再確認。顧客志向への流れは止まらない。
企業活動において、顧客志向的スタンスを大切にするということは、おおむね世の中のコンセンサスである。しかし、こと現場に眼を向けると、顧客志向という言葉とは裏腹の、自社の都合中心主義で物事が進められる事が多い。
これまでは、もしかするとこうした状況でも何とかなった時代だが、これからはそういう訳にはいきそうにない。
世界のデジタル情報量はこの10年、爆発的に増加してきたといわれる。とりわけ、ブログの普及期、おそらく2004年頃から、情報量の爆発が始まっている。昨今はそれにソーシャルメディアの普及による情報爆発も加わって、大変な状態になっている。
一説によれば、全世界のデジタル情報量は7年後に現在のおよそ15倍の、40ゼッタバイトとなるらしい。初めて聴く単位であるが。。
情報流通の爆発は皆さんも日々感じている事と思うが、これは単なるソーシャルメディアの普及がすごいとか、そういうレベルの話ではなく、根本的に企業経営に影響を与える事になり始めている。
爆発的な拡大をしている情報とはつまり、ソーシャルメディアなどを中心とした、生活者の何気ない言葉たちである。その中には、皆さんの会社の事も含まれているかもしれない。あなたの会社、サービスの経験を、何気なくつぶやき、シェアする、そういう情報が爆発的に今、世の中にあふれ出している。
これはつまり、企業はますます嘘をつけなくなるという事である。表面的に良い事を言っていても、実際のサービスを受けたお客様が、そのサービスの実態について気軽に広めてしまうという事である。もっといえば、昨今は社員による会社評価のソーシャルメディアなどもある。たとえばエンジャパン社の提供する「カイシャの評判」。もう、丸裸である。
お客様にはそれなりの見せ方をしているとしても、その会社の内側の声が、世の中に筒抜けでは、もう安易な嘘は通用しない。さらにいえば、社員の満足度が高くないのに、お客様に素晴らしいサービスを提供できるはずもない。
一方のお客様は、この豊かな日本社会の中で、物質的にはおおむね満たされている。つまり、生活者の消費は、「必要性消費」から、「嗜好性消費」に変化している。心が豊かになるような消費をしている訳である。
そういう消費は、必要に迫られて行うものではなく、
- その商品のデザインに惚れ込んだ
- そのブランドのファンです。
- 最先端のスペックが気に入った
- スタッフの対応が、最高なんです。
など、さまざまである。
つまり、「嗜好性消費」においては、お客様は目の前にある商品のデザインやスペックだけでなく、その周りにあるストーリーや会社、販売する人、その会社のトップなど、さまざまな情報によって購買判断がされるのである。
こういう時代を迎えて、会社は全方位的に「誠実」に振る舞う必要に迫られている。ただひたすら、顧客志向を徹底し、顧客の事をおもい、商品、サービスの付加価値向上に努め、それを実現してくれる社員に誠実に接しなければいけない。そうした日々の本質的な努力がまずありきで、それがおのずと、この情報爆発の時代に、会社の良き点に触れた方々によって伝達されていく。こういう時代になろうとしている。
改めて、顧客志向というのはこの時代において、ただのキャッチフレーズではなく、会社の文化、価値観のレベルで体現されていかねばならないものである。顧客志向という、言い古されたこの漢字4文字が、今後の企業の命運を左右する程の重要なテーマになっている時代である。
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