Pardotとは?どのような会社・製品なのかをまとめてみました
※本記事に記載のPardotは、2022年4月7日にMarketing Cloud Account Engagementに製品名が変更になりました。
<目次>
1. どのような会社なのか?
クラウド型マーケティングオートメーションシステムのベンダー。主にBtoBの中小企業で利用されている。2007年にジョージア州アトランタで創業。創業者はDavid CummingsとAdam Blitzerの2人。2012年10月、ExactTargetにより9,550万ドルで買収された。
2013年11月現在、顧客数は1,500以上。アトランタ本社の他に7拠点にオフィスを構えている(サンフランシスコ、オースティン、ロサンゼルス、シカゴ、シアトル、ロンドン、オーストラリア)。「Agency Partners(マーケティングエージェンシー系パートナー)」と「Implementation Partners(CRM連携など技術系パートナー)」と協働し、主に北米圏でビジネスを展開している。
ちなみに「Pardot」とは、「市場に出す(To Market)」や「販売する(To Sell)」を意味するラトビア語だそうです。発音しやすく、つづりやすく、さらにドメイン名が空いていたから「Pardot」という名前にしたとのこと。
スローガンは「Make sales and marketing teams best friends with no-hassle marketing automation. Gain greater insight into ROI, increase marketing accountability, and more.」。
※営業部門とマーケティング部門のアラインメントでマーケティング活動のROIの見える化と最大化を実現するという主旨ですが、HubSpotが提唱する「Smarketing」にも通じるところがありますね。ちなみに、営業とマーケティングの小競り合い(hassle)を風刺したスライド「Sales vs. Marketing: The Original Game of Thrones」を今年4月にPardotがリリースしましたが、なかなかの人気コンテンツのようです。
また、教育・啓蒙のために「リードナーチャリング研究所」というコンテンツを提供している。リードナーチャリングについてサンプルプログラムやワークシートがある。ただ、最近はあまり更新されていなさそう。
2. Pardotとはどのような製品なのか?
製品概要を知るという点では、以下2点のスライドシェアがわかりやすい。
Pardot Basics Bootcamp
10 Ways To Get More From Your Pardot Solution
また、「実際の画面を動画で見たい」という場合、動画「Sending an Email」がおすすめ。
さらに、下記9点、製品の特徴を簡単にまとめた。
- Drip Program:マーケティングオートメーションを実現するPardotのコア機能(コーヒーの漏斗とマーケティングファネルを掛けて「Drip」としているところが小粋ですね)。リードナーチャリングのプログラム(フロー)を設定できる。さすが「no-hassle marketing automation」というだけあって、UIはかなりよくできている。Dripプログラムのサンプルテンプレートもあり。ちなみにHubSpotでも同様、サンプルテンプレート「Workflow Recipes」を提供していますね。
- Scoring & Grading:見込度合いを把握する手がかりとなるWeb行動履歴(implicit activities)に基づいて各リードに点数を付与するのがスコアリング機能。デフォルトの「Baseline Scoring System」をカスタマイズしていく。一方、業界や役職や企業規模などの属性情報(explicit information)に基づいてFランク(Poor)からA+ランク(Super Great)までリードを格付けするのがグレーディング機能。両機能を組み合わせ、どのリードが「Hot Lead」なのかを選別していく(Lead Qualification)。
- Form:多機能フォーム。複数回にわたるコンバージョンを通じてリードの企業情報(firmographics)と個人情報(demographics)を少しずつ収集するための「Progressive Profiling」機能をはじめ、選択型項目の間の連動関係を制御できる「Dependent Fields」機能、IP逆引きで地理情報を割り出し所在地項目を自動入力する「Auto-fill Prospect Location Data from IP Address」機能、スパム防止のための「reCAPTCHA」設定機能、展示会など大量のリード情報を入力するときに便利な「Kiosk/Data Entry Mode」機能などがある。ちなみに「Progressive Profiling」について、HubSpotでは同様の内容を「Smart Fields」という機能で実装していますね。
- CRM連携:Salesforce、Microsoft Dynamics、SugarCRM、NetSuiteと連携可。中でもやはりSalesforceとの連携実績が多く、技術情報もその分充実している。最近出たばかりの「Salesforce 1」との連携についても説明がある。
- サイト内検索との連携:サイト内検索で誰(リード)がどのような語句を利用したのかをトラッキングできる。Google検索がHTTPS化されてGoogle検索キーワードが取得できなくなった分、マーケターにとってはありがたい機能。
- Dynamic Lists:特定の条件に合致したリードを、あらかじめ指定したリストに自動的に登録したり、逆にリストから削除する機能。複数のリードナーチャリングのプログラムを回す、特定の条件に合致すればCRM連携の対象外に自動的に設定する、などの場面で便利な機能。
- メール配信分析:litmusを利用したプレビュー機能があり、各デバイスや各メーラーでどのように表示されるかを確認できる。また、メールの閲覧時間も教えてくれる「Engagement & Activity Reporting」機能があり、Opened、Glanced or Unread、Skimmed、Read、Forwarded、Printedなど、受信者がどのような行動をしたかをレポートしてくれる。
- その他便利機能:マージ機能、タグ機能、HubSpotのSignalsのようなアプリ「LeadDeck」など、使いやすさを高める機能がある。また、連携アプリケーションも多く、CRMだけでなくGoogle AdWords、Wistia、twilio、eventbriteなど様々なアプリ・クラウドシステムと連携できる。もちろんAPIも公開されている。
- 価格:Professional(月額1,000ドル~)、Enterprise(同2,000ドル~)、Ultimate(同3,000ドル~)の3エディション構成。コンタクト(顧客DBのレコード件数)が10,000件(※)を超えると追加料金が発生する。最低契約期間は1年間。
※2016年9月27日に “30,000件” を “10,000件” に修正いたしました。
3. Pardotを導入・運用する上で役立つリソースやコンテンツは?
導入から運用に至るまでの流れと、Pardotが提供するサービス & サポートの内容が以下のインフォグラフィックスにまとめられている。
また、導入・運用に関する参考情報として以下3点がある。
おまけ:Pardotのテクノロジーについて
以下6点、Pardotのテクノロジーについて。
- ExactTargetと同様、MTAはPort25 Solutionsの「PowerMTA」
- シアトルとダラスの2ヶ所にデータセンターあり
- CAのNimsoftを使ってサービス稼働状況をモニタリング
- データセキュリティとバックアップポリシー
- トラッキングのために1st Party Cookieと3rd Party Cookieを併用 ※Adobe Analyticsと同じですね。
- LAMP (フレームワークはSymphony)
以上、Pardotまとめでした!
※2014年6月17日追記:Pardot、導入社数の伸びが著しいそうです。Pardot is the fastest-growing marketing automation system, beating Hubspot, Marketo, Act-On
※2014年7月28日追記:Sales Cloud、Pardot、Communitiesを統合した製品「Salesforce1 Sales Reach」が2015年前半にリリースされるそうです。Salesforce.com Unveils Salesforce1 Sales Reach
※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。