電源をつけて、会議開始までたったの1分!
「Chromebox for meetings」を使ってみた
- 既存のTV会議システムは接続に時間がかかって困る
- 月々の保守費をもっと抑えたい
- 複数の会議室に一気に導入できる低コストのTV会議システムはないか
そんな課題を抱えながら見つけたソリューションが、Googleの提供する「Chromebox for meetings」です。
<目次>
Chromebox for meetingsとは
Chromebox for meetingsはChrome OSを搭載した小型のボックス型端末「Chromebox」と、ウェブカメラ、マイクスピーカー、専用リモコンがセットになっており、設置するだけでGoogle+の「ビデオハングアウト」機能を使ったTV会議を行うことができます。
導入には、ハードウェアの購入とソフトウェアライセンス契約、Google Apps の契約が必要になります。
ハードウェア
Chromebox本体はASUS(エイスース)製、それに加えてウェブカメラ、マイクスピーカー、リモコン、その他ケーブル類を合わせて1セット。価格は115,000円。10万円台に収まるハードウェア代は大変な低価格です。
ソフトウェアライセンス
Chromebox用の管理リソースの追加と保守サポート代で年額35,000円。同額が年額ではなく月額でかかるTV会議システムも多い中で、このコストパフォーマンスには驚かされます。
まずコスト面に驚かされましたが、重要なのは実際の使用感。早速、モニターにセットし、TV会議をしてみました。
1.初期セットアップ
背面に電源コネクター、LAN、USB、HDMI、DisplayPort、ヘッドフォンとマイクのコンボジャックがあるので、TVモニターとLANに接続し、マイクとカメラをUSBで接続するだけで設置が完了します。
サーバーなど用意する必要もなく、簡単です。
電源を入れると、5秒で起動。言語やタイムゾーンなどのデバイス設定を行い、続けてカメラ、マイク、スピーカーのテストを行います。それが終わるとすぐに利用可能な状態に!直感的な操作で簡単にセットアップが完了します。
またマイクの操作も+ -で音量調整、緑の電話マークで通話開始、赤の電話マークで終了、ミュートマークで消音と、こちらも簡単です。
2.TV会議を始める
Chromebox for meetingsで利用するビデオハングアウトは、以下のようなイメージです。
同じ、ハングアウト名(今回なら「Test」)の空間に参加メンバーが集まり、TV会議を行います。デバイスはChromeboxだけでなく、PCやスマートフォン、タブレットなどから最大で15拠点から参加可能です。
※ただしGoogleアカウントの取得が必要
Chromeboxの場合、画面の「ハングアウト名を入力してください」の箇所に、会議の名前など任意の文字を入力します(例のように「Test」などでもOK)。Chromebox同士でのTV会議なら同じ方法で接続が完了します。2拠点以上がハングアウトに参加することで、TV会議が自動的に開始されます。
ChromeboxからTV会議に招待することも可能で、「ユーザーを招待」から招待したいユーザーのメールアドレスを入力すると招待されたユーザーへメールが届き、本文に記載されたURLをクリックすると、TV会議に参加できます。
3.資料を共有する
ビデオハングアウトとの「画面共有」機能を使って、簡単な資料の共有も行えます。
しかし、「画面共有」はChromeboxからは行えません。資料共有を行う場合は、ハングアウト内にPCなどのデバイスを参加させる必要があります。
PC端末から見たビデオハングアウトの画面
4.電源を切る
赤色の受話器ボタンを押すとTV会議(ハングアウト)が終了します。あとはCromeboxの電源ボタンを押すだけで、電源を落とすことができます。シャットダウンの操作が必要なく、片づけもスピーディーに行えます。
Chromebox for meetingsの良い点
- 起動が本当に速い!
電源を入れてから5秒で起動します。TV会議が開始できる状態にするまで1分以内です。従来使っていたテレビ会議システムは、電源を入れてから開始するまで少なくとも5分以上はかかっていました。セッティングにかかる時間が圧倒的に短縮できます。 - 驚きのコストパフォーマンス
冒頭でも書きましたが、ランニングコスト(保守費)が従来のTV会議システムより格段に安く、弊社の場合、約3分の1まで抑えることができました。機能面で多少劣るところもありますが、会話や簡単な資料共有のみのTV会議であればChromebox for meetingsで十分です。 - Googleカレンダーとの連携ができれば本当に便利!さらに広がるTV会議の効率化
ChromeboxをGoogleカレンダーの設備に登録すると、Googleカレンダーで会議を設定する際に、Chromeboxも合わせて予約することが可能になります。
Chromebox上にその日の会議予定が表示され、あとはそれを選択するだけでTV会議を簡単に開始することができます。Googleカレンダーを活用することで、より簡単にスピーディーにTV会議を始めることができます。
Chromebox for meetingsの難点
- 時々、音声が途切れることがある
通信が不安定になることがあり、音声が途切れたり、タイムラグが出たりします。しかし全く通話ができなくなるといったことはないので、誤差の範囲でしょうか。 - Googleカレンダーとの連携ができないと、使用方法が複雑
本来はGoogleカレンダーとの連携を前提に作られているシステムのため、Googleカレンダーを社内のスケジューラーに採用していないと、使い方に工夫が必要です。また「ハングアウト」の理解がないと、接続方法が少々難解になります。弊社ではGoogleカレンダーを全社では利用していなかったため、利用方法のアナウンスには苦労しました。
今回は試験導入として社内展開を行いましたが、使い方に多少戸惑いはあったものの、慣れれば誰でも簡単に使いこなせるTV会議システムです。起動からTV会議開始までのスピード感や低コストは本当に魅力的です。今後は全会議室への設置を行っていきたいと構想は膨らみます。
※この記事は2015年2月5日公開時点の情報です。掲載情報と最新情報が異なる可能性がありますのでご注意ください
※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。