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日本のインターネット広告とマーケティングを爆速でリードするヤフー高田氏:20~30代ビジネスマン必読の3冊

「すごい人の頭のなかを知りたい!」

ということで、すごい人におすすめ本を聞いてみるこのシリーズ。前回は、デジタルマーケティングのプロ揖斐理佳子さん。そして今回は、弊社の親会社であるヤフー株式会社で、Yahoo! JAPANの「データ活用」を中心としたマーケティングソリューション事業のプロダクト責任者をつとめる高田徹さんを直撃しました。

高田徹さんプロフィール
ヤフー株式会社 マーケティングソリューションカンパニー  エグゼクティブユニットマネージャー。大学卒業後、Computer Associatesに入社し、事業企画やプリセールスに携わる。その後、2007年にオーバーチュア株式会社へ転職。2008年ヤフー株式会社によるオーバーチュアの吸収合併により、ヤフーに入社。現在は、Yahoo! JAPANの広告やDMPをはじめとするデータを活用したマーケティングソリューション全体の責任者をつとめる。

今回高田さんが選んだ3冊は、特に社会人経験がまだ少ない20代から30代の前半のビジネスマンを応援するようなセレクションになりました。年末年始に客観的に自分の仕事やそのやり方を振り返るにはぴったりのラインナップです。

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(1)圧倒的に仕事の生産性を上げるためのバイブル

書名     イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」[Kindle版]
著者名  安宅和人
出版社  英治出版

すべての知的生産をより効率的にするための考え方について書かれています。仕事での活用シーンは選びません。企画、開発、プロジェクトマネジメント、取引先との交渉シーン、どんな場所でも活用できる考え方です。「優れた知的生産には共通の手法がある」と筆者は書いていますが、まさにそれが書かれている。これを僕は、反省するために繰り返し読んでいます。

特に、20代の最近仕事をはじめた人なんかだと、今後仕事を学んでいくうえでこれを読んでおくと間違いない。30代以上の一通り仕事の自分の型を見つけた方でも、自分のキャパシティーを超える量の仕事や、スキルを超えて挑戦的な仕事に取り組んでいるときなんかに読むと、必ずご自身の仕事の取り組み方の非効率性を見いだすことができると思います。私自身、何歳になっても定期的にこの本を読み直して、その都度自分を見つめ直すだろうと思います。

自分のキャパシティーやスキルの上限を超えて仕事に取り組んでいると、どうしても不安になったり焦ったりして、本来のパフォーマンスを出せなくなることがあります。特に年齢が若いほど、こういった状況下で膨大なタスク量をこなすために「時間でカバーする」としてしまいがちです。さらに、がんばってこなしたタスクが実はさして重要な意味がなく、活用されないこともよくあると思います。
この本では、この状態を「犬の道」と表現し、本来の知的生産活動の生産性を上げる真逆のことと定義しています。僕もつい「犬の道」的な動きをしがちなのですが、この本のおかげで自分の状態に気づき、修正をすることができている気がします。課題にやみくもに立ち向かうのではなく、何が課題なのか、それを「解く」まえに「見極める」ことが重要なんです。

ちなみに、著者とはヤフーでよく一緒に仕事をします。ちょうどこの本の校正をしていらっしゃったときも、一緒に仕事をしていました(笑)

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(2)事業を立ち上げ成長させる醍醐味(だいごみ)が詰まった1冊

書名    V字回復の経営―2年で会社を変えられますか [Kindle版]
著者名 三枝 匡
出版社 日本経済新聞社

この本のテーマは「V字回復」。新しい価値を生み出し、ゼロから事業を立ち上げ、それを成長させる。これはビジネスマンとしてひとつの事業にかかわる醍醐味(だいごみ)です。この魅力を求めて仕事をしている人は多いのではないでしょうか。僕、修羅場が好きなんです(笑)「V字回復」なんて口で言うのは簡単ですが、実際それを実行しようとするとほんと大変。もちろん、この本でもそういう修羅場はたくさんあって、それをどんどん解決していく爽快感も疑似体験できる。この本のストーリーは実体験をベースにしているので、内容に現実味があって、読みやすいし、純粋に面白いです。

また、仕事には「変革」や「事業再生」の面白さもありますが、この本にもそういう事業再生の仕方、ノウハウなんかも詰まっていますので、スキルアップのためにもおすすめです。
先行きに不安を感じたり、壁にぶつかったり、迷ったり、そんなときに読んでほしいです。特に、働き始めたばかりだとなかなか味わえない「働くことの魅力」が詰まっている作品なので、ぜひ、若い方に読んでいただきたいですね。
僕自身も、そういうときに自分のモチベーションを上げるために、この本を読み返すことが多いです。

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(3)新しいイノベーションを生み出すために必要な過去を理解するための1冊

書名     ビジネスモデル全史 経営戦略全史 (ディスカヴァー・レボリューションズ) [Kindle版]
著者名  三谷宏治
出版社  ディスカヴァー・トゥエンティワン

僕は「特定のテーマのまとめ本を、毎年繰り返し読む」という読書のくせみたいなものがあるんですが、これもそのなかで手にした1冊です。同じテーマでも1冊の本を何度も読むと飽きてしまう体質なので、同じテーマ本を何冊も買って読み比べるような読み方をします。ひとつの事象を、いろいろな著者の観点から読むことで、自分の血肉に変えたい。単純にそういう読み方が好きだからという理由の方が強いですが、きれいに言うとそんな感じです。

「ものごとを理解する」ためには、「類比」「対比」「因果」の3つの方法しかないらしいです。新しいものを理解するためには、過去の比較対象を数多く自分の引き出しに持っておくことが大事。新しいものを生むために、過去を学ぶ。最近「今でしょ」の林先生がテレビでそんな話をしていたのを観て、すごく腑に落ちた。僕の読書のくせというか、知識を血肉にするための方法と通じるところがあります。

このような読み方をするテーマはいろいろありますが、「ビジネスモデル」というテーマはそのひとつ。ビジネスモデルとは何なのか。この本に書かれているように、ビジネスモデルという観点から、過去の大企業や革命的な出来事を読むのは非常にエキサイティングです。インターネットの登場以来、基本的にそこでの収益はECか広告からしか生まれていません。しかし、歴史を学ぶと本当にいろいろなビジネスモデルが創造されています。インターネットやその周辺技術によるイノベーションに注目が集まりがちですが、そのプラットフォームを活用したイノベーションはもっともっと起こせると思っています。新しいイノベーションはビジネスモデルから生まれるはずです。そのために過去を学び続けようと思います。

※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なる場合があります。ご了承ください。

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