メールマーケティングのメリットとは?運用効果を高めるコツも解説
「メールマーケティング」は、eメールで顧客に自社商品・サービスを訴求する施策です。メールマーケティングのメリットは、費用対効果が高い訴求が見込み顧客に対して行えることです。
ただし、メールマーケティングで十分な効果を出すためには、施策の種類や運用ポイントについて知っておく必要があります。この記事では、メールマーケティングのメリットや、効果を最大化するためのコツについて解説します。
メールマーケティングとは
「メールマーケティング」とは、eメールを通じて顧客にアプローチする施策の総称です。集客や購買など顧客に起こしてほしいアクションを決定し、その達成のために顧客にメールでアプローチします。具体的には、自社サイトから資料請求を行った顧客に最新情報を知らせるなど、顧客が必要とする情報を提供して購買意欲を高めていきます。
「メールマガジン」「ステップメール」「シナリオメール」との違い
メールを活用した施策といえば、「メールマガジン」「ステップメール」「シナリオメール」などを思い浮かべるかもしれません。これらは、いずれもメールマーケティングの施策の一部です。顧客ニーズに合う情報を最適なタイミングで提供するために、さまざまな施策を活用することが重要です。施策の詳細については後述しますが、以下の記事もあわせてご参照ください。
メールマーケティングが重要な理由
メールマーケティングが重要な理由として、以下の3つが挙げられます。
- 現在も主要なコミュニケーション手段だから
- 顧客との接点を維持し続ける必要があるから
- 購買意欲の高い見込み顧客を抽出できるため
現在も主要なコミュニケーション手段だから
SNSが普及した現在でも、eメールは主要なコミュニケーション手段であり続けています。総務省が発表した「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、40代以上では令和3年時点でも、eメール利用率がSNS利用率を上回っています。
引用元:総務省 令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書
ビジネスにおいても、社内コミュニケーションではチャットツールの利用率が高まりつつありますが、社外との連絡では今でもeメールの利用率が高いです。そのため、eメールを活用したメールマーケティングを行うことは、顧客獲得や関係構築の点で有用です。
顧客との接点を維持し続ける必要があるから
顧客を購買やF2転換(リピート購買)へ導くためには、顧客との接点を維持し続ける必要があります。顧客とのコミュニケーションが不十分であれば、競合他社へ流出する可能性が高まります。商品・サービスの単価が高額なるほど検討期間が長くなるため、メールマーケティングで継続的なリードナーチャリングを行うことが重要です。
メールマーケティングの成功に欠かせない「リードナーチャリング」の概念については、以下の記事をご参照ください。
購買意欲の高い見込み顧客を抽出できるため
収益の拡大にはマーケティングや営業の効率化が欠かせません。獲得した見込み顧客に対し、むやみにアプローチしても、購買意欲が低い状態であれば成約に誘導できません。メールマーケティングを行えば、「どの顧客が積極的なアクションを起こしそうか」を把握できます。見込み確度の高い顧客を抽出して営業をかければ、効率的に成約を獲得できます。
メールマーケティングのメリット
メールマーケティングを行うことで、以下の4つのメリットが得られます。
- 施策の投資対効果が高い
- 見込み顧客に訴求しやすい
- 社内からアプローチできる
- 効果測定を行いやすい
施策の投資対効果が高い
メールマーケティングは低コストで始めることができ、費用対効果も高い施策です。マーケティング施策は多様ですが、いずれもある程度のコストがかかるため、予算によっては十分な効果が得られません。一方、メールマーケティングはコンテンツの制作さえ行えば、ごく低コストで始められます。また、顧客に合うアプローチが行いやすいため、全体的な費用対効果も高い施策です。
見込み顧客に訴求しやすい
メールマーケティングの施策は多様ですが、いずれも見込み顧客に訴求しやすいことが魅力です。複数の施策を併用すると、顧客に合わせたメールを配信しやすくなります。例えば、資料請求を行った顧客にメルマガを一斉配信し、ユーザーの反応に応じてシナリオメールを配信するなどです。
社内からアプローチできる
外回りで営業せず顧客にアプローチできることも、メールマーケティングのメリットです。フィールドセールスでアプローチできる顧客は、1日あたり数件ほどしかありません。一方、メールマーケティングを活用すれば、自社が保有する見込み顧客すべてに対して瞬時にアプローチできます。
効果測定を行いやすい
メールマーケティングは、施策の「効果検証」が行いやすいことも魅力です。例えば、メールの開封やURLリンクのクリックなど、顧客のアクションを数値化できます。効果測定でコンテンツを改善することで、「顧客の興味関心」に合わせて最適な情報を提供しやすくなります。
メールマーケティングの注意点
メールマーケティングの注意点として、以下の2つのポイントを意識しましょう。
- コンテンツ制作に工数がかかる
- 中長期的な運用を続ける必要がある
コンテンツ制作に工数がかかる
メールマーケティングは、見込み顧客のニーズに合うコンテンツを提供し続ける必要があるため、人的リソースやコストがかかります。セグメントやシナリオの数が増えるほど、メールのパターンも増えため、リソース不足にならないように適切な運用体制を構築する必要があります。
中長期的な運用を続ける必要がある
メールマーケティングは、中長期的な運用を続けなければ効果が出ません。特に、取り扱う商品やサービスが高額なほど、顧客の検討期間が長くなるため接点の維持が重要です。中長期的な運用に耐えられるように、人的リソースを確保する必要があります。
メールマーケティング施策の種類・手法
メールマーケティングのメリットを享受するためには、目的に合う施策を行う必要があるため、以下の6つの施策の使い分けが重要です。
- メルマガ(メールマガジン)
- ステップメール
- シナリオメール
- セグメントメール(ターゲティングメール)
- リターゲティングメール
- 休眠顧客発掘メール
メルマガ(メールマガジン)
購読登録を行った顧客に対し、一斉に同じメールを送信する施策です。自社商材やキャンペーンに関する情報を提供し、リードナーチャリングを行うことが主目的です。しかし、全員に同じ内容のメールを送信するため、興味を感じないユーザーも一定数存在します。メルマガの効果を高めるためには「ABテスト」を行うのがおすすめです。
ステップメール
資料請求や購買など、顧客がアクションした日を起点に、事前に設定したスケジュールどおりにメールを自動配信する施策です。段階的に顧客の興味関心を高められますが、ステップメールの途中で顧客が起こした行動に対し、配信内容を変更することは基本的にできません。ステップメールの設計で重要なポイントについては、以下の記事をご参照ください。
シナリオメール
顧客が起こすアクションに対応し、適切なメールを自動配信する施策です。例えば、メール開封やクリックの有無など、顧客の行動パターンに応じたメールを配信します。ステップメールを発展させたようなもので、ニーズに応じた柔軟なコンテンツを配信できることが魅力ですが、コンテンツ制作に相応の工数がかかります。
セグメントメール(ターゲティングメール)
見込み顧客を「属性」に応じてセグメント分類して、セグメントごとに適切なメールを配信する施策です。顧客のオプトイン(購読登録)時に、年齢・性別・職業・趣味などの情報を収集するため、顧客ニーズに合うメールを配信しやすいことが魅力です。
リターゲティングメール
セグメントメールを発展させて、Web上での顧客のアクションまで追跡して、それに対応するメールを配信する施策です。例えば、「自社サイトの商品ページを閲覧した」「導入事例ページを確認した」など、能動的なアクションを起こした顧客に対し、適切なオファーを提供できます。
休眠顧客発掘メール
過去に商談を行ったものの、成約に結びつかなかった見込み顧客にアプローチする施策です。顧客の近況を確認するメールや、過去のやり取りを踏まえた魅力的なオファーを提供します。新規の見込み顧客と比べて、低コストで関係を構築しやすいことが魅力です。休眠顧客の掘り起こしについては、以下の記事をご参照ください。
メールマーケティングを成功させるポイント
メールマーケティングのメリットを最大限にいかすために、以下の4つのポイントが重要になります。
- メール配信の目的を明確化する
- 詳細な「ペルソナ」を定めておく
- 配信後の効果測定と改善を必ず行う
- 各種システムやツールを導入する
なお、メールマガジンの導入事例については以下の記事で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
「メールマーケティング」に関する事例一覧
メール配信の目的を明確化する
メールマーケティングを行うときは、まず目的を明確化しておくことが重要です。目的意識が曖昧だと、施策の方向性がズレて、十分な効果が得られません。配信目的に加えて、「KGI」「KPI」「CTR」「CVR」「開封率」など、具体的な指標も事前に設定しておきましょう。
詳細な「ペルソナ」を定めておく
あらゆるマーケティングにおいて、「ペルソナ」の設定が欠かせません。年齢・性別・職業などの要素から、具体的な顧客イメージを想定することで、ニーズに合う適切な訴求がしやすくなります。運用成果を大きく左右するポイントなので、ペルソナ設計は入念に行っておきましょう。
配信後の効果測定と改善を必ず行う
メールの「開封率」や「反応率」など、効果測定を丁寧に行いましょう。効果が低いメールを洗い出し、本文やリンク設置箇所など問題がある箇所を明確化することで、今後に向けた改善が行いやすくなります。開封率とクリック率の関係や「上げるコツ」については、以下の記事をご参照ください。
各種システムやツールを導入する
手作業でメールを配信しても、効率的な運用や正確な効果測定を行うことは困難です。後述するツールやシステムを導入することで、データ分析や改善が行いやすくなります。
メールマーケティングを効果的に行うためのツール
メールマーケティングの効果を高めるためのツールとして、以下の2つがおすすめです。
- メール配信ツール
- CRMツール・MAツール
メール配信ツール
メール配信に特化したツールで、メールの作成や配信はもちろん、データ収集や解析ができます。専門スキルが必要なHTMLメールも簡単に作れるうえに、比較的低コストで導入可能です。メールマーケティングを手軽に実施したいなら、メール配信ツールがおすすめです。
CRMツール・MAツール
「CRM(顧客関係管理)ツール」は、顧客関係の管理をサポートしてくれるツールです。「MA(マーケティングオートメーション)ツール」は、マーケティング全体を自動化・効率化するためのツールです。いずれもメール配信ツールの機能に加えて、メールから自社サイトに遷移したあとの顧客行動を追うことや、顧客情報を管理することもできます。
CRMツールやMAツールは導入・運用にコストがかかりますが、メールマーケティングの運用効果・メリットを最大化したいなら最適な選択です。
メールマーケティングのメリットは「費用対効果の高い訴求」
メールマーケティングは低コストで見込み顧客に訴求しやすいため、リードナーチャリングやリピーター獲得に最適な施策です。しかし、顧客ニーズに合うアプローチやコンテンツ作成を行うために、手間と工数がかかります。
メールマーケティングの目的やペルソナを定め、メルマガやステップメールなど適切な施策を選ぶことが重要です。メールマーケティングで意識したいポイント・コツについては、ぜひ以下の資料を参考にしてみてください。
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