メール開封率とその平均は?測定方法や開封率を上げるためのポイントを解説
メールマガジン(以下、メルマガ)の配信やメールマーケティングにおいて重要な指標のひとつとされているのが「メール開封率」です。
ユーザーがメールを開封したかどうかはどのようにして測定されているのか、そして開封率とはどの程度まで信頼できるものなのでしょうか。メールの開封率を上げるためのポイントとともに、解説していきます。
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メール開封率とは、メールが開封された割合のこと
メール開封率とは、メルマガなどの配信したメールが、送付先で開封された割合を表すデータです。
メール開封率のデータを割り出す計算式は下記のとおりです。
<メール開封率の計算式>
(開封数÷有効配信数)×100(%)=開封率
メール開封率は、メールがどのくらいの人に読まれているかを判断する指標として活用されています。ただし、ツールを使う際は注意しておきたい点があります。
多くのツールは、有効配信数に対する開封数で開封率の計算をしますが、ツールによっては未達メールを考慮しないまま「配信総数に対する開封数」で開封率を算出するケースもありえるのです。ツールを使う際は、有効配信数と配信総数、どちらの開封率を知りたいのかについての事前の確認がおすすめです。
また、開封されたことは測定できても、当然ながら実際に読まれたかどうかまではわかりません。
メルマガ開封率の平均についてはさまざまなデータがありますが、一般的なセグメントのユーザーであれば15~20%、ロイヤル(優良)ユーザーであれば20~30%くらいがおよその目安となるでしょう。
メルマガを発行している会社の業種や、メルマガのジャンルによっても開封率は変わります。例えば、ユーザーが強い関心を持ちやすい趣味関連のメルマガは、開封率も高くなりやすいようです。なお、一般的にPCで受け取る人よりも、スマートフォンで受け取る人のほうが開封率は高い傾向があります。
開封率はどうやって測定する?
ユーザーがメールを開封したかどうかは、どのようにしてわかるのでしょうか。ここでは、開封率の測定方法についてご説明します。
Google アナリティクスを使う方法
メールの開封率を測定する方法として一般的なのは、HTMLメール内に画像を埋め込み、その画像のソースに測定用パラメーターを記載して画像がユーザーに読み込まれたかどうかを判定する方法です。ですから、送付するメールはテキストメールではなくHTMLメールでなければなりません。
アクセス解析ツールであるGoogle アナリティクスを利用すると、この開封の有無を確認するための設定をすることができます。具体的には画像タグに「Measurement Protocol」のURLを設置してソースに埋め込みます。これは、それほど難しい作業というわけではなく、Googleの「Hit Builder」というサービスを使えば設定することができます。Google アナリティクスやHit Builderは、登録すれば誰でも無料で利用できます。
ツールを使う方法
上記で説明した方法よりも、もっと簡単な方法もあります。メール配信システムやCRM(顧客関係管理)システムのメール配信機能を使うと、自身でソースにURLを記入するといった作業をしなくても開封率を測定できます。やり方は、配信時に開封通知機能を有効にするだけといった簡単なものです。
それらのツールを使っていれば、開封率を管理画面やレポートでいつでも確認できます。日付ごとに配信したメールの開封数・開封率を一覧表示して確認できるツールもあります。
なお、ツールを使う場合も、HTMLメールでなければ開封率を測定できない点は変わりません。画像がユーザーに読み込まれたかどうかで判断するという原理は、Google アナリティクスを利用する場合と同じです。
開封率が重要視される理由
そもそも、メール開封率が大事な指標とされているのはなぜでしょうか。開封率が重要視される理由を2つご紹介します。
開封されない限り絶対にクリックされないから
メール配信システムやCRMシステムを使ってメルマガを発行する際は、開封率のほかに「クリック率」も測定することができます。クリック率とは、そのメール内に記載されたリンクがクリックされた割合です。
当然ながら、メールは開封されなければクリックされることはありません。開封率を上げれば、それだけクリック率が上がる可能性も高くなることになります。
マーケティング施策の内容を吟味する指標となるから
メルマガの開封率のデータを取得していけば、どんな件名のメルマガを、どんなタイミングで送れば開封率が上がるのかを調べることができます。メルマガの開封率を目標の達成度を評価するKPI(重要業績評価指標)として設定し、開封率を上げるための施策を考えるのも有効です。
例えば、現在のメルマガの開封率が10%前後しかないとすれば、クリック率も伸びず、メルマガをマーケティングのために使用している意義が薄れてしまいます。費用対効果についても考え直す必要が出てくるかもしれません。
しかし、改善策を施し、メルマガの開封率を上げればクリック率の伸びも期待でき、さらにメルマガの情報発信力が強化されたとみなすこともできるでしょう。
メール開封率は、マーケティング施策の内容を吟味する上で重要な指標となるのです。
メール開封率の平均はどれくらい?
マーケティング施策の重要指標の1つになるメール開封率。となると、具体的にどのくらいの開封率を担保できていれば、良い状態と評価できるか気になる方も多いのではないでしょうか。
弊社でも「今は〇%だけどどのくらいを目指せばよいの?」「業界別・業種別の平均開封率ってどのくらい?」というご質問をよくいただきます。
メール開封率の良し悪しは以下のような情報によって大きく前後するため一概にここを目指すとよい、という指標はありません。
- メールマーケティング施策の目的
- ターゲット
- 配信数
- 配信頻度
最新情報を定期的にお届けするメルマガと、One to Oneのシナリオが配信されるステップメールでは施策の目的が異なるため、受信者に期待する反応も異なります。既存顧客向け配信と見込み顧客向け配信を比較した場合も同じことが言えますね。配信数が極端に少ない場合は、開封数のわずかな変動で開封率が大きく変動することもあるでしょう。
とはいえ指標としての値があるほうが施策設計は進めやすいため、参考記事を1つ紹介します。弊社が提供するCRMシステム「Synergy!」から実際に配信されたメールの配信実績を用いて調査した、業界別開封率レポートです。
開封率はどのくらいを目指せばいいか迷っておられる方はぜひご覧ください。
メールの開封率にこだわりすぎないほうがいい理由
上記と矛盾するようですが、メルマガの開封率のみにこだわるのもおすすめしません。その主な理由には、下記の3つがあります。
iOSデバイスでは開封率は意味をなさないため
2021年9月21日(日本時間)に公開された「iOS 15」には、新たに「メールプライバシーの保護(Mail Privacy Protection)」という機能が追加されました。この機能による影響のひとつに、「iOS標準のメールアプリを使用しているユーザーの開封率がわからなくなった」という事象があります。
つまり、iOS 15にアップデートしたiPhoneでメルマガを受け取っている人の開封率は、現在ではもう正確には計測できなくなったということです。さらにいえば、iOS以外にも、Apple社が提供している「iPadOS 15」「macOS Monterey」「watchOS 8」以上のOSも、メールプライバシー保護機能を搭載するようになっています。このことにより、iPadやMac、Apple Watchなどで受け取るメールの開封率も、詳細に測定できなくなりました。
メールプライバシー保護の設定は、ユーザー自身がオン・オフすることも可能です。しかし、メールの「プライバシー保護」と表現されていることから、オンにしている人が多いと考えられます。そして、計測者がこの仕様を回避して、iOSデバイスでの開封率を把握することは非常に困難です。
日本のスマートフォンにおけるiOSのシェアは4割以上です。そのため現在では、メールの開封率を計測したとしても、全体の開封率を正しく捉えたとはいえない状況となっています。
ただし、iOS 15にアップデートした以降のiOSデバイスが対象であっても、クリック率を測定することに関しては問題なくできます。メールを読んだ人のクリック率は正確にわかりますが、開封率については正確なデータが得られなくなっているというのが現状です。
開封した=読んだとの決めつけは早計だから
メルマガを開封したことがわかったとしても、実際にユーザーが中身まで読んだかどうかまでを知ることはできません。未読マークやバッジが表示されたままの状態が嫌で、開封作業だけを行う人もいます。メールアプリの中には、未読メールを一気にまとめて既読にする機能を持つものもあります。
また、メールをテキストメールとして受信する設定にしている人や、HTMLメールの画像を非表示にしている人などは、メールを開封したとしてもその開封率を計測できません。
元々、開封率はそれほど厳密なものではないということも意識しておくべきです。
メール開封率は各種指標の中のひとつだから
メールマーケティングにおける指標は、メール開封率だけではありません。前述したクリック率に加えて、到達率やコンバージョン率も主要な指標となります。
・到達率
到達率とは、メールがメールサーバに届いた割合です。また、到達率と表裏一体の関係にあるのがエラー率です。エラー率は、送信したメールのうち、受信サーバによってはじかれてユーザーのデバイスに到達しなかった割合です。
・クリック率
クリック率は、メールサーバに到達した(配信に成功した)メールのうち、メール本文中のURLがクリック(スマートフォンの場合はタップ)された割合です。クリック率はおおむね、1~3%の範囲に収まることが多いとされています。なお、開封されたメールのうち、メール本文中のURLがクリックされた割合は、反応率と呼ばれます。
・コンバージョン率
コンバージョン率は、メール配信により商品購入などの目的を達成した割合です。商品購入を目的に配信したメルマガのコンバージョン率は、リンクをクリックしてページに遷移し、商品を見て購入に至ったユーザーの割合ということになります。ほかにも、会員登録や問い合わせをコンバージョンとして設定する場合もあります。
多くの場合、メルマガなどのメールを配信する最終的な目的は、こうしたユーザー行動の喚起であるはずです。順番としては、まず到達率があり、次に到達したメールの開封率、そしてクリック率、クリック後に目的を達成したコンバージョン率という流れになります。
メール開封率は、ユーザーがコンバージョンに至るまでの数あるプロセスのひとつであることは認識しておきましょう。
メールの開封率を上げるための6つのポイント
メールの開封率を上げることに、意味がないわけでは決してありません。多くのユーザーにまずメールを読んでもらうということは、メールマーケティングの基本です。クリックやコンバージョンはいうまでもなく重要ですが、ほかにもメルマガにはユーザーにメールを開封して読んでもらい、親しみを持ってもらう、さらには信頼関係を築いていくといった役割もあります。
ここでは、メール開封率を上げるにはどんな施策や工夫が必要なのかをご紹介します。6つの項目ごとにポイントを説明していきますので、ひとつずつ見ていきましょう。
1 件名の工夫点
ユーザーが届いたメールを開封するかどうかを判断するとき、まず注目するのが件名です。どんなにお得な情報、興味を引く内容のメールであっても、そのことが件名で伝わらなければ開封率は上がりません。
開封したくなる件名にするには、ユーザーの心に刺さるキーワードを入れ込むのが有効です。そのワードは、「お得」「新しい」「役に立つ」「おもしろい」「楽しい」「簡単な」といった言葉で形容できるような情報であるべきでしょう。
さらに「中身が気になる」「チェックする価値がありそう」と思ってもらえれば、開封率は上がります。例えば、「あと◯◯個で終了」「今だけ無料」「メルマガ限定」「2分でわかる」「速報」「緊急放出」などの表現が挙げられます。
同時に、わかりやすく具体的な件名になっていることも重要です。アピールポイントがすぐに伝わるような、ユーザーの目につきやすい件名が理想です。
件名の文字数は、PCメールは20~30文字、スマホメールはPCよりも少なめの20文字以下にするのが適切とされています。できるだけ20文字以内程度に収めるのが良いといえます。
2 差出人名・差出人アドレスの設定
メルマガは、差出人名も大切です。国内向けのメルマガであるなら、メールアドレスや英語ではなく、日本語で表示されるように設定しましょう。
どんな会社から来たメールなのかがひと目でわかるようにしておくほうが、開封率は上がるはずです。
3 プレヘッダーも意識する
GmailやiPhoneの標準メールアプリでは、件名の下にプレヘッダーと呼ばれるテキストが表示されます。このプレヘッダーを意識して文章を作成すると、件名だけでは伝えきれない情報をユーザーに示せます。
プレヘッダーは、メール本文のHTMLソースの「<body>部分」に設定することで、その内容が表示されます。
ソースコードのサンプルは下記になります。
<ソースコードのサンプル>
<!-- プレヘッダー --> <table border="0" align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" style="max-width:600px;"> <tr> <td style="width:0;min-height:0;mso-hide:all;font-size:0;"><span style="color:#f3f3f3;font-size:0;line-height:0;>プレヘッダーが入ります。</span></td&amp;amp;amp;amp;gt; </tr> </table>
※弊社ブログ「HTMLメールの作り方<基礎編1>」より抜粋
注)サンプルは背景色(color:#f3f3f3;)がある場合のソースコードになっています。白背景の場合は color:#ffffff; としてください。
上記のようにソースに記載することもできますが、メール配信ツールを使うと、HTMLの知識がなくても簡単に記入・編集できるためおすすめです。
4 ターゲットに合ったコンテンツを配信する
メルマガは、多くの人に一斉にメールを配信するより、ターゲットを絞り込んで配信するほうが開封率の向上につながる傾向があります。
メルマガの登録者などの中から、特定の属性を持つ人に対象を限定して配信するメールを、ターゲティングメールと呼びます。こうしたタイプのメールをターゲットにマッチした内容で、しかも内容がわかる件名で配信すれば、開封率も格段に上がることが期待できるでしょう。
5 配信する日時に配慮する
メルマガは、配信する日時にも配慮が求められます。最もNGな行為とされるのは、深夜の時間帯の配信です。クレームやブランド価値の下落につながることもあるので注意しましょう。
どの日時が最も開封率が高くなるかは、ABテストを実施して検証してみるのがおすすめです。また、毎週同じ時間帯に送る、次回の配信日時を予告しておくといった方法で相手に配信日時を覚えてもらう方法も効果的です。
6 データ容量を考慮する
データ容量はできる限り軽くしておくのが鉄則です。ユーザーはスマートフォンだけではなく、フィーチャーフォンで受信する可能性もあることを考慮しておきましょう。受信するのに時間がかかるだけでも開封されなくなる、読まれなくなる確率が上がってしまいます。
まとめ:開封率など、さまざまな測定機能が備わっている「Synergy!」の活用を
iOSデバイスの仕様変更も含めて、メール開封率測定に関する状況は、ここ数年で変わりつつあります。それでも、開封率を上げることが重要であることに変わりはありません。
クラウドベースの国産CRMシステムである「Synergy!」には、配信したメールの配信エラー率、クリック率、開封率を測定する機能が備わっています。また、開封率を上げるための仕組みとしてABテスト機能や、深夜時間帯配信自動停止機能も用意。さらにはHTMLメールが簡単に作れるエディタ機能を活用すれば、開封率の向上はより期待できます。メルマガはもちろん、ターゲティングメールやステップメールなどのメールマーケティングにも対応する「Synergy!」の活用を、ぜひご検討ください。
「Synergy!」の詳細はこちらをご覧ください。
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