CRMシステムによるステップメールの成功事例5選!具体的な活用方法や実施のコツ、例文も紹介
顧客へ効果的なアプローチを行うにあたり、「ステップメールの実施」を検討している企業も多いのではないでしょうか。ステップメールは、顧客のニーズに合わせ段階的にアプローチするため、信頼関係を構築し購入や契約の可能性を高めるうえで有効な施策といえます。
ステップメールを行う場合は、メール配信システムやMA、CRMシステムなどを活用することがオススメです。とくにCRMシステムなら、見込み顧客や既存顧客などの幅広いターゲットに合わせ、柔軟なメール配信を実現できます。ステップメール以外のマーケティング施策に活用できる点も魅力です。
本記事では、CRMシステムを活用した「ステップメール施策の成功事例」を紹介します。ステップメールの実行にあたって「成約を実現しやすいアクションやスケジュールを設計する」「文面を作成する」などをハードルに感じる人もいるでしょう。そうした人が参考にできるよう、成功のコツや今日から使える例文も合わせて紹介しているため、ステップメールを実施する際はぜひチェックしてください。
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ステップメール成功のカギは、最適なコミュニケーション方法を知ること。メールマーケティングの始め方を学べる資料で、基本を押さえましょう。
<目次>
ステップメールとは?改めて基本を確認!
最初にステップメールの基本を改めて確認しましょう。
ステップメールとは、顧客のアクションを起点に、スケジュールに沿って順次メールを配信するアプローチ手法のことです。アクションとしては、例えば「資料のダウンロード」「無料の会員登録」などがあげられます。
似ている言葉として「メルマガ(メールマガジン)」がありますが、両者には以下の違いがあります。
- ステップメール:「顧客が特定のアクションを行った日付」を起点として、段階的に複数回のメールを配信し少しずつアプローチする
- メルマガ:同一内容のメールを登録者へ一斉配信する
メルマガでは、性別や地域といった一定条件でセグメントした会員へ、新商品情報やセール情報などを一斉配信することが一般的です。
一方、ステップメールでは「顧客が特定のアクションを行った日付」を起点とし、ニーズや状態に合わせ複数回にわたりアプローチするため、少しずつ購買意欲を高め信頼関係を構築したうえで購入や契約に結びつけられます。
ステップメールの基本的な作り方は、以下の通りです。
1.目的を明確化する
2.ターゲットを決める
3.顧客の状況を可視化するカスタマージャーニーマップを作る
4.顧客の段階を加味してシナリオを設計する
5.メールの文面を作成する
6.配信設定を行う
7.結果の分析と改善を行い効果検証をする
上記を含め、ステップメールのメリットや具体的な作り方などは、以下の記事で解説しています。
本記事では「CRMシステム」によるステップメールの活用方法を紹介!
前提として、今回は「CRMシステム」というツールを使ったステップメールの活用方法を紹介します。
まずCRMとは、顧客のニーズにマッチした施策やフォローを行い、長期的な信頼関係を築くマネジメント手法のことです。顧客満足度を高め長期的な関係性を構築することで、自社のファンになってもらい最終的なLTV向上を実現できます。
このCRMの手法を実現するツールが「CRMシステム」です。CRMシステムでは、以下のようにさまざまな顧客情報を一元管理できます。
- 基本の属性情報(氏名や住所、連絡先、年代、性別など)
- 問い合わせ履歴
- 購入履歴
- 累計購入金額
- 店舗での接客履歴
- 商談履歴
- セミナーでの会話内容
上記の情報をもとに配信先をセグメント分けすることで、以下のようにさまざまなシーンにマッチしたメール配信を行い、顧客との信頼関係を構築できます。
- サンプル請求者に「お礼→使い心地の確認→利用のメリット→初回購入の案内」というメールを配信する
- 初回購入者に「お礼→疑問点のお伺い→オススメ商品情報→次回以降の購入案内」というメールを配信する
- しばらく来店がない顧客へ、近況のお伺いメッセージや特別クーポンなどを配信する
とくにCRMシステムであれば、メール配信機能はもちろん、送信後の効果測定や文面作成サポートなどが揃っているツールも多いため、ステップメールを送るには最適です。
CRMシステムの詳細や具体的な機能などは、以下の記事で解説しています。
「Synergy!」を使ったステップメールの成功事例を紹介!具体的な活用方法を知って自社で応用しよう
それでは、実際にCRMシステムを活用し、ステップメールを成功させた事例を確認しましょう。今回は弊社が提供するCRMシステム「Synergy!」を活用した成功事例を紹介します。
- アルペンローゼ株式会社様(小売り)
- タカノ株式会社(製造)
- 鳴海製陶株式会社様(製造)
- 株式会社NTTスマイルエナジー様(情報・通信)
- ヒラキ株式会社様(小売り)
幅広い業種の成功事例を参考に、「どのような活用方法があるの?」という疑問を解消する際に役立ててください。
アルペンローゼ株式会社様(小売り)
アルペンローゼ株式会社様は、オーガニック植物をいかしたナチュラル化粧品「ラ・カスタ」の製造・販売を行う企業です。
同社は当初、ラ・カスタを百貨店やバラエティショップのみで販売していました。しかし「直接顧客と接客し対面で商品を販売したい」という思いから、2008年に直営店をオープンします。直営店では商品販売に加え、カウンセリングの結果をもとにした「顧客の髪・頭皮の状態に合わせたケア方法および商品の提案」を実施。
この直営店が全国に広がり、顧客からカウンセリングを評価される中で、「ECサイトでもカウンセリングに近い接客を実現したい」と考えるようになりました。上記を実現するために導入したCRMシステムが「Synergy!」です。
導入後は、最初に「5年分の購買データ分析」を実施します。この分析の結果、ラ・カスタのリピート率は「約40%」とかなり高いことが判明。ECサイトの2回目購入率は平均して20~30%程度が一般的であるため、いかに顧客満足度が高いかわかります。とくに3回目の購入率は、80%を超えていました。
上記を踏まえ、「一度でもリピートしたら自発的に使い続けてくれるため、まずは2回目購入に至っていない顧客へアプローチすべき」という結論に至ります。
このアプローチに活用したものが、ステップメール配信です。ステップメールでは、初回購入者へ以下のような合計4本のメールを送ります。
- 1〜2本目:ブランド訴求とお役立ち情報の提供
- 3〜4本目:お得なリフィルセットの訴求
いきなりセールスを仕掛けず、最初はラ・カスタブランドの特徴の説明からはじめました。具体的には「日本生まれの日本育ちです」というコピーを添えて、香りや泡など性能面の魅力を伝えることに注力します。
そして、2本目で「シャンプーの正しい洗い方はできていますか?」という件名で予洗いの大切さなどを説明し、購入者へ有益な情報を提供しました。
上記の結果、「1本目のクリック率が40%台・2本目のクリック率が50%台」という高い成果を残すことに成功。実際のコンバージョンにもつながりました。
また、同時期に発生した新型コロナウイルスの影響でオンラインでの購入者が伸び、ECサイトの会員数も施策開始当時から約5,000人増えましたが、開封率やCTR(クリック率)は大きく低下していません。クリック率が上がったにも関わらず開封率やCTRが落ちないというのは、同社の商品が強く信頼されている証拠です。
このように、いきなり販促色の強いメールを送るのではなく、「ブランドのことを知ってもらう→好きになってもらう→自社商品にもっと興味を持ち購入してもらう」という順番を踏み、適切にアプローチした好例といえるでしょう。
アルペンローゼ株式会社様の事例詳細については、以下の記事をご確認ください。
タカノ株式会社様(製造)
タカノ株式会社様は、エクステリアや育児、食、福祉、医療など、幅広い年代に向けた事業を展開している企業です。
そんな同社の中にある「エクステリア事業部」は、もともと少数精鋭の営業担当者が全国を飛び回っている状況でした。そのため、どうしても既存顧客への対応にリソースが割かれてしまい、新規開拓に人手が回らない状況が続いていました。新規開拓の施策としてメルマガ配信を実行していましたが、担当が頻繁に変わるため「定期的に配信する文化」を定着させるのも難しい状況です。
そうした中で、今まで以上に効果的なメール配信を実現するツールとして、弊社「Synergy!」を導入していただきます。弊社サービスの「取り組む際にペルソナ設定・ライティング・システム構築までワンストップで依頼できる」という点に魅力を感じ、導入をご決断いただきました。
「Synergy!」の導入後は、従来のメルマガ配信に加え、ステップメールやリターゲティングメールの配信にも取り組みます。主に以下のようなイメージで使い分けています。
・メルマガ:新製品・サービスの案内を配信する
・ステップメールやリターゲティングメール:メルマガの反応をチェックし興味を持ってくれた内容に合わせ自動で送り分ける
とくに同社は幅広い事業を展開しているため、各事業内容に応じた異なるコンテンツ作成が必要です。「Synergy!」を導入していただいたことで、各事業に特化したコンテンツを効率的に作成・配信し、顧客が求める情報をスムーズかつ正確に提供できるようになりました。
上記のメール配信の結果、メール開封率の平均を「24%→35%」まで引き上げることに成功します。メールの開封率は平均20%程度であるため、この「35%」というのがいかに高い数値であるかわかるでしょう。問い合わせ件数も、月平均「20件→71件」まで増加しています。
弊社も、少しでも同社の目的達成に貢献できるよう、導入時からペルソナ設定やライティング作成まで学んでいただける講座を開催するなどしてサポートさせていただきました。
こうしたサポートも積極的にご活用いただき、高い成果を残せた好例といえるでしょう。
タカノ株式会社様の事例詳細については、以下の記事をご確認ください。
鳴海製陶株式会社様(製造)
鳴海製陶株式会社様は「NARUMI」ブランドで知られる高級洋食器メーカーです。
同社は、「90年代前半からはじまった市場規模の縮小」や「顧客のニーズの多様化」といった変化に対応する施策を考えていました。しかし、同社はメーカーであり「卸売りから小売り店」を経由して顧客へ商品を提供しています。そのため、「顧客が何を求めているのか?」「どのようにコミュニケーションを取ればよいのか?」といった知見が蓄積されていませんでした。
そんな中で、ECサイトの立ち上げを実施。登録会員の増加を目的に、「ブログとのタイアップ」「バナー広告」などの施策を行います。その結果、登録会員は数万人規模になり、売上も伸びてきました。
一見すると、順調な状態であるように見えます。しかし詳細な売上をチェックすると、購買単価と購買回数が減少傾向にあり、利益率は非常に悪いことが判明。「新規の会員獲得は非常にコストがかかって効率が悪い」という結論に至ります。
こうした状況を打破できる新たな取り組みを模索する中で、以前から導入していた「Synergy!」を改めて活用し、より効果的な戦略を構築することを決定しました。
まず、改めて「Synergy!」の顧客情報を分析した結果、「利益を上げるには既存顧客からのリピートが重要である」と結論付けます。この既存顧客のリピート率アップのために行った施策が、ステップメールです。
成果指標として「リピート購入回数および単価の増加」を掲げ、会員情報と購買履歴情報の分析結果をもとに、改めて「配信ターゲット・メールコンテンツ・配信タイミング」などをブラッシュアップ。効果検証しながらコンテンツを改善することで、結果として「クリック率とコンバージョン率は通常のメールの約10倍」「リピート購買率は約20%向上」を達成します。
ステップメールの活用はもちろん、コンテンツの改善を繰り返し非常に高い成果を残せた好例といえるでしょう。
鳴海製陶株式会社様の事例詳細については、以下の記事をご確認ください。
株式会社NTTスマイルエナジー様(情報・通信)
株式会社NTTスマイルエナジー様は、50kW以下の低圧太陽光発電設備向け遠隔モニタリング市場で圧倒的なシェアを誇る「エコめがね」を主力サービスとしている企業です。
同社はもともと、「年間3回の展示会への出展」をメインの営業体制としていました。「展示会で数百件の施工店の見込みリストを集める→次の展示会までに営業担当がフォローして案件を作る」というイメージです。
しかし、展示会頼みの営業体制には、大きく以下2つの課題がありました。
- 展示会で獲得した限られた数の施工店にしかアプローチできずリストが先細りする
- 展示会で思うように集客できなかった場合、営業予算に大きなマイナスのインパクトがある
状況を改善するためにリスティング広告も実施していましたが、「商品のPDF資料をクリックするだけで閲覧できる」という形式であるため顧客情報を取得できず、なかなか見込みリストは集まりませんでした。
上記の状況から脱却するために、同社は「Synergy!」を導入し、マーケティングの手法を見直すことを決断。弊社からは、潜在顧客へのアプローチを目的に「顧客情報を分析し個人に合わせたコミュニケーションを取って需要を呼び起こす」という施策をご提案しました。
具体的には、「都道府県ごとの発電量データを知らせる発電通知メールを送る→ステップメールでフォローする」という流れでアプローチを設計します。発電通知メールは、同社の独自データを活用した「競合には真似できないコンテンツ」であったため、ぜひとも活かしたいと考えました。
ステップメールは登録日を起点に配信しており、文面は「施主向け・施工店向け」で変更しています。こうした見込み顧客の状況に合わせたアプローチによって、結果的に「開封率40%・クリック率7%」という高い成果を残すことに成功。同社ならではの資産を活かした「発電通知サービス」というサービスと、見込み顧客のニーズに合わせた良質なステップメールを掛け合わせた好例といえるでしょう。
株式会社NTTスマイルエナジー様の事例詳細については、以下の記事をご確認ください。
ヒラキ株式会社様(小売り)
ヒラキ株式会社様は、靴の小売企業です。カタログやECサイト、店舗などの販売チャネルを持ち、大量発注によって仕入価格を抑えることで、超低価格での靴や日用品の提供を実現しています。
同社は従来まで、購入者に1年間、2か月に1回カタログを届ける「カタログ通販」をメインに行っていました。このカタログを届ける中で、「カタログが届くたびに家族全員分の靴や日用品をまとめてリピート購入する傾向が強い」ということが判明。こうしたリピート需要を逃さないために、「Synergy!」を活用したOne to Oneのメール配信の実行を決定します。
最初に顧客情報の購買データ分析を実施。その結果、「購入後2週間以内にリピートする人が多い」とわかります。とくに、レディーススニーカーでは上記の傾向が顕著でした。そのためレディーススニーカーの初回購入者に対し、「購入日から4日後に再購入を促すメールを送る」といったメール配信施策を実行します。購入後4日目であれば、商品を試着したタイミングにあたるため「商品がよかったらぜひ再購入してください」と効果的にプッシュできると考えました。
上記以外にも、ステップメールを含め以下のようなメール配信施策をはじめます。
- 誕生日の顧客へバースデーメールを送る
- もうすぐ休眠顧客になりそうな人へフォローメールを送る
- 「直近7日間の購入がなくカゴ落ちしている顧客」へ、翌日と翌々日にフォローメールを送る
- カタログの開封を促すリマインドメールを送る
etc.
メール配信施策の運用は、実に10本以上にもおよびます。上記に加え「一斉配信のメルマガを改修する」「メールでの成功パターンをLINEに応用する」も実施しました。
こうした施策を積み重ねた結果、最終的に「メールきっかけの受注が昨対比2倍」という月を残すことに成功します。ステップメールはもちろん、幅広い施策を有効活用した好例といえるでしょう。
ヒラキ株式会社様の事例詳細については、以下の記事をご確認ください。
ステップメール配信で使えるCRMシステム以外のツール
上記では、弊社のCRMシステム「Synergy!」を活用した事例を紹介しました。他にもステップメール配信では、以下のようなツールを活用できます。
- メール配信システム
- MA
メール配信システム
メール配信システムとは、ステップメールを含めたメール配信施策を実行できるツールのことです。以下のような「メール配信施策で必要な機能」に特化して搭載されています。
- 配信リストの作成
- 配信先の抽出
- メールの文面作成
- 配信後の効果測定(クリック率のチェックなど)
- 配信時間の設定
OutlookやGmailなどのシステムでも、BCCで複数の宛先を入力すれば配信自体は可能です。しかし「BCCとCCを間違える」といったヒューマンエラーが起こりやすくなり、意図せず情報漏えいを引き起こす可能性も0ではありません。
また、一度に大量のメールを一斉配信すると、相手から迷惑メール扱いされることもあります。顧客のニーズにマッチした文面を作成しても、迷惑メールBOXに送られてしまえば、相手の目に留まる可能性は一気に低くなるでしょう。
メール配信システムなら、宛先ミスなどのヒューマンエラーを防ぎつつ、ターゲットをセグメント分けしてスムーズにメールを配信できます。
具体的なメール配信システムのメリットや選び方などは、以下の記事をご覧ください。
MA
MAとは、見込み顧客の「獲得〜育成〜選別」のフェーズを自動化するツールのことです。成約につながりそうな見込み顧客を獲得し、自社への興味を醸成してから営業担当者へ引き渡すことで、購入確率を高めます。
成約確率が高い顧客に絞って育成できるため、マーケティング活動を効率化させつつ最終的な業績アップが実現可能です。
MAにもメール配信機能が搭載されており、以下のように「見込み顧客を育成する目的」で活用できます。
- 「優良顧客の特徴に該当する見込み顧客」へ新商品やセールなどの情報を優先配信し購買意欲を高める
- 資料をダウンロードした見込み顧客へお礼メールなどを順次配信し、最終的にオフラインのセミナーを案内する
- セミナー参加者との会話をもとに、ニーズとマッチしそうな商品情報を配信する
MAの概要や具体的な導入メリットなどは、以下の記事で解説しています。
ステップメールを含め企業がマーケティング施策を行うなら「CRMシステム」がオススメ!その理由は?
このようにステップメールの配信では、さまざまなツールを活用できます。こうしたツールを利用すれば、特別な知見を持たない企業でも手軽にメール配信を実行できるでしょう。
とくにステップメールを含め、さまざまな施策を行うのであれば「CRMシステム」の活用がオススメです。具体的にオススメな理由について、他のツールと比較しながら解説します。
ステップメールを配信する際は、以下のようにさまざまなアクションを行う必要があります。
- 配信のシナリオを設計する
- 自社のターゲットを踏まえて配信先をセグメント分けする
- 日時を決めて定期的に自動配信できるよう設定する
- 効果測定を行う
- 配信後に文面や配信日時などを改善する
メール配信システムは、「メール配信業務の効率化」を目的に運用するツールです。そのため、ツールにもよりますが「Webサイト上の行動履歴をもとに顧客をセグメント分けする」といった細かい管理を行うことは難しいかもしれません。
また、ステップメール以外の施策に活用できない点もネックです。当然ですが、企業の施策は「ステップメールだけ行えばOK」というわけではありません。顧客情報を分析した結果、広告配信やキャンペーンなど別の施策を行う必要性も出てきます。そうした場合に、メール配信に特化したツールは企業にとって使い勝手が悪いかもしれません。
一方でMAは、顧客情報を「オウンドメディアのコンテンツ作成」「広告運用時のセグメント分け」など、さまざまな施策に応用できます。しかし、あくまでも「見込み顧客を獲得して育成するフェーズ」に絞って運用するため、新規顧客の育成や既存顧客のフォローなどには不向きかもしれません。
CRMシステムであれば、顧客情報をいかして、ステップメールはもちろん以下のように幅広い施策を実行できます。
- LINE配信
- 問い合わせ管理
- キャンペーン
- 広告配信
さらに、あらゆるフェーズにおけるマーケティング施策の実行に対応しているため、「単発の購入者をフォローして定期利用へ引き上げる」「休眠顧客へアプローチして離脱を防ぐ」といった状況でも活用できます。
また、ステップメールを送る際は、以下のようなポイントを踏まえスケジュールを立てることも欠かせません。
- 初回メールから何日後に配信するとコンバージョンしやすいのか?
- いくつのステップに分けるとメッセージをすんなり受け取ってもらえるか?
- どのタイミングで、どんな情報を届けるとコンバージョンしやすいのか?
上記を踏まえ計画を練る際は、過去の購買履歴や顧客ニーズなどを分析する必要があります。専門的な知見を持たない人が、こうした分析を行うハードルは高いでしょう。しかし、CRMシステムなら、ステップメールの効果測定も含め細かい分析まで実施できます。
このように、CRMシステムは「幅広いフェーズで・ステップメール以外も含めさまざまなマーケティング施策に活用できる」という点が魅力です。
ステップメールを含め、メール配信施策でCRMシステムが有効な理由は、以下の記事で詳しく解説しています。
ステップメール配信を成功させるコツ
CRMシステムを活用することで、ステップメール配信を成功させて自社が望む成果を実現しやすくなります。施策の成功確率をさらに高めるには、以下のコツも意識しましょう。
- ステップメール配信の目的を明確に定める
- HTMLメールを活用する
- セールスライティングを意識して文章を書く
- 専任の担当者を定め社内の運用体制を整える
ステップメール配信の目的を明確に定める
ステップメールの配信目的は、以下のように企業ごとで異なります。
- ウェビナーに参加してほしい
- 商品の初回購入につなげたい
- 定期契約に結びつけたい
- 休眠顧客にもう一度サービスを利用してもらいたい
- 商品の購入頻度を高めたい
上記のような配信目的を明確化しておけば、以下のような項目を具体的かつ適切な方向性で定めやすくなります。
- 配信タイミング
- 配信回数
- ターゲットに響くコンテンツの設計
- タイトル
- 具体的な文面
- メールのデザイン
例えば「商品サンプルの利用者を初回購入につなげたい」という場合、まだ顧客との信頼関係を構築しきれていません。そのため、以下のようなイメージでコンテンツを配信し、少しずつ信頼関係を築くことが大切です。
サンプル契約のお礼→使用感に関するお伺い→サンプルの効果的な活用方法→自社商品を利用するメリット→初回購入の促進
HTMLメールを活用する
ステップメールは、主に以下2つのいずれかで作成します。
- テキストメール:文字のみで作成したシンプルなメール
- HTMLメール:HTMLというプログラミング言語を活用して構成したメール
HTMLメールなら、画像や動画を挿入したり本文に装飾したりできるため、顧客へより視覚的なアピールが可能です。また、ターゲットに「文字を読み込ませる」という負担をかけず、自社のメッセージを明確に伝えられるでしょう。
メールの開封率や本文内のURLクリック率なども計測できるため、数値を計測して次回以降の改善にも役立てられます。
HTMLメールのメリットや作成方法などは、以下の記事で詳しく解説しています。
セールスライティングを意識して文章を書く
セールスライティングとは、読者の「この商品を購入したい!」という意欲を引き出すライティング手法のことです。漠然と商品・サービスの情報をまとめるのではなく、以下のようなポイントを意識することで、効率的に購買意欲を引き出し成果へつなげられます。
- 購入する具体的なメリットを記載する
- 読者の悩みや現状に共感する
- 実際のユーザーの声をもとに信頼性を高める
- 購入にあたって読者が抱えるであろう不安や疑問を先回りで解消しておく
- 「期間限定キャンペーン実施中!」などで今すぐ行動すべき理由を与える
文章を執筆する際は、「PREP法(結論→理由→具体例→結論)」「AIDMAの法則(注意→興味→欲求→記憶→行動)」などのフレームワークに沿ってまとめることが一般的です。
専任の担当者を定め社内の運用体制を整える
ステップメールで成果を出すには、以下のようにさまざまなアクションが必要です。
- メール配信の目的設定
- 目的達成に向けたシナリオの設計
- 実際の文面作成
- 配信スケジュールの設定
- 配信後のクリック率などの結果測定
- 数値をもとにしたコンテンツの改善
いずれのアクションも専門的な知見が必要です。そのため片手間で業務を行うと、なかなか社内に知見が蓄積されず、成果が出るまで時間がかかるかもしれません。また、専任担当者がいなければ「誰が・どんなアクションを・どのように実行しているのか?」という情報も曖昧になります。
上記を防ぎ、効率的にPDCAサイクルを回すためにも、社内で専任の担当者を定めスムーズな運用体制を整えましょう。
今日から応用できる!ステップメールの例文
それでは、実際に活用できるステップメールの例文を紹介します。ここでは、以下5ステップでのメール配信を仮定して例文を掲載しました。
Step.1 資料請求に対するお礼のメールを配信する
件名:○○様 資料をご請求いただきありがとうございました。
差出人名:山田太郎 / △△△
本文:
□□□株式会社
○○様
平素よりお世話になっております。
株式会社×××の山田と申します。
このたびは、【サービス名】の資料請求をいただき、誠にありがとうございます。
資料につきましては、こちらからダウンロードできます。
【CTAボタン】
ご不明点などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今後ともよろしくお願いいたします。
Step.2 導入事例やサービス比較など関連資料を案内する
件名:【サービス名】の導入事例をご案内いたします。
差出人名:山田太郎 / △△△
本文:
□□□株式会社
○○様
平素より大変お世話になっております。
株式会社×××の山田です。
ご請求いただいた【サービス名】について、導入事例やサービス比較などに関する資料をご案内いたします。
【CTAボタンA】
【CTAボタンB】
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ご不明点などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今後ともよろしくお願いいたします。
Step.3 ほかの顧客からの関心が高い資料を案内する
件名:いま話題の【テーマ】に関する情報をご案内します。
差出人名:山田太郎 / △△△
本文:
□□□株式会社
○○様
平素より大変お世話になっております。
株式会社×××の山田です。
現在【業界名】では、【テーマ】への関心が高まっています。
弊社では、【業界名】でご活用いただける情報を公開しておりますので、ぜひご覧ください。
【CTAボタンA】
【サービス名】に関する資料をご請求いただいたお客様には、以下の記事がとくに好評です。
【CTAボタンB】
【CTAボタンC】
ご不明点などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今後ともよろしくお願いいたします。
Step.4 顧客を無料デモやトライアルに案内する
件名:【サービス名】の無料トライアルをご案内します。
差出人名:山田太郎 / △△△
本文:
□□□株式会社
○○様
平素より大変お世話になっております。
株式会社×××の山田です。
弊社のサービスにご関心を持っていただき、誠にありがとうございます。
【業界名】では、【課題】の解決策として【サービス名】について、お問い合わせをいただくことが増えています。
そこで、このたび【サービス名】の無料トライアルをご用意いたしました。
導入方法と使い方の動画もご用意しておりますので、ぜひご覧ください。
【CTAボタン】
ご不明点などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今後ともよろしくお願いいたします。
Step.5 次回のセミナーへの参加を誘導する
件名:【サービス名】の無料セミナーをご案内します。
差出人名:山田太郎 / △△△
本文:
□□□株式会社
○○様
平素より大変お世話になっております。
株式会社×××の山田です。
先日ご案内させていただいた、【サービス名】の無料トライアルはいかがでしたでしょうか。
今回は、【サービス名】の使い方や導入事例に関する、無料セミナーのご案内をいたします。
○○様のお越しをお待ちしております。
【CTAボタン】
ご不明点などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今後ともよろしくお願いいたします。
各ステップにおける例文の作成ポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。ステップメールを作成する際に、ぜひ参考にしてください。
成功事例を参考にして自社にマッチしたステップメールを配信しよう!
本記事では、弊社のCRMシステム「Synergy!」を活用したステップメールの成功事例を中心に解説しました。
ステップメール配信では、成功確率を高めるために「目的を明確に定める」「HTMLメールを活用する」といったコツを意識することが大切です。また、本記事内で紹介した例文も参考にすると、成果の出るコンテンツを効率的に作成できるでしょう。
ステップメール自体は、メール配信システムやMAでも実施可能です。しかし、企業では「あらゆるフェーズの顧客に・さまざまなマーケティング施策を行う必要」があります。その点を踏まえると、幅広い顧客情報を分析し、自社にマッチした施策へ応用できるCRMシステムを活用することがオススメです。
ステップメール施策を行うのであれば、今回の成功事例内で取り上げた、弊社のCRMシステム「Synergy!」をご検討ください。「Synergy!」には、ステップメールをはじめとしたメールマーケティングで必要な機能が充実しています。
専門知識は不要で「ノーコードでのHTMLメール作成」「顧客属性に応じたコンテンツの出し分け」などが可能です。配信数やクリック数、ブロック数などもレポートで細かく確認できるため、配信後の効果測定もスムーズに実施できます。
「Synergy!」のメール配信機能については、以下の資料で詳細を解説しています。ステップメールを実施するにあたり、CRMシステムの導入を検討している人はぜひご確認ください。

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※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。