Salesforceでアンケートを取得するための3つの方法と選定のポイント
Salesforceは世界中で利用されているクラウド型のSFA/CRM(営業支援/顧客管理)ツールです。
Salesforceに登録できるデータはまだ取り引きのない見込み顧客のお客様から既存のお客様、代理店や取引先など多岐にわたり、SFA/CRMツール以外にも多くのツールを提供しているため、営業やマーケティング部門で使われているだけでなく、カスタマーサービスの領域や総務的な領域などさまざまな部署で導入されているプラットフォームと言えます。
Salesforceではあらゆる顧客データを管理することができ、そこにはお客様に実施したアンケートも含まれます。
この記事では、Salesforceを使ってアンケートを取得する方法を3つご紹介しますので、参考にしてみてください。
Salesforceを使った簡単マーケティングオートメーション
<目次>
1.アンケートの種類
一言にアンケートといっても、その種類は目的に応じてさまざま存在しています。
ここでは一般的に実施されているアンケートの種類と特徴を改めて見てみましょう。
アンケートの種類 | 目的・特徴 |
---|---|
お客様満足度調査アンケート | 目的:お客様が商品やサービスにどのくらい満足しているかを測定する 特徴:3~5段階の評価が用いられることが多く、製品の購入後やサービス提供後に実施する |
市場調査アンケート | 目的:お客様の嗜好、行動、購入パターンを理解し、マーケティング戦略に活用する 特徴:詳細な質問項目を用意し、競合比較や商品・サービスの認知度について収集する |
フィードバック・改善アンケート | 目的:お客様からの意見や改善点を収集し、商品・サービスの品質向上に役立てる 特徴:お客様の具体的な意見(問題点や改善点)を収集し、商品・サービスの改善に活用する |
離反調査アンケート | 目的:お客様が他社に移行した理由や解約した原因を把握する 特徴:離反原因や不満点、競合企業の魅力を特定し、離脱防止策の立案に活用する |
ネットプロモータースコア(NPS) | 目的:お客様が商品・サービスを他者に推薦する意欲を測定する 特徴:0~10の段階的評価を用いて収集し、お客様を「プロモーター」「パッシブ」「デトラクター」に分類する |
このようにアンケートにはいくつかの種類があり、その目的に応じて推奨される回答方法が存在しています。
何のアンケートを取得したいのか目的を整理し、最適な回答方法を設計することを心がけましょう。
2.よくある課題
アンケートを実施するためには、ユーザーに回答してもらうためのツールが必要です。世の中には多くのツールが存在していますが、ツールを利用する上でどのような課題があるでしょうか?
これから新たにツールを導入する方はこれらの課題を参考にツールの選定を、現在ツールを使っている方は思い当たる課題がないかチェックしてみてください。
①アンケートツールのスペックが高く費用対効果が合わない
有料のアンケートツールを利用する場合、より多くの回答パターンを用意できるものほど、ツールの利用料は高額になっていきます。
また、ツールの利用料の課金方式にも注意が必要です。アンケートの本数、回答数による従量課金など、課金方式も事前にチェックしておきましょう。
②アンケート結果をSalesforceに連携できない
利用するアンケートツールによっては、Salesforceへの連携ができないものがあります。
その場合は、アンケートに回答いただいたお客様の特定とデータの整形、Salesforceへのデータインポートが都度必要になり、運用工数が増加する原因となります。
Salesforceを利用している場合は、Salesforce連携が可能なアンケートツールを利用することを推奨します。
③無料ツールだとセキュリティや運用に不安がある
世の中には無料で利用可能なアンケートツールが存在しています。無料のため、サポートが提供されていない、日本語対応していないなどもよくある話で、自身で運用を行うしかありません。
また、十分なセキュリティ対策が行われているか、自社のセキュリティ要件を満たしているかも調査した上で利用する必要があります。
3.Salesforceでアンケートを取得する3つの方法
Salesforceでアンケートを取得する方法は主に3つあります。
- 方法①Salesforceのアンケート機能を利用する
- 方法②他社アンケート専用ツールを利用する
- 方法③Synergy!LEADを利用する
それぞれの特徴を理解し、自社の状況に合わせてアンケート取得する方法を選ぶことで、アンケートの取得を効率的に行えるようになります。
方法①Salesforceのアンケート機能を利用する
Salesforceにはアンケート機能(Salesforce Surveys)が備わっており、知識がなくても簡単にアンケートフォームを作成することができます。
通常、このアンケート機能ではSalesforceに作成されているユーザー(実際にSalesforceを利用している社員)に向けてのアンケートとして利用しますが、Experience Cloud サイトを利用することで、社外向けにアンケートを公開することも可能です。
こんな方にオススメ
- 無料ですぐにアンケートを実施したい
- 柔軟なアンケート設問の利用、回答による分岐を行いたい
■メリット
- プログラミングの知識が不要でクリックベースでアンケートの作成ができる
- アンケートの分析やレポート機能がある
■デメリット
- 社外のユーザー向けにアンケートを実施する場合は、Experience Cloud サイトを作成する必要がある
- Experience CloudではSalesforceのユーザー以外のアンケート回答者は匿名となり、回答者を特定することができない
- 1,000件の回答に対して300ドルの追加費用が発生する
- デザインを柔軟に変更することができない
- アンケート回答後のサンクスメールを送ることができない
方法②他社アンケート専用ツールを利用する
AppExchangeには、Salesforceと連携可能なアンケートに特化したツールが存在しています。
アンケートに特化している分、選択肢のバラエティが豊富で、ユーザーの回答による設問の分岐など、より高度なアンケートを実施することが可能です。
ただし、実施しているアンケート内容によっては、費用が高額となり費用対効果が合わないなど、費用面の課題がある点に注意が必要です。
また、メール配信機能が備わっていない場合は、Salesforceのリストメールや、Account EngagementなどのMAツールを用いて、アンケートをユーザーへ配信する必要があります。
こんな方にオススメ
- 高度なアンケートを実施したい
- 柔軟なアンケート設問の利用、ユーザーの回答による設問分岐を行いたい
■メリット
- アンケートフォームを簡単に作成することができる
- 優れたUIにより回答してもらいやすいフォームを作成することができる
- サンクスページを設置することができる
■デメリット
- Salesforce内でアンケートフォームの作成ができない
- アンケート回答データをSalesforceへ格納する際、格納先が固定されている
- ツール利用料のほかに、アンケートの本数、回答数による従量課金が発生する場合がある
- デザインの変更のためにHTMLやCSSに関する知識が必要となる場合がある
方法③Synergy!LEADを利用する
Synergy!LEADは、Salesforceとシームレスに連携している、簡単にマーケティングを始めることができるアプリケーションです。AppExchangeのアプリなのでご利用のSalesforceの環境へインストールするだけで利用できるため、ツールの操作や設定、データ管理にわずらわされることなく、コンテンツの企画や制作に十分な時間が確保できます。
Synergy!LEADで提供している「フォーム作成」機能を使うことで、簡単にアンケートフォームを作成することができます。
こんな方にオススメ
- 簡単なアンケートを実施したい
- アンケート以外にも問い合わせや資料請求の情報もSalesforceに連携したい
- Salesforceを活用したマーケティング活動を行いたい
■メリット
・Salesforceの管理画面の中でアンケートフォームを作成することができる
・簡単な操作でアンケートフォームを作成してすぐに公開することができる
・フォームごとにリードや取引先責任者、カスタムオブジェクトなど回答の保存先を指定することができる
・サンクスページの設置、サンキューメールを送信することができる
■デメリット
・NPSに適した設問の設置や、回答による設問の分岐をすることができない
・デザインの変更のためにHTMLやCSSに関する知識が必要となる場合がある
4.選定のポイント
ここまで紹介したアンケートの実施方法には、それぞれメリットデメリットがありますので、アンケートの目的に沿ってどれが最適かを判断することが重要です。
今回はSalesforceを活用することも含め、3つの観点で選定のポイントを整理してみました。
①コストと機能のバランス
実施するアンケートの目的に沿って必要になる機能は何かの整理から始めましょう。
NPSや高度な設問の設置が必要か、回答による設問の分岐が必要か、が特に重要なポイントです。
選択肢項目でカバーできるアンケート設計であれば良いですが、この機能の必要有無で必要となるコストも変わってきます。
②Salesforceへのデータの集約
収集したアンケートの回答データを、Salesforceにどのように格納したいかを事前に決めておきましょう。
1つのオブジェクトに格納することで問題がないか、アンケートの種類ごとに格納先のオブジェクトを変更する必要があるのか、によって選定するツールが変わります。
③人と回答データの紐づけ
Salesforceのリードや取引先責任者など、人に紐づけて回答データの管理が可能かをチェックしておきましょう。
アンケートの回答データを格納するオブジェクトにのみ単独で保存され、人物データとの紐づけが行われない場合は、Salesforceの機能を使って人物データとの自動的な紐づけを行う必要があります。
5.まとめ
ここまでSalesforceでアンケートを取得する際の課題と方法、選定のポイントについて解説してきました。アンケートの取得は、お客様を知ること、自社商品・サービスの改善に役立てることなど、重要な活動のうちの1つとして位置づけられています。
アンケートを実施する上でツールの活用は必須である一方、利用料が高額になる、運用負担が大きくなるなど課題もあります。
改めて、Salesforceでアンケートを取得する方法のポイントを以下にまとめました。
コスト | Salesforceとの連携 | 機能面 | |
---|---|---|---|
Salesforceのアンケート機能を利用する | △ (回答数により追加費用が発生) |
○ | ○ |
他社アンケート専用ツールを利用する | △ | ○ | ○ |
Synergy!LEADを利用する | ○ | ○ | △ |
目的
どのような趣旨でアンケートを実施し、その回答をどう活用するか
例:商品・サービスに対するフィードバックを取得し改善を行いたい
手段
目的を達成するために必要な機能は何か
例:Salesforceと連携可能なアンケートツールである、シンプルな設問項目を用意したい
コスト
ツール利用料だけではなく、運用負担も少なく実現可能か
例:初期費用、ランニング費用をできるだけ抑えたい、簡単な操作でアンケートフォームを作成したい
これらのポイントを抑えることで、自社に合った最適なアンケートツールを見つけてください。
もし今の環境が本当に目的にあっているかわからないということであれば、シナジーマーケティングはSalesforceのコンサルティング・再販パートナーとしてMarketing CloudやAccount Engagement(旧Pardot)もSynergy!LEADも提供していますので、比較しながら一緒にじっくり考えることができます。お気軽にご相談ください。
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