UGCとは

UGCとはUser Generated Contentの略で、顧客やユーザーが生成したコンテンツを意味する。日本語では「ユーザー生成コンテンツ」と訳されることが多い。かんたんにいえば、Webメディア(例えば、Q&Aサイト・レシピサイト・グルメサイトなど)に投稿されたレビューやコメント、SNS投稿そのものが、UGCである。

UGCがマーケティングにおいて重要な理由

UGCがマーケティングにおいて重要な理由は、以下2点である。

  1. 広告への嫌悪感
  2. 顧客ロイヤルティーの醸成

1. 広告への嫌悪感

日々、検索画面やWebサイトを見ているときに表示される広告を嫌うユーザーは多く、情報の受け取り手であるユーザーが求めるものと企業が訴求したいものとのマッチングが上手くいっていないことがある。

そのため、ユーザーは「メリットではなくデメリットを知りたい」「本当のことを知りたい」と企業からプッシュされた広告を信用しなくなっている背景がある。

一方で、実際にサービスや商品を利用したユーザーの声は「信頼できる」と考える傾向にある。通信販売で商品を購入する場合の口コミや、飲食店を選ぶときにレビューを参考にしたりするケースが増えている。

商品やサービスの情報を消費者視点で伝えられるUGCは、広告への嫌悪感を抱えるユーザーにとって、受け入れられやすいコンテンツになっている。

2. 顧客ロイヤルティーの醸成

UGCは顧客・ユーザーの視点でサービスや商品について言及されるため、消費者にとってはより身近でわかりやすい説明として受け取られることが多く、信頼や共感を得やすいものとなる。

また、企業側から見ると顧客の生の声に触れるため、ユーザーとの接点を増やし、信頼を醸成する有効な手段といえる。

UGC活用

UGC活用に欠かせないフレームワークULSSAS(ウルサス)と、UGC活用の具体例について解説する。

ULSSAS(ウルサス)とは

UGCを起点として消費者が行動を起こすプロセスのフレームワークを「ULSSAS(ウルサス)」と呼ぶ。とくに、ECサイト運営者やマーケティング担当者にとって、UGCを適切に活用することが集客とコンバージョン増加につながる重要な要素となる。

UGC(User Generated Content/ユーザー生成コンテンツ)
SNSやレビューサイトでコンテンツ(口コミ・レビュー・写真・動画など)投稿が行われる。

Like(いいね・共感)
UGCを見たユーザーが「いいね!」を押したり、共感したりする。商品に対するポジティブな印象が形成され、購入意欲が高まる。

Search1(SNS検索)
投稿を見て興味を持ったユーザーがSNSで検索する。ハッシュタグ(#)から他の人の投稿を見る、公式アカウントを探すなど。

Search2(Google検索)
さらに情報を得るために、検索エンジンに商品名を入力して指名検索。ここで自社サイトが検索結果の上位に表示されることが重要。

Action(購買)
ここまでの情報収集を経て、ユーザーが最終的に購入を決定する。ECサイトや店舗でのスムーズな購入導線が求められる。

Spread(拡散)
購入後、満足したユーザーがSNSやレビューサイトで投稿し、新たなUGCが生まれる。次のULSSASの起点となる。

UGC活用の具体例

  • 商品レビューの掲載:実際のユーザーの意見を集め、サイト内に掲載することで、ユーザーの購買を促し、コンバージョン率を上昇させる効果が期待できる。
  • SNS投稿の埋め込み:InstagramやX(旧Twitter)といったSNSの投稿をサイトに表示することで「話題性のあるコンテンツ」としてアピールできる。
  • Q&A・コメント機能の活用:オンライン上でお客様の自由なコメントや質問を受けつけることで、コンテンツの拡充とユーザー参加を促進する。
  • スキーママークアップの活用:レビューや評価のスキーマを設定し、Google検索結果にリッチスニペット(★評価や口コミ)を表示させる。

UGCをマーケティングに活用する際の注意点

UGCをマーケティングに活用する際の注意点は4つ。

  1. ネガティブな情報が発信されることがある
  2. ステマ規制、法令に注意する
  3. 薬機法違反に注意する
  4. 著作権侵害に注意する

1. ネガティブな情報が発信されることがある

UGCをマーケティングに活用することはメリットばかりではなく、顧客やユーザーが感じたリアルな内容が発信されることがある。ネガティブな要素に対して真摯な対応をすることが重要で、その場しのぎの応対にならないよう、事前に社内で連携しておくなど仕組みを整えておくと良い。

2. ステマ規制、法令に注意する

ステルスマーケティングは2023年10月より景品表示法違反と定められている。広告であることを隠した宣伝や口コミ発信にならないように、注意が必要である。

3. 薬機法違反に注意する

薬機法とは、医薬品や医薬部外品、化粧品、医療機器などについて、広告などに関するルールを細かく定めた法律である。薬機法は、企業が作成したコンテンツのみだけでなく、UGCも対象となる。実際の体験をもとにしたレビューであっても、表現によっては薬機法違反になってしまう可能性があるので、注意が必要である。

4. 著作権侵害に注意する

UGCの著作権は、原則として作成したユーザーにある。

たとえ自社製品や自社サイトに投稿されたUGCであっても、企業が無断で利用することはできない。無断利用は著作権侵害となるので、注意が必要である。

UGCを利用したい場合は許可を取る必要がある。

UGCとCGMの違い

UGCとCGM

CGMとはConsumer Generated Mediaの略で、顧客やユーザーの投稿によって成り立っているメディアのことである。

つまり、ユーザーが作ったUGCが集まったメディアがCGMである。