不動産業界における顧客動向の変化とデジタルマーケティング
マンションや土地といった不動産商材は非常に高額であり、購入者の人生にも大きく影響するため、EC上で購買が完了するような他のBtoC企業のマーケティング手法とは違ったアプローチを考える必要があります。
今回は、不動産業界にスポットをあて、マーケティングツールを活用した施策例をご紹介します。
不動産・住宅市場における顧客動向の変化
近年の不動産・住宅市場にインパクトのある動きとしては、大きく3つ挙げられます。市場の変化や購買行動の変化に応じて、販売戦略も見直していく必要があります。
1. 人口の減少
少子高齢化により、不動産購入のターゲットとなる層の母数自体が縮小傾向にあります。
<対策>
購入者の母数が減っているからこそ、保有しているデータの重要度が増してきています。一度情報を獲得した見込客に対しては一度きりの接触で終わらず、成約へ引き上げる施策を実施することが大切です。
2. テクノロジーの発展
インターネットの普及により情報収集が容易になり、購買までの情報収集・検討期間が長くなってきています。また、紙媒体での訴求効果は低下しています。
<対策>
まず、見込客へのアプローチ施策を紙媒体からWeb媒体へと変えていく必要があります。インターネット上に溢れている情報に埋もれてしまわないよう、個々人の興味関心に合った情報の提供が求められます。
3. 不動産ポータルサイトの拡大
Webサイトを自社で保有していない企業も不動産ポータルサイト上で物件を公開でき、一般に流通する情報が増加しました。なお、不動産ポータルサイトの中では、競合他社との差別化が非常に難しくなっています。
<対策>
今や自社サイトを作っただけでは競合に差をつけることは難しくなりました。見込客の検討度合いを見極め、競合より先にリーチしていかねばなりません。
このように、不動産業界でも見込客情報を管理する基盤を構築し、個々人の購買プロセスに合わせたタイミングとコンテンツでアプローチできる体制構築が必要となっているのです。
不動産購入者の購買プロセス
不動産購入者の購買プロセスについてもう少し深掘ります。
リクルート住まい研究所が発表している調査情報によると、
不動産「購入」を検討している人は最終購入に至るまで、「情報収集→検討→情報収集」のステップをいったりきたりする「螺旋形」プロセスを踏む
といわれています。
出典:http://www.jresearch.net/house/jresearch/cgm/pdf/cgm07_01comment.pdf
HOME‘Sの調査では、
不動産「賃貸」契約者の約半数は1年未満で住み替えを検討し始める
というデータが出ています。
出典:http://www.homes.co.jp/cont/press/report/report_00015
まとめると、
- 不動産「購入」検討者は「検索~決定」までの期間が非常に長い
- 不動産「賃貸」契約者は「興味関心~決定」一連の購買プロセスを年単位で繰り返す
ということが言えます。
この購買プロセスを考えると、一度は時期尚早といった理由で商談が頓挫した見込客や、問い合わせはあったが他社にて賃貸契約が決定した見込客に対しても、アプローチを行えば商談につながる可能性が高いといえます。
マーケティングツールを活用した施策
それでは、見込客のリストへはどのようにアプローチすればよいのでしょうか。保有しているリストそれぞれへ漏れなくフォローするのが理想ですが、営業では忙しくてやりきれないのが実態です。
営業フォローを効率よく行う手段として、マーケティングオートメーション(MA)ツールがあげられます。
MAツールとは、最適なコンテンツを・最適なタイミングで・最適な方法で届けることを目的に作られた、マーケティング業務の自動化と効率化を実現するクラウド型のプラットフォームです。
「見込客のWeb上の行動に合わせたコミュニケーション」ができることが強みの一つですが、活用することで以下のような施策が可能になります。
- 特定の物件ページを閲覧した見込客に、類似物件のメールを自動で送信する
- ある見込客がサイトに来訪すると、担当営業へ通知を出す
- 自社サイトに頻繁にアクセスがある見込客を抽出し、アタックリストを作る
このように、うまく活用すると見込客の興味関心に合わせてフォローを自動化することができ、また、Web上の行動履歴から見込み度合いの高いターゲットを抽出してくれるため、営業は成約見込みの高い商談にのみ注力することができます。
見込客の行動をトリガーに配信した自動メールのクリック率は、一斉配信のメルマガに比べ高い反応を得ることができるため、不動産業界に限らず様々な企業で取り入れられています。
参考:
「ユーザー行動に応じた配信で、メールの反応を飛躍的にアップ」
「今すぐ始められる、リターゲティングメールの定番活用例4選」
まとめ
不動産市場では、
- 検討開始から購買までの期間が長い
- 年単位で賃貸契約見直しの周期がくる
競合他社と差をつけるためには、
- 一度コンタクトがあった見込客情報の管理
- 見込客の興味関心・検討度合いの把握とそれに応じたアプローチの実施
マーケティングツールを活用して施策に取り組めば、お客様に最適なコンテンツを届けられるだけでなく、日々の営業業務の効率化も見込まれます。
弊社ではマーケティングツールのご提供だけでなく、マーケティング施策の全体プラン設計のご支援も行っておりますので、今からデジタルマーケティングに注力していきたい!とお考えの方はぜひお気軽にお問い合わせください。
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