CACとは
CACとはCustomer Acquisition Costを略したもので、日本語では「顧客獲得単価」と訳される。1人の顧客(BtoBであれば1つの契約)を獲得するためにかかったコストを算出した数値を示すものである。広告費や人件費など、営業・マーケティングに費やしたすべての費用を計算に含める。
顧客を獲得するためには、さまざまな費用が動いており特にBtoBマーケティングでは長期間による営業プロセスが必要であったり、多くの部門の人が動いている場合があるため、CACの把握や最適化が重要である。
少ないコストで多くの顧客を獲得できていればCACは低くなり、逆に多くのコストをかけているのに顧客獲得数が少なければCACが高くなる。CACは低いほうが望ましい。
CAC改善策
CACを下げるための改善策は多岐にわたる。代表的な施策を6つ、解説する。
- デジタルツールなどによる業務効率化
- Webサイトの改善
- ターゲットの明確化
- 広告出稿の見直し
- SEO(Search Engine Optimization)の強化
- リファラルプログラムの活用
デジタルツールなどによる業務効率化
CRM(Customer Relationship Management)システムや自動化ツールの使用により、マーケティング活動の効率を上げ、CACを改善することが可能である。例えば、CRMシステムSynergy!に搭載されているステップメール機能は、マーケティングメッセージを適切なタイミングと形式で顧客に自動配信することを容易にする。
CRMシステム「Synergy!」
「Synergy!」は、ステップメールをはじめとするメールマーケティングに役立つ機能を備えたクラウドベースの国産CRMシステムである。また、デジタルマーケティングの専門家による、メールマーケティングの支援サービスも充実。
Webサイトの改善
使いやすく、情報がすぐに見つかるユーザーフレンドリーなWebサイトは、訪問者をリードに変換しやすくする。Webサイトのナビゲーションを改善したり、コンテンツの品質を向上させたりすることで、Webサイトからのコンバージョン率が高まり、CACを削減する。
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ターゲットの明確化
顧客分析によるターゲットの明確化が必要である。
性別、年齢、職業、企業の規模、経営エリア、業種など、さまざまな属性からアプローチすべきターゲットを正確に特定する。さらにそのターゲットが抱える課題を明確にすることで、より効率的かつダイレクトな施策を実施することができ、CACを削減する。
広告出稿の見直し
広告の効果測定と改善を繰り返すことで、広告費の対効果を最大限に高めることができる。具体的には、広告の設計やターゲティング、広告チャネルの使い分けなどを見直して、最も効果的な組み合わせを見つけ出すことが重要である。
SEO(Search Engine Optimization)の強化
キーワードリサーチを実施し、ユーザーが検索している情報を提供するためのコンテンツを作成することで、自社サイトの検索エンジン表示順位を上げることができる。これにより、CACを改善することが可能となる。
リファラルプログラムの活用
満足度の高い既存顧客から新規顧客を獲得することは、CAC改善に効果的な手段となる。紹介制度などを導入し、口コミによる自然な拡散を促すことが求められる。
CACとCPAとの違い
CACとよく混同されるのがCPAである。CPAはCost Per Actionを略したもので、日本語で「顧客獲得単価」を意味するところまでは同じだが、CPAは主にWeb広告の領域で利用される指標である。「1件のコンバージョンを獲得するためにかかった費用」を示す。
CACの算出にはWeb広告費以外のコストも含まれる点が違いである。
CACの計算方法
CACの計算方法は、例えば「今年度にかかった全費用に対して、今年度に獲得した新規顧客の数」など、一定の期間に発生した費用の総額と期間内の新規顧客の数で算出することができる。
CACの種類
CACは顧客を獲得したチャネルによってOrganic CAC、Paid CAC、Blended CACの3つに分けられる。
Organic CAC
検索エンジンからの自然流入や口コミ、既存顧客の紹介など自然に獲得できた顧客の獲得単価のこと。 広告費用がかかるPaid CACよりも獲得単価が安くなる傾向がある。
Paid CAC
Web広告や展示会の参加、キャンペーンの実施など有料チャネルを用いて獲得した顧客獲得単価のこと。 Paidの場合、施策ごとにCACを算出すると各コストに対して広告施策の効果がどうだったかを分析しやすくなる。
Blended CAC
OrganicとPaidをあわせた事業全体としての顧客獲得単価のことで、上述した「CAC」と同義である。
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