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EC売上アップに役立つ!CRMの基本【データ活用編】

※本記事は講師として登壇したセミナーの内容をブログ用に再構成したものです

はじめに

経済産業省の最新の調査結果によると2017年度の日本のEC市場(BtoC)規模は16兆5,054億円で、前年比9.1%の成長を遂げています。

※出典:「平成 29 年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査」2018年4月 経済産業省)
市場が成長していくということは競合が増え、競争が今よりも激化していくことは容易に想像できます。みなさんはそのような環境下でどのようなECの売上施策に取り組まれているでしょうか。これまで20年来、CRMに取り組んできたシナジーマーケティングの知見にもとづき、今改めてECにおけるCRMの重要性と、具体的にどのように取り組んでいくべきかを考えていきたいと思います。

マーケティングとはなにか

CRMとはなにか

本題に入る前に、「CRM」について本ブログにおける定義をみなさんと共有しておきたいと思います。CRMとはCustomer Relationship Managementの略語です。

CRMという言葉は今ではデータベースマーケティングやコールセンター業務、それらを行うためのシステムのことを指す狭義の意味で使われることが多いように感じますが、本質的には「顧客との中長期的な関係性を築き、ロイヤルティーの向上や売上/利益の拡大を目指す思想や戦略」を意味しています。本記事でもCRMという言葉は後者の広義の意味合いで用いていきます。

また、CRMを推進するための取り組みはCRM施策、CRM施策を行うためのツールはCRMシステムという言葉で使い分けていきます。

EC売上を向上させていくために忘れてはならない「CRM」

さて、顧客との中長期的な関係性を築くと、売上/利益の拡大に本当につながるのでしょうか。CRMが重要となる理由(根拠)を表す、マーケティングにおいて有名な3つの法則をご紹介します。

「2:8の法則(パレートの法則)」

2:8の法則(パレートの法則)

顧客全体の2割である優良顧客が売上の8割をあげているという法則のこと
全ての顧客を平等に扱うのではなく、一部の優良顧客を重視しその層へ投資することで自社の売上を守ることが重要とされます

「1:5の法則」

1:5の法則

新規顧客を獲得するためのコストは、既存顧客を維持するコストの5倍かかるという法則のこと
新規顧客は獲得コストが高く結果的に利益率が低くなるので、新規顧客の獲得以上に既存顧客の維持が重要とされます

「5:25の法則」

5:25の法則

既存顧客離れを5%改善すれば、その利益率は25%改善されるという法則のこと
顧客が離反する確率を下げ既存顧客の売上を増加させることが、中長期的に企業の収益をあげるためには重要とされます

この3つの法則は論理的なロジックから成り立っているというより、これまでの経験則から生まれたビジネスの通説になっています。既存顧客との関係性を築くCRMという思想、戦略が売上/利益成長において重要となる理由もおわかりいただけたのではないでしょうか。

しかし、弊社にご相談いただく多くのEC事業社様では、新規顧客の獲得への取り組みには注力されているものの、なかなか実際にCRMを推進できていないのが実態です。

例えば私が担当している健康食品系ECでは、全顧客のうち直近1年間で購買しているアクティブ顧客は34%です。さらに別のコスメ系ECではアクティブ顧客は17%にとどまります。

日々、新規顧客獲得施策への投資を行っているにもかかわらず、「CRM≒中長期的な目線」が漏れているがゆえに中長期的な関係性の構築が進まず、売上や利益の成長が遅れてしまっているのです。

休眠顧客(年間)による機会損失

CRM推進のベースは「データ活用」

CRMを推進するにあたり土台となるのがデータです。「測れないものは改善できない」とよく言われますが、いま自分たちが顧客と中長期的な関係性を築けているのかを「データ」から把握できていないために、CRM施策への取り組みが後手後手になっているケースに多く出会います。

例えばみなさまは新規顧客のリピート率が低いのか、休眠してしまっている既存顧客の数が多いのか把握できていますか?当然ですが、これらの結果によって次のアクションは変わります。データから状況を把握することなしに施策に取り掛かることは、暗闇の中とにかく走り出すことと同じです。

例:年間顧客数をわけて考えた場合

年間顧客数をもとにしたデータの見方例

では実際にどのようなデータを見ていけばよいのでしょうか。もし現状しっかりとデータ活用に着手できていないようであればまずは以下の7つの軸からはじめてみること、そして同じ部署、チームの方と「この数値は良いのか悪いのか」、「それを踏まえてどうしていくべきなのか」を議論することをオススメします。

7つの分析テーマ

例えば顧客継続率などを改めて見てみると昨年新規で購入いただいた顧客の定着率は実は20%程度しかなく、新規顧客の5人中4人は翌年にはいなくなっていた……など発見も多いです。

もちろん、この7つだけで全てが事足りるということではありません。自社のサービス提供体系に合わせてデータを活用することで現状の顧客との関係性を把握し、その結果CRMを推進していただければと思います。

デジタルマーケティングファーストステップ

まとめ

  • そもそも「CRM」とは「顧客との中長期的な関係性を築き、ロイヤルティーの向上や売上/利益の拡大を目指す思想や戦略」を意味していること
  • 多くのEC事業社様では新規集客のための広告施策への投資を行っているにもかかわらず、「CRM≒中長期的な目線」が漏れているがゆえに定着化が進まず、売上や利益の成長が遅れてしまっていること
  • データ活用を元にした現状把握がCRMを推進していくための土台となること

シナジーマーケティングではデータを活用していくための仕組みづくりもご支援しています。どう進めればいいのかわからないという場合、ぜひご相談いただければと思います。

参考:BIツール「Tableau」を活用して顧客データを可視化 ~分析を効率化してPDCAを回そう(シナジーマーケティングブログ)

EC売上アップに役立つ!CRMの基本

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※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。