F2転換とは?リピーター獲得の重要性や計算方法、改善のための施策を解説
「F2転換」とは、商品やサービスの初回購入者がリピート購入を行うことを指す用語です。F2転換に結びついた顧客の割合を「F2転換率(リピーター率)」と呼び、この数値を分析することで自社のマーケティング施策の効果や課題点を把握できます。この記事では、F2転換の重要性やF2転換率を高めるための施策について、詳しく解説します。
<目次>
F2転換とは
「F2転換」とは、自社の商品・サービスを購入した顧客が、2回目の購買を行うことです。Fは「Frequency(頻度)」を意味し、3回目はF3・4回目はF4などのように、「F」のあとの数字で購入回数を示します。
初回購入からリピート、つまりF2転換に結びつく割合を「F2転換率(リピーター率)」と呼びます。このF2転換率の数値は、マーケティング施策の効果測定や顧客満足度を把握するために重要です。
F2転換率の計算方法
F2転換率は、
F2転換率 =(2回目の購入者数 ÷ 初回購入者数)× 100
という計算式で算出します。例えば、初回購入者数1000人・F2転換者数250人の場合は、「(250 ÷ 1000)× 100」で25%となります。このケースでは、初回購入者が5000人になると、F2転換者は1250人になる見込みです。
F2転換が重要な理由
F2転換が重要な理由として、以下の3つが挙げられます。
- 広告宣伝のコストを削減できるため
- リピート顧客の獲得で収益が増えるため
- F3以降の「推移率」が向上するため
広告宣伝のコストを削減できるため
初回購入者をF2転換に結びつけることで、広告宣伝にかかるコストを削減できます。「1:5の法則」にあるように、新規顧客を獲得するためには、既存顧客のリピーター化の5倍のコストがかかります。
新規顧客の獲得コストが高いのは、自社の商品・サービスを認知してもらうための宣伝が必要だからです。一方、F2転換は自社をすでに認知している顧客を対象とするため、F2転換施策が成功すれば低コストでの収益が見込めます。
リピート顧客の獲得で収益が増えるため
顧客の購買行動が1回だけで終了すると、新規顧客の獲得にかかったコストを回収できません。新規顧客をF2転換できれば、利益率が上がりやすくなります。なぜなら、F2転換者が増えるほど顧客の「LTV(ライフ タイム バリュー)」が高くなり、1人の顧客から多くの利益が得られるからです。
F3以降の「推移率」が向上するため
F2転換した顧客は、F3やF4への「推移率」が高くなる傾向があります。つまり、一度リピーター化した顧客は、それ以降も継続購入してくれる可能性が高いということです。さらに、リピート購入を繰り返すようになった「優良顧客」は、積極的な施策を講じなくても離脱しにくいため、広告宣伝コストがさらに抑えられます。
F2転換に結びつかない主な理由
F2転換に結びつかない理由として、以下の3つが考えられます。
- 誇大広告を行っている
- 購買後のフォローが不十分
- 販促のプッシュが強い
誇大広告を行っている
「誇大広告」を行っていると、商品やサービスに対する顧客満足度が低下しやすくなります。例えば、「ECサイトの写真と実物が違う」「機能性や効果を誇大に表記している」などです。こうした誇大広告を行っていると、顧客は初回購入後に「期待外れ」だと感じ、F2転換率が低下してしまいます。顧客のフィードバックを踏まえ、実態に合う広告やECサイトページを作ることが重要です。
購買後のフォローが不十分
初回購入後のフォローが適切に行われていないと、顧客との十分な信頼関係が生まれず、リピート購入の可能性が低下します。商品・サービスは「売ったら終わり」というのではなく、購買への感謝やお役立ち情報の提供などを行い、コミュニケーションを取ることが重要です。顧客満足度・信頼関係を高めれば、F2転換率が自然と高まっていきます。
販促のプッシュが強い
初回購入後の販促が多すぎると、F2転換率が低下します。商材のプッシュが強すぎると、顧客は「押し付けられている」と感じ、リピート購入への意欲が低下します。例えば、商品に大量の広告を同梱したり、購買後に宣伝メールを頻繁に送るなどです。顧客は「有益な情報」を求めているため、顧客ニーズに合うお役立ち情報や、商品の魅力を伝える施策が大切です。
F2転換率を向上させるための施策
F2転換率を向上させるために、以下の4つの施策を実施するのが効果的です。
- Webサイトを改善する
- フォロータイミングを改善する
- クーポンやポイントを届ける
- SNSのフォローを促す
Webサイトを改善する
自社のWebサイトやECサイトの改善は、顧客満足度の向上に欠かせません。「商品画像や説明が実物と一致するか」は特に重要なポイントです。顧客目線で適切な情報を提供するようにしましょう。また、リピート時に顧客情報の入力を省略できるように、会員登録やソーシャルログインの仕組みを作ると、ユーザーフレンドリーなWebサイト・ECサイトになります。
フォロータイミングを改善する
初回購入後の顧客に対するフォローを、適切な「タイミング」と「手段」で行うことも重要です。初回購入から2か月を過ぎると、F2転換率が大きく低下する傾向があります。一方、購入直後にフォローをしても、ニーズが生じていないためリピートにつながりません。商品やサービスの購入サイクルに合わせて、ステップメール・シナリオメール・DMなどでフォローする必要があります。
顧客体験を高めるシナリオメール作成のコツについては、以下の記事をご参照ください。
クーポンやポイントを届ける
初回購入者を対象として、期限付きのクーポンやポイントを提供することも有効です。顧客が商品を試すタイミングとなる、商品到着から2~3日後のタイミングで行うと、リピートの意欲が湧きやすくなります。さらに、「2週間以内」などあえて短い期限を設けたり、顧客がチェック・お気に入り登録した商材を対象とすると、お得感を演出しやすくなります。
SNSのフォローを促す
商材の同梱物やメルマガなどで、自社の公式SNSアカウントのフォローを促すのも効果的です。フォロワーのタイムラインには、自社アカウントのコンテンツが表示されるため、商材・ブランドの魅力をアピールしやすくなります。
ただし、ビジネス色・宣伝色が強すぎる投稿では、「押し付けられている」と感じたユーザーがフォローを解除してしまいます。自社ブランドの世界観を大切にしつつ、「これが欲しい」と思えるコンテンツを顧客目線で提供することが重要です。
F2転換を向上させるためには「CRM」の考え方が大切
F2転換率を上げるために、「CRM(顧客関係管理)」の概念が重要です。CRMとは、顧客との最適な関係を維持することで、「LTV(ライフ タイム バリュー)」を上げるための施策です。CRMの実現には、「顧客データの管理」が必要となるため、適切な顧客管理ができる仕組みづくりが必須です。
顧客管理だけであればExcel(エクセル)でも行えますが、関係を維持し続けるためには、顧客の課題やニーズを理解したうえで、最適なコミュニケーションをとる必要があります。そのために役立つのが「CRMシステム」です。
「誰に」「いつ」「何を」「どうやって」提供するかを考える
CRMでF2転換率を向上させるために、「誰に」「いつ」「何を」「どうやって」顧客に提供するか考えることが重要です。各要素には、それぞれ次のような意味があります。
誰に | コミュニケーションを取るターゲットを特定する。 |
---|---|
いつ | 購買行動を分析し、最適なアプローチタイミングを決める。 |
何を | 顧客の課題やニーズに合うものを提供する。PDCAサイクルを回しながら、どんなコンテンツやサービスが刺さるかを見つける。 |
どうやって | ターゲットに合わせたチャネルで訴求する。例えば、メール・LINE・SNSなど。 |
CRMへの投資でF2転換率が向上する
F2転換率を向上させることで、顧客のLTVが向上し、より少ない広告宣伝コストで大きな収益が得やすくなります。LTVを向上させるためには、CRM(顧客関係管理)の実施が効果的です。
もちろん、CRMシステムの導入や施策設計には、相応の工数とコストがかかります。しかしながら、CRMへの投資により、顧客ニーズに合わせた最適なコミュニケーションが可能となり、LTVの飛躍的な向上が見込めます。
「Synergy!」には、F2転換のために必要な顧客データベースと、メール・LINE・広告などさまざまなチャネルのメッセージング機能の両方が搭載されています。
適切なタイミング・ターゲット・コンテンツで顧客にアプローチし、F2転換率を向上させるための施策を行うのに最適です。
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