CSとは

マーケティングにおけるCSには、「カスタマー サティスファクション(Customer Satisfaction)」と「カスタマー サクセス(Customer Success)」という2種類の意味がある。「カスタマー サティスファクション」とは顧客満足度、カスタマー サクセスとは顧客の成功体験にコミットするチーム・組織・役割を指す。

どちらも顧客との関係を重要視する概念だが、目的やアプローチが異なる。

カスタマーサティスファクション(顧客満足度)

定義 顧客が製品やサービスに対してどれだけ満足しているかを測る指標
目的 顧客の期待に応え、満足度を高めること
アプローチ 購入後のアンケート、フィードバック収集など
評価基準 NPS®(ネット・プロモーター・スコア)、CSAT(顧客満足度スコア)などの指標を使う
時間軸 短期的(その時点での満足度を測る)
商品を購入した顧客にアンケートを取り、「満足したか?」を確認する

カスタマー サクセス(顧客の成功体験)

定義 顧客が自社の製品やサービスを活用し、期待する成果(成功)を達成できるように支援する活動
目的 顧客の成功を支援し、長期的な関係を築くこと
アプローチ プロアクティブなサポート、データ分析によるアクション、導入支援(オンボーディング)など
評価基準 LTV(Life Time Value、顧客生涯価値)、解約率(Churn Rate)、アップセル・クロスセルの率など
時間軸 長期的(継続的な関係を築く)
SaaS企業が顧客に対し、定期的に活用方法を提案し、顧客のビジネスの成功を支援する

カスタマーサティスファクション(顧客満足度)とは

カスタマーサティスファクション(Customer Satisfaction)とは、自社の商品・サービスに対して顧客がどの程度満足しているか、数値化した指標を指す。「CS」または日本語に訳し、「顧客満足度」などと呼ばれる。

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カスタマーサティスファクション(顧客満足度)の歴史

顧客満足度(CS)という概念が使われるようになる以前は、生産者が製品開発の主導権を握っていた。しかし、時代の変化とともに製品開発には、顧客である消費者の意向を考慮すべきと考えられるようになり、従来の生産性や効率主義から顧客満足度(CS)の重要性が問われるようになった。

顧客満足度(CS)は、1970年代の後半に、アメリカで消費者の苦情処理を調査していたジョン・グッドマンによって始まったといわれている。1990年代になって、F・F・ライクヘルドがロイヤルティーの概念を体系化したことによって顧客の満足度を算出し、CRMを行う際に必要な消費者の基盤構築をすることが可能になった。

顧客満足を追求することで過度なサービス競争が発生し、経営を圧迫する弊害も起きている。顧客満足度(CS)において重要なことは顧客満足を追求するだけではなく、顧客満足を売り上げにつなげていくプロセス構築となる。

カスタマーサティスファクション(顧客満足度)を向上させるメリット

1. 顧客のリピート率向上(ロイヤルティーの強化):顧客が製品やサービスに満足すると、再び購入したり契約を継続したりする可能性が高まる。

例)レストランのサービスに満足した顧客が、定期的に通うようになる

2. 新規顧客の獲得:満足した顧客が、自らの経験を友人や家族に共有し、ポジティブな口コミを広めることで、新規顧客獲得につながる。

例)SNSで「この商品が良かった!」と投稿することで、新しい顧客が増える

3. 企業のブランドイメージ向上:顧客満足度(CS)が高い企業は、信頼性や品質の高さをアピールしやすくなり、ブランド価値が向上する。

例)「カスタマー満足度No.1」の表記があると、新規顧客が安心して商品を選びやすくなる

4. クレーム・苦情の減少:顧客満足度(CS)が高いと、製品やサービスに対する不満やクレームが減少する。

例)事前に丁寧な説明を行うことで、誤解によるクレームを防ぐ

5. 価格競争からの脱却:顧客が価格だけでなく、サービスや品質の高さに価値を感じるようになると、競争相手との単純な価格競争を避けられる。

例)Apple製品は他社より高価格でも、顧客満足度(CS)の高さから多くの人が購入する

6. アップセル・クロスセルの機会増加:満足した顧客は、追加の商品や上位プランに興味を持ちやすくなる。

例)ノーマルプランの満足度が高いために上位プランにアップグレードする

7. 従業員のモチベーション向上:顧客満足度(CS)が高い企業では、顧客からの感謝や良いフィードバックが増えるため、従業員のやりがいやモチベーションも向上する。

例)「ありがとう」と言われることが増え、スタッフの仕事への満足度が高まる。

カスタマーサティスファクション(顧客満足度)を向上させるには

最初にやるべきことは顧客理解である。現在の商品やサービスでお客様が満足しているのか、いないのか。顧客の声を収集・分析し、具体的な改善につなげることが重要。

  • アンケートやNPS®(ネットプロモータースコア)を実施
  • SNSやレビューサイトの意見をチェック
  • 顧客からの苦情を前向きに活用し、改善策を打ち出す

顧客満足度(CS)向上の第一歩は、顧客理解から始めよう!
アンケートデータ分析編

顧客を知るためにアンケートを活用して意見をヒアリングすることはとても有効です。

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カスタマー サクセス(顧客の成功体験)とは

Customer Success(カスタマー サクセス)は、わかりやすくいえば顧客の成功体験にコミットするチーム・組織・役割のこと。CSやカサスと略して呼ばれることもある。

実際、IT企業や海外の分業が進んでいる社内では、マーケティング・インサイドセールス・セールス・カスタマーサクセス・カスタマーサポートと、水平分業のように役割を分担することが多く、社内に新たなチームとして新設されることが増えている。特にIT業界で注目されている最大の要因は、クラウドなどサブスクリプションサービスの台頭により、継続利用の促進と離反防止、つまりLTVでの顧客評価がビジネスの収益性に大きなインパクトを持つようになったことがあげられる。

カスタマー サクセス(CS)の業務について

カスタマー サクセス(CS)に求められているのは契約後のサービス定着である。そのために、「お客様に成果を出してもらうための道筋を示し、育成・支援する」ことが役割だ。

具体的には、サービス導入後の運用定着支援として以下のような取り組みが行われている。

  • 初回打ち合わせによる、導入目的の整理や基本的な知識の装填
  • 操作方法や使い方に関するレクチャー会の実施
  • マニュアルやサポートサイトなどお役立ち情報の提供
  • 個別の電話やメールによる定期的なフォロー

導入後数か月間で上記のようなプログラムを実施した後、運用定着後の支援へシフトする。運用定着後支援では顧客別の課題解決に対して、施策実施の運用支援等の提案が行われるケースが多い。

カスタマー サクセス(CS)とカスタマーサポートの違い

カスタマーサポートは「お客様からのお問い合わせ起点でお客様の疑問・クレームを解決する」ことが役割である。

一方、カスタマー サクセス(CS)は「お客様に成果を出してもらうための道筋を示し、育成・支援する」ことが役割だ。事業者起点でお客様を支援する。従来セールスやカスタマーサポートが受動的に担っていた役割を、能動的に効率的に提供するチームとして採用されることが多くなっている。

カスタマー サクセス(CS)とカスタマーサポートの違いの図