを楽しみにしています。リーグワンでもSynergy!導入クラブが増えてきて、ラグビー界としてデータ活用、デジタル・メールマーケティング、CRMという文脈が広がってきています。

長島 クラブの皆さんからもさまざまなご意見をいただいております。まさに単発のメールからプラスのことをやりたいというご希望をクラブの方からお伺いすることがありました。一部のクラブでは運用の支援にも入らせていただいているので、クラブさんもセントラルさんも、両面で支援ができたらと思っています。

金木氏 今まで、各クラブのマーケティング現場において、メールマーケティングをはじめとするマーケティング施策の成果を数字として把握し、PDCAを回す文化はありませんでした。Synergy!を通して成果が可視化されたことで、自分たちの取り組みに自信を持つことができるようになりました。そこからさらに成功体験を他のクラブに共有する動きが生まれ始めたことは、大きな変化です。

長島 中長期的な視点や計画が大切ですし、クラブと一体になって進めることでより全体が活性化しますね。

金木氏 「だれに何をどうアプローチしていけばいいかわからない」状態からJRMが設立され、塩谷が関与してくれるBigQueryがあり、さらにSynergy!という武器を手にしました。少しずつではありますが、どうすべきかわかってきた人たちが増えて、浸透してきています。

長島 それはうれしいですね。

金木氏 この流れをより伝播していきたいです。積み重ねていくことでマーケティングやデータ、デジタルとラグビーとの親和性が生まれ、活用の意義を見いだすことが可能となり、随分と変わるのではと期待しています。

山内 システムの面からはいかがでしょうか?

塩谷氏 システムの観点からですと、データを使って何かをするときには、トライアンドエラーの連続だと思っています。システムには銀の弾丸はないとよく言われるんですが、一発ですべてが解決する状態は完成しないので、PDCAを回していかなければなりません。けれど、現実にはリソースが潤沢な企業は少ないと思います。
そんなとき、竹内さんのように一緒に伴走してくれるような体制や意識がある会社と一緒にやっていくのが成功させるために一番大切なことだと思います。これは長いキャリアのなかで苦労したことの集大成ですね。

金木氏 これを契機にまずはラグビー界でさまざまな実績、好事例を作り共有できる環境を作りたいと思っています。ぜひ、これからもお力添えをよろしくお願い申し上げます。

山内 はい、これからも我々の知見をいかしてラグビーファンを増やせるよう、貴社のファンマーケティングを包括的にご支援してまいります。本日は、ありがとうございました。

クラブとともに現場からラグビー界を発展させていくビジョン イメージ写真

※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なることがありますが、ご了承ください。

ジャパンラグビーマーケティング株式会社
チケッティング・ファンクラブ・CRMグループ、経営企画グループ
リーダー
金木 寛之 氏

ジャパンラグビーマーケティング株式会社
システムグループ エグゼクティブリーダー
塩谷 篤史 氏

ジャパンラグビーマーケティング株式会社

【ジャパンラグビーマーケティング(株)事業内容】
ジャパンラグビーマーケティング(株)(以下、JRM)は(公財)日本ラグビーフットボール協会(以下、JRFU)、(一社)ジャパンラグビーリーグワン(以下、JRLO)とソニーグループ(株)の3社で立ち上げられ、その後(株)NTTドコモも参画。
ラグビーの認知度やファンエンゲージメントを高めてファンの拡大および収益拡大をしていくためのチケット販売やグッズ販売、デジタルコンテンツ配信事業、プロモーションなどを実施。これらによって収集されたデータを活用しながら事業を推進する会社。

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