メールマガジンとは?配信方法や意識すべきポイントを解説
「メルマガ(メールマガジン)」は、eメールで自社商品・サービスの情報を顧客に提供するための施策です。メルマガの活用により、顧客にタイムリーな情報を提供し、購買へ導くことができます。この記事では、メルマガの概要やメリットに加えて、配信時に意識すべきポイントを解説します。
メルマガ(メールマガジン)とは
「メルマガ(メールマガジン)」とは、eメールで顧客に情報を発信するマーケティング施策です。事前に購読登録をした顧客を対象に配信し、自社製品やサービスに関する情報を顧客に提供します。発信者側が伝えたい情報を、任意の時間・タイミングで一斉に送信できることがメルマガの魅力です。
メルマガを配信する主な目的
メルマガを配信する主な目的として、以下の3つのものが挙げられます。
- 伝達するためのメルマガ
- 送客するためのメルマガ
- 購買を促すためのメルマガ
伝達するためのメルマガ
顧客に情報を届けるためのメルマガです。例えば、製品・サービスに関するQ&Aや、ブランドのストーリー・速報などです。このタイプのメルマガは、顧客満足度の向上や、自社の製品・サービスに対する顧客の関心を維持する役割があります。製品・サービスをプッシュするだけではなく、顧客にとって有益な情報を届けることで、顧客の信頼やロイヤルティーも醸成できます。
送客するためのメルマガ
自社のWebサイトやLP(ランディングページ)に、顧客を誘導するためのメルマガです。自社の商品・サービスへの関心がある顧客に送信すると、自然な形で顧客を自社サイトに誘導しやすくなります。また、既存顧客に対して送客目的のメルマガを送信すると、親近感を醸成してリピーター化しやすくなります。
購買を促すためのメルマガ
自社サイトに誘導した顧客や、フォームから製品・サービスに関する問い合わせを行った顧客に、購買を促すためのメルマガです。キャンペーン・セールや新製品の情報など、顧客に購買を直接プッシュする内容を送信します。ただし、接点が薄い顧客に購買を促しても効果が薄いため、すでに問い合わせや資料請求を行っている顧客に送信することが重要です。
メルマガ配信で得られるメリット
メルマガを送信することで、以下の4つのメリットが得られます。
- 送信コストを低く抑えられる
- タイムリーな情報を提供できる
- 特定の顧客層にアプローチできる
- 効果測定を行って改善しやすい
送信コストを低く抑えられる
メルマガの送信コストは、基本的には通信費のみです。顧客との関係構築の手段として、DM(ダイレクトメール)もよく使われますが、こちらは紙面代・プリント代・郵送代などのコストがかかります。メルマガはeメールで送信するため、物理的なコストがゼロです。コンテンツ作成のコストは必要ですが、大量の顧客に送信すれば相殺できるため、コストパフォーマンスが高い施策です。
タイムリーな情報を提供できる
メルマガは電子媒体で送信できるため、重要な情報を瞬間的に顧客へ送り届けることができます。紙媒体のDMは印刷や郵送に時間がかかるため、タイムリーな情報を顧客に届けることが困難です。メルマガはコンテンツの制作後すぐに提供できるので、キャンペーンやセールなどのお得情報をリアルタイムに通知できます。
特定の顧客層にアプローチできる
ターゲット層に適したアプローチが行いやすいことも、メルマガのメリットです。顧客層によって、必要とする情報は異なります。メルマガは、事前に年齢・性別・興味関心などの要素から、特定のターゲット層を対象にコンテンツを制作します。そのため、メルマガは個々のニーズに合う情報を提供し、高い効果が得やすいです。
効果測定を行って改善しやすい
成果を分析する「効果測定」も、メルマガでは手軽に行えます。例えば、メールの開封率・URLリンクのクリック率・Webサイトへの流入率などを検証すると、「どんな情報がターゲットに刺さるか」が分かります。数値が悪い部分を改善することで、メルマガの効果が向上します。
メルマガの種類・形式は2つ
メルマガには、以下の2つの種類・形式があります。それぞれ性質が異なるので、用途に応じて使い分けることが重要です。
HTML形式のメルマガ
「HTML(Hyper Text Markup Language)」で作成された形式です。普段から目にするWebサイトと同じように、文字装飾や画像挿入が自由にできます。読者の「視覚」に訴求できるため、後述するテキスト形式より強い印象を与えられることが魅力です。
ハイパーリンクを使用すれば、URLを隠してリンクを貼ることができます。ただし、送信先の環境によっては正しく表示されないので、テキスト形式と組み合わせることが重要です。HTMLメールの基本的な作り方については、以下の記事をご参照ください。
テキスト形式のメルマガ
通常のテキストのみで構成された形式です。基本的にはどんな環境でも受信できますが、文字装飾や画像挿入ができないことが難点です。また、効果測定を行うためにURLに付加するパラメーターも、ハイパーリンクが使えないため隠すことができません。しかし、HTMLメールが受信できない顧客に対応するためにも、テキスト形式も併用することは必要です。
メルマガの配信方法
メルマガの配信方法として、以下の4つが挙げられます。
- ExcelとOutlookを組み合わせる
- メーラーの「BCC配信機能」を使う
- メール配信システムを使う
- CRMツールやMAツールを使う
ExcelとOutlookを組み合わせる
Microsoft社の「Excel」と「Outlook」を組み合わせることで、メルマガを無料で配信できます。送信先のメールアドレスの一覧を「CSVファイル」で作成し、Outlookの宛先として指定すると一斉送信できるので、大量の顧客に対しても手軽に利用できます。
メーラーの「BCC配信機能」を使う
メーラーの「BCC配信機能」を使うと、顧客のメールアドレスのリストを指定して一斉送信できます。BCC機能では、受信者同士で互いのメールアドレスを確認できないため、プライバシー保護の観点からも有用です。ただし、誤って「TO」や「CC」もメールアドレスを記載してしまうなど、人為的ミスのリスクがあるため厳重な管理が必要です。
メール配信システムを使う
「メール配信システム」を活用すると、配信先のリスト作成からメルマガ配信・分析まで一気通貫で行えます。メール配信システムの大きなメリットは、HTMLメールが簡単に作成できるため、メルマガ運用の工数を大幅に削減できることです。
ただし、高機能なメール配信システムは利用料金が高くなるため、コストを抑えたい場合は注意が必要です。最適なメール配信システムの選び方については、以下の記事をご参照ください。
CRMツールやMAツールを使う
「CRM(顧客関係管理)ツール」は、顧客関係の管理をサポートしてくれるツールです。「MA(マーケティングオートメーション)ツール」は、マーケティング全体を自動化・効率化するためのツールです。
いずれも、特定の条件を満たした顧客にメルマガを一斉送信できる機能があり、これを使うとターゲット層に的確なメルマガを送信できます。ただし、前述したメール配信サービスよりコストが高くなります。
メルマガの作成・配信時に意識すべきポイント
メルマガの作成・配信を行うときは、以下の4つのポイントを意識しましょう。
- コンテンツの品質を高める
- 顧客目線を心掛ける
- 顧客の行動を喚起する
- 法令順守を必ず徹底する
コンテンツの品質を高める
メルマガ運用の効果を高めるためには、メルマガのコンテンツ品質向上が欠かせません。メルマガの目的は、商材・ブランドの周知や販売促進など多様ですが、その目的に合うコンテンツを作る必要があります。また、要点が分かりにくい・視覚的な訴求が弱いメルマガは、最後まで読まれない可能性が高いので、HTMLを活用して「見やすさ」を意識することも重要です。
顧客目線を心掛ける
メルマガは常に「顧客目線」を徹底して作成しましょう。メルマガには「顧客との信頼構築」の役割があるため、自社商材をプッシュしすぎるのは逆効果です。顧客の役に立つ情報や自社独自のコンテンツを提供し、ユーザーのロイヤルティーや親近感を醸成することが大切です。そのうえで、最新のキャンペーンやセール情報などを提供すると、ユーザーを購買へ誘導しやすくなります。
顧客の行動を喚起する
顧客の行動喚起に効果的なメール構成を意識することも重要です。例えば、唐突にURLリンクを提示されても、顧客はクリックしようとしません。自然な文脈で記載することで、クリック率が上がります。効果測定の結果が好ましくなければ、顧客にとって「お得」で「魅力的」な誘導ができているか検証しましょう。
法令順守を必ず徹底する
メルマガの作成・配信時は必ず「特定電子メール法」を順守しましょう。特定電子メール法は、迷惑メールを規制するための法律で、抵触を回避するために以下の3つのポイントを意識することが重要です。
- 同意を得た相手のみに送信する
- メルマガ運営者の情報を開示する
- 受信者が配信停止できるようにする
参考:迷惑メール防止センター
メルマガ作成・配信のステップ
メルマガの作成・配信は、以下の5つのステップを基準に行いましょう。
- メルマガのターゲット層を決める
- メルマガの購読者を集める
- メルマガを作成する
- メルマガのテスト配信を行う
- メルマガの本配信と効果測定を行う
メルマガのターゲット層を決める
まずは、どのような相手にメルマガを配信するか決めるために、「ペルソナ(詳細なターゲット像)」を策定します。顧客層によって「刺さる内容」が異なるため、年齢・性別・職業・興味関心などの観点から、ターゲット層の明確化することが重要です。具体的なイメージがわかないという方は、以下にペルソナ策定の事例について紹介いたしますので、以下の記事をご参照ください。
メルマガの購読者を集める
法令順守のために、同意(オプトイン)を得た受信者のリストを用意します。例えば、自社サイトにメルマガ登録用のフォームを設置すれば、効率的にリストを作成できます。
メルマガを作成する
実際にメルマガを作成しましょう。事前に設定したターゲット層に合わせて、必要とされる情報を記載します。このとき、行動喚起の導線はもちろん、メルマガ解約(オプトアウト)の導線も必須です。
メルマガのテスト配信を行う
本配信の前に、自分もしくは社内の担当者あてにメルマガをテスト配信しましょう。誤字脱字や文字化けがないか、どのデバイスでも正しく表示されるかなどを確認して、必要に応じて修正します。
メルマガの本配信と効果測定を行う
あらかじめ作成した顧客リストあてにメルマガを送信します。それから開封率やクリック率などの効果測定を行い、目標達成に向けた改善を繰り返しましょう。PDCAサイクルを回し続ければ、少しずつ効果が出てきます。メルマガの成果を高めるためには、「ABテスト」を行うのがおすすめです。
メルマガで顧客にタイムリーな情報を提供できる
メルマガを配信することで、タイムリーな情報を低コストで顧客に送り届けることができます。メルマガで成果を出すためには、適切なペルソナを定めることや、顧客目線でのコンテンツ作成を心掛けることが重要です。
CRMツールを使えば、顧客リストの管理とメール配信を同じ管理画面で行えるので、メルマガ配信業務の効率化・ミスの軽減はもちろん、顧客へのアプローチを最適化できます。
クラウドベースの国産CRMシステム「Synergy!」には、メルマガを効率的に配信するためのさまざまな機能が備わっています。「Synergy!」ついて詳しく知りたい方は、ぜひ下記の資料をご参照ください。
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