メルマガ効果を高めるABテストの実施方法や具体的ノウハウとよくある失敗例
メルマガをはじめとしたメールマーケティング施策に取り組んでいる企業様は非常に多くいらっしゃいます。弊社でもメールマーケティングをご支援する中で、よく悩みとしてお伺いするのが、
- 「メルマガの件名でいつも悩む」
- 「自社のメール原稿は改善できるのではないか?」
- 「効果の高いメルマガにするにはどうするべき?」
といったご相談です。
そこでオススメしたいのが、メールの件名や本文などのメールクリエイティブのABテストです。本記事では、メールクリエイティブの効果検証を行うための手法「ABテスト」とよくある失敗例について解説します。
すぐ使える!メールマーケティングのノウハウ資料3点セット
以下の資料がダウンロードいただけます。
●メールマーケティング虎の巻【基礎編】
●今日から使える!メール作成のTips
●Synergy!シナリオ機能ユースケース
メールマーケティングを始める方、現状の施策に課題がある、より成果をあげたい方はぜひダウンロードください。
<目次>
メルマガの件名や本文を改善するABテスト
ABテストはランディングページ改善や広告の運用改善でもよく利用されている手法で効果的なクリエイティブの発見に役立ちます。パターンAとパターンBのクリエイティブを同一の条件でランダムに表示させることにより、効果の高いクリエイティブを見つけられます。
メールのABテストは大きく以下に分類されます。
- メールのクリエイティブ(件名・差出人・本文)
- 配信タイミング
- 配信する対象者
今回はメールのクリエイティブに関するABテストを解説します。
ABテストのメリット
メールの効果を高めるためのクリエイティブ改善テクニックはさまざまな手法が公開されていますが、自社顧客に合ったクリエイティブ手法になるかはわかりません。自社顧客に合ったメールのクリエイティブを発見するためには、実際に配信した結果を蓄積し、検証していくことが必要です。
メールマーケティングにABテストを活用することで、反応率が高い件名や差出人・本文などを発見でき、メールマーケティングの効果を長期的に改善していくことが可能です。
メルマガABテストのやり方
より成果の出るABテストとするためには実施と振り返りだけでなく、事前準備も大切になります。ABテストを進める上で必要な4ステップについて紹介します。
- 課題と目的を明確にする
- 仮説を立てる
- ABテストを実施する
- 結果を振り返る>
順番に詳しく見ていきましょう。
1.課題と目的を明確にする
メルマガのABテストを行う際は、現状の配信内容の何が課題か、をまず考えるところから始めます。開封率が低い、開封はされているがクリック率が低い、クリック後のアクションが期待値を下回っている、など課題によってABテストの内容と見るべき指標が変わってきます。
今回のABテストはどの課題を解決するためのものか、という目的をはじめに決めることが重要です。
2.仮説を立てる
具体的なABテスト内容をやみくもに決めるのはお勧めしません。目的を達成するためにどうすればよいか、過去の経験や他社事例、配信データから仮説を立てましょう。
例えば開封率を上げたい場合は件名のABテストを行うケースが多いですが、他社事例に加え以下のようなデータを調べてみると、仮説が立てやすくなります。
・過去の配信実績から開封率が高い件名に共通して含まれる要素はあるか
例)数値情報、セールや割引の特典、受信者の名前差し込み
本記事ではメールのクリエイティブに関する内容となっていますが、他にも配信リストのセグメントや配信タイミングのABテストを行う場合、同様に過去の配信記録から仮説を立てることが有効です。
3.ABテストを実施する
仮説が立てられたら、その内容に基づいたクリエイティブを用意します。現状との比較を行いたい場合は追加のクリエイティブを1つ、複数パターンから効果のあるものを見つけたい場合は複数パターンのクリエイティブを用意するとよいでしょう。
ABテスト用のメールを配信する際は、手作業ではなく自動で送り分けを行うABテスト配信機能の付いたメール配信システムがあると便利です。ABテスト配信機能についてはこちらに記載しておりますのであわせてご確認ください。
4.結果を振り返る
ABテスト実施後、開封率などあらかじめ指標としていた数値を確認します。どちらのクリエイティブが有効だったかがわかれば、次回以降の配信に早速いかしましょう。ただし、ABテストは必ず仮説通りの結果がでるとは限りません。有効な差異がほとんど出なかったり、仮説に反する結果となることもあります。その場合はなぜこのような結果になったかの要因を検証することが重要です。そこで得られた気付きを次のABテストの仮説づくりにいかしたり、別の改善に取り入れながらPDCAサイクルを回し続けることが、メルマガ改善では重要となります。
ABテストを実施する期間や送信数の目安
期間は通常のメルマガ配信と同様
ABテストを行う場合、メルマガ配信結果の検証期間を延ばす必要はあるのでしょうか?答えは「NO」です。いつも通りの検証期間で問題ありません。
ABテストを行った場合も、受信者に届くメールは1通です。受信者からすると通常のメルマガとなんら変わりませんよね。内容によってもさまざまですが、送信後、開封やクリックの反応が出るまでの期間は配信直後~3日間程度、長くても1週間もすれば概ね配信したメールに対する評価ができるでしょう。
検証に必要な送信数の目安は1パターンあたり300件以上
ABテストの反応から検証項目の勝ちパターンを見極めていくわけですが、一体最低どのくらいの送信数が必要なのでしょうか。あまりに送信数が少ないと、1件1件の行動が結果に大きく左右されてしまいます。弊社では「1パターンあたり300件以上」の送信数の担保を推奨しています。ABテストをする場合は配信リストが600件以上、ABCテストをする場合は約1,000件の配信リストが必要になります。
配信母数が少ないメルマガの場合は上記の数値を参考に、全リストを半分に分けてABテストを行うといいでしょう。一方で、数万件以上など配信件数が多い場合は、例えば配信母数全体の30%をサンプル対象としてABテスト配信を行い、勝利したパターンを残りの70%に通常配信するという方法も可能です。配信母数の一部をサンプルとする場合は、配信日を2回に分けるか、ABテスト機能のある配信システムを使えばこのプロセスを自動化することも可能です。
メルマガABテストでよくある失敗パターン
以下ではメール配信のABテストで陥りがちな失敗パターンをご紹介します。
検証する指標が定まっていない
効果の違いを見るためには、指標となる数値を設定する必要があります。メールにおいては、開封率・クリック率・コンバージョン率など、計測できる数値は複数存在します。今回検証したいテストはどの数値が指標になるか、あらかじめ設定することが必要です。
以下に一例をご紹介します。
- 件名・差出人の検証:開封率の比較
- 本文のクリックボタン(CTA)の検証:クリック率
- 訴求する商品・サービスの検証:クリック率・コンバージョン率
検証するクリエイティブ | 指標となる数値 |
---|---|
件名・差出人 | 開封率 |
本文のクリックボタン(CTA) | クリック率 |
訴求する商品・サービス | コンバージョン率 |
実施するABテストで検証することを明確にし、指標を定めましょう。
検証したい要素が絞れていない
メールの件名や本文などの複数の要素を同時に検証してしまうと、どの要素が影響を与えて効果が違うのかがわかりません。検証したい項目は一つに絞って、AパターンとBパターンのメール、それぞれの効果の違いを計測しましょう。
インパクトが小さすぎて検証ができない
細かい要素を検証した際に、大きな数値の差異が見受けられず、「クリエイティブによる効果の違いなのか。誤差の範囲なのか。」と判断つかないケースが多く存在します。
メールのABテストに取り組むにあたっては、
- インパクトの大きい要素から検証すること
- Aパターン・Bパターンの違いを明確にすること
を心がけましょう。
メール改善のインパクトは業種・業界によっても異なりますが、一般的には以下を意識して改善に着手するとよいでしょう。
件名・差出人 > クリックボタン(CTA) > 本文
当然ですが、メールを開封しないとクリックボタンや本文の検証ができないので、まずは開封率を高める件名や差出人のABテストを優先するのがよいでしょう。
配信の結果が蓄積できていない
ABテストを実施したが、各クリエイティブの配信結果や、成果がよかった際・悪かった際の考察が残せていないと、ABテストの実施意義は薄まってしまいます。配信したクリエイティブごとの成果レポートは残して確認できるようにしておきましょう。
鉄板で実施してほしいABテスト
メールマガジンの配信で活用できるメールクリエイティブのABテストで検証する施策例を一部ご紹介します。
件名の改善
- 数値を入れる
- 文字数は大きく減らす(10~20文字以内)
- 期間限定などの訴求を入れる
- タイトルの冒頭に訴求ワードを置く
- 有名な企業ブランド名や有名人の名前を入れる
- 絵文字を入れる
- プレヘッダーを設定する
差出人の改善
- 無駄な英語表記を削除する
- 認知されているサービス名・ブランド名を利用する
- 個人名にする
クリックボタンの改善
- 上部に設置する
- ボタンの訴求文言を変更する
- ボタンの色を変更する
- リンク先を変更する
本文の改善
- 訴求する順番を入れ替える
- 配信担当者の写真を挿入する
- 私信風(個人名義)のメールにする
- 動画アニメーションを挿入する
ABテストにおける課題
メリットが大きいABテスト配信ですが、以下のような課題から取り組みができていない企業が多いのも実情です。
配信の手間が二重に発生してしまう
メール内容をAパターン・Bパターンで用意をした際に、2回分の配信設定が必要となるため、工数の確保が難しい。
効果検証に時間がとれない
メール配信後の開封率・クリック率の比較検証を行う時間を確保できないため、ABテストの改善に取り組めていない。
失敗した際の機会損失が怖い
通常のメールとは別に追加したBパターンで効果が出なかった際に機会損失となってしまうため、通常のメール配信で使っているパターンから大きく変更を行いにくい。
ABテスト配信機能の活用で解決
弊社の提供しているSynergy!を含め、メール配信システムにはABテスト機能が備わっていることがあります。ABテスト機能を活用することで、前述した課題を解消することが可能です。
ABテスト配信機能とは?
まず、配信リストから一部の配信先をランダムに抽出し、差出人や件名、本文の異なる複数パターンのメールを各セグメントにテスト配信します。次に、どちらのメールの開封率やクリック率が高いか判別し、より効果の高かったメールパターンを残りの配信先へ本番配信できます。これらのABテストに必要な一連の流れを自動で行うのが、ABテスト配信機能です。また、配信後の開封やクリック率も各パターンでそれぞれ数値の把握が可能です。
「ABテスト」配信の流れ
ABテスト配信機能のメリット
ABテスト配信機能のメリットは以下です。
- メール配信の手間を大きく増やさずにABテスト配信が可能
- 成果の高いパターンが自動的に本番配信されるため機会損失を防止
- 配信の効果検証も自動化されるため、データ蓄積を手間なく実施可能
ぜひ自社のメール配信システムにABテスト機能がないかを確認いただければと思います。
ABテスト機能の詳細はこちらの資料をダウンロードください。
ABテストを活用してメールの効果を改善しよう
本記事では、メールクリエイティブ改善のための「ABテスト」とよくある失敗例についてご紹介しました。より費用対効果の高いメール配信を行うために、メール配信のABテストをご活用ください。シナジーマーケティングでは、メールのABテスト配信や、顧客の行動データに合わせたメールマーケティングを行う「Synergy!」を提供しています。詳しくは以下をご参照ください。
Synergy!のメール配信機能
CRM活動の基礎と言えるメール配信機能。Synergy!のメール配信はデータベースと連動して、タイミング・ターゲティングを柔軟に設定でき、手間のかからない自動配信を実現します。
メールマーケティングで成果を出すヒントが盛りだくさん
すぐ使える!メールマーケティングのノウハウ資料3点セット
以下の資料がダウンロードいただけます。
●メールマーケティング虎の巻【基礎編】
●今日から使える!メール作成のTips
●Synergy!シナリオ機能ユースケース
メールマーケティングを始める方、現状の施策に課題がある、より成果をあげたい方はぜひダウンロードください。
関連情報
※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。