第3回 BtoBマーケティング分科会
「BtoBマーケターが押さえておくべきGoogleツール5選」

開催日:2016.06.14

アクティベーション事業部の北村です。

6月14日に、BtoBマーケティング分科会を開催しました。BtoBマーケターのみなさまが実務で使える情報のご提供と、マーケター同士の交流の場作りを目的とした当分科会も今回で3回目を迎えました。第3回のテーマは「BtoBマーケターが押さえておくべきGoogleツール5選」。存在は知っているけれども意外と使えていないGoogleツール。その中でも5つにスポットを当て、それぞれの活用シーンをご紹介しました。

本レポートでは、当日にお伝えした内容をまとめています。Webサイトの運営やリード獲得にお悩みのBtoBマーケターのみなさまのご参考になれば幸いです。

▼分科会目次

第1部:BtoBにおけるWebマーケティングの重要な5つのトレンド
第2部:BtoBマーケターが押さえておくべきGoogleツール5選

  1. Google Analytics
  2. カスタム検索エンジン
  3. Google Tag Manager
  4. Google Search Console
  5. Google Chrome Developer Tools

第1部:BtoBにおけるWebマーケティングの重要な5つのトレンド

まず前段に、当事業部長の長尾より、BtoBWebマーケティングのトレンドについてご紹介しました。BtoBでもBtoCでも言えることですが、各人の購買プロセスの中ではWebの利用が当たり前の時代となりました。「①認知、②関心、③検索、④検討、⑤調査、⑥比較、⑦評価、⑧交渉、⑨決定」という9ステップの購買プロセスの中で、顧客は⑦のステップまでWebと接点をもつと言われています。(Web広告からの認知、競合他社との製品比較etc.)営業担当が顧客に接触する時間よりもはるかに長く、顧客はWebからの情報に触れているのです。
それゆえ、Webサイトは定常的な更新ではなく、常に新しい情報を取り入れて構築することが重要です。

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購買プロセスにおけるWebサイトの重要性

以下、今押さえておくべきWebトレンドの5つのポイントについてまとめます。

  • ターゲット
    Webサイト閲覧者の46%以上がミレニアル世代(1980~2000年生まれ)へと遷移。幼少期からWebに親しんだ世代が閲覧者の大半を占めるようになる。ミレニアル世代の活用メディア等の動向を考慮してWeb戦略を立てることが重要。
  • 意思決定
    非経営層の80%が、社内サービス購入までの意思決定プロセスの中で発言権をもつようになった。経営層へのアプローチを重視する従来のBtoBマーケティング戦略だけではなく、非経営層も視野に入れた販売戦略が必要。
  • デバイス
    BtoBのサービス購入検討者の42%がモバイルを利用し情報収集を行っている。2年前に比べ、BtoBでのモバイル利用率は91%にまで上昇。モバイルへの対応は急務。
  • 動画コンテンツ
    BtoBのサービス購買者や検討者のうちの70%が動画コンテンツを視聴する。ここ2年で動画視聴者数は52%も上昇。BtoBでも動画は購買促進への有効なコンテンツとなった。
  • エンゲージメント
    BtoBの購買プロセスのうちの57%までは、営業担当に会うまでに終わっているといわれている。BtoBのサービス検討者は特定のWebサイトで問い合わせを行うまでに平均12回検索を行っている。

  ※出展:Think with GoogleThe Changing Face of B2B Marketing

いかにWebを活用し、見込み客の増加や案件化を達成していくのか、時代の変遷に合わせて再考していく必要があります。

第2部:BtoBマーケターが押さえておくべきGoogleツール5選

第2部では、私北村から、Webマーケティングで有効活用できるGoogleツールを5つピックアップしてご紹介しました。

はじめに、なぜ今回Googleツールを取り上げたのか、という点に触れておきたいと思います。みなさんはGoogleツールを現場で活用されているでしょうか?Googleツール…、存在は知っているし、自社サイト立ち上げの際に前任者やWeb制作会社が一応設定したみたいだけれど、その後全く見ていない…という話をBtoBマーケターのみなさんからよく聞きます。
無料で使える優秀なGoogleツールたち、使い倒すと強力な武器となります。主要ツールの概要と活用できる場面はしっかり押さえておくべきでしょう。

    1. Google Analytics

      サイトを閲覧しているユーザーの情報を可視化するツール。Googleツールの中でも一番知名度が高いのでは。

      (活用シーン例)
      ・サイトリニューアル時のターゲットブラウザを決める
       └左メニュー:ユーザー>ユーザーの環境>ブラウザとOS
       └左メニュー:ユーザー>モバイル>デバイス

      一般的に、サイト訪問ユーザーの利用ブラウザ90%で動作に問題ないようにすべきだと言われている。また、第1部であったように、BtoBでのモバイル利用も進んでいる。自社サイトのモバイル対応はどこまで行うのか、新サイトリニューアル時は開発コストと現状を加味してターゲットブラウザを選定するのがよい。

      ・サイトコンテンツが想定通りにターゲットの行動を喚起しているか確認する
       └左メニュー:集客>すべてのトラフィック>チャネル⇒「Organic Search」をクリック
       └左メニュー:行動>サイトコンテンツ>すべてのページ
        ※セグメントを「すべてのユーザー」と「コンバージョンしたユーザー」に設定し、比較

      「コンテンツマーケティング」が流行り、サイト内のコンテンツ強化を行っているマーケターの方も多いのでは?そこで作成したコンテンツはユーザーの行動を喚起しているのか、そもそもユーザーのニーズ(検索クエリ)に合致したコンテンツが用意できているのか、上記ページの結果から推測ができる。作成する新コンテンツの内容検討や、MAツールのスコアリングルールのページ別の重みづけに活用するとよい。

    2. カスタム検索エンジン

      サイト内検索エンジンとして活用できるツール。以下のようなメリットから、Webサイト制作時のサイト内検索エンジンに悩んだ際に候補の1つに入れるとよい。

      無償で使える:広告表示付で問題なければ、0円で利用可能。広告非表示の場合でも、低コストで運用可能。(⇒料金表はこちら
      検索精度が高い:Googleの検索アルゴリズムがベースになっているため、検索の精度が高い。
      簡単に設置できる:プログラミングの知識がなくとも作成・設置することが可能。(⇒検索エンジンの作成方法はこちら
      Google Analyticsと連携できる:自社サイトでユーザーがどのようなクエリでサイト内検索を行っているのか、Google Analyticsから確認可能。サイト内の導線改善に活用。

    3. Google Tag Manager

      サイト内に設置するタグの一元管理ができるツール。サイトリニューアルや新ツールのタグ設置のついでに導入するのが良い。Google公式ページにてGoogle Tag Manager 紹介動画(3分間)がある。

    4. Google Search Console

      自社サイトがGooglebotに対してどのように認識されているか確認できるツール。自社サイトがユーザーに見つけてもらえるサイトなのか、確認と調整が可能。

      以下の機能は押さえておくとベター。

      検索画面(SEARPs)での見え方調整
       左メニュー:検索での見え方隣の「i」マーク
       SEARPsでの表示方法を、どの箇所から調整可能か、確認できる。

      検索クエリの確認
       左メニュー:検索トラフィック>検索アナリティクス
       ユーザーがどのようなキーワードから流入してきたのか確認できる。Google Trendのように、クエリ同士の比較も可能。

      クロール状況の確認
       └左メニュー:クロール>サイトマップの送信
        自社サイトの情報をGooglebotに送信することができる。

       └左メニュー:クロール>クロールエラー
        現サイトにエラーが出ていないか確認できる。

       └左メニュー:クロール>Fetch as Google
        各ページがGooglebotにどのように認識されているのか確認できる。

    5. Google Chrome Developer Tools

      Google Chromeに搭載されているサイト解析ツール。開発者がデバック用に利用したり、Web担当者がHTMLやCSSを編集して変化を確認したりする際に活用。

      起動方法
       Windows:ページ上で右クリック>要素を検証 or 「Ctrl + Shift + I 」 or 「F12」
       Mac:「Command+Option+ I 」)

      活用例
       パネル上部左の矢印アイコンをクリック
       ⇒Web上の要素をマウスにて選択
       ⇒Elementsパネルにてタグの要素とスタイルを検証することが可能(⇒使い方の詳細はこちら

      編集したHTMLソースは保存することができるため、サイトデザイン案の作成時に活用することができる。また、サイト制作を依頼した外注先がきちん仕事をしているか、ソースを確認できる。

終わりに

今回はGoogleツールにスポットを当てました。便利な機能がたくさんあり、様々な指標をみることができます。どんなとき、どのようなシーンで、何を見ればよいのか。目的に合わせてツールを活用してみてください。
次回のBtoBマーケティング分科会は9月に開催予定です。次回もお楽しみに!

レポート記/北村