ネットとリアルの新しき良き時代へ Vol.4
皆さん、こんにちは。SFBD室の秋山です。
前回「B2B領域において売上、利益を伸ばしていくために営業を強くする」ための設計方法について説明させていただきました。
その設計方法は、下記の2つの条件が満たされていれば、という条件付きでした。
a.顧客の購買意欲、購買行動に変化が伴わないこと。
b.組織として、営業部門に案件供給できていること。
(ここで言う案件とは、一定の契約率を満たす可能性がある案件を指しています)
それぞれの条件について見ていきましょう。
顧客の購買意欲、購買行動に変化が伴わないこと
これは言い方を変えると、「売上、利益を伸ばしていくために営業を強くする」ための設計を立てた時点における顧客の購買意欲、購買行動が、時間軸が進むとともに変化することに対して都度設計に反映していく対処方法があれば、設計方法そのもののアプローチを変える必要は無いことになると思います。
では、どのようにすれば顧客の購買意欲、購買行動を都度把握して設計に盛り込むことができるのでしょうか。
今回の場合は、B2Bの領域であるということを再認識する必要がありそうです。顧客の購買意欲、購買行動は、購買意思決定プロセスに起因していると思います。顧客の購買意思決定プロセスは、「問題認識→情報探索→代替製品の評価→購買決定」といった辺りが一般論かと思います。
では、B2B領域の顧客の購買意思決定プロセスの特長はどのようなものでしょうか。またB2Cと異なるのはどのようなところでしょうか。
- 意思決定者が複数名以上である場合が多い。
- 利用者と購買者が異なる場合が多い。
- プロセスが形式的、購買決定に時間を要する場合が多い。
大きく分けて以上の3点かと思います。
1.意思決定者が複数名以上である場合が多い。
少なくとも取締役会決議事項レベルの商談であれば、役員の過半数以上の賛同を得なければいけませんし、そもそも取締役会の決議事項として担当者に上申に値する内容であるという合意形成を得なければなりません。
これに対する対処方法としては、お客様側の決済ルートと登場人物、想定される時間軸を情報として入手する必要があります。
ここは日々の営業活動の中で前回の商談時から何か変化が無いかどうかをヒアリングすることになります。ただストレートに相手に聞いてもそう易々と教えていただけないケースが多いので、特に商談が柔らかい時点においては、「本件は、どなた様のご意見を尊重されるのでしょうか?」などと自然に聞けるような営業テクニックも必要だと思います。
2.利用者と購買者が異なる場合が多い。
次に2点目ですが、例えばERPシステムのリプレース商談があった場合、最終購買意思決定権者がERPシステムの利用者(ここではシステムのオペレーションをする人という定義)であるケースは、ほぼ皆無に等しいのではないでしょうか。
その場合、最終購買意思決定権者である購買者が、誰の意見を重視して決定に至るのかを探らねばなりません。ここは、社内人脈(お客様側もそうですが、社内の誰がお客様の誰と面識があるとか、懇意にさせていただいているなど)の見える化も必要となってきます。
3.プロセスが形式的、購買決定に時間を要する場合が多い。
「今回特別!」とか「衝動買い!」という概念がほとんど無い、ということです。中には社長の鶴の一声で、というのもあるかもしれませんが、事が大きな投資となると、決定に至るまでのプロセスや時間はそれ相応に要するかと思います。
そこにおいては「購買決定」に至るまでの購買意思決定プロセスと営業側の販売プロセスを重ねていくアプローチが必要となってきます。
以上のようにこの3点に対する対応は、本ブログの主題である「ネットとリアルの新しき良き時代」でいう「リアル」の対応が必要になろうかと思います。
次回は、もう一つの条件である「組織として、営業部門に案件供給できていること」を中心に話を進めてまいりたいと思います。ということで次回をお楽しみに。
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