建設業界の課題解消にはCRMシステムが必須!具体的に解消できる課題やシステムを選ぶポイントなどを解説
ビジネスにおいては「顧客管理」を行うことが重要です。顧客情報を適切に活用し、業務管理や相手のニーズに合わせた提案策定などに活用することで、自社ビジネスの成長を促進できます。
その一方で、建設業界ではビジネスで重要な「顧客管理」に課題を感じる企業も多いです。建設業界では、1つの案件が大掛かりで複雑な工程になることも多いため、「どのように顧客情報を管理すればよいかわからない」という課題を感じてしまうのでしょう。
この「顧客管理」の課題解消に必要なものが、CRMシステムです。CRMシステムの導入によって、複雑な案件の進捗状況などを適切に管理して、スムーズに関係者間で共有できます。
本記事では、建設業界でCRMシステムが必要な理由や具体的に解消できる課題、システムを選ぶポイントなどを解説します。
<目次>
建設業界では「各工事の案件進捗」は管理できていることが多い
建設業界では、「工事の案件ごと」であれば、以下ような進捗状況を管理できているケースが多いです。
提案営業→受注→要望のすり合わせ→設計→施工→完成および引き渡し→アフターフォロー
工事案件によって多少順番は前後しますが、大枠では上記の流れになります。この流れを管理するために、SFAなどのシステムを活用している企業も多いでしょう。営業担当者がヒアリングした建築物の完成イメージや要望、予算などをSFAで管理し、各案件に合わせた工程や業務範囲などを組んでいきます。
こうしたシステムを活用しているため、各工事の案件レベルであれば「この現場ではどんな進捗状況になっているのか?」をスムーズに共有できていることも多いはずです。
一方で、(次の章で詳しく解説しますが)「顧客単位での情報管理」となると、上手く実行できていない企業が多いです。とくにBtoB向けの建設会社では、「1つの案件が終わったら同じ顧客から別の案件を受ける」ということが珍しくありません。そのため、案件ごとの管理だけでなく「顧客単位での情報管理」を行うことの重要性が高いです。
各工事の案件単位ではなく「顧客単位の情報管理」に課題を抱える企業が多い
上記のように「各工事の案件単位」であれば、SFAなどのシステムを活用して管理できている企業は多いです。一方で「顧客単位の情報管理」までは、リソースが回っていないことも多いです。
建設業界では、「1つの工事案件が終わったら顧客先との関係も終わり」となるとは限りません。「同じ顧客から引き続き別の現場を任される」ということが一般的です。建設業界に関わらず、ビジネスでは新規顧客の獲得コストは既存顧客フォローコストの5倍かかる(1:5の法則)ため、継続的に同じ顧客から工事案件を依頼されるというのは、安定した売上を出す上で重要です。
しかし実際の建設業界では、この「顧客単位の情報管理」の面で課題を抱えることが珍しくありません。建設業界で、顧客単位の情報管理に課題を感じる企業が多い理由として、以下があげられます。
- 顧客との関係性が長期化するため管理に手間取る
- 顧客のメインが「企業」であるため「個人」より情報管理が複雑になりやすい
- 各工事案件の関係者数が多いため顧客単位での情報共有は難しい
- 営業や受注のノウハウが属人化しやすい
顧客との関係性が長期化するため管理に手間取る
上記で解説したように、建設業界では、顧客との関係性は長期的になることが一般的です。建築物の種類にもよりますが、受注〜建物の完成まで「数年単位」になることも珍しくありません。さらに完成後も、「顧客からの問い合わせに答える」「定期的なメンテナンスを行う」「引き続き別の案件を引き受ける」といったことも必要です。
1つの案件だけでも、長期のアフターフォローには労力がかかります。複数の顧客を持つ企業の場合は、「どの取り引き先に・いつ頃・どんなフォローをしなければいけないのか?」を同時並行で適切に管理する必要があるため、必然的に手間も増えるでしょう。
顧客のメインが「企業」であるため「個人」より情報管理が複雑になりやすい
建設会社が一個人と取り引きするのは「家庭向けの住宅を建設する」といったケースに限られており、企業が顧客となるケースがほとんどです。
顧客が企業の場合、工事が承認されるまでに、発注社内のさまざまな関係者間で意思決定が行われます。この意思決定では、予算や建築物への要望など多くの内容を決めるため、時間がかかるケースがほとんどです。そのため、建設会社は「発注者は今どの段階で・どのような意思決定をしているのか?」ということを適宜把握し、適切な提案や準備をしなければなりません。
各工事案件の関係者数が多いため顧客単位での情報共有は難しい
建設業界では、1つの案件に対し以下のようにさまざまな人物が関わります。
- 営業担当者
- 現場の責任者
- 設計部門
- 施工部門
- 事務管理
- 資材などを外部委託した企業
各工事の案件単位であれば、SFAなどのシステムを活用して比較的スムーズに情報管理できます。しかし、「顧客単位」で同時に複数の情報をリアルタイムで共有するハードルは高いでしょう。
必要な情報を共有できなければ、例えば「必要な資材の発注依頼が部署に届かない」「顧客からの要望変更が現場に届かない」などが生じ、工期が遅れる原因にもなります。
営業や受注のノウハウが属人化しやすい
建設業界では新規の案件を持ってくることもありますが、「特定の人物のつながりで仕事を獲得した」というケースもあります。
もちろん、つながりで仕事を獲得すること自体は問題ありません。しかし、個人のつながりによる案件獲得がメインになってしまうと、社内に「新規案件獲得のノウハウ」が蓄積されず、担当者ごとで売上に大きな差が発生します。
もし、個人のつながりで案件を獲得していた担当者がいなくなった場合、社内の売上に大きな影響を与えるかもしれません。競合も増える中で、自社に営業や受注、フォローなどの知見が蓄積されなければ、競合に差をつけられる要因となるでしょう。
上記のような事態を防ぐには、営業担当者のスキルを言語化して社内で共有し、再現性を高めておくことが必須です。
建設業界における「顧客単位の情報管理」を行うにはCRMシステムの導入が大切!具体的な導入メリットを解説
このように、建設業界は「各案件の複雑さ」「顧客との関係性の長期化」などが影響し、他の業界より顧客単位での情報管理のハードルは高いといえます。とくに複雑な案件を同時進行で管理する場合、より顧客単位での情報管理の手間が増すでしょう。
上記のような顧客単位での情報管理の手間を減らすために活用できるものが「CRMシステム」です。CRMとは「顧客関係管理」を指す言葉です。顧客満足度を高めて長期的に良好な関係性を築き、最終的に自社のファンとなってもらうことを目的にしています。
このCRMの実施に必要なものが「CRMシステム」です。CRMシステムでは、さまざまな種類の顧客情報を一元管理できます。
建設業界では、各工事の案件ごとで「工期や予算、各案件の進捗状況」など幅広い情報の管理が必要です。さらに1社との取り引きが長期化するため、今までの問い合わせや接客履歴など、長期的に複雑な情報を管理する体制の構築が欠かせません。CRMシステムであれば、こうした情報を効率よく管理できます。
具体的には、CRMシステムの導入によって以下のようなメリットを実感できます。
- 長期的に適切なアフターフォローを実施しやすくなる
- 顧客単位での詳細を正確に管理できる
- 現場や顧客の情報をリアルタイムで共有できる
- 営業ノウハウの属人化を防げる
なお、CRMシステムの具体的な機能などについては、以下の記事をご確認ください。
長期的に適切なアフターフォローを実施しやすくなる
CRMシステムには、顧客への初回接触から始まり、現時点までのさまざまな情報を保管できます。例えば建設業界なら、以下のような情報を管理することになるでしょう。
- 自社に仕事を依頼することになった経緯
- 建設にあたりで顧客が一番気にしていたポイント
- 顧客からの問い合わせ履歴
- 工事中に起こったトラブル
建設業界では工事完了後も顧客との関係性が続くため、上記のような情報を管理しておくことが重要です。情報を適切に管理することで、工事完了後にトラブルが起きたりメンテナンスが必要になったりした際に、今までの履歴を振り返って適切な対応を実施できます。
また、建設業においては定期点検も発生します。そのため、CRMシステムに搭載されたメールマーケティング機能を活用し「定期点検の時期に自動でお知らせメールを配信する」といった、アフターフォローも行いやすくなるでしょう。
さらに、もし自社の担当者が変更になった場合も、スムーズに顧客情報を引き継ぐことができます。とくに建設業は、離職率が入職率を上回る年もある(2022年は入職率8.1%・離職率10.5%となりました)ように、人の入れ替わりも激しいです。
そのような状況下で、顧客情報を正しく引き継いで、担当者が変わっても適切なフォローを提供できるというのは大きなメリットでしょう。
数値参照:厚生労働省 | 令和4年雇用動向調査結果の概況 | p.13
顧客単位での詳細を正確に管理できる
CRMシステムの大きなメリットとして、「幅広い情報を一元管理できること」もあげられます。例えば建設業界なら、以下のような情報を管理できます。
- 工期
- 予算
- 各案件の進捗状況
- 顧客の要望
上記の情報は、「各工事の案件レベル」であれば、SFAなどのシステムでも十分管理できました。しかし「顧客単位」で長期的に複数案件を管理するとなると、1つの案件情報を管理するSFAでは限界があります。
CRMシステムであれば、顧客単位で上記の情報を長期的に管理できる上、問い合わせや接客履歴なども保管できます。そのため「この顧客には常に◯◯な対応が必要」「今までのやりとりを見ると◻︎◻︎を意識する傾向にある」などを判断し、顧客に応じた適切な対応を実現可能です。
また、管理項目をカスタマイズできるCRMシステムもあるため、設計図や人員数など建設業界ならではの情報も保管できます。
現場や顧客の情報をリアルタイムで共有できる
工事をスムーズに進めるには、関係者間でリアルタイムの情報共有が必須です。リアルタイムで現場や顧客の状況を共有することで、具体的にやるべきことを抜け漏れなく把握し、全員が同じ目標に向かって動けます。
例えば「工期が予定よりも遅れている」という場合でも、適宜「人員をどれくらい増やすべきか?」「資材の発注スケジュールをどのように組み直すか?」などの変更点を関係者間で共有し、スムーズな意思決定を実現できます。
営業ノウハウの属人化を防げる
CRMシステムでは、過去の商談履歴などの営業情報も管理できます。そのため、「具体的にどのようにアプローチしたか?」などを社内で共有でき、営業活動の属人化を防げます。
個人のつながりで案件を受注するにしても、担当者なりに「受注へ発展するよう普段から何を意識しているか?」というポイントがあるはずです。そうした属人化しやすい部分を言語化し、社内で共有できるのもCRMシステムの魅力といえます。
その他、具体的な施策内容は以下でご確認ください。
【関連記事】CRM施策はどう進める?おすすめの方法や成功におけるポイントを事例付きで解説!
顧客管理を始める方は必読の「顧客管理のノウハウ・ドゥハウ」導入編
顧客管理を始めるために必要なツールの選定方法からデータの整形方法までをご紹介。これから顧客管理を始める方にぴったりの資料です。
建設業界で導入するCRMシステムを選ぶポイント
建設業界で導入するCRMシステムを選ぶ際は、以下のポイントを意識しましょう。
- 自社の目的を達成する機能が備わっているか?
- 管理する顧客情報の項目を自由に設計できるか?
- 導入後に手厚いサポートを受けられるか?
- スムーズに操作できるか?
- セキュリティ対策は万全か?
- SFAなどの案件管理ツールと連携できるか?
自社の目的を達成する機能が備わっているか?
CRMシステムを利用する際は、導入目的を設定し「目的達成に必要な機能を備えているか?」をチェックしましょう。
CRMシステムで達成したい目的や解消したい課題は、建設会社ごとに異なります。例えば以下があげられるでしょう。
- 長年フォローしている顧客へのサポート体制を強化したい
- ベテラン営業担当者のノウハウを共有して全社で売上を伸ばしたい
- 現場と管理部門間での連携ミスを減らしたい
例えばサポート体制の強化が目的であれば、フォローに必要なメールマーケティングや抜け漏れなく問い合わせを管理できる機能を備えたCRMシステムがオススメです。また、営業ノウハウの共有が目的であれば、各案件の商談履歴や担当者の提案履歴などを細かく保管できる機能を備えたCRMシステムを選ぶとよいでしょう。
管理する顧客情報の項目を自由に設計できるか?
CRMシステムによっては、管理する顧客情報の項目を自由に設計できます。管理項目を自由に設計できれば、建設業ならではの項目(工期や必要な建築物に関する顧客の要望など)だけでなく、自社が今まで独自に保管していた情報も引き続き活用可能です。
導入後に手厚いサポートを受けられるか?
導入後に受けられるサポートの手厚さは、CRMシステムを提供する企業ごとで異なります。とくに「今まで顧客管理システムを使ったことがないため自社で運用できるか不安」ということであれば、より入念にチェックしておきましょう。
例えば弊社が提供する「Synergy!」であれば、電話サポートはもちろん、定期的な操作セミナーの開催や運用定着に向けたマンツーマンの活用支援などを通じて、導入後も手厚いサポートを受けられます。
スムーズに操作できるか?
CRMシステムは現場で実際に働く責任者なども利用するため、出先でもサクサク操作できることが理想です。CRMシステムによっては無料トライアルやデモ体験ができるため、導入前に操作感を確かめておきましょう。
可能であれば、メインで利用する従業員が導入前に操作しておくことが理想です。実際に使う機会の多い従業員からの正直なフィードバックをもらうことで、導入後のミスマッチを防げます。
セキュリティ対策は万全か?
建設業界では、1つの案件に社内外を含めてさまざまな人物が関係してきます。予算や人員の情報などさまざまな機密情報を扱うため、セキュリティ面が強固であるかも確認が必要です。
具体的には、第三者がなりすましてログインすることを防ぐ「クライアント証明書」や「ログインユーザーの権限設定機能」などがあると安心でしょう。
SFAなどの案件管理ツールと連携できるか?
CRMシステムでは商談履歴なども記録できます。とはいえ、メインの目的は案件管理ではなく「顧客情報を管理し適切なフォローやアプローチ施策を実施すること」です。そのため、各工事の案件管理も実施するのであれば、SFAと連携できるとよいでしょう。
SFAと連携できれば、各案件の進捗状況を把握しつつ、CRMシステムで長期的な顧客フォローに必要な情報を管理し、必要に応じ施策の実行などに活用できます。
建設業界でCRMシステムを活用する際の注意点
導入するCRMシステムが決まったら、機能を活用するため以下の点に注意しましょう。
- 自社内で操作方法に関するフォロー体制を整える
- まずは小規模から導入して徐々に浸透させる
自社内で操作方法に関するフォロー体制を整える
導入前に操作感や機能などをチェックしても、実際に利用を始めると、現場から操作に関する疑問点が出てくることはあり得ます。そのため運用が定着するまで、社内で従業員へのフォロー体制を整えておきましょう。
フォロー体制としては、例えば「社内に専属のCRMシステム担当者を就ける」「定期的に勉強会を開催する」などがあげられます。とくに建設業界では「紙やExcelで管理する」というアナログな手段を用いていることも多いため、新しいシステムを導入する際は何らかの問題が発生しがちです。
そうした問題を適宜解消してスムーズに運用を定着させるためにも、社内で操作方法に関するフォロー体制を整えましょう。
まずは小規模から導入して徐々に浸透させる
新しいシステムをいきなり全社で導入すると、現場で大きな混乱を招きます。とくに建設業界は案件の関係者が多く完了までの工程も長いため、いきなり従来のフローをCRMシステムに置き換えるというのは現実的ではありません。
そのため、まずは「特定の案件で導入する」「特定の部署で使ってみる」など、小規模から徐々に利用してみましょう。
「Synergy!」なら個別案件だけでなく”顧客単位”の情報管理も行い、適切な施策の実施につなげられる!
このように建設業界でCRMシステムを導入するのであれば、管理項目のカスタマイズ性やサポート体制などのチェックが重要です。確かに費用の安さも大切ですが、コストだけを見て操作性や機能のチェックを疎かにすると、導入後に「自社独自の管理項目にカスタマイズできない」「サポートがないため結局活用できない」ということになりかねません。
建設業界で安心してCRMシステムを活用したいのであれば、ぜひ「Synergy!」の活用もご検討ください。「Synergy!」は、自由設計できる顧客データベース機能をメインとしたCRMシステムです。
データベースは自由にカスタマイズできるため、建設業ならではの管理項目だけでなく、自社独自で保管したい情報にも対応しています。データ連携機能もあるため、「別のシステムから乗り換えたい」という場合も今までの情報を引き続き活用可能です。また、管理した顧客情報をもとに最適な施策を実行するための、メールマーケティング機能なども備わっています。
CRMシステムを活用して顧客単位の情報もバッチリ管理しよう!
建設業界では、各工事の案件だけでなく「顧客単位の情報管理」も重要です。とくに建設業界では、1社の顧客と長期的にやりとりすることになります。そのため各案件の進捗だけでなく、今までの問い合わせや接客履歴などを管理し、顧客ニーズに合わせた適切な対応の実施が大切です。
また、営業や顧客フォローの履歴を残しておけば、ノウハウを全社で共有し顧客管理の属人化も防げます。
このように、建設業界で各工事の案件だけでなく「顧客単位の情報」をスムーズに管理するのであれば、CRMシステムの導入が効果的です。CRMシステムでは、案件ごとの情報だけでなく問い合わせや接客履歴など幅広い顧客情報を一元管理できるため、長期的なフォローを実施する際の参考にできます。
CRMシステムの利用を考える際は「Synergy!」の導入をご検討ください。メールマーケティング機能や問い合わせ管理機能なども搭載しているため、管理した顧客情報を具体的な施策までスムーズに落とし込めます。さらに、操作セミナーやマンツーマンのトレーニングなど手厚いサポート体制も整っています。初めてCRMシステムを使う企業でも安定して運用できるようサポートしているため、安心してお使いください。
「Synergy!」の具体的な製品機能については、ぜひ以下のフォームから資料をダウンロードしてご確認ください。
伝えたいマーケティングメッセージを、お客様にきちんと届けるために。
統合顧客管理(CRM)システム「Synergy!」
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