マーケティングツールを検討する前に
組織を創り、言葉を定義せよ!
マーケティング施策の一環として、MA(マーケティングオートメーション)を導入されている方はいらっしゃるかと思いますが、ただ「メールを配信するツール」となっていませんか?もしかしたらその原因はツールではなく、組織体制に問題があるのかもしれません。
今回は、MAにかぎらず何かしらのマーケティングツールを導入する前に定義しておくべき2つのポイントをご紹介します。
ポイント1. 組織体制の構築
先日、約500名のBtoBマーケターを対象とした「マーケティングチームの実態調査」を行いました。その調査の中で、「今後3年間で重要となってくる取り組み」について質問をしたところ、約50%の方が「組織体制の構築」と回答しています。
上記回答が示すように、マーケティングの手段ではなく、企業経営における土台の改善を重要視している企業が多いようです。マーケティングは1つの部門だけで成功や失敗を判断できるものではありません。マーケティング施策によって創出された案件を営業に送客し、受注・失注をして初めて成功か失敗かを判断することができます。このようにマーケティング活動と営業活動をつなげるためにも、組織体制を構築することが重要であり、必須でもあるのです。
では、組織体制を構築するためには、何から始めればよいのでしょうか。
始めに、購買プロセスを整頓し、関係者で共有できるように文章や図に起こしてください。続いて、その購買プロセスに対し、どのチームの誰が、どのような対応をしているのかを明確にします。最後に、それぞれの部門や人に対して必要な業務や役割を当てはめ、KPIを割り振っていきます。ここでやっと組織が構築されます。
日本で組織の構築を行おうとすると、今述べた手順とは逆になることが大半だと思います。つまり、発生した業務に対して、目標ができ、担当が割り振られ、組織となるといったケースです。
そうではなく、購買プロセスを洗いだし、プロセスごとに組織を割り振り、その後KPIを策定するのがよいでしょう。そうするとようやく、KPIを達成するために必要なマーケティングツールを選定することができます。
※購買プロセスと業務をすり合わせ、組織を創っていくことがポイント
購買プロセスに業務を当てはめていくと、「社内のリソースがない」「ノウハウがない」といったような自社での対応が難しい部分も見えてきます。その部分が明確になってから初めて、外部の協力会社の検討・選定を行ってみてもよいかもしれません。
また、組織体制をしっかり構築することで各部門・各担当者の責任範囲も明確になります。ツールを導入する前やマーケティング施策を行う前に必ず実施するようにしましょう。
ポイント2. 言葉の定義
組織体制を構築できたら、関係部門と一緒に使用する言葉の定義を行いましょう。
同じ部署の中でも、チームが異なれば使用している言葉づかいや意味が異なる可能性があります。ましてや他部門となると、使用している言葉そのものが違うこともありえます。
たとえば、言葉の定義を行わないまま送客基準を決めてしまうと、マーケターが苦労して創出した案件も、認識のズレにより、営業から「追いたい案件ではない」とクレームが入る可能性があります。ここの認識がずれてしまうと、せっかく費用と時間をかけて行ったマーケティング施策も意味をなさなくなりますので、特に営業担当には必ず出席してもらって定義するようにしてください。
どの言葉から定義をしたらいいかわからない方には、以下にサンプルの用語と定義をまとめた資料を用意しましたので、これを参考に自社の用語定義を行ってみてください。
マーケティング用語10選
定義した方がよいマーケティング用語のサンプル
マーケティング用語 | 定義 | |
---|---|---|
1 | CVポイント | 問い合わせや資料請求など、各種フォームの登録完了時(完了ページ) |
2 | MQL | メールやWebを使ってナーチャリングを行った結果、営業訪問を希望するようになった見込み顧客のこと |
3 | SQL | 営業による引き合い対応で獲得した見込み顧客のこと |
4 | KGI | 達成すべき予算額をKGIとしている |
5 | KPI | 訪問数や案件数をKPIとしている |
6 | CTR | メールのクリック率 例:当事業部のクリック率は5%を目標としている |
7 | ハウスリスト | 営業名刺や展示会・セミナーで収集した名刺、Web経由で獲得した個人情報データのこと |
8 | ホットリード | 案件につながりそうな見込み顧客を指す 例:ナーチャリングを行った結果、すぐに営業訪問を希望している見込み顧客 |
9 | コールドリード | メルマガを配信し始めてから1度も開封やクリックをしない見込み顧客 |
10 | リード | 顧客になっているかいないかにかかわらず、社内に存在する個人データのこと |
※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。