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CRMシステムのベンダーが手がけるクリエイティブとは

顧客管理やメール配信をおこないたいお客様にクラウドシステムを提供している弊社ですが、ただベンダーとしてシステムの提供をしているだけではありません。お客様のお悩みにあわせて、購買分析やCRMプランニングなど、人の手を介したCRM支援サービスもご用意しています。そのサービス領域についてもみなさんに知っていただきたく、今回は大きなリリースを終えたばかりのクリエイティブGにお話を伺いました。

CRMシステムのベンダーならではの幅広いデザイン制作

倉本 まず、クリエイティブGの業務ないし請け負っているWebデザイン業務の範囲について教えていただけますか。

岩永 シナジーマーケティングはCRMの会社であるゆえに、手がける範囲はだいぶ広いと思います。
サイトの種類でいうと、コーポレートサイト、会員サイト、ECなど一通り手がけた実績はあります。キャンペーン用LPの作成を請け負うことはもちろん多いですね。あとは検索用システムの構築など開発(SI)と一緒に制作することもありますし、もちろんHTMLメールの制作やWebフォームのデザインなども対応しています。

鈴木 僕らはそれぞれWeb制作会社から転職してきたのですが、最初は手掛ける範囲の広さに驚きました。
それに、以前は広告代理店経由で仕事を請け負うことも多かったので、そのときに比べると直接お客様と接するケースが多いですね。

システム開発も絡んだ大規模案件、高いユーザビリティの追及

倉本 去年から今年にかけて、お二人はかなり大規模なWebサイト構築に専任として1年間関わられていましたが、その案件について教えていただけますか。

岩永 はい。1万ページを超える大規模サイトのリニューアル案件でした。今回は前例のない特殊な案件だったため、明確な正解がなく、正解を導き出すために通常の案件よりも長い時間をかけて調査・分析・検証を行いました。
たとえば、Google Analyticsで現サイトの傾向を測るのはもちろん、サイトのユーザーにインタビューを行い、どんな方が利用されているのか、各ユーザーがサイト上でどんな回遊をしているのかタイプ分けをしました。
また、役員の方々にもインタビューを行い、現場とは違う意見も出たりして、色々な方の視点を加味しつつ、ユーザビリティにこだわったサイトを目指しました。

倉本 なるほど。実際に足を運んでリアルな声も集められたんですね。他に、取り組まれたことはありますか?

岩永 サイトの情報設計やコンテンツの編集方針の見直しを行いました。大きな企業だと、各部署がそれぞれ自分たちのコンテンツを自分たちのルールに基づいて運用していて、サイト全体として見たときに統一性が取れていないという課題を抱えているケースが多いです。今回もそうした相談をいただいたので、サイト全体の共通ルールをお客様と議論を重ね、ブラッシュアップしながら作成していきました。
「主語を統一しましょう」といった小さなことも含まれていますが、こうした小さなことを積み重ねていくことが、今回お客様が構築したかった「ユーザビリティの高いサイト」につながるんだと思います。

アクセシビリティの点では、弱視の方や障害を持つ方向けの機能を搭載したり、アクセシビリティの達成基準を定めて評価検証を行うなど、すべての人が使いやすいユニバーサルなWebサイトを目指しています。
これだけのボリュームの大型案件で積極的に新しい試みもできたことで、僕たちのキャパシティも広がったと思いますし、かなり自信になりましたね。

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「いいもの」を作るために「いかに同じ熱量で仕事ができるか」

倉本 色々な案件に携わってこられたと思いますが、 こうした場合はいい雰囲気で案件が進行する、といった傾向はあるのですか?

岩永 ありますね。一番はお客様がサイト等の成果物に求めるゴールを明確に持っていること、そしてそのゴールがお客様の社内で意識統一されているケースです。たとえば「このキャンペーンから会員を〇人獲得する」「ECサイトで売上を〇億円上げる」という風にゴールが具体的な数値で示されていると、達成するために何をすればいいのかシンプルに決められますし、迷ったときに振り返る判断基準があるのでブレないですね。

鈴木 あとは、革新的なことを提案する、となったときにお客様が同じ目線でそれをいいと思ってくれるかはすごく重要だと思います。何も知らないお客様に「あれやりましょう!」「これやりましょう!」と真新しいことをいきなり提案しても混乱させてしまうので。
弊社の場合、僕たちが提案したいことの一環をお客様に体感していただく機会(ワークショップ)を、提案の前に設けることがあります。これはサイトの設計・制作に入る前に、「自社(サイト)が抱えている問題点や外部からの見え方などを改めて洗い出す」ためのワークショップなんですが、これによってお客さまと共に学び共有しながら提案を進められるようになります。

あと、ゴールの話と少し関わってくるかもしれないですが、危機感や責任感、決定権を持っている方かどうか、という点が大きく影響してくると思います。「上から言われたから仕方なくやる」「できるだけ安く楽に済ませたい」といったモチベーションで仕事をされている方とは同じ温度で仕事ができないですし、担当者さんが誰よりワクワクできないといいものは作れないと思います。

倉本 お客様に限らず、社内でもたとえばひとつのプロジェクトをするときに、同じ方向を向いて同じ熱を持って仕事ができるかどうか、という点は成果物に影響を与る気がします。

鈴木 確かに。以前とあるアパレル系のお客様の案件でHTMLメールのデザインやライティングを支援させていただいた時に、通常はお客様からいただいた素材を使ってメールをデザインしていくのですが、その時は「撮影が絶対に必要だ!」と確信し、撮影も含めたディレクションを行いました。いいものを作るために最善の方法を提案・実行していくことが重要だと思います。
社内外問わず、色々なしがらみや反対意見が飛び交うことは誰しもあると思いますが、エンドユーザーとお客様との架け橋となる最善のものお届けできるようモチベーションを高くもって仕事をしていきたいですね。

岩永 先ほどお話した大型案件の中で、ナビゲーションをどう配置するかでお客様と議論が白熱したのですが、ユーザビリティを追求するために、僕たちが作った案に対してフィードバックをいただいて、それをもとにさらにブラッシュアップした案を提出して……というサイクルがとても楽しかったです。
こうして同じ熱量で仕事ができたらいいですよね。もちろん、相手に熱を求めてばかりいるのではなく、自分の熱を高めてそれを伝播させる、自ら周りを巻き込んでいくことが一番重要だと思います。

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求めるものと判断指標の変化

倉本 以前と比べて、お客様がWebサイトやキャンペーンに求めるものが変わってきているなあ、と感じることはありますか?

岩永 すでに今の主流になってますが、「モバイルファースト」は当たり前に求められます。特にBtoC企業の場合、スマホから見づらいサイトはそれだけでCVが下がってしまうので。同じことはメールにも言えると思います。

鈴木 あとは、PV数しかりCV数しかり、数字をすごくシビアに見られるようになりましたね。おそらく今までは「とにかく安くて早く作ってくれる会社に頼もう」という基準でWeb制作会社を選定していた企業も、しっかり成果を出せるサイトを作らないと意味が無い、そのための投資は必要、という考え方に変わってきてるんだと思います。アナリティクスを使いこなしている担当者さんもかなり多くいらっしゃいますね。

お客様に最適なノウハウを提案できる企業に

倉本 今後、さらに強化していきたいと考えている取り組みはありますか?

鈴木 レスポンシブメールの制作はもちろん、動画メール、オムニチャネル施策、アイビーコンを絡めた施策などやりたいことはたくさんあります。メールひとつを取り上げても、一斉配信や単純なセグメント配信で工夫するだけではなかなか成果が出なくなってきているという危機感をお持ちの担当者さんは多いので、読者の興味を惹くための工夫や、単に送りっぱなしで終わらせない仕組みが必要なんですよね。
Webマーケティングはもちろんだけど、もっとオフラインと組み合わせたマーケティングも提案していきたいですね。

岩永 僕は、短期的な制作案件や単発のプロモーション用のクリエイティブ制作ももちろん重要ですが、よりお客様に寄り添った長期的なマーケティングやCRMコミュニケーションを考えていくことにも取り組んでいきたいです。それこそ、ブランドロゴの作成やブランドアイデンティティを考えたりする部分から。

鈴木 実は今ブランディングの案件に携わっているんですが、お客様が事業ドメインを広げるにあたって、その事業ないし展開していくブランドでどんな経験価値を作っていくのか、エンドユーザーにどんな体験をさせるのか、という点をゼロから議論して作っていっています。
「カスタマ―ジャーニーマップを作りましょう、そのイメージがつかないならまずはワークショップを通じてその理論を一緒に学びましょう」という風に、社内の研究開発グループのメンバーにも協力してもらいながら進めています。
毎回議論が白熱してかなり頭に汗をかきますが(笑)、何も無いところから価値を生み出していく作業はとても楽しいですね。

岩永 「ユーザ-エクスペリエンスが大切」「モノを売るのではなく経験を提供しなければいけない」といった、ユーザーを中心にコミュニケーションをデザインすることはBtoCの企業を中心に声高に言われていますが、僕はそのメソッドをまだまだ浸透が進んでいないBtoB企業のWebサイトやコミュニケーションにも展開していけたらいいなと思ってます。

鈴木 シナジーマーケティングはクラウドシステムだったり、代行やWebサイト制作、SIのサービスだったり、いろいろな〝サービス〟を持ってるわけだけど、「メール配信システムを利用したい」とか「Webサイトを作りたい」といったお客様から求められた範囲で提案するのではなく、お客様の課題解決に最適なノウハウを提案していきたいですね。

岩永 「マーケティング」という名前が社名についていますが、それに捉われずブランディングなどもお手伝いしたいと思っています。CRMの課題解決はもちろん、新しい試みを一緒に進めていきたい方からのお問合わせもお待ちしています(笑)!

※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なる場合があります。ご了承ください。

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