メールマーケティングではCRMシステムを活用すべき!メリットや活用例、実施手順などを解説
CRMシステムでは、顧客の基本情報や連絡先、商品の購入履歴といった幅広い顧客情報を一元管理しています。この一元管理した顧客情報を分析し、メールマーケティング施策と組み合わせることで、より高い成果を得られます。
例えば、分析した顧客情報をもとに「商品の初回購入者へ “購入のお礼” “使用感について質問” など状態にマッチしたメッセージを配信し信頼関係を築くことでファン化を促す」といったイメージです。
上記のように、顧客のニーズにマッチしたメッセージを最適なタイミングで配信できれば、満足度は高まり最終的なLTV向上につなげられます。実際にメールマーケティングと組み合わせるCRMシステムを選ぶ際は「メール配信機能が充実しているか?」「外部システムと連携しやすいか?」といったポイントを意識しましょう。
本記事では、CRMシステムとメールマーケティングを組み合わせるメリットや活用例、具体的な実施手順などを解説します。
<目次>
「CRMシステム」「メールマーケティング」について改めて確認しよう!
最初に「CRMシステム」「メールマーケティング」の基本を改めて確認しましょう。
- CRMシステムとは?
- メールマーケティングとは?
CRMシステムとは?
まず「CRM」とは、顧客に最適なフォローや提案を行って信頼を獲得し、長期的に良好な関係を構築する考え方のことです。顧客と良好な関係を構築し、自発的に自社サービスを利用してもらえるようになれば、企業は最終的な利益の拡大を実現できます。
こうしたCRMの考え方の実現に必要なツールが「CRMシステム」です。CRMシステム上で一元管理した幅広い顧客情報を分析し、顧客のニーズや要望を正しく把握することで、適切なフォローや提案を行う際に役立ちます。
一元管理できる顧客情報の例は、以下の通りです。
- 顧客の基本情報(氏名・年齢・性別など)
- 連絡先(電話番号・メールアドレス)
- 商品の購入履歴
- 問い合わせ履歴
- 店舗での接客履歴
- 商談履歴
- セミナーや展示会で交換した名刺情報
顧客情報をさまざまな角度から分析し、「どのようなアプローチで顧客は嬉しく感じるか?」「購買意欲を刺激できるか?」などを踏まえた最適なコミュニケーションを実施できれば、自然と顧客満足度は高まるでしょう。
CRMシステムの機能やメリットなどの詳細は、以下の記事で解説しています。
メールマーケティングとは?
「メールマーケティング」とは、メール配信を通じて顧客のニーズや状態に合わせた最適なアプローチを行い、見込み顧客の育成や新規顧客の集客、次回商品購入の促進などを実現する施策です。
従来までのメール配信では、性別や地域などの一定条件でセグメントした会員へ同じ情報を一斉配信する「メルマガ」が一般的でした。しかし、競合他社が増えて顧客の選択肢やニーズも多様化する現在において、「受け手の状態を踏まえない画一的なメッセージ」を送っても、響かなくなりつつあります。
そのため現在のメールマーケティングでは、顧客個人の状態を踏まえてカスタマイズしたメールを、最適なタイミングで配信することが求められます。例えば「誕生日を迎えた顧客にお祝いキャンペーンのメールを配信する」「ECサイトの閲覧履歴を分析して興味にマッチしそうな新商品情報を配信する」といったイメージです。
ニーズにマッチしたメッセージを配信できれば、顧客は「この企業は自分をしっかり見てくれている」と好意的に捉えるため、自社への信頼がアップします。こうしたアプローチを定期的に行うことで、顧客との信頼関係を無理なく長期的に構築できるでしょう。
メールマーケティングの手法としては、主に以下があげられます。
手法 | 概要 |
---|---|
セグメント配信 | 特定の属性を持つ顧客に限定して配信するメールのこと。年齢や性別、居住地、興味のある事柄などの属性に分類し、「東京エリア在住の女性に該当イベントの案内を配信する」といったアプローチを行うイメージ |
ステップメール | 「商品の初回購入」「資料請求」など、顧客が特定のアクションを行った日付を起点として、事前に設定したスケジュールに沿ってメールを配信すること |
シナリオメール | ステップメールと同様に、顧客の特定アクションを起点に配信するメールのこと。ステップメールは購入日や資料請求日など「日付のみ」を起点にするが、シナリオメールでは日付だけでなく、メール開封やフォーム登録、自社サイト訪問といった「具体的なアクション」も起点にできる |
リターゲティングメール | 顧客の特定のアクションを起点に配信するメールのこと。「商品サンプルを請求したが購入に至らなかったユーザーへ期間限定クーポン情報を配信する」など、「商品に関心はあるが購入を迷っている顧客を後押しする」「解約を検討しているユーザーを思い留まらせる」といった場面で活用できる |
上記のように顧客にマッチしたメールを配信するには、顧客情報を分析しニーズや要望を適切に洗い出すことが必須です。
CRMシステムであれば、性別や年齢はもちろん、商品の購入履歴や問い合わせ内容、サイトへの訪問履歴といった幅広い顧客情報を一元管理し、適切なデータを分析してニーズを洗い出せます。
ニーズや状態をもとに「商品の初回購入者は◯◯の情報を知りたがっている」「××に該当する顧客は離脱から引き戻せる可能性がある」などを判断できれば、各顧客が持つニーズを踏まえて最適なメールを配信し、正しくアプローチできるでしょう。
顧客情報の保管だけでなく、データ分析およびマーケティング施策の設計まで実行できるのは、メールマーケティングでCRMシステムを活用する大きなメリットです。
メールマーケティングの手法や成功のポイントなどは、以下の記事で詳しく解説しています。
CRMシステムをメールマーケティングに活用するメリット
CRMシステムをメールマーケティングに活用することで、大きく以下のメリットを受けられます。
- 顧客のニーズやフェーズに合わせ最適なコミュニケーションを実現できる
- 自社のリソースを抑えながら顧客へ継続的にアプローチできる
- 効果測定して改善しやすい
- 顧客満足度を高め最終的なLTV向上を実現できる
顧客のニーズやフェーズに合わせ最適なコミュニケーションを実現できる
CRMシステムでは、一元管理した幅広い顧客情報を分析し、さまざまなニーズや要望、状態を的確に把握できます。こうして抽出した情報をもとにアプローチを設計できれば、顧客の要望にマッチした最適なコミュニケーションを実現できるでしょう。
例えば以下のようなイメージです。
- 商品の初回購入者へ「購入のお礼→使用感について質問→商品のお得な情報→利用し続けるメリット→次回購入の促し」という順番でメールを配信し、無理に売り込まず信頼関係を築きながら購買へつなぐ
- 「ECサイトで買い物カゴに商品を入れたがうっかり放置している顧客」へリマインドメールを配信することで、買い漏れを防いで自社の売り上げを高められるだけでなく顧客からも感謝される
- 休眠から復活した顧客の特徴を分析し該当顧客へ特別クーポンを配信することで、再度の購入を促す
顧客からしても、テンプレートのような一斉配信メールが届くより、自分の状況を踏まえカスタマイズされたメッセージのほうが好印象を抱きます。
自社のリソースを抑えながら顧客へ継続的にアプローチできる
メールマーケティングを行う場合、以下のような作業が必要です。
- 配信先のペルソナ設定
- 適切なシナリオの設計
- 配信対象に合わせたメール文面の作成
- 配信設定
- 配信リストの作成
ツールがない状態で上記を行う場合、手作業でゼロから情報収集したり結果を分析したりする必要があるため、従業員にとって大きな負担になります。とくにペルソナ設定やシナリオ設計では、「顧客はどのタイミングで購買意欲が上がるのか?」「どんな文面が響くのか?」などを分析・設計するための専門知識が必要です。そのため、メールマーケティングを初めて行う企業では、実際に成果を出せるまで施策設計や配信作業などに時間がかかるかもしれません。
CRMシステムを導入すれば、ツール上で手軽に分析や配信リストの準備などを実施できます。搭載済みの機能を活用しながら、顧客情報の管理やデータ分析、文面作成、配信設定などをツール上でワンストップで行えるため、業務負担を大幅に軽減できるでしょう。CRMシステムの提供会社によっては、メール配信を含めマーケティング施策の設計や運用まで代行する場合もあるため、専門知識を持たなくても運用可能です。
知見がない分野へリソースを投下しつつ成果が出るまで時間を割く必要がないため、企業にとって理想的な「普段通りにコア業務へ注力しつつ質の高いアプローチも同時並行で実施する」という状態を実現できます。
メール配信で定期的に顧客へアプローチし接点を持っておけば、「コミュニケーションを取っていない間に競合他社に流れてしまう」というリスクも減らせるでしょう。
効果測定して改善しやすい
メールマーケティング施策の改善では、以下のような指標を分析し効果測定することが大切です。
- 開封率:配信メールを顧客が開封した割合
- クリック率(CTR):メール本文に埋め込んだリンクがクリックされた割合
- コンバージョン率(CVR):メール経由で自社が定めた特定のアクションを起こした割合
具体的な数値をチェックすることで、「開封率が低いので次はタイトルを変えよう」「コンバージョン率が低いので資料ダウンロードボタンの位置を変えよう」など、具体的な改善策を考え次のメール配信で試せます。
CRMシステムであれば、基本的に「配信レポート」といった内容で、クリック率や開封時間帯、読者のデバイスなどを分析できます。現状を視覚的に把握し、より正しい改善の方向性を見出すためにも、CRMシステムの機能は必要です。
メールマーケティングにおける効果測定の重要性や各指標の説明などは、以下の記事で詳しく解説しています。
顧客満足度を高め最終的なLTV向上を実現できる
上記で解説したように、CRMシステムをメールマーケティングに活用することで、「顧客情報を分析しニーズにマッチした最適なメッセージをカスタマイズできる」「自社のリソースをあまり投下せず定期的にアプローチできる」といった状態を実現できます。
顧客の状態にマッチしたメールを必要なタイミングかつ定期的に配信できれば、自然と満足度は向上します。顧客満足度が高まり積極的に自社サービスを購入してくれるようになれば、最終的な企業のLTV向上につながるでしょう。
企業からすると「自社で特別にアプローチしなくても顧客が購入してくれる」という理想の状態を実現できます。
CRMシステムによるメールマーケティングの活用例
CRMシステムを活用したメールマーケティングの活用例として、大きく以下の3パターンがあげられます。
- リードナーチャリングによって見込み顧客を新規顧客へ引き上げる
- 新規顧客を既存顧客へ引き上げてフォローする
- 休眠顧客へアプローチしてサービスの再利用を促す
リードナーチャリングによって見込み顧客を新規顧客へ引き上げる
リードナーチャリングとは、「リード=見込み顧客・ナーチャリング=育成」を組み合わせた言葉です。「セミナーの初回参加者と名刺交換した」「自社サイトから製品資料をダウンロードした」などで接点が生まれた見込み顧客へ最適なアプローチを提供して、自社との信頼関係を構築し、新規顧客へ引き上げやすい状態を整えます。
CRMシステムを活用しメールマーケティングを行うことで、以下のように効果的なリードナーチャリングを実施可能です。
- 製品資料をダウンロードした顧客へアポイントの打診メールを配信する
- セミナーで名刺交換した見込み顧客へ、当日の会話内容をもとに「業界の知識」など有益情報を提供する
- 自社サイトの特定ページを頻繁に閲覧しているユーザーが興味を持ちそうな情報をメールで提供する
見込み顧客の状態に合わせ「温度感が高いのでアポを打診しても大丈夫」「まだ興味段階なので有益情報の提供に注力しよう」などと判断することで、適切に信頼関係を構築し、無理なく新規顧客へ引き上げられます。
メールマーケティングを活用したリードナーチャリング施策については、以下の記事で詳しく解説しています。
新規顧客を既存顧客へ引き上げてフォローする
CRMシステムを活用したメールマーケティングは、「新規顧客の既存顧客への引き上げ」「既存顧客へのフォロー」でも有効です。
代表的な方法としては「ステップメール」があげられます。商品の初回購入者へ「お礼→商品の使い心地の確認→オススメの使い方の解説→次回購入のお誘い」という順番でメールを配信し、無理なく次回購入へつなぐイメージです。
もちろん一度購入したからといって、以降も必ずリピートしてくれるわけではありません。商品の質が悪かったりアフターフォローが雑だったりすると、顧客満足度は低下し次の利用につながりません。
そのため、既存顧客へ引き上げた後も以下のようなフォローを行い、顧客満足度を高める努力が必須です。
- 定期的にアンケートを配信して顧客の声を集め、商品改善に反映させる
- 「購入商品の使い方のポイント」「購入履歴をもとにしたオススメ商品」といったニーズにマッチした情報を定期的に配信する
- 指定期間内に一定額以上を購入した顧客へ特別クーポンを配信する
せっかく購入へつなげた顧客を逃さないために、メールマーケティングを活用して確実に既存顧客へ引き上げ、定期的にフォローしましょう。
休眠顧客へアプローチしてサービスの再利用を促す
CRMシステムの顧客情報を分析すれば、一定期間自社サービスの利用や購入がない「休眠顧客」を洗い出せます。
休眠顧客を把握し「半年以上利用していない顧客へ近況伺いのメールを配信する」「直近で来店履歴がない顧客へ特別クーポンを配信する」などを実施すれば、再び自社サービスを利用してくれるようになるかもしれません。また、細かく顧客情報を分析し「休眠から復活した顧客」の特徴を把握できれば、より効果的にアプローチできます。
せっかく時間をかけて獲得した顧客が休眠してしまうのは、企業にとって大きな機会損失です。そのまま離脱して競合他社へ流れることもあるため、メールマーケティングを活用し、顧客とのつながりを失わないよう対策しましょう。
CRMシステムを活用したメールマーケティングの流れを6ステップで紹介!
CRMシステムを活用したメールマーケティングの基本的な流れは、以下の6ステップです。
Step.1 メールマーケティングの目的を定める
Step.2 社内の顧客情報をCRMシステムに集約させる
Step.3 アプローチすべきペルソナを決める
Step.4 ペルソナにマッチしたシナリオを設計する
Step.5 活用できる自社のコンテンツを洗い出して文面を作成する
Step.6 配信後にPDCAサイクルを回して改善する
Step.1 メールマーケティングの目的を定める
配信のターゲットや送る順番、文面は「メールマーケティングの目的」によって変わります。具体的な目的としては、例えば以下があげられます。
- 資料のダウンロード顧客のニーズにマッチした情報を提供し価値を感じてもらい商談へつなげたい
- 商品の初回購入者と信頼関係を構築して定期契約に引き上げたい
- 一定期間サービス利用がない休眠顧客へ再度アプローチしたい
- 自社サイトの閲覧ページの履歴に合わせてオススメ商品をメールで紹介したい
そのため、最初に必ずメールマーケティングの目的を定めましょう。目的を決めて方向性を明確化することで、正しい内容で施策を決定できます。
目的と合わせて、具体的に「達成したい成果」も決めましょう。例えば「配信メール経由の商談率を◯◯%上げる」「購買数を◯◯倍に増やす」といったイメージです。目指す成果を数値で設定できれば、「何が・どれくらい不足しているのか?」をより正確に判断できます。
Step.2 社内の顧客情報をCRMシステムに集約させる
設定した目的に沿って、社内の顧客情報をツール上に集約しましょう。顧客情報については、以下のような部分までチェックして集めることが大切です。
- 展示会やセミナー、過去の商談で交換した名刺の情報
- 過去の商談で話した要望や提案内容
- 自社サイトにおける顧客のページ閲覧履歴
- サンプル請求や資料ダウンロード時に顧客が入力した情報
- 過去の問い合わせ履歴
- 実店舗が保管している来店者とのやり取り履歴
社内の顧客情報を抜け漏れなくCRMシステムへ集約し、幅広い角度から顧客のニーズや状態を分析することで、より顧客にマッチしたメールを配信できます。
顧客情報を集める際は、以下のようなデータクレンジングも行いましょう。
- 半角と全角の統一
- 旧字体と新字体の統一
- 正式名称と略称の統一
- 重複情報の削除
etc.
「同じ情報なのに表記が違う」「A支店では◯◯の情報を保管しているがB支店にはない」といった抜け漏れがある形でデータが保管されていると、顧客情報を正しく分析できません。分析データに抜け漏れがあると、メール施策を考える際に視点が抜けてしまうため要注意です。
Step.3 アプローチすべきペルソナを決める
設定した目的や集めた顧客情報をもとに、自社でアプローチすべきペルソナを設定しましょう。
ペルソナとは、メールマーケティングを行うべきターゲット像を深掘りし詳細に落とし込んだターゲット像を指します。自社サービスの種類や業種などによって異なりますが、以下の項目を深掘りすることが一般的です。
BtoC | ・年齢 ・性別 ・職業 ・年収 ・趣味嗜好 ・家庭環境 ・性格 ・抱える悩み ・購買行動の傾向 ・週末の過ごし方 ・通勤時の過ごし方 |
---|---|
BtoB | ・企業規模 ・所属部署 ・部署の人数 ・現在の課題 ・役職 ・決裁権の有無 ・企業方針 ・情報収集で使ってるデバイス |
特定の顧客をイメージできるレベルまでペルソナ像を落とし込み、「この顧客はどんなタイミングで・どんな情報を求めるのか?」という点を明確化することで、より最適なタイミングで顧客に刺さるメッセージを配信できます。
Step.4 ペルソナにマッチしたシナリオを設計する
上記までで洗い出した情報をもとに、シナリオを設計しましょう。
シナリオ設計では、主に以下のような内容を決めます。
- 配信日時
- 配信回数
- 配信の間隔
- 配信の順番
配信シナリオについて、絶対の正解はありません。ペルソナが「いつ・どんな状況で・どんな情報を必要とするのか?」を予測し、最適なシナリオを設計しましょう。顧客の気持ちの変化に近い流れでシナリオを設計すれば、よりメールマーケティングの目的を達成しやすくなります。
Step.5 活用できる自社のコンテンツを洗い出して文面を作成する
設計したシナリオを実現できるよう、活用できる自社のコンテンツの洗い出しと文面作成を行いましょう。
メールマーケティングでは、以下のように社内のコンテンツも活用できます。
- 過去のウェビナー資料
- 自社のLP
- 製品の特徴や顧客に役立つ情報をまとめたホワイトペーパー
- オウンドメディアで発信している情報
シンプルなテキストだけでなく、上記も組み合わせることで「過去のウェビナーで反応がよかった資料を抜粋して送る」「オウンドメディアの情報をもとにコンテンツをブラッシュアップする」などが可能です。
また、ペルソナを参考にしながら、以下も意識できると顧客に響く文面を作成できます。
- 現在の悩みは?
- どんな情報を提供されたら嬉しいと感じる?
- どんな未来を見せたら自社への興味を生み出せる?
文面作成では「テキストメール」「HTMLメール」のいずれかを活用することが一般的です。
テキストメール | シンプルに文字だけで作成したメールのこと。文章が書ければ作成できる。ただし、画像や動画などを挿入できないため、視覚的な訴求は難しい |
---|---|
HTMLメール | Webページのレイアウトなどに使用するHTML言語を使って作成したメールのこと。テキストのカラー付けやフォントサイズの変更、画像の埋め込みなどができるため、テキストメールより視覚的に訴求できる。より具体的なHTMLメールのメリットや作成方法などは、以下の記事で解説 関連記事:HTMLメールとは?メリット・デメリットと作り方を解説 |
「ステップメール」を例にあげて実際の例文を紹介!
メール文面のイメージを持ちやすくするために、実際にメールマーケティングで使われている例文を確認しましょう。
今回は、弊社が提供するCRMシステム「Synergy!」の資料をダウンロードしていただいた企業様へ配信している、ステップメールの例文を紹介します。
Step.1 資料請求に対するお礼のメールを配信する
件名:○○様 資料をご請求いただきありがとうございました。
差出人名:山田太郎 / △△△
本文:
□□□株式会社
○○様
平素よりお世話になっております。
株式会社×××の山田と申します。
このたびは、【サービス名】の資料請求をいただき、誠にありがとうございます。
資料につきましては、こちらからダウンロードできます。
【CTAボタン】
ご不明点などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今後ともよろしくお願いいたします。
Step.2 導入事例やサービス比較など関連資料を案内する
件名:【サービス名】の導入事例をご案内いたします。
差出人名:山田太郎 / △△△
本文:
□□□株式会社
○○様
平素より大変お世話になっております。
株式会社×××の山田です。
ご請求いただいた【サービス名】について、導入事例やサービス比較などに関する資料をご案内いたします。
【CTAボタンA】
【CTAボタンB】
【CTAボタンC】
ご不明点などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今後ともよろしくお願いいたします。
Step.3 ほかの顧客からの関心が高い資料を案内する
件名:いま話題の【テーマ】に関する情報をご案内します。
差出人名:山田太郎 / △△△
本文:
□□□株式会社
○○様
平素より大変お世話になっております。
株式会社×××の山田です。
現在【業界名】では、【テーマ】への関心が高まっています。
弊社では、【業界名】でご活用いただける情報を公開しておりますので、ぜひご覧ください。
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【サービス名】に関する資料をご請求いただいたお客様には、以下の記事が特に好評です。
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ご不明点などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今後ともよろしくお願いいたします。
Step.4 顧客を無料デモやトライアルに案内する
件名:【サービス名】の無料トライアルをご案内します。
差出人名:山田太郎 / △△△
本文:
□□□株式会社
○○様
平素より大変お世話になっております。
株式会社×××の山田です。
弊社のサービスにご関心をもっていただき、誠にありがとうございます。
【業界名】では、【課題】の解決策として【サービス名】について、お問い合わせをいただくことが増えています。
そこで、このたび【サービス名】の無料トライアルをご用意いたしました。
導入方法と使い方の動画もご用意しておりますので、ぜひご覧ください。
【CTAボタン】
ご不明点などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今後ともよろしくお願いいたします。
Step.5 次回のセミナーへの参加を誘導する
件名:【サービス名】の無料セミナーをご案内します。
差出人名:山田太郎 / △△△
本文:
□□□株式会社
○○様
平素より大変お世話になっております。
株式会社×××の山田です。
先日ご案内させていただいた、【サービス名】の無料トライアルはいかがでしたでしょうか。
今回は、【サービス名】の使い方や導入事例に関する、無料セミナーのご案内をいたします。
○○様のお越しをお待ちしております。
【CTAボタン】
ご不明点などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今後ともよろしくお願いいたします。
例文の作成ポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。自社で文面を作成する際は、ぜひ参考にしてください。
Step.6 配信後にPDCAサイクルを回して改善する
メールマーケティングでは、一度目で狙い通りの成果を出せるとは限りません。「思ったよりクリックされない」「自社の目的である会員登録につながらない」などが起きるため、メール配信後に毎回PDCAサイクルを回して改善しましょう。
具体的には、以下のようなポイントを意識してPDCAサイクルを回すことがオススメです。
- メールタイトルでペルソナに刺さる文言を使っているか?
- 配信間隔を適切な長さに設定できているか?
- メール本文に入れたCTAの位置は適切か?
とくにメールマーケティングの場合は、開封率やクリック率(CTR)、反応率といった数値的な指標で配信の成果を可視化できます。そのため、数値指標をもとに改善の余地がありそうな部分を洗い出し、「タイトルだけ変えて配信する」「配信日時のみを変える」といった形でPDCAサイクルを繰り返しましょう。
メールマーケティングに最適なCRMシステムを選ぶポイント!
メールマーケティングに最適なCRMシステムを選ぶ際は、以下のポイントを意識しましょう。
- メールマーケティング機能が充実しているツールを選ぶ
- 手厚い運用サポートが受けられるツールを選ぶ
- 外部システムと連携しやすいツールを選ぶ
- セキュリティ性が高いツールを選ぶ
メールマーケティング機能が充実しているツールを選ぶ
メールマーケティング機能の充実度合いは、以下のようにツールごとで異なります。
- どんなメール配信施策に対応しているか?
- 配信日時を手軽に設定できるか?
- HTMLメールの作成に対応しているか?
- 「配信担当者を限定できる」「配信時間帯を制限できる」など細かい設定に対応しているか?
- 配信エラーになったメールを理由と一緒に把握できるか?
メール配信施策の種類としてはステップメールやシナリオメール、リターゲティングメールなどがあげられます。上記の実施機能は、すべてのCRMシステムに標準装備されているとは限りません。ツールによっては「そもそも対応不可」「オプション追加が必要」という場合もあるため注意しましょう。
また、機能の詳細をチェックしておかないと、「HTMLメールを活用して効果測定したいが対応していない」「メール配信の設定手順が複雑で現場の従業員が覚えにくい」などが起こりかねません。
機能が充実しているほど、実行できるメールマーケティング施策の幅が広がり効果測定も実施しやすくなるため、機能の詳細は必ずチェックしましょう。
手厚い運用サポートが受けられるツールを選ぶ
メールマーケティングは、メールの配信環境があれば実行できるため、比較的実行のハードルは低いといえます。とはいえ、以下を行うには専門知識が必要なため、知見がない企業では効果的に運用することが難しいかもしれません。
- 顧客情報を分析して自社がアプローチすべきペルソナを設計する
- ペルソナへ適切にアプローチできるシナリオを考える
- クリックされやすいメールタイトルを考える
- メールマーケティングで使える自社のコンテンツを精査する
CRMシステムの提供会社によっては、「メール配信で必要な顧客情報の分析やメール文面の提案まで行ってくれる」「マーケティング施策をすべて代行してくれる」「運用定着まで個別サポートしてくれる」というケースもあります。運用に自信がない場合は、こうした手厚いサポートが受けられるCRMシステムを選ぶとよいでしょう。
外部システムと連携しやすいツールを選ぶ
アプローチすべきペルソナを設計したり響く文面を作成したりするには、豊富な顧客情報を幅広い角度から分析することが大切です。この豊富な顧客情報を集めるには、部門や支社、店舗などを問わず、さまざまなデータを集約する必要があります。
企業によっては、上記のような社内の顧客情報を既存の外部システムに保管しているケースもあるでしょう。例えば、営業部門であれば「SFA」に顧客情報を蓄積していることがあります。
こうした顧客情報を抜け漏れなく活用するには、外部システムと連携しやすいCRMシステムを選ぶことが大切です。「スケジュールに沿って自動で顧客情報をインポートできる」「外部システムからの格納データを任意のタイミングで修正できる」などで手軽に連携できるCRMシステムなら、社内にある顧客情報を抜け漏れなく一元管理できます。
セキュリティ性が高いツールを選ぶ
CRMシステムでは、極めて機密性が高い個人および企業情報を取り扱います。万が一にもメールアドレスなどが流出すると、顧客に損害を与えるだけでなく、自社の信頼性も損ないかねません。最悪の場合、損害賠償を請求されるリスクもあるため、セキュリティ体制を万全に整えているCRMシステムを選びましょう。
具体的には、以下のように強固なセキュリティ体制を整えているCRMシステムであれば安心です。
- 専用の証明書をダウンロードしたパソコンからでしかアクセスできない
- ログインユーザーごとにアクセス権限を柔軟に設定できる
- ファイアウォールを設置している
- セキュリティパッチを常に最新版に更新している
弊社が提供するCRMシステム「Synergy!」を活用したメールマーケティング事例を紹介!
このように、CRMシステムを活用して社内の顧客情報を幅広い角度から分析し、ニーズにマッチした最適なシナリオや文面を設計することで、効果的なメールマーケティングを実現できます。
実際にメールマーケティングを行う際は、上記で紹介したようにメールマーケティング機能の充実度やセキュリティ体制の高さなどを踏まえて、ツールを選ぶことが大切です。
それでは、実際にCRMシステムを活用してメールマーケティングを成功させた事例を確認しましょう。今回は、弊社が提供するCRMシステム「Synergy!」を活用した事例を2つ紹介します。
- 日本ロレアル株式会社様
- 株式会社エイチツー様
いずれも異なる業種での成功事例です。自社でメールマーケティングを行う際に参考にできる部分がないか、ぜひチェックしてください。
日本ロレアル株式会社様
日本ロレアル株式会社様が提供する「ラ ロッシュ ポゼ」は、1975年に設立された歴史あるスキンケアブランドです。この商品は「皮膚科医が推奨する敏感肌向けスキンケア」をテーマにしており、重度の敏感肌の方から健康志向の方まで、幅広く愛用されています。
同社では、ECサイトの立ち上げ後から会員数が順調に増加していたものの、売り上げは鈍化傾向にありました。データを分析し要因を調査したところ、「非アクティブなユーザー=年間1回程度しか購入しないユーザー」の数は伸びているが、大きな売り上げをもたらすアクティブユーザーの比率は縮小していると判明。原因として「UVケアのために春や夏など限られた時期に1回だけ購入して終わってしまう」などがあげられました。
そこで、シーズンを問わずスキンケア商品として定期的に利用してもらえるよう、CRMシステムを活用し「年間の購入数を2回に増やすためメールマーケティング施策」を実施します。
最初に購買データを分析したところ、以下2点の傾向が見られました。
- 1年の購入回数が多い顧客は「スキンケア商品」の購入が多い
- リピート顧客のうち、過半数以上が「30日以内」に2回目を購入している
上記をもとに「2回目に購入しやすいスキンケア商品を訴求することで次の購入につなげられるのでは?」と仮説を立て、以下3パターンのセグメントを用意します。
(1)2016年に購入したが2017年は購入なし
(2)2017年に1回だけ購入した(最終購入日は61日以上前)
(3)2017年に1回だけ購入した(最終購入日は30〜60日前)
上記のセグメントに分けてメールを配信した結果、(1)は「クリック率3%・購買率5%」、(2)は「クリック率7%・購買率6%」、(3)は「クリック率5%・購買率3%」を実現。非アクティブユーザーの割合も、従来より2ポイント低下させることに成功しました。
CRMシステムの顧客情報を分析・活用して、メールマーケティングで2回目の購入を促進し、売り上げを改善した事例といえます。また、メール以外のチャネルとして広告を組み合わせた施策も展開しています。詳しい内容は、以下の記事をご確認ください。
株式会社エイチツー様
株式会社エイチツー様は、名古屋に拠点を置くポンプメーカーです。大手メーカーが取り扱わない特殊なポンプを製造することで、独自のポジションを守りながら高い技術力を活かし事業を拡大しています。
同社は以前より、メルマガ配信を実施していました。当初は1名の担当者がすべて送信していましたが、顧客数の増加に伴い毎週の配信頻度や配信先のリスト数もどんどん膨らみ、現在では約4万人へ毎日メルマガを配信するようになります。
効果測定に向けて平均「20本/月」のペースで開封率やクリック率などのデータを取得していましたが、もっとメルマガの精度を高めるために「A/Bテストの実施」を検討しはじめます。
そこで同社は、主に以下の条件を満たせるCRMシステムを検討。最終的に「Synergy!」をお選びいただきます。
- A/Bテストに対応できる
- 自社のWebサイトやLPのフォームに入力された顧客情報とメルマガを紐付けできる
- データベースに直接データ入力できる
- 乗り換え前の既存システムに搭載された機能(予約配信やテスト配信など)を網羅している
「Synergy!」の導入後は早速A/Bテストを実施し、現在(2025年2月時点)まで効果検証を繰り返しています。本格的な導入後からわずか1か月ほどで、以下のように多くの良さを実感していただきました。
- サムネイルの有効性について発見があった
- 以前のシステムより管理画面のビジュアルが直感的に操作しやすい
- より細やかに分析できる
- フォームの登録情報をメール配信システムの顧客データを紐付けできたことで毎回のデータ入力の手間を削減できた
とくに同社は、高い技術力を活かした特殊なポンプを製造しているため、以下のような流れで問い合わせが発生することがメインです。
他のポンプメーカーに相談する
↓
要望を叶えることが難しい
↓
同社のメルマガを購読し「エイチツーならこの特殊な製品を作れるのでは?」と第一想起する
↓
実際に問い合わせる
このように、同社の戦略の中でメール施策は重要な位置を占めています。そのため、A/Bテストを実施しさらに大きな成果を出せるようブラッシュアップできる体制が整ったことは、同社にとって理想的な状態といえるでしょう。実際に同社はメルマガ配信を開始してから、当初の計画通り顧客から第一想起を獲得できるようになり、案件の発生にもつながっています。
株式会社エイチツー様の事例詳細については、以下の記事をご確認ください。
以下の記事では、ほかにも「Synergy!」を活用した成功事例をまとめています。さまざまな業種の事例を紹介しているため、自社の施策で活かせる点がないか、ぜひチェックしてください。
CRMシステムをメールマーケティングに活用しよう
CRMシステムをメールマーケティングに活用することで、「顧客のニーズやフェーズに合わせ最適なコミュニケーションを実現できる」「自社のリソースを使いすぎず顧客へ継続的にアプローチできる」といったメリットを受けられます。
ニーズにマッチしたアプローチによって顧客満足度を高めることができれば、最終的なLTV向上を実現可能です。
実際にCRMシステムをメールマーケティングで活用する場合は、以下のステップを意識しましょう。
Step.1 メールマーケティングの目的を定める
Step.2 社内の顧客情報をCRMシステムに集約させる
Step.3 アプローチすべきペルソナを決める
Step.4 ペルソナにマッチしたシナリオを設計する
Step.5 活用できる自社のコンテンツを洗い出して文面を作成する
Step.6 配信後にPDCAサイクルを回して改善する
また、メールマーケティングの効果を最大限に発揮するには、CRMシステムを選ぶ際に「メール配信機能の充実度合い」「サポート体制の手厚さ」などのポイントも重視しましょう。弊社が提供するCRMシステム「Synergy!」であれば、ステップメールやシナリオメールなど、幅広いメールマーケティング施策に対応できる機能が充実しています。サポートも「ツールの操作説明会の実施」「施策の設計・運用代行」などを提供しているため、初めてメールマーケティングに取り組む企業でも安心です。セキュリティ体制も「専用証明書をダウンロードしたパソコンからのみアクセス可能」「ログインユーザーごとの柔軟なアクセス権限設定」といった強固なシステムを構築しています。
「Synergy!」のメール配信機能については、以下の資料で詳細を解説しています。メールマーケティングの実施にあたって、CRMシステムの導入を検討している人は、ぜひご確認ください。

メールマーケティングの効果を最大化!
簡単な設定で使える!Synergy!メール配信機能
この資料では以下の内容を紹介しています。
●メール配信にまつわる課題
●ユースケース
●Synergy!メール配信機能のメリットや特長、実現できること
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関連情報
※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。