CRMのプロが書くマーケティングBLOG

BIツール「Tableau」でメールの配信結果をスピーディに見える化する

メール配信の効果測定のためにエクセルでレポートを作るのは結構大変…。
多くのメール配信システムにはレポート機能がありますが、自社で扱いやすいようエクセルなどで集計を行っているケースは意外と多いです。

そこで今回は、集計・作成をスピードアップさせるBIツール「Tableau(タブロー)」を活用し、効率的に価値あるレポートを作成するポイントをお伝えします。

分析は“事実を知る”ことが最も重要。しかし集計・レポートは大変!

分析とは、「データが集計された結果」から、次の3つのことを行うことだと私は認識しています。

  1. 事実を知る ・・・例)人やモノ・条件などによって違いがどれくらいあるのか
  2. 解釈を加える・・・例)なぜその違いが生まれたのかを経験と知識から推察
  3. 施策を考える・・・例)「じゃあ、こういう手を打とう」を考える

特に、「事実」を正確に把握することが最も重要です。その理由を、例を挙げて説明しましょう。

会社で働いていると、何かしらミスやトラブルが起こります。この時、トラブルを社内に共有する上で具体的な「施策(トラブル対策)」がなくても、まずは「事実」を正確に伝えるだけで、それを知った人は同じミスを起こしにくくなります。同様のミスやトラブルに対して注意することを覚え、心構えができるようになるからです。“賢者は歴史に学ぶ”ということの一つですね。

これはマーケティングにおいても同じです。「まだ理由はわからないけれど、そういうことなのだ」という事実があるだけで、効果のない施策のムダ打ちも回避できますし、効果のある施策を継続することも可能になります。

事実を正確に把握するためには、前提として集計・レポートが重要になります。しかし、現場には以下のような課題が潜んでいるのではないでしょうか。

『表現(見た目)のわかりやすい集計・レポートができない』
表現(見た目)がわかりづらければ、事実に対する認識違いを起こし、解釈を間違え、施策もズレたものになってしまいます。

『集計・レポート自体に時間がかかる』
スピードが遅ければ “古い情報”となり、状況変化に対応しづらくなります。スピードが遅いということの大きな理由に「集計に手間がかかる」ことが挙げられます。

手間をかけて集計し続けるうちに、集計することが億劫になる。労力の割に見やすいレポートができない。集計自体をやめてしまうこともしばしば起こり、そうなると「事実を知る」ことから遠ざかってしまいます。

BIツール「Tableau(タブロー)」でメール配信の集計・レポートを高速化する

誰もが手軽にわかりやすいレポートを扱えるようにしたい。
その実現のために、我々シナジーマーケティングのデータアナリスト部隊は、弊社のCRMシステムSynergyから抽出したデータを、BIツールのTableau(タブロー)で描画する手法を考案しました。
※BIツール:ビジネスインテリジェンス・ツール。データを収集して分析するためのツール

Tableauでの集計・レポートはとにかくカンタン

BIツールは様々ありいくつかのツールを試しましたが、Tableauを選んだ理由は3つあります。

  • 直感的な操作のしやすさ
  • 集計結果の見やすさ
  • 1ライセンスあたりのコストの安さ

操作方法は、CRMシステムからエクスポートしたデータをTableauに流し込むだけ。
Tableauでレポートを作ると、表示される値やグラフを画面上でインタラクティブに切り替えられるので、非常に見やすいという利点があります。

Synergy!のメール配信データを取り込んだ場合

各部の操作
サンプル:配信時間帯別にレポートを表示
サンプル:曜日別にレポートを表示

※Tableauには無料で利用できるTableau Readerがあり、Tableauで作ったファイルを閲覧することが可能です。この閲覧時もインタラクティブな切り替え表示が可能です。

一度Tableauでレポートフォーマットを作成すれば、追加のデータを都度流し込むだけで結果が更新されます。流し込みを手順化し効率化することで、スピーディにレポートが作成できるようになります。弊社でもSynergy!からエクスポートしたデータをTableauでレポート化することで、作業時間が大幅に削減されました。

集計・レポートはスピーディに、分析に多くの時間を費やそう

システムベンダーの立場として、当社のシステムを利用されているお客様には、システムのデータから読み取れる「事実」をよりスピーディに、正確に把握していただきたいと考えています。しかし、多くの企業から集計・分析の様子を見聞きするなかでわかったことは、どの企業も「事実を把握するための集計・レポートに苦労している」ということでした。

システムからデータを抽出し、エクセルなどで独自の集計を行う大変さ。この現状を何とかしたいと思い、Tableauを活用したレポートをお客様に提供することにしました。データをわかりやすくスピーディに集計し、多くの「事実」を把握できれば、「施策を考え、実行する」ことに時間を費やせるようになるはずです。

Tableauを推進する狙いは、実は作業効率以外にもう一つあります。我々の知見を増やし、お客様にノウハウとしての価値を提供するためです。

Webアクセス解析では、ご存知の通りGoogle Analyticsというツールが広く普及しています。フォーマットが統一されていることで、全く別のWebサイトであったとしても比較がしやすくなるのです。数値の違いが頭に残りやすくなるとも言えます。

比較がしやすいことで、「これは普通より数値が高い/低い」などの“ノウハウ”が溜まっていきます。そうすると、そのノウハウが共通の価値になります。このようなツールの存在自体が、世の中のアクセス解析のレベルを底上げしたと言えます。

我々も同じく、さまざまな企業のメール配信結果を同じフォーマットで分析することで、ノウハウを溜めやすくなり、お客様に提供できる価値レベルが向上すると考えています。
世の中のマーケティング担当の方が、成果に直結する「施策を考え、実行する」という部分に極力時間を費やせるよう、今後も貢献していきたいと考えています。今回紹介したBIツールはその一助となりますので、ぜひご活用ください。

データ集計時間を効率化し、データから考える時間を増やす
「Synergy! × Tableau」で分析を効率化してPDCAを回す

戦略立案に必要な分析をTabelauで担い、施策実施のシステムとしてSynergy!を活用します。実施した施策から購買にどれだけつながったのか確認しながら、PDCAを回していきます。

Synergy! × Tableau ご紹介資料

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