ステップメールの例文・テンプレートと成果を高める書き方を紹介
ステップメールの「シナリオ」は、顧客のアクションを購買へ導くためのプロセスです。適切なシナリオを設定することで、顧客ニーズに合わせた訴求ができます。ただし、件名・本文・CTAリンクなどさまざまなポイントを意識しなければ、十分な効果が得られません。そこで本記事では、ステップメールのシナリオの例文・テンプレートや、意識すべきポイントを解説します。
ステップメールの「シナリオ」とは
ステップメールの「シナリオ」とは、顧客のアクションを起点として、そこから購買・申し込みにつなげるまでのプロセスを指します。
例えば、メルマガ登録を起点・購買をCV(コンバージョン)とする場合は、「メルマガ登録→商品紹介→お試し商品の案内→購買」などのシナリオです。このようにシナリオを作成することで、顧客の行動に応じたメールを配信しやすくなるため、メルマガより訴求効果が高まります。
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ステップメールのシナリオの例文・構成
「資料請求を行った顧客のセミナー参加への誘導」を目的として、ステップメールを配信する例を考えてみましょう。ここでは、シナリオを以下の5段階に分けて、具体的な例文を紹介します。
- 資料請求に対するお礼のメールを配信する
- 導入事例やサービス比較など関連資料を案内する
- ほかの顧客からの関心が高い資料を案内する
- 顧客を無料デモやトライアルに案内する
- 次回のセミナーへの参加を誘導する
1. 資料請求に対するお礼のメールを配信する
最初のメールは、顧客が資料請求を行ったことに対する、感謝のメールを送信します。長々と書くと、伝えたいことが分からなくなるうえに、顧客が最後まで読んでくれない可能性が高まります。そのため、ここでは資料のダウンロードリンクの案内にとどめることが重要です。差出人を営業担当者の名前にすることで、顧客との「一対一」のやりとりを演出できます。
件名 :○○様 資料をご請求いただきありがとうございました。
差出人名:山田太郎 / △△△
本文 :
□□□株式会社
○○様
平素よりお世話になっております。
株式会社×××の山田と申します。
このたびは、【サービス名】の資料請求をいただき、誠にありがとうございます。
資料につきましては、こちらからダウンロードできます。
【CTAボタン】
ご不明点などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今後ともよろしくお願いいたします。
2. 導入事例やサービス比較など関連資料を案内する
次に、顧客が抱えているであろう課題を解決するために、追加情報を提供します。初めの資料に関連する、導入事例やサービス比較表などの資料を案内するのがおすすめです。顧客がダウンロードした資料の種類に応じて、3通目以降の内容を変えると効果的です。
件名 :【サービス名】の導入事例をご案内いたします。
差出人名:山田太郎 / △△△
本文 :
□□□株式会社
○○様
平素より大変お世話になっております。
株式会社×××の山田です。
ご請求いただいた【サービス名】について、導入事例やサービス比較などに関する資料をご案内いたします。
【CTAボタンA】
【CTAボタンB】
【CTAボタンC】
ご不明点などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今後ともよろしくお願いいたします。
3. ほかの顧客からの関心が高い資料を案内する
3通目は、顧客が請求した資料に関連する課題の解決や、ほかの顧客からの関心が高い資料などについて案内します。例えば、事例資料・ホワイトペーパーや、自社で運用しているオウンドメディアやメールマガジンなどです。自社商材のプッシュではなく、お役立ち情報の提供という意識を持つことが重要です。
件名 :いま話題の【テーマ】に関する情報をご案内します。
差出人名:山田太郎 / △△△
本文 :
□□□株式会社
○○様
平素より大変お世話になっております。
株式会社×××の山田です。
現在【業界名】では、【テーマ】への関心が高まっています。
弊社では、【業界名】でご活用いただける情報を公開しておりますので、ぜひご覧ください。
【CTAボタンA】
【サービス名】に関する資料をご請求いただいたお客様には、以下の記事が特に好評です。
【CTAボタンB】
【CTAボタンC】
ご不明点などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今後ともよろしくお願いいたします。
4. 顧客を無料デモやトライアルに案内する
これまでの案内を踏まえて、4通目では自社商材の無料デモ・トライアルを案内します。「自社商材が課題解決に役立つ」という流れで、顧客が自然に「使ってみたくなる」と思えるような流れにしましょう。
件名 :【サービス名】の無料トライアルをご案内します。
差出人名:山田太郎 / △△△
本文 :
□□□株式会社
○○様
平素より大変お世話になっております。
株式会社×××の山田です。
弊社のサービスにご関心をもっていただき、誠にありがとうございます。
【業界名】では、【課題】の解決策として【サービス名】について、お問い合わせをいただくことが増えています。
そこで、このたび【サービス名】の無料トライアルをご用意いたしました。
導入方法と使い方の動画もご用意しておりますので、ぜひご覧ください。
【CTAボタン】
ご不明点などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今後ともよろしくお願いいたします。
5. 次回のセミナーへの参加を誘導する
最後のステップメールとして、今回のCVであるセミナーへの参加の誘導を行います。セミナーへの参加で得られる「メリット」を伝えることで、顧客の意欲を高めることができます。
件名 :【サービス名】の無料セミナーをご案内します。
差出人名:山田太郎 / △△△
本文 :
□□□株式会社
○○様
平素より大変お世話になっております。
株式会社×××の山田です。
先日ご案内させていただいた、【サービス名】の無料トライアルはいかがでしたでしょうか。
今回は、【サービス名】の使い方や導入事例に関する、無料セミナーのご案内をいたします。
○○様のお越しをお待ちしております。
【CTAボタン】
ご不明点などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今後ともよろしくお願いいたします。
ステップメールがBtoBビジネスに向いている理由
ステップメールは、コンテンツの作成に手間とコストがかかるため、「BtoBビジネスに向いている」と言われています。
1件あたりの単価が低い商品・サービスを扱っている場合は、ステップメールのコストパフォーマンスが悪くなります。一方でBtoBやSaaS系ビジネスの場合は、単価が高く顧客の検討期間が長い傾向があるため、時間をかけてアプローチできるステップメールが適切です。
なお、BtoCであっても単価が高い商材を取り扱う場合は、ステップメールでも高い効果が得られるケースがあります。自社の商材の性質を踏まえて、ステップメール導入の検討をすることが大切です。
ステップメールについてはこちらの記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
ステップメールの作成手順
ステップメールは、以下の3つの手順で作成します。
- 運用目的を設定する
- シナリオを設計する
- コンテンツを作成する
1. 運用目的を設定する
ステップメールの作成時は、まず最終的な目的である「CV(コンバージョン)」の内容を決めます。例えば、製品資料・事例資料の申し込みやセミナー参加などです。その後のシナリオやメールの設計に大きな影響を与えるため、事前にCVを正しく認識しておくことが重要です。
2. シナリオを設計する
ターゲット層が抱える課題を分析し、顧客をCVへ誘導するまでのプロセスを想定しましょう。シナリオの設計方法として、「PREP法」「AIDMAの法則」「PASONAの法則」などのフレームワークが効果的です。これらのフレームワークについては後述します。
3. コンテンツを作成する
準備が完了したら、配信するメールの大まかな構成案を作成します。顧客にとって有益な情報を本文に盛り込み、必要に応じて顧客の課題に寄り添うことが重要です。ただし、自社商材の紹介をプッシュしすぎると顧客からの印象が悪くなるので、文中で軽く触れる程度にしましょう。コンテンツを作成できたら、実際に配信して効果検証と改善を繰り返します。
顧客にアプローチしやすいステップメールのポイント
顧客にアプローチしやすいステップメールを作るために、以下の5つのポイントを意識しましょう。
- 件名
- 差出人名
- メール本文
- URLリンク
- 画像
件名
件名は開封率を左右する要素なので、メールの内容を端的に伝えられるものにします。一覧画面に表示される文字数の関係から、20文字前後が適切です。件名に装飾を入れると、文字数を圧迫するうえに、開封率はそれほど高まらない可能性が高いので注意が必要です。
良い例 | 悪い例 | |
---|---|---|
件名 | メールマーケティングのプロがMAを徹底解説 | 【セミナーのお知らせ】メールマーケティングのプロがMAについて徹底解説します【重要】 |
文字数 | 21文字 | 42文字 |
差出人名
差出人名は、読者が認識しているものでないと、開封率が下がる可能性があります。メルマガのクリックを起点とする場合は、メルマガの差出人名を使用するなど、顧客のアクション時に認識された名前を使うのが理想的です。
良い例 | 悪い例 | |
---|---|---|
差出人名 | 山田 太郎 / マーケティング通信 | 【株式会社○○】山田 太郎 |
メール本文
メール本文は、顧客への訴求力を決定づける要素です。ただし、顧客がメール閲覧に費やす時間はごく短いので、コンテンツを詰め込みすぎると最後まで読んでもらえません。1つのテーマ・1つのコンテンツのみで構成することが重要です。
URLリンク
メール本文に設置するCTA・URLリンクは、CV獲得率に大きな影響を与えます。CTA・URLリンクは、顧客の目に入りやすい場所に設置することが重要です。また、CTAはテキストリンクではなく「ボタン」や「バナー」形式で設置するほうが、クリック率が高まると考えられています。
画像
顧客の視覚に訴求するために、画像を活用することも重要です。例えば、製品画像や導入事例が分かる画像を挿入すると、顧客に強い印象を与えられます。ただし、資料紹介のように視覚での訴求が必要ではないものには、画像より本文に注力するほうが効果が出やすくなります。
ステップメールの成果を上げるためのポイント
ステップメールの運用を成功させるために、以下の3つのポイントを意識することが重要です。
- HTMLでメールを作成する
- セールスライティングを意識する
- 丁寧な効果検証と改善を行う
HTMLでメールを作成する
ステップメールは基本的に「HTMLメール」で作成します。前述したように、HTMLメールは文字装飾や画像挿入などができるうえに、効果検証や改善が行いやすいことが理由です。
セールスライティングを意識する
ステップメールは、「セールスライティング」の考え方を活用すると、訴求効果の高いメールが作れます。セールスライティングのフレームワークとして、以下の3つが有名です。
- PREP法
- AIDMAの法則
- PASONAの法則
取り扱う商材やステップメールの目的によって、適切なフレームワークが変わるため、事前に十分な検討を重ねておきましょう。
PREP法
意味 | Point(結論) Reason(理由) Example(具体例) Point(結論) |
---|---|
概要 | 最初に結論を述べ、その理由と具体例を述べてから、再び結論を述べる流れ |
AIDMAの法則
意味 | Attention(注意) Interest(興味) Desire(欲求) Memory(記憶) Action(行動) |
---|---|
概要 | まず顧客の注意を引き、興味と欲求を喚起させたうえで、顧客に自社商材を覚えてもらってアクションへつなげる |
PASONAの法則
意味 | Problem(問題) Affinity(親近感) Solution(解決策) Offer(提案) Narrow down(絞り込み) Action(行動) |
---|---|
概要 | 問題・課題を顧客に提示し、寄り添いながら解決策を示す。そのうえで、具体的な解決策を提示し、お得感をアピールしてアクションへつなげる |
丁寧な効果検証と改善を行う
ステップメールは、顧客ニーズを反映することで効果が出るため、効果検証と改善を繰り返すことが重要です。ステップごとに開封率やクリック率を検証すれば、「どこに課題があるか」分かります。「メール配信システム」や「CRMツール」の活用で、より精密な分析が可能となります。
ステップメールの活用で顧客に強い訴求ができる
ステップメールを作成する際は、 件名・差出人名・メール本文・URLリンク・画像などの要素を工夫し、顧客に魅力的な訴求を行うようにすることが重要です。取り扱う商材に合わせた、適切なセールスライティングを意識することで、ステップメールの成果が上がります。
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