「CRM MEETUP」は、マーケティング担当同士の悩みを共有し、ワイワイ話しながらお互いに学べる場として、シナジーマーケティングが主宰で立ち上げたコミュニティです。
第3回は「リードへのアプローチ」を語る会。B2Bマーケターのミッションは、大きく「集客/育成/リテンション」の3つのフェーズに分けられるかと思います。その中でも、「集客/育成」にテーマを絞ったとき、どんなことをやっているのか。4社の企業からのライトニングトークを中心にした会となりました。
第3回CRM MEETUP 開催概要
テーマ:B2Bマーケター集合!集客/育成どうやってるNIGHT
- リード創出にむけた攻めのイベントづくり(シナジーマーケティング 中馬)
- シナジーマーケティングが注力するコンテンツづくり(シナジーマーケティング 前川)
- MAを活用した施策(IDCF 山本さん)
- 有志でFacebook広告の運用を本格化させた話(フィードフォース 深谷さん)
- 逆算で見るユーザー行動特性&ナーチャリング(ベーシック 河村さん)
- ミートアップタイム!
リード創出にむけた攻めのイベントづくり
1本目のライトニングトークはシナジーマーケティングの展示会事例の紹介です。2017年5月に出展した展示会「Japan IT Week」の事例をベースに、弊社マーケティング部プロダクトマーケティングGの中馬がお話ししました。
弊社マーケティングチームでは、「成約100件」をKGIに掲げ、成約につなげるためのリード獲得に注力しています。展示会では以前からリード獲得をしても、「展示会から何件成約できたのかが不明瞭である」という課題がありました。
- マーケティング担当:展示会の企画・当日の運営業務
企画を作るだけで大変、展示会が終わるとホッとして終わりになる。 - 営業:展示会当日の接客・後日フォロー業務
当日多くのお客様対応をしてへとへとになり話した内容を覚えていない、さらに通常業務に加えて展示会フォローは大変…。
|取り組んだこと
そこで「いかに営業にパスできる展示会にするかを考える」をテーマに、下記内容に取り組みました。
- 獲得したデータに送るメールをあらかじめ決めておく
展示会開催後は、達成感でいっぱいになってしまいがち。そのため、準備期間に展示会後にお客様へ送るメールを作成。 - 獲得した名詞は即日データ化
展示会に来場されるお客様は多くの情報を持ち帰るため、弊社からの連絡が遅くなればなるほど忘れてしまう。そのため、名刺管理アプリを導入し、即日データ化する。 - データ化した情報を使い、インサイドセールスチームが架電
営業も含めた現場の運営チームは展示会が続くと翌日フォローすることが難しい。そのため、社内にもチームを作り、展示会でお客様に記入いただいたヒアリングシート(※)をもとに、翌日から架電できる体制を整える。
※ブースに来場いただいたお客様と名刺交換を行い、その際にお客様情報を記入したシート。チェックが入った項目を元に対応の優先度を決定し、翌日からインサイドセールスが架電していく。 - 獲得リードへの営業フォロー進捗を週次で追いかける
営業フォロー及びアポイントが取れたお客様リストの進捗をこまめに確認し、レポート化して管理する。
|結果
ブースの来場者数や獲得リード数は前年を上回る結果となり、すでに数件の成約もでていますが、最終的な案件化数や成約数はまだウォッチし続けている状況です。リードタイムは数か月かかるものもあり、数値的な検証はまだしばらく時間がかかりそうですが、インサイドセールスの対応のスピードアップやヒアリングの精度アップ、営業の負担軽減などの成果にもつながっています。
※関連情報としてブログにポイントをまとめていますので、こちらもご覧ください。
展示会の名刺を成約につなげる!リードナーチャリング10個のポイント
シナジーマーケティングが注力するコンテンツづくり
2本目はシナジーマーケティングが約4年前から本格的に取り組み始めたコンテンツマーケティングの施策について、弊社マーケティング部プロダクトマーケティングGの前川が紹介しました。
シナジーマーケティングでは、新規リード獲得のメイン施策はリスティング広告を活用していましたが、CPAの高騰やユーザー行動の変化、CRMシステムは競合も多く差別化が難しいといった背景から、昨年からリスティング広告を停止し、コンテンツマーケティングへ完全シフトしています。
今回は、試行錯誤しながら見えてきたコンテンツ作成のポイントを紹介しました。その中から3つピックアップしてご紹介します。
|「現場の失敗あるある」から学ぶ、コンテンツ作成のポイント
- リソースも予算もない、記事が作れない
社内でがんばってブログを書こう!となっても、コンスタントに記事を更新していくのは簡単ではありません。社員に執筆を依頼しても本業じゃないため後回しにされたり…みたいなことはよくありますよね。
そこでおすすめなのが、社員にとりあえずブログを書いてもらうことです。骨子をまとめたスクリプトを用意して、その穴埋めをするようなイメージで記事を書いてもらい、最終的には運営側で記事を編集して仕上げるやり方です。また、書くことが苦手な社員にはインタビュー形式で取材をおこない、別の書き手が記事に仕上げるということもおすすめです。 - 事例の使用範囲が確認できず、後で販促資料などに利用できない
弊社でよく頻発していたのが、展示会前など事例のチラシを作りたい、販促資料を作りたい、となったときに、そもそもこの事例って使っていいの?クライアント可否とれてる?みたいな話です。その度に改めてクライアント確認をとったり、でも今更聞けないし…みたいなことありますよね。
そこで、事例パターンを松竹梅と3つ整備し、事例を打診する際にその事例がどこに当てはまるのか、必要な確認を取るようにしました。 - こちらが言いたいことを掲載できない
初稿をクライアント確認に出したら山盛りの修正が入り、実績の数字やキャンペーンクリエイティブなど、訴求したい内容がすべて言えないなんてことになるケースもあります。
それを防ぐために、取材の打診時に「本事例で訴求したいこと」「必要な素材」など、なるべく具体的に提示し許諾を得ておく必要があります。弊社では、事例打診用の資料やヒアリングシートのフォーマットを用意し、汎用化できるようにしています。
|今後の展開
以上のようにコンテンツを量産しノウハウを蓄積してきましたが、まだまだ課題は山積みです。特にコンテンツ戦略がまだまだ甘く、場当たり的なコンテンツ作成になりがちです。
今後は、お客様が何を必要としているのか、お客様の人物像を確立し、彼らに適したコンテンツを用意していくサイクルにしていくために、まずは現状コンテンツの棚卸をしてコンテンツ目録を作成中です。そこから、現状何が足りていないのか、どこに注力すべきなのか整理していく予定です。
MAを活用したナーチャリング施策
3本目のライトニングトークは、株式会社IDCフロンティア(以下:IDCF)山本さんによる「Pardotを活用した施策」です。これは成果が出た!というイチ押しの事例をご紹介いただきました。
IDCフロンティアは、Yahoo! JAPANグループの戦略ITインフラプロバイダーとして、クラウド・データ分析プラットフォーム・データセンターの事業を展開しています。IDCFさんではPardotを導入し、様々な施策に取り組まれています。
※Pardotの導入背景についてはこちらのブログをご覧ください。
なぜMA導入に踏み切ったのか?導入企業に聞く!Pardotの導入から運用に至るまでのあれこれ
|これは成果がでた!イチ押し施策
見積書発行まですべてオンライン上で完結できる「料金シミュレーションフォーム」を構築されました。このフォームにより、お客様は営業担当とやりとりすることなく、オンライン上で簡単に見積を確認することができます。料金シミュレーションフォームにはPardotのフォームハンドラー機能を利用し、Pardotへデータを送るようにしているとのこと。
|成果
- 見積をオンライン上で確認できるため、離脱客を防ぐことに成功
見積り結果に「見積書の発行」や「この内容でお問い合わせ」という導線を置き、そのままフォームに登録してもらうことでCookieの紐付けもできる。 - 見積まで検討されているホットなお客様を獲得
より成約につながりやすいお客様を効率よく獲得することが可能になる。 - 営業担当のコスト削減
IDCFさんの営業担当も見積作成に料金シミュレーションフォームを使用するようになり、営業コストの削減につながる。
その他にも、営業送客にいたらなかったリードのフォローは、Pardotの別機能で実施されれているとのことでした!
有志でFacebook広告の運用を本格化させた話
4本目のライトニングトークは、フィードフォース深谷さんによる「Facebook広告の運用を社内有志で本格化」させたお話です。
フィードフォースは、国内初のソーシャルログインサービス「ソーシャルPLUS」をはじめ、SNSやデータフィード、デジタル広告を活用した企業のマーケティング支援サービスを開発・提供している企業です。
フィードフォースさんでは、以前からリード獲得数を伸ばすことが課題としてあげられていました。そこで代表である塚田さんの提案により、「湯島リードゲッターズ!」というプロジェクトチームが発足しました。ミッションは、「PDCAを素早く回せる専門チームを組み、リード獲得から契約に至るまでを数倍に向上させる」ことです。
|取り組んだこと
取り組んだのは、Facebook広告の運用見直しです。実際に配信した広告クリエイティブを元に、動画広告を自前で作る方法やクリック率の高いクリエイティブのポイントなどを紹介いただきました。
数か月の運用の結果、月間のリード獲得数が3倍に!獲得したリードはPardotを使ってステップメールで育成を行っています。今後はリード獲得だけでなく、商談化から受注、売上まで踏まえて広告の評価を適切に行っていくとのことでした。
ちなみに、本プロジェクトでの取り組みはマーケティングチームの活動として正式に加わることになったそうです。小さなチームで素早くテストマーケを実施し成果をだす、いい取り組みですね!
逆算で見るユーザー行動特性&ナーチャリング
最後のライトニングトークは「ferret One」のリードナーチャリング施策を、ベーシック河村さんにお話いただきました。
日本最大級の実践型Webマーケティングメディア「ferret」と、そのferretのノウハウを形式化したホームページ集客ツール「ferret One」を展開するベーシックさん。なんと月間の目標リードは2,500件!それを達成するために取り組まれている、ユーザー行動解析データを元にしたナーチャリング施策を紹介いただきました。
内容は非公開のため詳しくお話することはできないのですが、約4万人分のユーザー行動データの解析方法や、初来訪から受注までの行動パターン、ルート別の施策立案など、データ分析結果に基づいた取り組みに、参加者全員が釘付けでした。
こうした非公開の内容もあるので、ご興味いただける方はぜひミートアップにご参加ください!
ミートアップタイム!
ライトニングトーク終了後には、1時間半ほどミートアップの時間も設けています。参加者の皆さんが、先ほどのライトングトークの内容や自分たちの悩みなど、さまざまなことについてぶっちゃけトークを行われていました。
CRM MEETUPを終えて
CRM MEETUPの後、ご参加いただいた方からうれしいコメントをたくさん頂戴しました。
参加した企業様が普段どのような課題を抱え、それに向けて具体的にどのような取り組みをしているのか、ということが見えて非常に参考となりました。
お客様の興味度合いや感情の変化を考慮に入れながら記事の設計を行う点について、最近メルマガを書くにあたりそうした視点が抜けていたことを改めて気づかされました。
展示会、コンテンツ、リードナーチャリング、Facebook広告など、実際の事例にそって、わかりやすい話が伺えて、自社ならここはこうした方がいいかな、などとイメージしやすかったです。
懇親タイムで企業のマーケティング担当の人たちのリアルな声を聞けたのは参考になりました。また機会があったら参加したいです!
自らの職種に直接反映できそうなこと、自社の他部署に導入したら効果がありそうなものなど、他社の実践的な成功事例を直接お伺いできる貴重な時間となりました。
次回のCRM MEETUPは2018/1/24の予定です。次の開催をお楽しみに!