メルマガ担当者は知っておきたい目的と目標の違い
企業がメルマガを配信する目的と目標は何でしょうか?
この問いに対してさっと答えられる場合は問題ありませんが、弊社にメルマガの支援を依頼される方の中には、考え込んでしまったり、目的と目標を混同してとらえている方も少なくありません。
そこでこの記事では、目的と目標はそもそも何が違うのか。メルマガ配信においてどのように定義するのが良いのかをご紹介します。
目的とは?
目的は目標をクリアしていった先にある的(まと)であり、やるべき理由の軸となるものです。この目的をメルマガ運営メンバーや上司と共通認識を持つことがまず必要となります。目的は一度決めると基本的に変更はありませんし、複数設定するのではなく1つに定めることが多いです。
悪い目的の例
- 開封率を20%に上げる
- クリック率を3%にする
- 購読者数を100人増やす
これらは全て、それを達成して何をしたいのかが不明確です。
良い目的の例
- メルマガからの売上を上げる
直接購買を目指したセール情報メールなど - 見込み客の課題意識を喚起する
業界の最新情報や事例を届けるノウハウメールなど - 顧客との関係性を継続させる
商品の活用法を発信するお役立ちメールなど
目標とは?
目標はその漢字が表すとおり、目的に向かっていく途中にある「標(しるべ)」です。その標を通過していくことで目的に近づけるため、曖昧なものではなく具体的でなければなりません。また、標は目的からブレていなければ複数あっても構いませんし、状況によっては途中で変更をすることも可能です。
目標を立てる際に役立つのが「SMART」というフレームワークです。
- Specific : 具体的である
- Measurable : 測定が可能である
- Achievable : 達成可能な
- Realistic : 現実的である
- Time-oriented : 期限が明確である
このSMARTの全ての要素を含める必要はありませんが、「具体的」「測定可能」「期限が明確」の要素は最低限必要でしょう。
悪い目標の例
- メールの開封率を3ヶ月以内に上げる → どれだけ上げるか具体的でない
- メールのクリック率を10倍にする → 期限がない
- メールを使って購買意欲を上げる → 測定できない
良い目標の例
- 3ヶ月以内にメールの開封率を20%から22%に上げる
- 2ヶ月以内にメールのクリック率を3%から5%に上げる
- 12月中にメルマガ経由の売上を月間100万円にする
シナジーマーケティングのメルマガ施策事例
弊社が配信しているメールマガジン「Synergy!Plus」の事例をご紹介します。
2012年当時の目的は「メルマガからのリード獲得」でした。よって、メール経由での製品資料ダウンロード数やサービスのお問い合わせ数を目標値として設定していました。
メルマガの内容はといえば、システムの使い方や導入事例インタビュー、最新機能のリリース情報など、システム関連の情報が盛りだくさんです(セールス型コンテンツ)。
しかし、しばらく運用しても資料ダウンロード数は伸びず、メールの開封率やクリック率も低いままという状況が続きました(開封率14.7%、クリック率0.73%)。
※参考
「北米におけるMarketing and Advertisement業界での平均開封率18.81%、平均クリック率2.44%(mailchimp調べ)」
そこで2年前に運用を見直し、目的を「読者への有益な情報の提供」に変更。読者が読みたいと思うようなマーケティングに関するセミナーやイベント情報に絞ってお届けするようにしました(教育・啓蒙型コンテンツ)。
この方針転換がうまくいき、今では開封率が24.5%、クリック率が3.3%というBtoB業界においては高い水準を維持し、月間のメルマガ登録数は100件以上をキープしています。
もちろん最終的には情報提供にとどまらずリード獲得からの成約へ結びつけたい思いはあります。
しかし、特に検討期間が長いBtoBの商材を扱う場合は短期的な成約を追うのではなく、お客様との関係性を維持しながら中長期的に成約へと結びつけるプロセスを考える必要があります。
メルマガを関係性維持のための手段ととらえ、そこからの引き上げについてはセミナーやリスティング広告に任せるといったような、ツールの使い分けが重要となります。
この使い分けのためにも、それぞれの手段の目的と目標を適切に設定する必要があるのです。
関連情報
※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。