CRM戦略とは?導入すべき理由・メリットを実践ステップと事例付きで徹底解説
「CRM戦略」は、顧客と企業の長期的な関係を築くために、顧客データを活用する取り組みのことです。
CRM戦略を実行することで、顧客それぞれのニーズに合わせたアプローチができるようになり、顧客満足度や顧客ロイヤルティーが向上します。その結果、既存顧客のリピーター化・ファン化が可能となり、長期的観点での企業収益の安定化が見込めます。
しかし、CRM戦略がなぜ重要で具体的にどんなメリットがあるか、イメージしづらいこともあるでしょう。そこで本記事では、CRM戦略の重要性やメリット、導入のステップについて詳しく解説します。CRM戦略について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
CRM戦略とは
「CRM(顧客関係管理)」とは、自社の顧客・見込み顧客との関係を醸成するための概念です。さらに、CRMによって顧客と企業の相互利益を向上させるために、顧客のさまざまなデータを活用する取り組みが「CRM戦略」です。
CRM戦略では、新規顧客よりも「リピーター」や「ファン」の創出に重点を置きます。自社の商品・サービスを購入してくれた顧客に対し、丁寧なアプローチを行って信頼関係を築くことで、初回購入者がリピーターに、さらにリピーターがファンになります。例えば、ECサイトで商品を購入したあとにメールマガジンが届くことがありますが、これもCRM戦略のひとつです。
顧客の行動やニーズが多様化し、市場が成熟した現代にこそ、CRM戦略は最適な経営手法です。新規顧客の獲得が難しい場合でも、CRM戦略を実施することで、顧客が継続的にリピートしてくれる仕組みを構築できます。その結果、自社の収益が安定してビジネスの成長が見込めるでしょう。
CRM戦略の重要性が高まっている理由・背景
以下の4つの背景から、近年ではCRM戦略の重要性がさらに高まっています。
- 消費行動やタッチポイントが多様化している
- 消費者のニーズや意識も変化している
- 新規顧客の獲得が難しくなっている
- 市場の成熟で競合との差別化が容易ではない
消費行動やタッチポイントが多様化している
インターネットやスマートフォンの普及により、消費行動やタッチポイントが多様化しています。
例えば、顧客が情報を入手する手段はマスメディアからオンライン媒体に変わりつつあり、そのチャネルはWebサイト・アプリ・SNSなど多様です。こうした消費行動の多様化に対応するためには、データ利活用でタッチポイントを最適化し、適切なタイミング・方法で情報を提供する取り組みが必要です。
ECサイトの普及も、CRM戦略が重要視される機会になりました。すべてをデジタルデータで管理できるECサイトは、データを活用するCRM戦略との相性が抜群です。オンライン上の顧客行動のデータを収集・把握することで、一人ひとりに合わせたアプローチ施策を展開できるでしょう。
消費者のニーズや意識も変化している
「購買体験に魅力や価値を感じる」「良いものを長く使い続けたい」など、消費者の意識やニーズも変化しています。
近年では、商品やサービスそのものではなく、そこに至るまでの顧客体験・購買体験に価値を感じる人が増えています。若い世代はその傾向が特に強く、例えば「店舗やECサイトの雰囲気」や「SNSにおける企業とのつながり」など、モノ以外の要素を重視する消費者も少なくありません。
もちろん、商品・サービスの品質や価格も重要な要素ではありますが、それだけでは競合他社との差別化が難しくなっています。「消費者が何を求めているか」を把握するためにも、CRM戦略の導入が欠かせないといえるでしょう。
新規顧客の獲得が難しくなっている
前述した消費者の行動やニーズの変化・多様化により、新規顧客の獲得が難しくなっていることも理由です。
「1:5の法則」という用語があるように、新規顧客の獲得コストは、既存顧客の維持コストより大幅に高くなります。新規顧客の獲得には、まず見込み顧客の獲得・育成が必要となり、タッチポイントの多様化などでその工数も増大しています。
こうした背景から、既存顧客をリピーター化・ファン化することが、経営戦略として有利だという認識が広がりました。その手段として最も効果的なのが、データに基づいて顧客を理解するCRM戦略です。顧客を深く知ることで、顧客が望む体験・価値を提供できるようになります。
市場の成熟で競合との差別化が容易ではない
市場の成熟により、商品・サービスの品質や機能だけでは、競合他社との差別化を図ることが難しくなっています。
商品力を高めるためには、イノベーションによる革新が必要です。なぜなら、テクノロジーの発達やノウハウの蓄積により、ビジネスモデルや機能を模倣しやすくなったからです。しかしイノベーションには、膨大な人的リソースとコストを要するため、決して容易ではありません。
そのため、リピーターやファンの創出が重要となりました。たとえ機能や価格による差別化が難しくても、顧客と育んだ関係性は他社にない「強み」になります。商品力ではなく、「顧客との関係による差別化」を実現するための手段が、CRM戦略なのです。
CRM戦略の導入で企業が得られる6つのメリット
CRM戦略を導入することで、企業は以下の6つのようなメリットが得られます。
- 顧客の潜在ニーズの把握と見える化ができる
- One to Oneマーケティングが可能になる
- 顧客のアフターケアを強化できる
- CS(顧客満足度)が向上する
- LTV(顧客生涯価値)も向上する
- サブスクリプション事業との親和性が高い
顧客の潜在ニーズの把握と見える化ができる
CRM戦略の実施により、顧客自身も把握していない「潜在ニーズ」を見える化できます。
例えばECサイトでは、顧客がどんな商品をどれくらいの頻度で購入しているか、どの商品ページを閲覧しているかなど、多様な行動履歴を確認できます。こうした情報を検討すれば、顧客が何を必要とするか見えるでしょう。
Web上の行動履歴だけでなく、顧客へのアンケートを活用することも、顧客の本音を把握するために効果的です。これらのCRM活動(一連のCRM戦略における施策)で収集したデータを集計・分析して見えた顧客の潜在ニーズは、自社の商品・サービス開発にいかすほかに、顧客とのコミュニケーションにも役立ちます。
One to Oneマーケティングが可能になる
CRM戦略の導入により、「One to Oneマーケティング」が実現できるようになります。One to Oneマーケティングとは、顧客それぞれのニーズ・嗜好・購買履歴に合わせて、個別に展開するマーケティング手法を指します。
顧客ニーズは多様化しており、同じ個人でも常にニーズが移り変わる時代になりました。だからこそ、個々が必要とする情報を最適なタイミングで提供することが求められています。しかし、One to Oneマーケティングには、顧客データの収集と利活用のための仕組みが欠かせません。
例えば、ECサイトで商品を放置している顧客にリマインドメールを送信し、顧客の購買意欲を後押しするなどです。購買履歴をもとに、顧客が興味を持ちそうなフォローメールを配信すると、さらなる購買につながるかもしれません。
CRM戦略は、顧客に関するさまざまな情報を集め、そのデータに基づいた戦略設計を可能にするためのものです。顧客の属性・趣向・行動などの要素から、顧客セグメンテーションやSTP分析を行うことで、One to Oneマーケティングで顧客の心をつかめるようになるでしょう。
なお、CRMと顧客セグメンテーションの関係については、以下の記事で詳しく解説しておりますのでご参考になさってください。
顧客のアフターケアを強化できる
CRM戦略は、顧客のアフターケアの強化にも効果的です。
アフターケアの品質は、顧客にとって「自身がどのように扱われているか」が分かる要素なので、リピート率に大きく影響します。例えば、丁寧なカスタマーサポートが受けられると、「顧客を大切にする企業だ」という印象が強くなるでしょう。
CRM戦略では、顧客の購入履歴や問い合わせ履歴なども一元管理します。問い合わせ履歴の一元管理を行うことで、関係者間で認識を共有できるため、担当者の不在時・退職後も問い合わせ対応のクオリティーを維持できるなど「属人化の防止」に役立ちます。問い合わせ頻度の高い質問と回答をマニュアル化すれば、顧客の課題をスムーズに解決できるでしょう。
また、商品やサービスの購入履歴をもとにクーポンを配布したり、適切なアフターサポートを提供したりすることで、顧客をリピート購入に導きやすくなります。このように、CRM活動で得たデータはアフターケアの品質を高め、自社に対するロイヤルティーの醸成に活用できます。
CS(顧客満足度)が向上する
CRM戦略の導入により、「CS(顧客満足度)」が向上します。
CRM戦略によって、データをもとに顧客ニーズを把握できるため、顧客が求める商品・サービスを提供しやすくなります。さらに購入後の顧客に対して、前述したようなアフターサポートやフォローも提供できることから、顧客の満足度・信頼度ともに向上するでしょう。
ちなみに、CRMは顧客の満足が継続することが起点となるため、顧客満足度はCRM戦略にとって極めて重要な指標となります。
LTV(顧客生涯価値)も向上する
CRM戦略の導入により、「LTV(顧客生涯価値)」も向上します。LTVは、顧客が商品・サービスの利用を始めてから終了するまで、自社にもたらしてくれるトータルの利益のことです。
顧客との取引期間が長くなるほど、その顧客のLTVは向上します。CRM戦略は、顧客と継続的な取引を行うことを目的としているため、CRM戦略が成功すればLTVも自然と向上します。すべての顧客のLTVが向上すれば、自社のトータルの収益も比例して拡大するでしょう。
ちなみに、LTVが注目されるようになった主な理由は、前述した「1:5の法則」のように新規顧客の獲得が難しくなり、既存顧客の維持が注目されたことです。CRM戦略を導入すれば、たとえ新規顧客の獲得数が少なくても、十分な収益を確保できるようになります。
サブスクリプション事業との親和性が高い
CRM戦略は、サブスクリプション事業と親和性が高い経営手法です。
サブスクリプション型のビジネスモデルは、月額制・年額制で料金を低価格に抑えていることが特徴です。そのため、安定した収益を確保するためには、顧客のリピーター化・ファン化が欠かせません。CRM戦略を導入することで、丁寧なアプローチ・アフターケアで顧客満足度が上がるため、サブスクリプション事業を有利に展開しやすくなるでしょう。
なお、サブスクリプション事業はECやクラウド製品で始まりましたが、現在ではアパレルや飲食店などさまざまな業界で活用されています。CRM戦略は、こうした新時代のビジネスモデルにおいて大きな力を発揮します。
その他、CRM導入のメリット・デメリットについては以下の記事もご確認ください。
CRM戦略を実践するための手順・ステップ
CRM戦略を実践するための手順・ステップを、以下の5つに分けて解説します。
- 導入の目的とKPIを設定する
- ターゲットのペルソナを策定する
- カスタマージャーニーマップを作成する
- CRMシステムの選定と導入を行う
- PDCAを回しながら運用する
導入の目的とKPIを設定する
まずは、CRM戦略を導入する目的と、成果を評価するためのKPIを設定しましょう。CRM戦略の目的は、基本的には「利益の向上」となることが多いです。しかし、そこに至るまでの過程となるKPIは業種やジャンルによって異なり、おおむね以下のようなものが考えられるでしょう。
顧客維持率・離反率 | 継続して契約する顧客と、解約した顧客の割合 |
---|---|
コール数・メール数 | CRMの過程で行った電話やメールの件数 |
アップセル率 | より高額な商品やサービスの購入した割合 |
クロスセル率 | 関連商品を提案して購入につながった割合 |
CS | 顧客満足度を示す指標 |
NPS | 顧客ロイヤルティーを示す指標 |
LTV | 顧客生涯価値を示す指標 |
例えば、「3か月で顧客離反率を70%から50%に下げる」などのKPIが考えられます。適切なKPIを設定することで、施策の途中経過を評価して、適切な効果検証と軌道修正が行えます。
ターゲットのペルソナを策定する
導入目的とKPIが定まったら、CRM戦略の「ペルソナ」を策定します。ペルソナとは、自社の典型的な顧客像を指します。単なるターゲット層とは異なり、年齢や居住地といった属性から、職業や趣味嗜好まで細かく設定することがポイントです。
CRM戦略は顧客との関係性を重視したものなので、「自社の顧客はどのような課題を抱えているか」「どのような人が自社商材を必要とするか」など、顧客起点のマーケティング思考が必須です。ペルソナを策定することで、あたかもそこに一人の顧客がいるかのように、顧客のニーズや考え方が把握できるようになります。
ただしBtoBビジネスの場合は、決裁の過程で複数の担当者が関与するため、BtoCと同じ手法でのペルソナ策定はできません。そのため、「組織のペルソナ」と「複数のキーパーソンのペルソナ」を分けて、多角的なペルソナを用意することが大切です。
カスタマージャーニーマップを作成する
ペルソナの策定後は、「カスタマージャーニーマップ」を作成しましょう。
「カスタマージャーニー」とは、自社の商品やサービスについて顧客が認知し、購入・リピートに至るまでのプロセスを指します。カスタマージャーニーを図式で可視化したものを、「カスタマージャーニーマップ」と呼びます。
カスタマージャーニーマップを見ると、顧客の行動や心理、購買プロセスを把握できます。フェーズごとに顧客がどんな情報を望むか、何を考えてどう動くかが分かります。その結果、フェーズに応じた施策を行い、顧客目線のアプローチを実現することが可能です。
なお、カスタマージャーニーマップについては、以下の記事で詳しく解説しておりますのでご参考になさってください。
CRMシステムの選定と導入を行う
CRM戦略を実施するためには、顧客に関するさまざまな情報を収集・管理する必要があります。しかし、膨大な顧客データを手作業で扱うことは困難なので、CRMに特化した「CRMシステム」の導入が必須です。ただし、CRMシステムは各社から多様な製品が出ているため、以下のようなポイントを意識して選びましょう。
- 必要な機能が搭載されているか
- セキュリティとサポートが万全か
- ほかのシステムと連携できるか
- 従業員にとって扱いやすいか
適切なCRMシステムを導入することで、顧客の基本的な情報や属性はもちろん、Web上の顧客行動や問い合わせ履歴など、あらゆるデータをシステムで一元管理できるようになります。蓄積したデータの活用により、ECサイト・SNS・メール配信などのタッチポイントを最適化し、一人ひとりに合わせたアプローチ施策の展開が可能となります。
PDCAを回しながら運用する
CRMシステムを導入したら、実際に顧客データの収集・蓄積・活用を行い、CRM戦略を実行します。ただし、CRM戦略は最初からすべてがうまくいくわけではありません。当初の想定どおりに進まないことや、期待したほどの結果が得られないことがあります。
さらに、CRM戦略はすぐ結果が出るものでもありません。顧客データを収集し、それを活用できるようになるまで、一定の期間を要することが理由です。「中長期的な視野」で、CRM戦略を運用するという意識も必要になるでしょう。
CRM戦略の成果を出すためには、あらかじめ設定したKPIの数値を分析して、施策を評価することが大切です。目標と実測値に差がある場合は、戦略の方向性を見直して改善策を講じましょう。この計画・実施・検証・改善のPDCAサイクルを回し続けることで、CRM戦略の成果が高まります。戦略をもとにした具体的なCRM施策の進め方については、ブログ記事「CRM施策はどう進める?おすすめの具体策や成功におけるポイントを事例付きで解説!」も、ぜひ参考にしてみてください。
具体的な導入事例について
京都芸術大学
京都芸術大学は「社会人の学び直し」の気運が高まりつつあることを背景に、教授陣とともに魅力的なカリキュラムを開発し通信教育事業に参入。同時に、入学者を増やすためのマーケティングに着手しました。
これまでは、新聞広告・DM・Web広告を使って、出願に必要な会員組織への登録、または入学説明会への参加を促すのが主な施策だったものの、説明会は満員御礼となっても出願者数が増えていないという点に課題がありました。
そこで、従来の集客重視から顧客視点を持ったCRM重視に考え方を転換し、CRM戦略を展開することに。あらゆるCRMに基づくマーケティング施策を行った結果、京都芸術大学はみごと昨年対比140.8%、過去最高となる出願者数を達成しました。
その中の1つにCRMシステム「Synergy!」の『リターゲティングメール』を活用したコミュニケーション施策を実施しました。
リターゲティングメールとは、ユーザーのWeb上の行動があった瞬間をきっかけに、あらかじめ設定したメールを自動的に配信できるものです。
今回の取り組みでは、このリターゲティングメールを
- 会員ページの使い方を伝えるメールの配信
- 出願フォームにアクセスしたものの出願しなかった方へのメール配信
この2つの場面で活用いただきました。
まず、会員ページの使い方を伝えるメールの配信では、
会員登録後はじめて会員ページにログインした時に、会員ページの使い方を伝えるメールの配信を実施。
そうすることで、せっかく登録してもらった会員に、ストレスなくマイページを活用してもらうことが実現しました。
出願フォームにアクセスしたが出願しなかった方へのメール配信では、
出願フォームにアクセスしたものの出願しなかった場合、1時間後に出願の流れについて丁寧に案内するメールの配信を実施。
このメール配信のシナリオを設計した担当者様は、
「どんなことに困っているんだろう、どんな情報があれば便利だろうということについて、徹底的に相手の立場に立ってシナリオを考えました。」と語っており、
どの場面でリターゲティングメールを使い、どのようなメールを送るのか?という、顧客視点の観点でのリターゲティングメールを設計いただきました。
これらの取り組みにより、通常の配信では開封率17.3%、クリック率2.1%のところ、開封率は67.4%、クリック率は26.7%という好結果が出ただけでなく、なんとメール購読の解除は0件でした。
こうしてCRMに基づくマーケティング施策を行った結果、京都芸術大学はみごと昨年対比140.8%、過去最高となる出願者数を達成しました。
本事例の詳細は以下の記事をご確認ください。
ヒラキ株式会社
ヒラキ株式会社は、キッズスニーカー180円、レディーススニーカー680円など、驚きの低価格で、主婦を中心に大きな支持を得ている創業100年を超える歴史を持つ企業です。
新規顧客の獲得はWebのプロモーションに注力しており成果を出せていたため、
次のステップとして既存のお客様からリピートしてもらうため、CRMへの取り組みを強化することになりました。
それまでCRMへの取り組みはメールの一斉配信だけだったものを、CRMシステム「Synergy!」を導入し、かご落ちメールやカタログ開封促進メールなどのOne to Oneメールを実行しました。このようなCRMの戦略と施策を実施したことで、メールきっかけの受注は多い月で昨対比2倍の成果につながっています。
具体的には、20種類ほどの案からリソースや成果へのインパクトを考慮し、11種類のOne to Oneメールを実施。ここでは以下の3点についてご紹介します。
- 再購入促進メール
- かご落ちメール
- カタログ開封促進メール
・再購入促進メール
はじめに、お客様のことを把握するために購買分析を実施した結果、購入後2週間以内に再購入する方が多いということがわかりました。
特にレディーススニーカーはこの傾向が強く、商品が届いて試着を終えたくらいのタイミングであることから、初回購入でレディーススニーカーを買った方に対して購入日から4日後に再購入を促すOne to Oneメール配信を実施しました。
・かご落ちメール
直近7日間の購入がなくかご落ちした方に対して、翌日と翌々日にメールを送付。送れば絶対成果が出ると確信していたものの、それまではシステム的に難しく諦めてしまっていたかご落ちメールもSynergy!の導入で実現できました。本施策はメールのみならずLINEのOne to One配信にも取り入れています。開封率は9割ほどと高く、メール同様の成果が出ています。
・カタログ開封促進メール
内容が充実しており、見ていると購買意欲をそそられるカタログだからこそ、届いたカタログを開いてもらうためのフォローが重要だったため、本施策を実施。「カタログを送っているので、見てください」というリマインドメールを送ることで、カタログの開封・購買につながっています。メールにはデジタルカタログへのリンクも付け、デジタルカタログへの興味からカタログを閲覧いただくような仕掛けも含んでいます。
他にも、「一斉配信のメールマガジンを改善し、メールの勝ちパターンをLINEに展開し成果を得られた」内容もあるので、本事例の詳細は以下の記事をご確認ください。
株式会社カーメイト
株式会社カーメイトは、カーアクセサリー・消臭芳香剤・チャイルドシートなどのカー用品だけでなく、スマートフォンアプリを始めとするソフトウェア開発も行い360度ドライブレコーダーを業界に先駆けて投入するなど、幅広い製品を企画・開発・製造している企業です。
これまで、製品パッケージにハガキを入れ、使用感など製品に関するアンケートを実施してたものの、アンケートハガキで回答された情報を手作業でデータ化しており、分析・活用がスピーディーにできていないことに加え、ハガキの性質上お客様へのご連絡が難しく継続的なコミュニケーションが取れていませんでした。また、個人を紐付けることができる情報がないため、チャイルドシートを購入した方が消臭剤も買っているなどの横のつながりが可視化されていない課題もお持ちでした。
これらの課題を解決するために、CRMシステム「Synergy!」を導入。収集したお客様データを安全に管理するために、Synergy!のセキュリティの高さにも注目しました。
Synergy!を活用して、以下の2点に取り組みました。
- 愛用者登録や保証登録をWebフォームで受け付け、お客様情報の受付口として活用
- 登録いただいたお客様へモニターキャンペーンやニーズ調査、新製品のお知らせなどを月2回ほどメールで配信
この取り組みにより、登録内容やアンケート回答内容をお客様一人ひとりに紐づく形で顧客データ管理ができ、製品カテゴリをまたいだ分析ができるようになりました。登録された内容をもとに各開発部門が分析したり、サービスセンターでのお客様対応のために活用したりしています。
貴重な顧客情報が得られる本事例は、メーカー企業様に幅広く展開できるのではないでしょうか。
本事例の詳細は以下の記事をご確認ください。
ここでは3つのCRM戦略の事例をご紹介しましたが、CRMシステムの詳細や導入・成功事例10選についてまとめた記事もあります。ぜひ参考にしてCRM戦略の設計・実行にご活用ください。
CRM戦略の実現には「CRMシステム」の導入が必須
前述したように、CRM戦略の実現にはCRMシステムの導入が必須です。CRMシステムには、以下のような機能が搭載されており、データに基づいたアプローチ施策の構築・実行に役立ちます。
- 顧客情報を管理するための機能
- メール配信を行うための機能
- 問い合わせを管理するための機能
顧客情報を管理するための機能
顧客の氏名・年齢・職業などの基本的な属性のほか、購入履歴やECサイトのアクセス記録などの行動履歴を蓄積できます。こうした情報は定期的なアップデートが必要ですが、CRMシステムによっては他システムとの連携による自動更新が可能です。
メール配信を行うための機能
ステップメールやシナリオメールなどを実施できます。顧客が必要とする情報を、適切なタイミングで送り届ける仕組みを構築できます。こうしたメールマーケティングは、顧客の継続的なナーチャリングやフォローに最適です。
なお、CRMとメール配信を個別のシステムで行うことも可能です。しかし、メール配信に対応したCRMシステムを使用することで、メールマーケティングに対する顧客の反応が、顧客データベースと自動連携されて蓄積されます。その結果、メールを開封しなかった顧客をセグメントして「追いかけメール」を配信するなど、より多角的なアプローチができるようになります。
問い合わせを管理するための機能
顧客がメールやフォームなどで問い合わせた内容が、CRMシステムに登録されます。蓄積した情報は、今後の商品・サービスの開発や、カスタマーサポートの体制強化にいかせるため、顧客満足度の向上に役立つでしょう。
CRM戦略の導入で顧客目線のアプローチを実現しよう
CRM戦略の導入により、顧客ニーズを把握したOne to Oneマーケティングが可能になり、CSやLTVの向上が見込めます。サブスクリプション事業との親和性も高いため、これからの時代のビジネスにおいては、CRM戦略は必要不可欠だといっても過言ではありません。
しかしCRM戦略の実現には、顧客のあらゆるデータを管理・活用できる仕組みが必要です。顧客関係管理に特化したCRMシステムを導入することで、顧客データをCRM戦略にいかし、顧客との信頼関係を醸成できるようになります。
国産のクラウド型CRMシステム「Synergy!」には、CRM戦略に欠かせない顧客情報の一元管理や、施策の実行に役立つメール配信・問い合わせ管理などの機能が搭載されています。「Synergy!」の詳細については、以下のページで詳しく紹介しているのでぜひご確認ください。
CRMで効率的に売上アップ!3分でわかる「あなたにちょうどよい」CRMシステム
システムの違いや選び方から現状がわかるチェックシートまで
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●SFAとCRMシステムの違い
●CRM導入の失敗あるある7選
●顧客管理レベルチェックシート
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関連情報
※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。