製造業でCRMシステムが必要な理由は?導入によって解決できる課題や製品を選ぶポイントなどを解説
製造業では、人材不足や在庫管理、工程の業務効率など「生産技術面」の課題に目を向ける企業は多いです。一方で「営業やマーケティング」の課題解消を優先する企業はそれほど多くありません。しかし、既存取引先からの打ち切りリスクや多様化する顧客ニーズを捉えて商品を製造するためにも、営業やマーケティングに目を向けることも重要です。
こうした営業やマーケティングの強化に目を向ける場合は、CRMシステムの導入も有効です。CRMシステムの導入によって、問い合わせ内容や顧客ニーズなど、長期施策を実行する際に必要な情報を適切に管理できます。
本記事では、CRMシステムの導入によって解消できる製造業の課題や製品の具体的な選び方などを解説します。
<目次>
製造業における課題
製造業では、大きく以下の4つが課題としてあげられます。
- 業界のDX化が進んでおらず業務効率化を図れていない
- 人材不足が進行している
- 在庫を抱えるリスクがある
- 各部門間で連携を取れず業務効率が落ちている
業界のDX化が進んでおらず業務効率化を図れていない
製造業はDX化の浸透が遅く、業務効率を図れていない部分も多いです。
そもそも「DX」とは、Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略語です。デジタル技術を活用し、既存システムの見直しや業務フローの改善などを行い、企業活動に大きな変革をもたらす活動のことを指します。
製造業では、このDX化があまり進んでいません。総務省が発表している令和3年情報通信白書によると、製造業におけるDX化の実施状況は以下の結果になりました。
- 実施していない、今後実施を検討:20%
- DXを実施していない、今後も予定なし:57.2%
DX化が推進されていない企業では、「紙メインで書類を管理している」「現状の技術に則していないレガシーシステムを導入している」などの状況に陥りがちです。このような状況が長引き業務効率が改善されなければ、業界全体が疲弊する原因になりかねません。
人材不足が進行している
製造業では人材不足が深刻化しています。
厚生労働省が発表している2022年版ものづくり白書によると、製造業の就業者数は2008年頃から右肩下がりを続けており、約20年間で157万人も減少しているという結果になりました。とくに34歳以下の若年就業者数は、約20年間で121万人も減少しており、製造業全体で人材不足が加速しています。
さらに2020年に発表された経済産業省の調査によると、「デジタル技術を理解しているIT人材が不足している」と回答した割合は、2018年時点で以下のようになりました。
- 大幅に不足している:37.5%
- やや不足している:60.5%
このように、製造業全体で人材不足が深刻化しています。就業者数の減少だけでなくIT人材の不足も重なり、製造業全体でDXが進めづらくなっていると考えられるでしょう。
在庫を抱えるリスクがある
製造業では在庫を抱えるリスクと向き合わなければなりません。
製造業では有形商品を取り扱うため、顧客に販売するまでは自社での管理が必要です。理想は「自社の商品を過不足なく販売完了できる」という状態ですが、実際は思い通りに進むとは限りません。想定より商品が売れず、在庫を抱えることもあるでしょう。
在庫が増えると利益が減少するだけでなく、保管場所代や人件費、倉庫の光熱費など多くのコストが膨らみます。「利益が減ってコストが膨らむ」という状況は、製造業に限らずどのようなビジネスでも避けなければなりません。
各部門間で連携を取れず業務効率が落ちている
製造業では、各部門間で連携を取れず業務効率が落ちるケースもあります。
製造業においては、原材料を調達してから商品を顧客に届けるまでの流れ(サプライチェーン)の中において、以下のように多くの企業が関わります。
- 原材料を調達する企業
- 部品を加工する企業
- 商品を設計する企業
- 実際に商品を製造する企業
- 商品を運搬する物流企業
- 消費者に販売する企業
多くの関連企業が絡むため、適切に情報を共有できなければ業務が滞るかもしれません。例えば、以下のような状況が考えられます。
- 営業担当者がヒアリングした顧客の要望が製造現場まで伝わっていなかった
- 顧客からの質問事項が製造現場へ伝わっておらず回答が来ていない
- 複数の製造を抱えている状況で無茶な納期の業務を営業担当者が獲得してきた
上記のように、部門や企業間での情報共有漏れがあると、納期に遅れが生じたり部署同士のトラブルに発展したりするでしょう。原材料の調達日数や顧客の希望、加工に必要な期間などを関係者間で把握し、適切な質・量の商品を製造することが大切です。
製造業において「生産技術や人材管理」などに課題を感じる企業が多い
上記で解説したように、製造業においては生産技術や人材、在庫管理など「製造工程そのもの」に関する課題感を抱える企業は多いでしょう。確かに製造業では、実際に商品を製造し顧客に届けることで売上につながるため、「工程自体の業務効率を改善したい」と考えることは至極当然です。
とくに、人材不足が加速している製造業では、限られた人数で商品を製造しなければなりません。限られた人数で納期に間に合うよう業務を進めるには、製造工程を見直して無駄な部分を省くことが必須です。無理な工程で製造し続ければ現場の疲弊を招き、結果として組織全体のモチベーションや売上低下を招くでしょう。
営業やマーケティング分野に関して課題を感じる企業は少ない
一方で、製造業においては「営業やマーケティング分野」に関する課題を感じる企業は少ないのではないでしょうか?
確かに製造業は、商品を作って販売することで直近の売上につながる業態です。そのため、営業やマーケティングのように成果が出るまで一定の時間が必要な施策は、どうしても後回しにされやすい傾向にあります。そもそも、営業やマーケティング施策の重要性自体に気付いていないケースも珍しくありません。
しかし、製造業においては既存取引先からの打ち切りリスクなどが存在するため、いつでも新規開拓できるよう、営業やマーケティング施策に目を向けておくことが重要です。
製造業でも営業やマーケティング分野の課題解決を行うべき!その理由は?
上記で解説したように、製造業でも営業やマーケティング分野における課題を解決する意識が必須です。主な理由として、以下の3つがあげられます。
- 既存の取引先からの契約終了リスクが増加している
- 事前にインターネットで情報収集して問い合わせることが一般化している
- 幅広い顧客のニーズを捉えることが難しくなっている
既存の取引先からの契約終了リスクが増加している
現在では「原材料費の高騰に伴う取引先の見直し」「新興国への低価格での発注」など、既存の契約先との取引を見直す要因が増えています。
とくに、長年大手メーカーからの発注に依存している場合、もし取り引きが終了すれば大幅に利益が低下します。取り引きが終了したのであれば、当然新規開拓が必須です。しかし、日々の製造業務にリソースを割き過ぎてしまい「営業方法がわからない」「適切な問い合わせフォームを構築できていない」などの状況に陥っている場合、万が一の事態に対応できません。
上記のような事態に備えて、現在の取引先との関係だけで満足するのではなく、自社の営業体制やマーケティング施策の整備に目を向けることが重要です。
事前にインターネットで情報収集して問い合わせることが一般化している
現在のビジネスシーンでは、製造業に限らず顧客自身が事前にインターネットで企業やサービス同士を比較し、条件に合いそうなところへ問い合わせするパターンが増えています。
比較の際は自社サイトをチェックされるため、もし「サイトで自社の魅力を伝えられていない」「適切な問い合わせフォームを整備できていない」という状態になっていると、せっかくの見込み顧客を逃してしまいます。とくに製造業では、1件の取引先から大量発注されることもあるため、気付かない間に大きな売上を失ってしまうでしょう。
上記のような機会損失を引き起こさないためにも、営業やマーケティング分野における課題の解消が必須です。
幅広い顧客のニーズを捉えることが難しくなっている
顧客ニーズの多様化によって「適切に市場の状況を捉えきれていない」ということも、製造業の課題としてあげられます。
近年は幅広い種類の商品が販売されており、世の中にモノが溢れています。モノに溢れる中で、競合ではなく自社商品を選んでもらうためには、多様化する顧客ニーズを的確に把握し、要望に沿った商品を製造することが重要です。
しかし、多様化する顧客ニーズを的確に把握するのは簡単ではありません。とくにデジタル技術の導入が進んでいない製造業では、ITシステムを導入し顧客情報の蓄積や分析などを行うことは難しいでしょう。
とはいえ、ニーズの把握を諦めてしまっては、市場のトレンドに合わせた製品は作れません。市場から求められる商品を製造するためにも、マーケティング分野の課題解消に目を向けましょう。
営業やマーケティング視点でのDXにおいて着目すべきポイント
製造業において営業やマーケティング視点でDXを行う場合は、以下のポイントに着目しましょう。
- 問い合わせの導線を適切に敷けているか?
- 展示会などの参加後に効率的なアプローチを実行しているか?
- 収集した顧客情報を適切に管理できているか?
- 顧客に有益な情報を提供できるサイトが構築されているか?
問い合わせの導線を適切に敷けているか?
せっかく自社サイトを訪問してもらっても、「問い合わせフォームの場所がわかりにくい」「入力内容が煩雑で手間がかかる」という状態では離脱のリスクがあります。取引先候補としてピックアップされたにもかかわらず、問い合わせの煩雑さが原因で候補から外されるのは機会損失です。
とくに製造業では、上場企業でも「問い合わせフォーム自体がない」という状態も珍しくありません。確かに短期的な売上を作るために、目の前の商品製造に注力したい企業の意向もわかります。とはいえ、問い合わせフォーム自体を設置しなければ将来的な売上を失うため、必ず適切な導線を構築して見込み客を逃さないようにしましょう。
展示会などの参加後に効率的なアプローチを実行しているか?
展示会や交流会などで名刺交換をした企業に対して、後日適切なフォローを実行できているかも重要です。
リアルな場でのコミュニケーションは、相手企業の課題や悩みをヒアリングできるチャンスです。しかし課題や悩みをヒアリングできても、アフターフォローが抜けてしまったり話した内容を活かした提案ができなかったりすると、せっかくの接点を有効活用できません。
とくに製造業は、展示会で自社製品を披露しながら説明できるチャンスがあるため、具体的な機能などに踏み込みながら相手の悩みも引き出しやすいでしょう。そうした中で得た情報を活かしたアプローチを行わないのは、自社にとって機会損失です。
収集した顧客情報を適切に管理できているか?
展示会や問い合わせなどで収集した情報を含めて、自社のデータを適切に管理できているかも重要です。収集データを適切に管理できれば、例えば「展示会で引き出した悩みに合わせて提案する」「購買履歴をもとにニーズを把握しトレンドに沿った機能を搭載した商品を製造する」などの対応ができるようになります。
顧客に有益な情報を提供できるサイトが構築されているか?
現在はインターネットでさまざまな情報を検索できるため、製造業においても「顧客自身が情報収集して発注先の候補を決める」ということが一般的です。顧客が情報を調査する中で、競合ではなく自社を選んでもらうには「自社の魅力を伝えられるサイトの構築」が必須です。製品の魅力やユーザーの悩みを解消できる良質なコンテンツを発信することで、自社製品を選んでもらえる可能性が高まります。
サイトは売上につながるまで時間がかかるため、なかなか手を回せていない企業も多いでしょう。しかし、サイトに蓄積したコンテンツは自社の資産となり、長期的に集客できる有効な手段となるため、製造業においても取り組むことがオススメです。
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製造業における幅広い課題を解決するにはCRMシステムの導入が有効的!
上記のように製造業では、人材不足や在庫リスク、顧客ニーズの把握の難しさなど、さまざまな課題があります。「よい商品を作れば売れる」という時代ではないため、ITツールなどを適切に利用して、課題を解決することが欠かせません。
とくに製造業においては、営業やマーケティング分野における課題の解決が後回しにされがちです。しかし、長期的な自社の利益を考えると、営業やマーケティングに関する課題を解決することも重要になります。
こうした営業やマーケティング分野における課題解決に役立つものが「CRMシステム」です。
CRMとは、Customer Relationship Management(カスタマーリレーションシップマネジメント)の略語であり、「顧客関係管理」と訳されます。顧客が自社商品のファンになるための活動を行い、顧客との間に信頼関係を築くことで、顧客・企業ともに利益を向上することを目的としています。
このCRMを企業活動に反映させるツールが「CRMシステム」です。製造業でCRMシステムを導入できれば、営業やマーケティングに関する幅広い課題を以下のような形で解決できます。
- 問い合わせの導線設計や管理を適切に実施できる
- 顧客の状態に合わせたアプローチの実施に役立つ
- 収集データをもとに適切な施策や再提案を実施できる
- 顧客へ有益な情報を発信するサイトを構築できる
- 全社で業務効率改善を達成できる
問い合わせの導線設計や管理を適切に実施できる
先ほども解説したように製造業では、問い合わせの導線を構築できていなかったり、問い合わせフォーム自体がなかったりすることもあります。問い合わせの導線を管理できなければ、見込み客を逃してしまい機会損失が発生するでしょう。
CRMシステムを導入して専用フォームを設置することで、顧客からの問い合わせを逃さず管理できます。問い合わせ内容や対応状況は全社共有できるため、自社商品の製造に注力しつつ、全員で抜け漏れなく見込み客をチェックできる点がCRMシステムの大きな魅力です。
顧客の状態に合わせたアプローチの実施に役立つ
CRMシステムでは、問い合わせデータだけでなく、展示会などで接点を持ったリスト情報も管理できます。上記で解説したように、接点を作れた顧客に適切なアプローチを実施できないことは、自社にとって機会損失です。
CRMシステムであれば、展示会での会話内容や相手の温度感なども共有できるため、状況に合わせて適切なアプローチを実施できます。例えば「製品に強い関心を持つ企業に商談を打診する」「ひとまず関心を持ってくれた企業にカタログを送付する」などのアプローチが考えられます。
このように、企業との貴重な接点を有効活用するためにも、CRMシステムは有効です。
収集データをもとに適切な施策や再提案を実施できる
CRMシステムでは、商品購入者の属性や問い合わせ履歴、アンケート結果など、幅広い情報を保管できます。保管情報を分析することで、顧客が商品に求めるニーズを適切に分析できるでしょう。
とくに現在では市場にモノが溢れているため、顧客のニーズを正確に把握し競合との差別化を図ることが重要です。例えば、アンケートを分析した結果「◯◯という機能を追加してほしい」という要望が多ければ、その要望に沿った商品開発を進められます。
また、マーケティング施策を検討する際も、CRMシステム内の顧客情報をもとに個別の戦略を策定できます。例えば「リピーターに新商品の発売を優先して告知する」「過去の購買履歴と照合してオススメ商品をメールやLINEで紹介する」などが考えられるでしょう。CRMシステムにはメールやLINEの配信機能もあり、ひとつの製品内でマーケティング施策を自動化して完結できるため、自社の負担も削減できます。
さらに過去の失注案件について、商談履歴をもとに再提案することも可能です。
このように、収集データをもとに幅広い施策や再提案につなげられるのは、CRMシステムならではといえます。
顧客へ有益な情報を発信するサイトを構築できる
CRMシステムを活用することで、上記のように幅広いデータを自社内に蓄積できます。さまざまなデータが蓄積されれば、「サイト全体を改善して集客力をさらに高めたい」という際に役立つでしょう。
商談や展示会、問い合わせなどで顧客と接して「契約する企業の傾向」「有益だと感じる情報の内容」といったデータを蓄積できれば、自社サイトで発信すべき方向性を明らかにできます。発信の方向性を明確にできれば、必要なコンテンツや導線を絞って効率よくサイトを制作できるでしょう。また、CRMシステムのデータをもとに施策を振り返ることで、PDCAサイクルを回してより成果の出せるサイトを目指せます。
全社で業務効率改善を達成できる
上記のように、適切な問い合わせ管理や顧客に合わせたアプローチを実施できる状態を整備することで、製造業の仕事全体を効率化できます。
先ほども解説したように、製造業では「DX化が進みづらい」という現状があります。レガシーシステムを使い続けていたり、紙の管理により情報共有が遅れたりしている企業も多いでしょう。非効率な業務を進めることは現場の疲弊を招き、企業全体の生産性を低下させます。
CRMシステムを導入することで、上記で解説した「適切な問い合わせ管理」「顧客の状態に合わせたマーケティング施策の実施」などを実現し、業務全体を効率化できます。
とくに製造業では、人材不足が加速しているため限られた人数で業務をこなすための工夫が必須です。CRMシステムの導入によって、必要な業務に絞ってリソースを投下できれば、現場の疲弊も防げるでしょう。
その他、CRM導入のメリット・デメリットについては以下の記事もご確認ください。
製造業におけるCRMシステムの選び方のポイント
製造業でCRMシステムを導入する際は、以下のポイントを意識しましょう。
- 自社の目的に沿った機能を備えているか?
- 既存のシステムと連携できるか?
- 直感的に誰でも操作しやすいか?
- 小さな規模から導入しやすいか?
- サポート体制は充実しているか?
自社の目的に沿った機能を備えているか?
自社の目的に沿った機能を備えているか確認しましょう。
CRMシステムは、各社で機能が異なります。機能が異なる製品の中から、自社にマッチしたCRMシステムを選ぶには「導入目的」を明確にすることが大切です。漠然と導入すると「コストに対して理想の効果を得られなかった」ということになりかねません。
例えば、導入目的が「展示会で自社製品に興味を持った顧客を定期的にフォローしたい」という場合、顧客の状態に合わせて適切なフォローメールやLINEを配信できる機能を備えたCRMシステムが最適でしょう。
既存のシステムと連携できるか?
既存のシステムと連携できるかをチェックしましょう。
製造業の中には、DX化推進のためにすでにERPやSFAなどのシステムを導入しているケースもあります。すでにシステムを導入しているのであれば、「情報の連携や移行をスムーズに実施できるか?」というチェックが必須です。もし情報の連携や移行が複雑な場合、過去のデータをCRMシステムで活かせなかったり機能が被ったりすることもあります。
貴重な情報を有効活用できるよう、既存システムとの連携やデータ移行がスムーズに実施できるかはチェックしておきましょう。
直感的に誰でも操作しやすいか?
CRMシステムを導入する上では、操作性の高さも重要です。
製造業の場合、長年に亘ってExcelや紙で情報を管理していることもあり、ITツールに慣れていないケースも考えられます。とくに規模が大きな企業ほど、上記のケースは発生しやすいでしょう。
導入後に利用者が混乱しないよう、なるべく直感的に操作できるCRMシステムを選ぶことが大切です。例えば「ウィザードに従うだけで簡単にアンケートを作成できる」「顧客対応履歴を一目で確認できる」などであれば、操作ハードルが低いため製造業の現場でも導入しやすいでしょう。
小さな規模から導入しやすいか?
CRMシステムをスモールスタートで導入できるかチェックしておきましょう。
上記で解説したように、製造業ではExcelや紙や情報を管理しているケースも多いです。CRMシステムを導入することで従来の管理方法が一変されるため、「本当に効果を実感できるのか?」「自社のリソースが無駄にならないか?」といった不安を抱えることもあるでしょう。もちろんCRMシステムの運営会社によるサポートは実施されますが、どうしても手が行き届かない部分はあるかもしれません。
上記の混乱を防ぐためにも、まずは「特定部門のみ」など、小さな規模から導入することがオススメです。小さな規模で導入し実際の使い勝手をもとに、徐々に対応範囲を広げて本格的に活用しましょう。
サポート体制は充実しているか?
サポート体制が充実しているかも選ぶ基準にしましょう。
製造業でCRMシステムを導入した場合、「現場の従業員がなかなか慣れない」という事態も想定できます。操作性のよいCRMシステムだとしても、多くの従業員が製品を使う以上、どうしても操作に慣れるまで時間がかかる人は出てくるでしょう。
そのような疑問点や不安なポイントを、適宜相談して解消できる製品であれば安心です。電話やメールサポートだけでなく、例えば「オンラインで使い方のセミナーを開催してくれる」などのフォローがあると心強いでしょう。
「Synergy!」なら製造業でも安心して導入できる!具体的な事例を紹介
このように、製造業の人材不足が加速し営業に関する課題も浮き彫りになる中で、業務効率化を図りつつニーズにマッチした商品を開発するには、CRMシステムの導入による「情報の有効活用」が大切です。導入する際は機能面や操作性などをチェックし、自社にマッチしているか判断しましょう。
実際にCRMシステムの導入を考えている場合は、弊社が提供する「Synergy!」もご検討ください。「Synergy!」は、製造業だけでなく幅広い業種に合わせてカスタマイズできるCRMシステムです。外部システムデータとの連携はもちろん、メールマーケティング(ステップメールやメルマガ配信など)によるリードナーチャリングや顧客の状態に合わせたコミュニケーションも実施できます。
製造業での具体的な導入事例として、今回は株式会社ジェイテクト様の事例を紹介します。同社は自動車関連や鉄鋼、鉄道、航空、建設機械など、幅広い領域で事業を展開している企業です。とくにベアリングブランド「Koyo」は、1921年から続く長い伝統を持ちます。
Koyoは伝統あるブランドですが、あくまでも「コーポレートサイト内の一事業」という形に留まっており、長年蓄積していたKoyoブランドのノウハウや実績がユーザーに届いていませんでした。また「ベアリング」というキーワードで検索した顧客の目に届くよう、検索順位の対策も必要な状態にありました。
そこで同社は「ベアリングに関するすべての課題を解決する」というコンセプトを掲げ、弊社と共にサイト全体の再構築に取り掛かります。まずは以下の2点をメインとして、サイト全体の情報を整理しました。
- 既存コンテンツの整理
- 新規コンテンツの追加
既存コンテンツの整理では、製品情報を従来の品種別だけでなく「どの分野で成功したか?」という視点で分野別に提示します。新規コンテンツの追加では、強みや特徴、導入事例、用途のアプローチを提示することで「具体的な活用方法」「期待できる成果」を提示し、比較検討中の顧客が求める情報を提供できるよう改善しました。
デザインについては、ベアリングを「主役」として魅力的に表現することに注力します。Koyoブランドの「機能的で強くて美しいベアリング」を堂々と提示することで、製品の魅力を全面に押し出し競合との差別化をアピールしました。
また、比較検討中の顧客が探している情報をスムーズに提供できるように、ナビゲーションシステムを構築して製品を探す導線も改善します。具体的な改善方法は以下の通りです。
- 「メガドロップメニュー」から製品の関連情報を一覧で確認できるようにする
- 分野別・品種別にすべてのメニューを確認できるレイアウトに変更した
メガドロップメニュー
分野別・品種別メニュー
そして、Koyoブランドの魅力を伝えるだけでなく、実際にサイトを見てコンタクトを取ってきた顧客を抜け漏れなく管理できるよう、「Synergy!」を活用して問い合わせフォームの構築やデータ管理も実施しました。
株式会社ジェイテクト様の事例詳細については以下の記事をご確認ください。
なお、本見出し内の画像はすべて下記記事からの引用です。
CRMシステムを導入して営業やマーケティング分野の課題を解決しよう
人材不足が加速している製造業では、業務工程を効率化して生産性を向上することが大切です。
また、業務工程の改善だけでなく、営業やマーケティング分野の課題解決にも目を向けましょう。取引先との契約終了リスクは常にあるため、長期的な視点で問い合わせを管理したり、マーケティング施策を実施できたりする環境の構築が必須です。CRMシステムであれば、問い合わせ管理だけでなく、収集情報をもとにした顧客へのアプローチ設計やサイト構築などにも応用できます。
CRMシステムの導入を検討する際は、「Synergy!」のように問い合わせの導線構築や顧客情報を一元管理したり、顧客との適切なコミュニケーションをサポートしたりできる製品を選ぶこともオススメです。
「Synergy!」の具体的な製品機能については、ぜひ以下のフォームから資料をダウンロードしてご確認ください。
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※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。