未来のマーケティング「消費者行動予測」とは何か
こんにちは、研究開発グループの馬場です。
突然ですが、皆さんは「消費者行動予測」という言葉をご存じでしょうか。
「消費者行動予測」は私たちが研究している一歩先のマーケティング技術の総称です。このブログでも何度か取り上げました、顧客分析/顧客理解のためのテクノロジーである「Societas(ソシエタス)」やニューロマーケティング、社会知ネットワークなどもそのひとつです。
私の所属する研究開発グループは、この「消費者行動予測」と向き合いながら、企業のマーケティング活動を支えるための科学的アプローチについて日々研究しています。ですが、この「消費者行動予測」という言葉、「初めて聞いた」「よくわからない」という方がほとんどだと思います。そこでこの記事では、消費者行動予測技術について、解説します。
未来のマーケティング
ここで1つ、紹介したい文章があります。
これは、弊社で試作中の次世代システムのプロジェクト憲章(システムが目指す世界を描いた宣言文)です。私たちはこの文章で表現されているような未来のマーケティングを実現したいと考えています。
この文章は次世代システムが目指す世界を描いているのですが、同時にこの文章では「消費者行動予測」そのもの、特にその2つの特徴について、具体的に表現されています。1つめは、「何を予測するのか」ということ。そして2つめは、「どうやって予測するのか」ということです。
何を予測するのか
「消費者行動予測」は何を予測するのか。それは、
- 個客が欲しい情報は何か
- 個客が欲しいタイミングはいつなのか
- 個客が使用しているチャネルは何なのか
ということです。
けれども、このような行動分析だけが「消費者行動予測」ではありません。顧客のひとりひとり(個客)が、企業にどういうことを願っているのか、何を期待しているかを予測するものであり、最終的な目的は、それぞれの予測にもとづいて個客に情報提供をし「個客との良好な関係を継続(=CRM)する」ためです。
たとえば、私たちは「その人がメールを開封するか。クリックするか。」という個客の行動を予測したいのではなく、「その人が開封したくなるメールはどんなものか。クリックしたいメールは何か。」を予測するのです。
「お客さまが何を望んでいるのかを予想する」ということは、普段から皆さんがキャンペーンやマーケティング活動のときに行っていることと同じです。しかし、「消費者行動予測」は、「予想」ではなく「予測」です。この2つの具体的な違いはなんでしょうか。それが、この文章の後半に書かれています。
どうやって予測するのか
後半部分には、「マーケティング施策の改善、マーケティング業務の効率と品質を向上させる」と宣言しているのですが、そのために必要なものが「可視化」と「自動化」であると書いています。
「マーケティング成果の可視化」のためには、成果を数字で表す必要があります。「個客との関係は前よりすごくよくなりました!」という曖昧なものでは具体的な可視化になりません。メールの開封率やクリック率、キャンペーンの応募数や解約数など、さまざまなマーケティングに関連する成果を、数字やデータ(定量的なもの)で表現しなくてはいけません。
また、成果の可視化だけでなく施策の改善においても、「自動化する」ために必要なことは数値化・データ化です。これらの業務の「自動化」を担うコンピューターが解釈(機械学習)できるように、翻訳してあげる必要があります。コンピューターが業務を理解して初めて自動化できるのです。
言い換えると、「可視化や自動化を実現するには、データをもとにしたマーケティングに変えていかなければいけない」ということ。今風に言うと、「データドリブンでCRMします!」 ということです(笑)。
消費者行動予測とは、データドリブンでCRMを実施していくこと
このように、消費者行動予測とは
「個客が欲しい情報を、欲しいタイミングで、使用しているチャネルで提供する」ために
「個客の願いや期待」を
「データドリブン」で予測する技術
なのです。
データドリブンCRMの具体的な取り組みについては、また別の機会にご紹介できればと思います。
※iNSIGHTBOXはサービスを終了いたしました。価値観での顧客セグメンテーション「Societas」は引き続きサービスを提供しております。
※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。