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Pardot導入事例
導入企業に聞く!半年で見えた効果とは?Pardotの導入から運用に至るまでのあれこれ<後編>

※本記事に記載のPardotは、2022年4月7日にMarketing Cloud Account Engagementに製品名が変更になりました。

マーケティングオートメーション(MA)って実際に効果があるの?というみなさまのモヤモヤにお応えする『導入企業に聞く!Pardotの導入から運用に至るまでのあれこれ』。前編ではIDCフロンティア様(以下、IDCF)の山本さんと安食さんに、その導入から運用にいたるまでのあれこれをうかがいました。後編では、実際の施策とその成果について、お聞きします。

左:IDCフロンティア社 安食(あじき)さん、右:同社 山本さん

なぜ数あるMAツールからPardotを選んだのですか?

北村 IDCフロンティア様は、Synergy!LEADを卒業してMAツールを導入されたわけですが、その中でもPardotを選んだ理由を教えてください。

山本 よく聞かれるんですけど、Salesforce連携とスモールスタートがしやすいところです。ほかのツールも見せていただいたんですけど、けっこう導入段階でカチっと決めないといけないことが多くて。その点Pardotは、最初にドメインや必要最低限の設定だけしておけば、まず使い始めることができる。徐々に大きくしていくことが簡単で、そこが利点に感じました。

他のツールはUIから作り込まないといけないものが多かった印象です。できてしまえばすごくいいと思うんですが、小さく始めて使いたいところだけ必要な機能だけ使っていく、というのが会社の方向性に合っていたのかなと思います。

北村 Pardotはメールに特化していて、他のMAと比べてBtoBマーケティングに必要な機能に絞られていますね。Salesforceとの親和性も大きいので、Salesforceをすでに導入されている会社さんとの相性もいいです。

まずメールを送るところから始められましたが、使い勝手はいかがでしたか?

山本 もともとSynergy!LEADで毎月配信していたニュースを、Pardotでさらに効果的に進めていこうとしました。ちょうど導入のタイミングでエンゲージメントスタジオというシナリオメールの新機能がついたのでそれで活用してみました。使い勝手でいうと、UI上で簡単にシナリオを設定していけるところや、HTMLが書けなくてもエディタで楽にメールが作成できるところなど、とても簡単にメールが送れました。

ただ、海外製品によくある話なのですが、リリースしたての機能はまだところどころ粗い部分があり、例えば日本語文のメールは文字化けすることも多く、最初は苦労しました。今は安定していますが。

良かったことはメールのレポートが充実していて見やすいところですね。「配信して届いた数がいくつで、そのうち何通が開封されて、クリックがどれくらいあった」というのがわかりやすい。非常に助かっています。

Pardotを導入して、効果はありましたか?

北村 メールの機能だけでいっても、Synergy!LEADよりPardotのほうが細かいセグメント分けができたり、タイミングが絞れたりすると思います。実際に以前と比較してメールの効果って上がりましたか?

山本 上がっていると言えます。開封率とクリック率をあげるために、ちょっとA/Bテストみたいなこともしています。タイトルはこうしたらいいんじゃないかとか、メールの書き出しはこうしたらいいんじゃないかとか、Synergy!LEADでもやっていたのですが、Pardotの方がより細かくセグメントの設定ができるのとレポート結果も見やすいので、いろいろ試してみました。

良かった結果からノウハウを蓄積して、他のメールにもどんどん反映させていっています。今開封率は当時より10%くらい上がっていますね。以前だとだいたい開封率20%弱くらいだったんですけど、それが今平均して30%くらいあります。

北村 開封率いいですね!BtoBでは開封率は平均20%あればいいと言われているのに。

山本 クリック率も前だと1~2%とかだったんですけど、今は普通に6%とか。

北村 え、それはすごい。クリック率もBtoBだと3%あればいいほうです。

山本 確実によくなっていると思います。

北村  A/Bテストの結果から具体的にどんな工夫をされたのですか?

山本 クリックや開封のよくなる工夫ですか?開封に関してはやっぱりタイトルですね。本当に開封させたいんであれば、タイトルにお客様の名前を入れちゃうのがやっぱり一番でした。引きのいいタイトルをいつも考えていたんですけど。

クリックに関しては、文字にハイパーリンク「~はこちら」って書いてリンクさせているとクリックしないことがわかったんです。多分、どこにリンクさせられるのかこわいんでしょうね。なので、ちゃんとURLを出すようにしています。

安食 だからメールの形式は、HTML形式だけどあえてテキスト風にしています。あと最近では、イベントに登壇したメンバーから参加者にお礼のメールと今後のご案内を送るというのを試験的にやりました。結果がけっこうよかったので、今後はメールで取り上げるサービスの推進担当者を差出人にして、その担当者とともに、ユーザーの課題解決に向けた思いもお伝えしていけたらな、と思っています。

山本 「メルマガ」ではなく、個人から個人に届いたなと思われる文面にしているんです。

北村 「私信風」と言われる手法ですね。

安食 そっちのほうが刺さっているようなイメージですね。実際会ったことがあるセミナー登壇者からメールが来たら、「あ、前にお会いしたあの人だ」という親近感が湧くのがいいのかもしれません。

スコアリングの効果はどうでしたか?

安食 スコアリング、けっこう難しいですよね。単純にスコアがこうだったらこう、という定義がなかなか決められない。難しいんですけど、ちゃんと設定を進めると一定のしきい値でウォッチする対象として改めて認識することができるので、やってみてよかったなと思いました。

北村 インサイドセールスチームから見込顧客を営業に引き渡すタイミングもスコアで決めているんですか?

山本 メールを送って、スコアが高まったら、いったんインサイドセールスチームから電話します。もちろんスコアで厳密にチューニングができればスコアだけで判断するのも可能なのかもしれないですけど、まだそこまで至ってはいないので。

北村 具体的に、どんな形でスコアリングロジックを決められたのですか?

安食 1ページ1点のような単純な点数の付け方はやめて、Webアクセスのページの重み付けを極端な値に設定し直しました。料金やサービスの仕様に関わるページだけかなり高くスコアをつけるようにして、それ以外のページや、契約者様のログインページなどは全部思い切ってゼロにしました。

北村 本当にリードをあぶり出すための用途に絞ったんですね。

安食 あとはメールを配信したときにオプトアウトをした人は -50とか -100とかにして、マイナススタートになるようにしました。そのあと、スコアがそれぞれ100、200、300、400、になった場合の段階に応じたアクションを作りました。

具体的には、

  1. まずウォッチ対象にして
  2. 閲覧履歴に応じて興味のありそうなページのご案内を私信風メールでお送りする
  3. その後はコンタクトを重ね
  4. さらに直販営業への引き渡しを視野に入れたコンタクトをする

といった具合です。ページの重み付けの再設定と、スコアの段階に応じたアクションというのを作り直して、具体的な契約につながった案件もありました。また、解約に関するページを閲覧した人にも極端にマイナススコアをつけるようにして、営業にアラートを上げるようにしています。

北村 スコアリングって、PDCAをしっかり回さないと絶対うまくいかない機能だと思います。最初はPardotのデフォルト設定で回されたと思うんですけど、今の100、200、300みたいなルールにたどりつかれるまでに、何回くらいロジックを修正されたんですか?

安食 2回ですね。今もちょうど見直したほうがいいんじゃないかという声があがっていて、再設定しようか検討しているところです。

北村 スコアリングは成功する企業がまだ少ないんです。難しいって言って、チューニングしなくて終わってしまう会社さんが多いんですよ。そこをちゃんとやりきって、御社みたいに2回3回と変えていったら、回り出す形作りができるんですけど。

安食 MAが出してくれるスコアってあくまでサブ指標ですよね。でも、自社のサービスに合ったロジックと、しかるべきしきい値を設定してちゃんとウォッチしていれば、絶対意味があります。ぜひスコアリングが成功したと言えるように、3回目のチューニングでケリをつけたいですね(笑)。

今後の展望とシナジーマーケティングに期待すること

北村 MAって「どう使っていくか」が一番大事なのに、「どのツールを入れるべきか」という機能面ばかりで盛り上がっちゃって、なんとなく機能が充実してるからMA入れたけど結局単発のメールを送って終わり、という企業様も少なくないなと感じていました。そんな中、IDCF様は導入後も、もっとこうしよう、ああしよう、とどんどん施策を広げていかれているのがすごく素敵だなと感じていて。改めてご一緒できてよかったなと思っています。

今後取り組んでいきたい施策や、Pardotやシナジーマーケティングに期待することはありますか?

山本 インサイドセールスでは、マーケティングの中でメールが担う効果は大きいと思っています。どうやったらメールの開封率がいいかクリック率がいいかというのは、今だいぶ確立できてきたんですよ。その中で改めて重要なのはそのコンテンツなんですよね。メールで届けるコンテンツをきちんと用意しないといけない。あくまでPardotはコミュニケーション発信のツールで、そこに載せるものを作っていく活動が重要だなと。それのひとつとして、インサイドセールスチーム単独でもコンテンツを作っていきたいです。例えばブログなど。もはやサイト作ってもいいし、くらいの勢いです。

北村 いいですね。今はセミナー登壇者を差出人にしてメールを送っている、とおっしゃっていましたが、今度はブログ執筆者をメールの差出人にして読んでもらって、より御社のサービスの良さを伝えていきたいですね。

山本 インサイドセールスの最終目標は、お客様に「買いたい!」と思っていただくことです。なのでそれに関係するすべてのことはやりましょう、というスタンスで考えています。あと、これまでは既存のお客様や一度コンバージョンしたリード、すでに情報がある人たちに対してアプローチをしていたんですけど、これからはもっとリード自体の母数を増やしたいとも思っているので、アウトバウンドの施策をちょっと強めていっています。

それこそ名刺をどんどん交換していって、メールをPardotで送って、リードをアクティブな状態にして、スコアを察知し、的確にアプローチしていく、というのをどんどん進めていっているので、これからそのあたりの「新規層」と呼ばれる部分も増やしていきたいですね。

北村 ファネルの入り口を拡大して、そこからナーチャリングはPardotで、という形ですね。

安食 最終的にはPardotのシナリオ機能で、「ナーチャリングから営業への引き渡し」の流れを人の手を介さないで自動で回るようにするのが理想です。でも全部自動で、ってなるとそのシナリオにかかる責任も重いので、構築に時間がかかっている最中なんですけど。

シナジーマーケティングさんにはいろいろと助けていただいています。引き続きPardotの機能や操作といったツールの面でも、インサイドセールスや組織のつくり方といったノウハウの面でも、情報交換をしておつきあいいただければと思っています。

北村 ありがとうございます。弊社は、PardotでもSynergy!LEADでも他のツールでも、導入して終わり、ではなく導入先企業様の中でマーケティング活動を自走できるようになっていってほしいという思いでご一緒しています。山本さん、安食さんたちが中心となって、IDCF様の中でPardotを使った施策がどんどん発展していっているのがわかって嬉しかったです。

安食 今、私や山本、チームメンバーだけではなく、営業担当者にもPardotの活用が浸透してきました。ユーザーも増えたので、今後もいろいろ問い合わせさせていただくかと思います、申し訳ありません(笑)。

北村 とんでもございません、むしろありがたいです!こちらこそ今後ともよろしくお願い致します!

※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なる場合があります。ご了承ください。


※Pardot導入に関しては他にもシリーズ記事があります。ぜひそちらもご覧ください。

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