CDPとは?「結局何ができるの?」をCRMベンダー目線で解説!
デジタルマーケティングに携わられている方であれば、「CDP(Customer Data Platform)」というキーワードを近年耳にする機会が増えてきたのではないでしょうか?
この記事では「CDPは結局何ができるのか」について、使用するメリットや基本機能について紹介します。
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CDPとは?
弊社の提供するマーケティング用語集ページでは下記のように紹介しています。
CDPとはCustomer Data Platform(カスタマーデータプラットフォーム)の略で、顧客データを実在する個人をキーにして収集・結合するシステムである。
取り扱うデータは、氏名や生年月日などの属性情報、Web上の行動履歴などのオンライン情報だけでなく、実店舗での購買情報や位置情報などのオフラインデータ、IoT対応の製品から得られるデータも含まれる。実在する個人単位で情報を管理するので、パソコンとスマートフォン、オンラインショップと実店舗など、多様化する顧客との接点をシームレスに把握できる。そのため、一人ひとりに適した顧客体験の提供に活用することができる。
教科書的には「データを収集、統合して顧客ごとのデータ管理を実現するためのシステム」と説明されることが多いCDPですが、
- 「そもそもデータを統合できると何がメリットなの?」
- 「顧客データの管理だけならCRM単体でもできそうだけど、何が違うの?」
など、自社での導入を検討されるにあたって意外と曖昧な部分も多いのではないでしょうか?
本記事では、そのような印象のCDPについて、CDPベンダーの目線ではなく、CDPの連携先となるCRMベンダーの目線で解説します。
CDPを導入するメリット
CDPを導入するメリットとしてよくあげられるのが下記の2点です。
- データのサイロ化を解消すること/顧客データを統合すること
- それにより顧客体験をパーソナライゼーション(改善)すること
顧客データがしっかりと収集/統合管理されていれば、パーソナライズした施策を打てることは何となくイメージがつくものの、「データがサイロ化されているってどんな状態なんだろう?」「データを統合したとして今の施策と何が変わるのだろう?」という部分はピンとこない、という方もいるのではないでしょうか。
そもそもデータのサイロ化とは、「顧客に関するデータがシステムごとに分断されている」状態を言います。
実際に私が担当するクライアント様で起きていた例をあげて説明します。
ある美容サロン系のサービスを展開されているクライアント様になりますが、下記のような状態になっていました。
来店CVを獲得するためにサイトコンテンツを充実させ、Web診断から来店予約に引き上げる活動に同社のマーケティング活動は注力されていましたが、一方で、そうしたマーケティング領域(≒見込み顧客段階)でのデータは来店履歴を管理するシステムとは切り離されて管理されている状態でした。
また、来店/施術を受けた方がセルフケア用アイテムを購入された場合も、アイテムの購入履歴はPOSシステムに存在しており、来店顧客とアイテム購入の紐付けができていない状態となっていました。
もし、上記のデータが「顧客単位」でつながっていたとしたら、
例えば、下記のような顧客体験の改善や売上の向上につながるアクションをとれるかもしれません。
- 来店前のサイト閲覧データ/診断データから適切な初回カウンセリング・施術提案を実施
- セルフケアアイテムの購入率が高いカウンセラーや来店顧客の傾向を分析
- 前回購入されたアイテムの使用感を次回来店時に確認のうえ、使用方法のアドバイスを実施
一連の顧客の行動とそこから得られるデータは多くの場合別システムに分散して管理されていますが、CDPは上記の例えのようにそれらのデータを一元化することができます。それにより分析・把握できる顧客情報が増え、新たな施策を打てる状態にすることがCDPが解決できる大きな課題と言えます。
そもそも自社の場合はどうだろう?現状どうなっているかわからないなどといった疑問も多く出てくるかと思いますので、その際はぜひお気軽にご相談ください。
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複数のシステムにて別々に管理される顧客情報。これらを統合して活用したい方におすすめの資料です。CDPとCRMを組み合わせて解決する方法を徹底解説!
CDPってどんなシステム?
システムとしての基本概念
CDPの導入メリット/解決する課題については先ほどお伝えしました。
では、なぜCDPを利用するとこのような課題が解決できるのでしょうか?
CDPの基本概念は「複数データを集約し、利用用途にあわせた形で変換し、利用先に連携する」システムだと言えます。
例えば、利用用途を「CRM」、利用(連携)先を「CRMシステム」とした場合、「利用用途にあわせた形で変換」≒「顧客単位のデータへの変換」ということになり、さまざまなデータソースを特定の「〇〇さん」に紐付く情報として集約することが大きな役割となります。
▼データ変換イメージ:Aさんに紐付く各集計情報にデータを変換
このように変換されたデータを顧客単位で紐付けて保持することで、さまざまなパーソナライズ施策を実施することができます。
例えば、下記のような抽出条件から顧客をセグメントすることも可能です。
- 直近1週間で特定の商品カテゴリを5回閲覧されている方
→同カテゴリの購入を検討しているセグメント - メールのクリックが直近1か月で0回だが、LINEは複数回クリックされている方
→メールよりLINEが主なコミュニケーションチャネルであるセグメント - 昨年度、複数回購入されているが、今年度の購入がない方
→離反・休眠顧客となる可能性のあるセグメント
CRMシステムに適切な形でデータが連携されれば、このようなセグメント抽出が可能になり、各セグメントに応じた最適なコミュニケーションの実現が可能になります。
CDPにある3つの基本機能
こうしたデータの生成/活用をサポートするために、多くのCDPには主に下記3つの基本機能が備わっていることが多いです。
- データ収集機能
CDPの多くは外部システムとの連携コネクタをもっており、外部システムに保持されているデータをCDPに渡すことが可能です。SFTPを利用した連携やローデータのアップロードも可能であることが多く、お持ちのデータをCDPの中に集約できます。
活用用途に応じて、どのシステムからどのようなデータを連携する必要があるかを検討しましょう。 - データ変換機能
収集したデータを利用用途にあわせて、前述の通り変換することができます。変換においては各CDPシステムによって求められるリテラシー/スキルは異なる印象ですが、SQLなどのスキルがあれば変換の作業自体は可能です。活用用途を見越して、どのようなデータを保持する必要があるか、その設計が最も重要なポイントになります。 - データ連携機能
収集/変換したデータを活用先/施策実行先のシステム(MA・CRM・BIなど)に連携する機能です。弊社が提供するSynergy!もCDPとの連携が可能です。
まとめ
ここまで「CDPとは何?」をCRMベンダーの目線で解説しました。CDPはサイロ化したデータを集約して用途にあわせて変換・連携できます。結果、顧客行動や実態を把握し顧客体験や売上の向上に向けた取り組みを進めやすくなります。
では、具体的にはどのように活用すればよいか、CDPの効果をより発揮するための具体的な活用法についてはこちらの記事にて解説しています。弊社はCRMシステムとCDPの連携や導入支援も行っており、その知見を元にした内容となっていますのでぜひ合わせてご確認ください。
マーケティング強化に大きな力を発揮するCDPではありますが、一方で導入コストが大きくなることも多く、事業の構造や状況などによって導入価値が大きく変動するシステムでもあります。
顧客データがまだまだ少ない、事業上、サイロ化が起きにくいなど、CDP導入が最適解とは限らないこともあります。
まずは顧客データの管理(CRM)から始めたい、という方はぜひ以下の記事も合わせてご確認ください。
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