CRMやプロモーションにおけるデータ活用とは?
~逆さ富士に学ぶ、データ活用の極意~
こんにちは中屋です。
シナジーマーケティングでは、主にお客様のCRMプロジェクトやプロモーションをプロデュース、マネジメントしています。そこで日々生まれる現場の生の声やフレームワークを、こちらのブログで紹介していきたいと思います。皆様のビジネスやプランニングのヒントになるよう、できる限り分かり易くご紹介できればと思います。
“逆さ富士”がどうしてデータ活用に通じるのか
7maru/Shutterstock.com
まずは、冒頭の写真をご覧ください。
今話題の世界遺産に登録された富士山です。さらにその富士山の景観の中でも、“逆さ富士”はその美しい姿から、古くより日本人に愛でられてきた風景だそうです。
なぜいきなり“逆さ富士”と思われた方がほとんどだと思いますが、実はこの“逆さ富士”、データ活用を含めたプロモーションやCRMの企画を考える際にとても重要な要素を教えてくれるのです。
上の写真に写っている“逆さ富士”は見事ですが、特徴としては、湖面が凪いだときに見られる風景であり、水面が穏やかで波が無い状態ほどくっきりと映ります。
データ活用の上で理想的な“逆さ富士”の写真と、問題のある“逆さ富士”の写真を比較できるよう、他の写真も見ていきましょう。
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こちらの写真の富士山はくっきりと見えますが、若干湖面が波立っており、“逆さ富士”がボヤっと見えています。
これは、データ活用をする上では、曖昧であったり、直接効果を判断しにくい状態と同じイメージです。例えていうなら、間接的な要因が多く含まれる計測値をKPIに設定している状態です。これでは正しい評価ができません。
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一方、こちらの写真も同様に富士山はくっきりと見えますが、湖の幅が狭く“逆さ富士”が欠けて見えています。
これは、データ活用をする上では、測定できないポイントが存在していて全体を正しく評価できない状態と同じイメージです。一見、数値をしっかりと計測できているように見えるデータでも、全体を見ると計測できていないケースも良く見られます。これも誤った結論や、仮説に繋がってしまいます。
上の3枚の写真を見ると、どんなに立派な富士山でも、湖面が波立っていたり、富士山を写す湖に十分な広さがないと理想的な※1“逆さ富士”を見る事ができない事が分かります。
※1ここでいう理想は富士山の全体が写っている事とくっきりと逆さ富士が見えている事をさします。芸術的な意味合いではないのであしからず。
前置きが長くなりましたが、実はデータ活用を含めたプロモーションやCRMの企画を立案する時も同じで、インパクト抜群でお金をかけたプロモーションも、100万人、200万人規模の会員組織を作り上げていても、データベース(湖面)をしっかり整えておかないと企画(富士山)の魅力だけに終わってしまい、正しい定量的評価や正しい数値を基にしたPDCAサイクルを回す事ができません。
これは、今多くのマーケターが悩む課題だと思います。
“逆さ富士”から学ぶデータを活用した企画設計の実現方法
上の図は、左が富士山と湖面に映る逆さ富士のイメージで、右がプロモーションやCRMの企画とデータベースの関係性です。このように見ていくと、“逆さ富士”を表現する“湖”と“企画”を正しく評価する“データベース”は役割がとても似ていることがわかります。
よくある話として、
- プロモーションは効果があったと思うけど、何が?と言われると言葉に詰まってしまう
- 会員組織(CRM)は順調に会員数が増えているけど、何故か?と言われると感覚的な回答に終始してしまう
ということがあります。
いずれも企画に対する“逆さ富士”の全体を把握(設計)しきれていない事に問題があることがほとんどです。
もちろん、外的な要因など全てを把握することは現実問題として困難ですが、データ活用を含めたプロモーションやCRMの企画を立案する際、“逆さ富士”を思い出してデータベースを点検することは多いに役立ちます。
Ex:ユーザー接点に対峙した評価指標の設定ができているか?
提供するサービスに対峙した評価指標の設定ができているか?
まとめ
- 湖面が穏やかで波がない状態である
= 企画を評価するために明確な数値が取得できる - 湖に富士山が入る広さがある
= 企画を正しく評価できるデータベースのキャパシティがある。または、不足している データを補完できる状態にある。 - “逆さ富士”全体が見渡せる状態にある
= 戦略/目的~ユーザー接点まで全体を把握し計測ができる
企画を正しく評価し、効果的なPDCAサイクルを回して効率的に成果を上げる。次回は、さらにブレイクダウンした具体的な事例を基に話を進めていきます。
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