【スマートフォンの今】
2013年下半期のスマートフォン関連統計まとめ
モバイルファースト、スマートフォン対策、レスポンシブWebデザイン、オールウェイズ・オン (Always On)…。2013年のIT業界のバズワードは、スマートフォン関連のキーワードが豊富でした。スマートフォンに関連する新しい統計データが出るたび、それに後押しされるような形でこれらの言葉が広がっていった実感があります。
また、そのような統計データに触発され、会社の規模や業種を問わず「自社のサイトをどこまでスマートフォン対策するか」という課題もリアルになり、実際にスマホ対策に着手されたこともあったのではないかと思います。
というわけで、今後のスマートフォン対策に向けて情報収集をしているWeb・マーケティング担当のみなさまに向けて、2013年10月~12月にリリースされたスマホ関連の最新統計ネタを中心に、最近の傾向をまとめてみました。
今回の記事は、
- 今年こそ自社サイトのスマートフォン対策を行おうと考えている
- スマートフォン対策って具体的に何をするのかあまりよくわからない
- 最新のスマートフォン周りの情報をざっと振り返りたい
- 他社がどうやっているか気になる
というマーケティング・制作担当者様にオススメです。
1. 世界的に見ると「日本はスマートフォン発展途上国」
各国のスマートフォン普及率は香港が87%、シンガポールが87%、マレーシアが80%、オーストラリアが75%、中国が71%、タイが49%、インドネシアが23%、インドが18%、フィリピンが15%と9カ国中5カ国が7割を越える結果となった。
(香港のスマホ所有率は8割越え、タブレットも半数以上に – ニールセン調査:マイナビニュース:2013/09/17)
一方、日本国内のスマートフォン所有率は…
・「主に利用している端末」の種類を尋ねたところ、「携帯電話」が45.5%(前回52.1%)、「スマートフォン」が49.8%(同44.5%)。ついにスマートフォンの所有率がほぼ5割に達し、携帯電話を上回った。
(スマホ所有率がついに携帯超え、ドコモ版 iPhone 登場の影響がそこかしこに―定期調査「新携帯電話/スマホ買い替え」(2):japan.internet.com :2013/12/13)・スマートフォンの所有率は49.8%
(国内モバイル/クライアントコンピューティング機器 家庭ユーザー利用実態調査結果を発表:IDC Japan株式会社:2013/10/03)・「スマートフォン」ユーザーの割合が48.0%となり、「フィーチャーフォン」ユーザーの47.7%を2012年7月の調査開始以来、初めて上回った。
(スマートフォンの割合がフィーチャーフォンを上回る – ジャストシステム調査:マイナビニュース:2013/11/19)
スマートフォンとフィーチャーフォンとのシェアが逆転したとは言え、スマートフォンの普及率においては、まだまだ日本は世界の中で後進国であると言えます。
① 世界的にも日本国内でも注目される「スマートフォン」
電通総研『話題・注目商品2013』レポート(2013/12/10)によると、「スマートフォン」は日本の消費者が選ぶ話題・注目商品ランキング4年連続TOP3入りしています。世界的に見ても出荷台数はうなぎのぼりで、フィーチャーフォンを上回る見込みです。
・2013年の世界のハンドセット出荷台数は18億705万9,000台で、フィーチャーフォン出荷台数は7億5,224万9,000台、スマートフォンが10億5,481万台で、スマートフォンの出荷台数がフィーチャーフォンを上回る見込みだ。
(世界の携帯電話、2014年に普及率100%超に……2013年の契約数は約71億:RBB TODAY:2013/11/12)・Mobility Reportによると、世界の携帯電話契約数は2019年までに93億人を突破し、その約60%がスマートフォンの契約になるという。
(スマホ市場の未来予想、トラフィックが約10倍になるかも- Ericsson調査:マイナビニュース:2013/11/13)
②【世界】OSシェアはAndroid、メーカーシェアはSamsung
・米IDCが現地時間2013年11月12日に公表したスマートフォン市場調査によると、同年第3四半期(7~9月)に世界で出荷されたスマートフォンの台数は2億6110万台で、前年同期から39.9%増えた。このうちOSに米Googleの「Android」を搭載する端末の台数は前年同期比51.3%増の2億1160万台となり、全体の81.0%を占めた。Androidの市場シェアが80%を超えたのはこれが初めて。
(2013年Q3の世界スマホ市場、Androidが初めて80%超に:ITpro:2013/11/13)・スマートフォンは驚異的な成長を遂げている~そんなスマホ業界ではサムソンが存在感を見せている~Androidが世界を席巻する?
(デジタルの未来について10秒で分かる10枚のグラフ:THE NEW CLASSIC:2013/11/14)
③【日本】OSシェアはAndroid、メーカーシェアはApple
・2013年9月末のスマートフォン契約数をOS別に見ると、Androidスマートフォン契約数が3157万件(63.0%)で最も多い。次いでiOS(iPhone)が1787万件(35.6%)、その他Windows PhoneやBlackBerryが71万件(1.4%)となっている。
(国内のスマホOSシェアはAndroidが63%、iOSが35%に – MM総研:マイナビニュース:2013/10/10)・メーカー別出荷台数シェアは、Apple(27.2%)が4半期連続で1位となり、出荷台数は447万台。2位は“ツートップ”の「Xperia A」などが好調だったソニーモバイルコミュニケーションズで、シェアは前年同期から6.9ポイント増の16.8%、出荷台数は36%増の276万台に拡大した。同社が2位以上にランクインするのは初めて。
(国内携帯電話シェア、ソニーモバイルが初の2位に:ITmedia ニュース:2013/10/31)
2. 日本国内では2014年でフィーチャーフォンとスマートフォンの普及率が完全に逆転
「スマートフォン」ユーザーの割合が48.0%となり、「フィーチャーフォン」ユーザーの47.7%を2012年7月の調査開始以来、初めて上回った。
(スマートフォンの割合がフィーチャーフォンを上回る – ジャストシステム調査:マイナビニュース:2013/11/19)
3. 年代が若くなればなるほどスマートフォンを利用
・特に10代~30代のスマートフォン利用率は、前月から増えて過去最高を記録した。10代は9.0%増の75.0%、20代は3.5%増の69.5%、30代は5.0%増の60.5%にのぼる。
(スマートフォンの割合がフィーチャーフォンを上回る – ジャストシステム調査:マイナビニュース:2013/11/19)・全国の高等学校1年生相当(約3500名)に対し、アンケート~スマートフォン保有者は全体の84%と昨年度(59%)より大幅に上昇。また、インターネットに接続する際、最もよく利用する機器についても、スマートフォンが全体の75%と昨年度(48%)より大幅に上昇。
(「平成25年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等」の公表:総務省:2013/09/03)・携帯電話を持つ中学生の割合は82%、高校生は98%。回答者全体のうちスマホの保有率は高校生が74%、中学生が42%だった。中学生には昨年7月にも同様の調査をしており、スマホの保有率は23%からほぼ倍増した。
(中学生のスマホ保有率42%に倍増 警視庁調査 高い依存度も指摘:日本経済新聞:2013/11/29)
4. 特に20代女性はスマートフォン経由のEC利用率が高い
・性年代別でみると(グラフ(1)-2)、20代、30代の女性の割合が高く、とくに20代女性の3人に2人はスマートフォンでの購入経験がある。また、10代の女性を除き、年齢が若いほどスマートフォンから購入する人の割合が高い。
(20代女性の3人に2人はスマートフォンで買物:DFオンライン:2013/12/02)・スマートフォン経由でECを利用した経験がある人の比率が最も高かった層は「女性20代」74.0%。以下、「女性10代」55.0%、「男性30代」「女性30代」が共に50.0%となっている。
(スマホを利用したEC市場規模、2015年に2兆6677億円へ – 矢野研:マイナビニュース:2013/10/24)
5. サイトは何で見られている?
・PCからの訪問者数はトップ10サービスすべてで減少しており、「ネットサービスの利用がPCからスマートフォンに移行した転換の年となった」としている。
(PCからのWebサービス訪問者、軒並み減少 13年は「スマホへの転換の年」 ニールセン:ITmedia ニュース:2013/12/25)・カテゴリ別の利用者規模を見ると、「自動車情報」「自動車メーカー」カテゴリはPCからの利用が多く、「食品、料理」「服飾、美容」カテゴリはスマートフォンからの利用者が多い。
(ニールセン、スマホとPCのインターネット利用動向を分析:マイナビニュース:2013/12/20)
6. 企業のスマートフォン対応状況
世界
・世界主要企業サイトの36%がマルチデバイスに対応~現状ではマルチデバイス対応の内、スマートフォン専用サイトによる対応が過半数を占める。
(世界主要企業サイトのマルチデバイス対応状況:Web担当者Forum:2013/12/12)・マルチデバイス対応率は北米が最も多く5割を超え欧州が続き3割を超える。~レスポンシブデザインは欧州で多い傾向があり、オランダ、フランスではスマートフォン専用サイトよりも多い。
(世界主要企業サイトのマルチデバイス対応状況②:Web担当者Forum:2013/12/19)
日本
・スマートフォンサイトを開設している企業はわずか22.9%。スマホの普及率とは比例しない企業のスマートフォンサイト開設状況。
(D2Cスマイル:2013/11/12)・ほぼ全業種で対応率が上昇、昨年比で1.2倍~2倍の対応状況に
(企業サイトのスマホ対応率は28.7%、メーカーやBtoBの対応も進む/トランスコスモス2000社調査:Web担当者Forum:2013/12/13)
7. その他スマートフォン関連の統計
このような流れを受け、博報堂DYグループ・スマートデバイス・ビジネスセンターでは、2~3ヶ月に1回のペースで定期的に「全国スマートフォンユーザー1000人定期調査」を行っています。最新のデータは2013年10月18日にリリースされています。定期的に動向が観察できるので、スマートフォン対策を考える上で、非常に役立ちます。
また、Googleにより2013 年に実施された Our Mobile Planet スマートフォン調査の結果も公開されています。48 か国を対象に、スマートフォンの普及状況と利用状況を調べることができ、これらのデータを活用して独自のグラフを作成することもできます。
数字・統計データを元にした2000年からのスマートフォン市場の動きがわかりやすくまとめられているページもありました。(特集 スマートフォン市場の変化と現在 数字から探る移り変わり:HH News & Reports:2013/11/5)長期的な動向を振り返るのには最適ですね。
統計をあちこち眺めていると、2014年は日本のスマートフォン対策の分岐点となる年になるとひしひしと感じます。
続編はこちら
【スマートフォンの今】 2014年4月時点のスマートフォン関連統計まとめ
※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。