メールマガジン(メルマガ)とは

メールマガジン(メルマガ)とは、発信者が定期的に発行するメールのことで、メールを使ったマーケティング手法の一つです。

ユーザー側から見ると、興味・関心のあるWebサイト等で自分のメールアドレスを登録すると、次回から自動的にメールが送られることになります。

企業にとってのメールマガジン(メルマガ)の意義は、メールマガジン登録者に対して継続的に製品サービスの紹介や企業メッセージを発信するコミュニケーションの機会を作ることです。

本記事では、「メルマガの歴史」、「メルマガの目的と得られるメリット」「メルマガの種類と配信方法」、最後に「メルマガを改善した事例」をご説明いたします。ご興味のあるセクションをご覧いただき、現代のマーケティング活動におけるメルマガへの理解を深めていただければ幸いです。

メールマガジン(メルマガ)の歴史

メールマガジンは1970年代に誕生したといわれています。
具体的には、1971年にアメリカのプログラマー、レイモンド・サミュエル・トムリンソン(Raymond Samuel Tomlinson)が、@記号を用いた電子メールを発明したことに端を発し、アメリカの防総省の高等研究計画局が創設した広域コンピュータネットワーク上でメール通信が始まったのが起源といわれています。

1980年代には、配信のための仕組みが整っていきました。
具体的には、1980年代半ばには、アメリカの大学の学術ネットワーク上でメーリングリスト(電子メール配信リスト)が登場しましたが、その管理は手作業で非効率でした。
1986年には、メール配信管理ソフトが開発され、メーリングリスト管理が自動化され大規模なメールマガジン配信が可能になりました。

1990年代には、メールマガジンの手法が発達しました。
1990年代当初のメールマガジンは、テキスト主体のシンプルな内容でしたが、後半にはHTMLメールの登場で画像やリンクを含むリッチなデザインが可能となりました。

2000年代には読者の興味関心に応じた手法の進化が進展しました。2000年代中頃からは配信システムで利用者属性に応じたパーソナライズ配信も実現し、購読者ごとに内容を最適化できるようになりました。

こうした技術革新により、メールマガジンの表現力と効果は飛躍的に高まり、今なお世界中で重要な情報発信手段として存在しています。

出典:Wikipedia「レイ・トムリンソン」

メルマガを配信する主な目的

メルマガを配信する主な目的

メルマガを配信する主な目的として、以下の3つのものがあげられます。

  • 伝達するためのメルマガ
  • 送客するためのメルマガ
  • 購買を促すためのメルマガ

伝達するためのメルマガ

顧客に情報を届けるためのメルマガです。例えば、製品・サービスに関するQ&Aや、ブランドのストーリー・速報などです。このタイプのメルマガは、顧客満足度の向上や、自社の製品・サービスに対する顧客の関心を維持する役割があります。製品・サービスをプッシュするだけではなく、顧客にとって有益な情報を届けることで、顧客の信頼やロイヤルティーも醸成できます。

送客するためのメルマガ

自社のWebサイトやLP(ランディングページ)に、顧客を誘導するためのメルマガです。自社の商品・サービスへの関心がある顧客に送信すると、自然な形で顧客を自社サイトに誘導しやすくなります。また、既存顧客に対して送客目的のメルマガを送信すると、親近感を醸成してリピーター化しやすくなります。

購買を促すためのメルマガ

自社サイトに誘導した顧客や、フォームから製品・サービスに関する問い合わせを行った顧客に、購買を促すためのメルマガです。キャンペーン・セールや新製品の情報など、顧客に購買を直接プッシュする内容を送信します。ただし、接点が薄い顧客に購買を促しても効果が薄いため、すでに問い合わせや資料請求を行っている顧客に送信することが重要です。

メルマガ配信で得られるメリット

メルマガ配信で得られるメリット

メルマガを送信することで、以下の4つのメリットが得られます。

  • 送信コストを低く抑えられる
  • タイムリーな情報を提供できる
  • 特定の顧客層にアプローチできる
  • 効果測定を行って改善しやすい

送信コストを低く抑えられる

メルマガの送信コストは、基本的には通信費のみです。顧客との関係構築の手段として、DM(ダイレクトメール)もよく使われますが、こちらは紙面代・プリント代・郵送代などのコストがかかります。メルマガはeメールで送信するため、物理的なコストがゼロです。コンテンツ作成のコストは必要ですが、大量の顧客に送信すれば相殺できるため、コストパフォーマンスが高い施策です。

タイムリーな情報を提供できる

メルマガは電子媒体で送信できるため、重要な情報を瞬間的に顧客へ送り届けることができます。紙媒体のDMは印刷や郵送に時間がかかるため、タイムリーな情報を顧客に届けることが困難です。メルマガはコンテンツの制作後すぐに提供できるので、キャンペーンやセールなどのお得情報をリアルタイムに通知できます。

特定の顧客層にアプローチできる

ターゲット層に適したアプローチが行いやすいことも、メルマガのメリットです。顧客層によって、必要とする情報は異なります。メルマガは、事前に年齢・性別・興味関心などの要素から、特定のターゲット層を対象にコンテンツを制作します。そのため、メルマガは個々のニーズに合う情報を提供し、高い効果が得やすいです。

効果測定を行って改善しやすい

成果を分析する「効果測定」も、メルマガでは手軽に行えます。例えば、メールの開封率・URLリンクのクリック率・Webサイトへの流入率などを検証すると、「どんな情報がターゲットに刺さるか」がわかります。数値が悪い部分を改善することで、メルマガの効果が向上します。

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より詳細なメリットについては以下記事をご確認ください。
【関連記事】メルマガのメリット・効果とは?運用のための基礎知識や注意点も解説

メルマガは「古い」のか?~いや、今は一周回ってメルマガが熱い~

「メルマガは古い」「SNSの方が効果的」といわれることがありますが、本当にそうでしょうか? 実は、多くの企業がメルマガを活用し、売上向上や顧客との関係強化に成功しています。その理由は、メールが世界中の誰もが使うインフラであり、確実に情報を届けられるツールだからです。

特に近年では、顧客関係管理ツール(CRM)との連携が進み、ターゲットごとに最適な情報を配信する精度が向上しています。例えば、ABテストを活用し、開封率やクリック率を高める施策も増えています。また、未開封者への再送やリマインドを取り入れることで、情報を届ける確率をさらに上げることが可能です。

弊社としては、近年のメルマガ精度向上を踏まえると、「顧客とつながる戦略的ツール」として、メルマガの価値は今なお大きいと考えています。
なお、弊社クラウド事業部部長 金沢信介が、PIVOTにて、LTVの向上におけるメルマガの重要性についてご説明しています。ご興味がありましたらぜひご覧ください。

【超実践CRMメソッド】一周回ってメルマガが熱い/絵文字で開封率は激増する/一通入魂の罠/メールは8割見られていない/CRMで失敗しがちな3つのポイント/顧客に選ばれる理由を仕組みとして続ける

メルマガの種類・形式は2つ

メルマガには、以下の2つの種類・形式があります。それぞれ性質が異なるので、用途に応じて使い分けることが重要です。

テキストメールとHTMLメールの違い

HTML形式のメルマガ

「HTML(Hyper Text Markup Language)」で作成された形式です。普段から目にするWebサイトと同じように、文字装飾や画像挿入が自由にできます。読者の「視覚」に訴求できるため、後述するテキスト形式より強い印象を与えられることが魅力です。

ハイパーリンクを使用すれば、URLを隠してリンクを貼ることができます。ただし、送信先の環境によっては正しく表示されないので、テキスト形式と組み合わせることが重要です。HTMLメールの基本的な作り方については、以下の記事をご参照ください。

HTMLメールの作り方<ベース編>

テキスト形式のメルマガ

通常のテキストのみで構成された形式です。基本的にはどんな環境でも受信できますが、文字装飾や画像挿入ができないことが難点です。また、効果測定を行うためにURLに付加するパラメーターも、ハイパーリンクが使えないため隠すことができません。しかし、HTMLメールが受信できない顧客に対応するためにも、テキスト形式も併用することは必要です。

メルマガの配信方法

メルマガの配信方法

メルマガの配信方法として、以下の4つがあげられます。

  • ExcelとOutlookを組み合わせる
  • メーラーの「BCC配信機能」を使う
  • メール配信システムを使う
  • CRMツールやMAツールを使う

ExcelとOutlookを組み合わせる

Microsoft社の「Excel」と「Outlook」を組み合わせることで、メルマガを無料で配信できます。送信先のメールアドレスの一覧を「CSVファイル」で作成し、Outlookの宛先として指定すると一斉送信できるので、大量の顧客に対しても手軽に利用できます。

メーラーの「BCC配信機能」を使う

メーラーの「BCC配信機能」を使うと、顧客のメールアドレスのリストを指定して一斉送信できます。BCC機能では、受信者同士で互いのメールアドレスを確認できないため、プライバシー保護の観点からも有用です。ただし、誤って「TO」や「CC」もメールアドレスを記載してしまうなど、人為的ミスのリスクがあるため厳重な管理が必要です。

メール配信システムを使う

「メール配信システム」を活用すると、配信先のリスト作成からメルマガ配信・分析まで一気通貫で行えます。メール配信システムの大きなメリットは、HTMLメールが簡単に作成できるため、メルマガ運用の工数を大幅に削減できることです。
ただし、高機能なメール配信システムは利用料金が高くなるため、コストを抑えたい場合は注意が必要です。最適なメール配信システムの選び方については、以下の記事をご参照ください。

CRMツールやMAツールを使う

「CRM(顧客関係管理)ツール」は、顧客関係の管理をサポートしてくれるツールです。「MA(マーケティングオートメーション)ツール」は、マーケティング全体を自動化・効率化するためのツールです。

いずれも、特定の条件を満たした顧客にメルマガを一斉送信できる機能があり、これを使うとターゲット層に的確なメルマガを送信できます。ただし、前述したメール配信サービスよりコストが高くなります。

メール配信システムの機能比較をまとめました

4システムをピックアップして機能比較。最適なメール配信システムを選ぶときに役立つ資料です。

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メルマガの作成・配信時に意識すべきポイント

メルマガの作成・配信時に意識すべきポイント

メルマガの作成・配信を行うときは、以下の4つのポイントを意識しましょう。

  • コンテンツの品質を高める
  • 顧客目線を心掛ける
  • 顧客の行動を喚起する
  • 法令順守を必ず徹底する

コンテンツの品質を高める

メルマガ運用の効果を高めるためには、メルマガのコンテンツ品質向上が欠かせません。メルマガの目的は、商材・ブランドの周知や販売促進など多様ですが、その目的に合うコンテンツを作る必要があります。また、要点がわかりにくい・視覚的な訴求が弱いメルマガは、最後まで読まれない可能性が高いので、HTMLを活用して「見やすさ」を意識することも重要です。

顧客目線を心掛ける

メルマガは常に「顧客目線」を徹底して作成しましょう。メルマガには「顧客との信頼構築」の役割があるため、自社商材をプッシュしすぎるのは逆効果です。顧客の役に立つ情報や自社独自のコンテンツを提供し、ユーザーのロイヤルティーや親近感を醸成することが大切です。そのうえで、最新のキャンペーンやセール情報などを提供すると、ユーザーを購買へ誘導しやすくなります。

顧客の行動を喚起する

顧客の行動喚起に効果的なメール構成を意識することも重要です。例えば、唐突にURLリンクを提示されても、顧客はクリックしようとしません。自然な文脈で記載することで、クリック率が上がります。効果測定の結果が好ましくなければ、顧客にとって「お得」で「魅力的」な誘導ができているか検証しましょう。

法令順守を必ず徹底する

メルマガの作成・配信時は必ず「特定電子メール法」を順守しましょう。特定電子メール法は、迷惑メールを規制するための法律で、抵触を回避するために以下の3つのポイントを意識することが重要です。

  • 同意を得た相手のみに送信する
  • メルマガ運営者の情報を開示する
  • 受信者が配信停止できるようにする

参考:迷惑メール防止センター

メルマガ作成・配信のステップ

メルマガ作成・配信のステップ

メルマガの作成・配信は、以下の5つのステップを基準に行いましょう。

  • メルマガのターゲット層を決める
  • メルマガの購読者を集める
  • メルマガを作成する
  • メルマガのテスト配信を行う
  • メルマガの本配信と効果測定を行う

メルマガのターゲット層を決める

まずは、どのような相手にメルマガを配信するか決めるために、「ペルソナ(詳細なターゲット像)」を策定します。顧客層によって「刺さる内容」が異なるため、年齢・性別・職業・興味関心などの観点から、ターゲット層の明確化が重要です。具体的なイメージがわかないという方は、以下にペルソナ策定の事例について紹介いたしますので、以下の記事をご参照ください。

メルマガの購読者を集める

法令順守のために、同意(オプトイン)を得た受信者のリストを用意します。例えば、自社サイトにメルマガ登録用のフォームを設置すれば、効率的にリストを作成できます。

メルマガを作成する

実際にメルマガを作成しましょう。事前に設定したターゲット層に合わせて、必要とされる情報を記載します。このとき、行動喚起の導線はもちろん、メルマガ解約(オプトアウト)の導線も必須です。

メルマガのテスト配信を行う

本配信の前に、自分もしくは社内の担当者あてにメルマガをテスト配信しましょう。誤字脱字や文字化けがないか、どのデバイスでも正しく表示されるかなどを確認して、必要に応じて修正します。

メルマガの本配信と効果測定を行う

あらかじめ作成した顧客リストあてにメルマガを送信します。それから開封率やクリック率などの効果測定を行い、目標達成に向けた改善を繰り返しましょう。PDCAサイクルを回し続ければ、少しずつ効果が出てきます。メルマガの成果を高めるためには、「ABテスト」を行うのがおすすめです。

メールマガジン(メルマガ)を改善した弊社のお客様の事例

1. タカノ株式会社

BtoB製造業であるタカノ株式会社は、少数精鋭の営業体制に課題を抱えていました。新規顧客の開拓が難しく、メールマーケティングのノウハウも不足していたのです。そこで「Synergy!」を導入し、ペルソナ設計やライティング講座を実施。結果、メール開封率は24%から35%へ向上し、月の問い合わせ数も20件から71件へと飛躍的に増加しました。効率的な営業活動の強化に、メールマーケティングが大きく貢献したのです。

タカノ株式会社 | CRM事例 | シナジーマーケティング株式会社

2. リンナイ株式会社

ガス機器メーカーのリンナイは、顧客レビューを活用したプロモーションに課題を感じていました。単なる商品紹介ではなく、ターゲットに合った情報を届ける必要があったのです。「Synergy!」と「iNSIGHTBOX」を活用し、メールとDMを組み合わせた施策を展開。その結果、ターゲットの12%がレシピ本を購入し、購入率は14.7%を記録。データを活かした精度の高いマーケティングが、大きな成果を生みました。

リンナイ株式会社 | CRM事例 | シナジーマーケティング株式会社

3. 一般財団法人アジア太平洋研究所

会員向けの情報発信を行うアジア太平洋研究所は、分散していた会員情報の管理に苦慮していました。統一的な発信が難しく、メールマガジンの効果も伸び悩んでいたのです。「Synergy!」導入により、会員情報を統合し、HTMLメールを活用した改善を実施。すると、メール開封率は40%、クリック率は21%に向上し、フォーラム参加者の9割がメール経由に。適切な情報管理と発信が、イベント集客に直結しました。

一般財団法人 アジア太平洋研究所 | CRM事例 | シナジーマーケティング株式会社

4. 阪急交通社

旅行代理店である阪急交通社は、大量の顧客データを十分に活用できていませんでした。リピート率向上のためには、顧客ごとに適切な情報を届ける必要があったのです。「Synergy!」を活用し、セグメント別に最適なメールを配信。さらにキャンペーン管理を効率化しました。その結果、メールの反応率が向上し、リピート顧客の増加にも成功。ターゲットに合った情報提供が、継続的な利用へとつながりました。

株式会社阪急交通社 | CRM事例 | シナジーマーケティング株式会社

メルマガで顧客にタイムリーな情報を提供できる

メルマガで顧客にタイムリーな情報を提供できる

メルマガを配信することで、タイムリーな情報を低コストで顧客に送り届けることができます。メルマガで成果を出すためには、適切なペルソナを定めることや、顧客目線でのコンテンツ作成を心掛けることが重要です。

CRMツールを使えば、顧客リストの管理とメール配信を同じ管理画面で行えるので、メルマガ配信業務の効率化・ミスの軽減はもちろん、顧客へのアプローチを最適化できます。

クラウドベースの国産CRMシステム「Synergy!」には、メルマガを効率的に配信するためのさまざまな機能が備わっています。「Synergy!」ついて詳しく知りたい方は、ぜひ下記の資料をご参照ください。

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