顧客に「恋」していますか?ターゲット設定の考え方
~恋するメールマーケティング!コピー制作の現場から①~
メールという手段を使って、顧客と深く長く良い関係を築き、自社の売上をアップさせたい、そう思うことからメールマーケティングは始まっています。
このシリーズでは、メールの要であるコピーライティングの基本的な考え方やテクニックをご紹介していきます。
こんな方はぜひ、ご一読ください。きっとヒントになりますよ!
- 急に自社のメールマガジン業務を引き継いだ(書くことになった…)けど、どうしたらいいのっ!
- 新商品発売がそんなに頻繁にあるわけないし…慢性的ネタ不足!
- 忙しいからこれ(メルマガ)ばっかりできないけど、せっかくだから効果のある方法を知りたい
マーケティングとは「恋」である!?
「顧客に、商品・サービス・企業をアピールし、選んでもらい、長く愛されること」
「好きになった人に、自分のいいところをアピールし、好きになってもらい、長く愛されること」
マーケティングは、恋愛と似ていると思いませんか?特に顧客と深く長くいい関係を築くために行うCRM(Customer Relationship Management)はその要素が強いですね。
そして、CRMの一環として行うメールマーケティングはOne to Oneのコミュニケーション。いわば企業から顧客に向けてのラブレターです。「私に向けてのメッセージだわ!」そのように顧客に感じてもらえないと、いとも簡単に「配信停止」という方法を使ってふられてしまいます。
そんなシビアな世界であるにも関わらず、「僕はこんなことができるんだぜ!」といった、自分視点でひとりよがりなメッセージになってしまっているメールマガジンはとても多くあります。どんなにイケメンでもこれではモテません…。
相手に興味を持ち、ニーズやウォンツを知った上でアピールしてみましょう。
「あなたはどんなものが好きですか?僕なら、それについて詳しく知っていますよ!」
顧客について知ることの大切さ
「…ところで、メールマガジンを読んでいただいているお客様はどのような方ですか?」
私がお客様とお会いして打ち合わせする際は、この質問を投げかけます。意外にも詳しくご存じなかったり、担当者間で「性別」から意見が分かれたりすることが多くあります。
あなたはいかがでしょうか?
「一応、30代くらいの女性がターゲットって決まってるよ」
では、もっと掘り下げていくと…
あれ、あやふやではありませんか?
相手をもっとよく知りたい気持ちの芽生えから、恋は始まると言います。
「あの人は、どんな人なのかな?いくつなのかな?どんな趣味があるのかな?」
恋愛では当然のことですが、マーケティングとなると途端に抜け落ちてしまうこともしばしば…。しかし、あなたが売りたい商品・サービスには必ず顧客がいて、その顧客を想うことから生まれたものだと思います。(例えば手が荒れて困る主婦のために開発された洗剤、など)
30代女性、というターゲット設定は「30代の女性全員にモテたい」と言っているようなものです。多くの人にモテたい気持ちはわかりますが、一体何をどのようにアピールするべきか途方にくれてしまいます。
30歳なのか39歳なのか?
結婚しているのか独身なのか?
この2点だけでも、アピールポイントは大きく変わっていくことが容易に想像できますよね。
売りたい商品が決まれば、愛されたい(ファンにしたい)ターゲット像・ペルソナを設定し、相手のことをよく知った上で、何をどのようにアピールしていくかを決めていきましょう。
<相手をよく知るための方法>
- 商品開発担当に聞く
- 顧客分析、購買分析
- Webアクセス解析
- アンケート結果を分析
- 顧客へのインタビュー
- 同僚など、周りのイメージに近い人にヒアリング
- 自分でなりきって商品を利用
- ブログを検索して、購入している人の感想をチェック
- SNSで近い人を探して、ライフスタイルを研究
- Webで口コミを研究
- 関連商材に関する調査会社の公開調査結果を読む
- Webサービスを利用する(ぺるそね etc)など
あなた自身がターゲットにドンピシャであることのほうが圧倒的に少ないはずです。自分と異なる属性の人を知るのは至難の技ですが、思い込みで進まないためにもあらゆる視点から調べたいですね。
<よく知るためのチェックリスト>(例:アパレル)
- 性別
- 年齢(○○代、ではなく○歳)
- 家族構成(既婚未婚、子どもの有無etc)
- 仕事内容
- 住んでいる地域
- 移動手段(車、電車etc)
- 年収
- 貯蓄額
- お小遣い額
- 好きなTV
- 読んでいる雑誌
- 交友関係
- 趣味
- 休日の過ごし方
- 住居形態
- 日々の食事
- 憧れるライフスタイル
- 好きな言葉
- よく見るWebサイト
- ITリテラシー
- 性格・価値観
- 情報収集の方法
- ファッションにかける予算
- 服を購入する場所
- 今季買いたいと思っているもの
こんなに細かく絞ってしまっては、限られた人にしか売れないのでは?このように感じる方がいらっしゃるかと思います。しかし、そもそも世の中の全ての人に売れる商品はありません。
しかも、大雑把なターゲット設定では、大雑把なアピールしかできません。さらに何かを決めるとき、人によってイメージが異なるとなかなか決まらなかったり、フワっとしたメッセージになったり。メールマガジンであれば、装飾や文章のトーンまで影響してきます。
ペルソナは、実際の顧客に近ければ近いほど望ましいのですが、必ずしも完全に正しくあることがマストではありません。完全に正しいという無理なことを目指すより、むしろ、関係者間で共通認識を合わせることが大切なのです。
ターゲットを細かく絞ったところで、この内容全てをコピーにそのまま表現するわけではありませんよね。ドンピシャの人もいれば、近い人も反応してくれます。思った以上に、響く人はいると思ってください。大雑把なコピーで誰も振り向いてくれないより、「これは私に向けたメッセージだわ」と感じてくれる人を狙っていくほうが、ずっと効果的です。
顧客についてよく知ると、何を伝えるべきか、顧客視点でのコミュニケーションが設計できるようになります。買ってほしい顧客を詳しく設定していくことで、売るためのシナリオ設計が容易になり、エッジの効いたメッセージにすることができるようになります。
恋愛もマーケティングもまずは相手のことをよく知ることから。そして自分をアピールし、選んでもらい、相手の欲求を満たし続けること。(釣った魚に…はダメ!)
メールマーケティングも恋愛に例えて考えると、身近に感じられるのではないでしょうか。
難しく考えすぎず、これから一緒に考えていきましょう。
(おまけ)コピーライターに相談してみるのも一手
私は日々、お客様のメールマガジンを中心としたコピーライティングを請け負っています。アパレル、食品、エンタメ、化粧品、通信、車、住宅、教育…BtoCはもちろんBtoBまで業種業態は様々。お客様のオーダーやお悩みも千差万別です。
コピーライターは、お客様の商品・サービス・企業自身に恋をすることから始まります。しかし、お客様はコピーライターを通して、奥にいる顧客へ伝えたいメッセージを発信します。いわばコピーライターは好きな人の恋を手伝っているような切ない状態ですね(笑)。
一生懸命お手伝いしますが、コピーライターは魔法使いではなく翻訳家。もしご依頼いただく際は、お相手がどんな方で、どんなメッセージを発信したいかを熱く語ってください。どれだけ熱く語れるか。これまで成功した事例は、その温度が熱いかどうかが左右しているようです。
相手のことを深く知り、ペルソナを設定するという作業は1人では難しいものです。一緒に考えて、決めることもできます。コピーライターはただ上手な文章を書く人ではありません。コミュニケーションの考え方や、設計を一緒に組み立てる人だと思っていただければと思います。
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※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。