SDGsから進む小売業界のデジタル化、
仕組みづくりから始まるコミュニケーションの進化とは?
当時抱えていたお悩みや導入前の課題を教えてください
柴田氏 弊社はお得意様、友の会会員向けの催事、フェアのご案内をするために1か月に2、3回ほどですが、紙のDMを送付しています。
SDGsの考え方が広まる中、弊社もどのように貢献できるかを考えた際、紙からデジタルに変えることによって、資源を無駄遣いしないという取り組みを進めることになりました。
新田 そうだったんですね、それは全社的な取り組みですか?
永田氏 そうですね、SDGsの取り組み委員会を作って、安心堂として何ができるだろうということで協議を重ねています。
新田 柴田さんは情報システム部に所属されており、マーケティング部が別であって、それぞれの部門で関わりはあまり今までなかったということですが、今回のSDGsなどの背景もあって今後は連携してプロジェクトが進むんですか?
柴田氏 ここ数年デジタルトランスフォーメーションという考えが広まり、弊社と同じ業界や小売業界でも進んできているなと感じています。実際、私も日常の買い物において体験しています。
永田氏 弊社もずっと前から、デジタル化という点でとても進んでいる百貨店をお手本にさせていただいています。そんな中で、今までは情報システム部とマーケティング部は、基本的には別部隊としてやっていたのですが、デジタル化を推すにあたっては、情報システム部が詳しいのでお互いに連携をして進めていこうとしているところです。
柴田氏 小売業といえども弊社の取り扱う商品の特性を鑑みると、マーケティングの必要性も感じています。とはいえ、今までなかなかシステム室とマーケティング部門が連携して1つのことをするということをやっていなかったので、今後はしっかり共通認識を持って進めていかないといけないと思っています。
BtoBと違い、小売業では接客の際に名刺交換をしないため、お客様の連絡先を自然に得る慣習はありませんので、その仕組みから作っていこうと考えています。
新田 取り組みの方向や、ゴールなどをすり合わせる時間は大切ですよね。
シナジーマーケティングに依頼した決め手はどんなところでしたか?
柴田氏 お客様のメールアドレスを集めることから始めなければならなかったため、高機能なMAツールは現段階では必要がないと判断しました。
Synergy!LEADはフォーム作成の機能単体からでも始めることができ、コンパクトであったことやSalesforceを導入しているため、スムーズに連携するためにはAppExchangeのアプリであることが適しているという判断で、Synergy!LEADにしました。
新田 ご相談いただいた当初は、Salesforceと連携する別のツールの導入に傾いていたとお聞きしました。
柴田氏 もう2つ検討していたツールは高機能で魅力的だったのですが、メールマーケティング一式がセットになっていました。まだ、どういうメールマーケティングをしたいのかというところが明確じゃなかったので、高度な配信機能を備えたソフトやアプリを契約するには、リスクがありました。
お客様のメールアドレスを収集することは必須ですから、まずはフォーム機能だけで契約できるSynergy!LEADを選択しました。
新田 そうですね、Synergy!LEADはまず必要な機能がフォームだけならそこだけでご契約いただけますし、今後準備が整ったらメール配信やトラッキング機能を追加するなど段階を踏んでいただくことができます。
柴田氏 例えばウェブトラッキングの機能を入れたとして、結果を営業が事前に見て「この人はこういう商品に最近興味があるんだな」というのがわかれば、本当に接客しやすいと思います。
10分くらいでフォームが完成してしまった、とお聞きしました
山内 Synergy!LEADにはノーコードで、コーディングをせずにフォームを作っていただける機能があるのですが、どのような点が使いやすいと思っていただけたんですか。
黒澤氏 メールアドレスの登録用フォームは、正直そこまで凝らなくていいと考えています。細かい部分までこだわって作り込もうとすると、作成するにあたって複雑になるでしょうが、今回の用途では個性的な要素は求められていないと思います。そういう意味では、こういった登録用フォームやアンケートに関しては、シンプルなもので良いと思います。フォームの作成自体はすごくシンプルで直観的にできるものになっていましたので、作成しやすいと思っています。
山内 普段情報システム部にいらっしゃるので、近いような業務を普段からされていて、知識がおありだったからっていうのもありますか?
黒澤氏 そうですね、基本的にSalesforce関連は私の方でカスタマイズすることが多いです。例えば、活動記録の入力画面も少し営業用に変更したこともありますので、そのあたりが把握できていれば、よりSynergy!LEADのフォーム作成もスムーズにできると思います。
山内 フォームを作るのに、最初に触っていただいてからどのくらい時間がかかりましたか?
黒澤氏 たたき台自体は、本当に最低限必要な入力箇所だけしか入れていないので、お客様に対しての説明文を加えると少し時間はかかりますが、大体10分くらいで作ることができます。
山内 10分ですか!?
黒澤氏 はい、どんな項目を設置したいかという情報の要素があらかじめ頭の中にあるのであれば、フォームを作ること自体は10分でできますね。
山内 ありがとうございます、まさに、直感的に動かしていただいたんですね。
今、どのようにツールをご活用いただいていますか
永田氏 QRコードからフォームにアクセスしてもらい、アドレスを入力していただくことで紙からオンライン上でのコミュニケーションへと切り替えを進めています。
黒澤氏 Salesforceへのアクセスは店舗スタッフもできて、接客履歴を活動記録として残しているので、紐付けができればよりわかりやすくなりますね。
まずはメールアドレスの登録からになるので、外資系のMAツールみたいなフルパッケージが全部必要というわけではありません。必要な部分から使えるのが使いやすいです。
柴田氏 どうしてメールアドレスを集めるのか、集めるとお客様と当社にどんなメリットがあるのかを、社員全員に理解してもらうことが必要だと思うので、徐々に周知を進めています。
今後の展望などをお聞かせください
柴田氏 メルマガを配信すること、Salesforceを介してWebトラッキングの結果を営業に提供してよりきめ細やかな対応をできるように活用していきたいと思います。
新田 Webトラッキングもそうですし、メールの開封やクリック、見られていないメールがあったらそれをトークで話してみるとか、そういうこともできそうです。
永田氏 それは本当にその通りで、郵送でDMを送っても、見てくれているかどうかはわからないです。そのままゴミ箱に行っているかもしれません。そういう点では、今までわからなかった情報が、メールを送ることで、少なくとも開封しているかどうかがわかるというのは、大きな収穫だと思います。また営業面では、主要な催事の場合には、DMを送った後に、電話で改めてアクションを起こしたりしますので、そういう時に今後は「メールを見ていただけましたか?」と、事前に状況をわかった状態でお話ができるという可能性は十分あると思います。より催事への誘客だとか、来場していただいた時にどういったものをおすすめできるかというのはわかりやすくなるのかなとは思います。
柴田氏 ちなみに、Synergy!LEADの機能がバージョンアップしていくということは今後あるのですか?
新田 もちろん、来年にかけてアップデートを予定しています。
柴田氏 登録系のフォームを作成したい場合に、今や必須となっているダブルオプトイン機能を実装していただきたいです。さらに、いろいろ機能を加えると料金が上がってしまうかもしれませんが、必要な機能を付加できるカフェテリア方式のようなシステムや料金体系になると会社のメールマーケティング力の成長とともに費用をかけることが可能になります。ぜひ、そんなツールの提供方法を期待します。
山内 ありがとうございます。弊社はクラウドサービスではあるのですが、実際にご利用いただいているお客様の声をプロダクトに反映させて、どんどんバージョンアップさせています。ぜひ今後使っていく中で、「こういうのがやってみたい」「こういうのができたら使いやすいよね」といったご意見があれば、ぜひいただきたいと思っています。
※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なることがありますが、ご了承ください。