Salesforce1で動作する「簡単メール連絡アプリ」を作成しました。
Dreamforce’13で発表されたSalesforceの新しいプラットフォーム「Salesforce1」をお使いでしょうか。「モバイルファースト」「APIファースト」が強調されたプラットフォームだけあって、
- モバイルからあらゆる操作が可能
→ 特に外出の多い営業の方には非常に強力なアプリになるのではないでしょうか。 - モバイル向けアプリの開発が容易に
→ Visualforceページがsalesforce1上で動作するため、モバイル向けのページ作成も容易になりました。
上記2点が大きな特徴かと思います。
今回はそんなSalesforce1の特徴を活かすべく、外出先で簡単に使えるアプリをわずかな時間で作成してみました。
なお、アプリは無料で公開していますが、以下の注意点をご確認ください。
- テストの実施を含め、アプリの利用は各自の責任でお願いします(当社は一切の責任を負いかねます)。
- 公開しているソースコードは改変も含めて当社へのご連絡なしに自由に利用いただけますが、再販・転売はご遠慮ください。
<目次>
アプリについて
今回作成したアプリは、「取引先責任者に対してメールテンプレートを使ったメール送信を簡単に行えるアプリ」です。その名も「かんたんフォロー」!
営業さんが取引先責任者を訪問後、帰社することなく、モバイルから以下のようなメールを送信するシーンを想定して、このアプリを作成しました。
- 訪問後フォローメール(お礼メールなど)
- 自社の製品のカタログ紹介メール
- 事例紹介メール
アプリ利用方法
1. アプリをインストールする。
以下のURLからアプリをインストールします。
https://login.salesforce.com/packaging/installPackage.apexp?p0=04t10000000QIUZ
2. アプリで使用するメールテンプレートを作成する。
[設定] | [管理] | [コミュニケーションテンプレート] | [メールテンプレート]を選択し、アプリで使用するテンプレートを作成します。※テンプレートは必ず「有効」状態にします。
作成後、テンプレートに割り当てられる「ID」を控えます。以下のように、作成したテンプレートのURLから「ID」を確認します。
3. カスタム設定を作成する。
[設定] | [開発] | [カスタム設定] | 「よくつかうメールテンプレート」 > [Manage]を選択します。
「デフォルトの組織レベルの値」という文言の上にある「新規」ボタンをクリックしてカスタム設定作成画面に進み、設定を作成します。
ここまでで、アプリを使うための準備は完了です。あとはSalesforce1の設定を行い、モバイルでアプリを使用できるようにするだけです。
Salesforce1の設定手順
1. Salesforce1利用設定を有効にする。
[設定] | [モバイル管理] | [Salesforce1]を選択し、「Salesforce1 モバイルブラウザアプリケーションを有効化」をオンにします。
これで、モバイルからSalesforce1を起動させた際、モバイル用の画面が表示されるようになります。
2. ユーザの「Salesforce1」フラグをオンにする
[設定] | [ユーザの管理] | [ユーザ] > [“アプリを利用するユーザ名”]を選択し、アプリ利用ユーザの「Salesforce1」フラグをオンにします。
このフラグがオンになっていないユーザがモバイルからSalesforce1を起動させた場合、画面がモバイル用で表示されません。
3. 「かんたんフォロー」アプリをSalesforce1 で利用可能にする
[設定] | [モバイル管理] | [モバイルナビゲーション]を選択し、「かんたんフォロー」アプリを「選択済み」に移動させます。
これで、Salesforce1からアプリが利用可能になりました!
アプリ画面
実際のアプリ画面をご紹介します。
1. Salesforce1 ログイン直後の画面
左上のナビゲーションリンクをタッチしてアプリを表示しましょう。
2. 「かんたんフォロー」を選択
アプリケーション欄に「かんたんフォロー」があるため、タッチしてアプリ画面に遷移します。
3. 取引先責任者を検索
取引先責任者の名前を入力すると(画面で「テスト」と記載されているテキスト入力フィールド)、リアルタイムで取引先責任者が検索されます。
4. 送信対象者を選択
検索で表示された取引先責任者のうち、メール送信対象とするものを選択し、[送信]をクリックします。
※画面では対象者が1人しか表示されていませんが、最大10人まで表示されます。
5. 送信タイミングを選択
すぐに送るか、あらかじめカスタム設定で指定した時間に送るかを選択します。
※「指定時間に送信」を選択した場合で、既に当日の当該時刻を過ぎている場合は、翌日に送信されるようになります。
6. 完了画面表示
送信設定処理が正常に完了した場合、以下のような画面が表示されます。
以上がアプリの説明となります。
ご紹介したアプリは無償で公開しています。これを機に、Salesforce1の活用やアプリ開発に挑戦していただければと思います。
留意点
- メール送信制限について:メール送信処理ではSalesforceのメール送信機能を利用しているため、1日に送信可能なメールの上限数(1,000)に達した場合はメール送信できない可能性があります。
参考: メール送受信の制限 | セールスフォースの豆知識 - プロファイル権限について:メール送信を行うため、アプリを操作するユーザのプロファイル権限には「メールの送信」項目にチェックを入れるようにしてください。
活用のポイント
- 活動履歴との連携:取引先責任者へのメール送信を行うと、自動的に対象の取引先責任者に対する「活動履歴」にデータが記録されます(Salesforce標準の機能により記録される)。フォロー漏れの確認などにお役立てください。
- ユーザごとに使用するテンプレートを切り替える:アプリで使用するテンプレートはカスタム設定で管理するようにしていますが、カスタム設定は「階層」で作成されているため、ユーザごとに異なる内容の設定をすることが可能となっています。これにより、例えば以下のような設定が可能になります。
・ユーザA は「テンプレート1」「テンプレート2」「テンプレート3」 を使用
・ユーザB は「テンプレート4」「テンプレート5」「テンプレート6」 を使用
担当者によって使用するテンプレートは変わってくることもあるかと思いますのでご活用ください。
※参考:カスタム設定の概要 | Salesforceヘルプ
※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。