Web広告の成果を正しく評価するための分析手法とCRMデータを活用した広告改善施策
開催日:2017.06.142017/6/14(水)に開催したロックオン社とシナジーマーケティングの共催セミナーレポートをお届けします。両社のこれまでのWeb広告分析やCRMの知見を活かし、LTV向上に向けた広告施策について講演を行いました。本レポートではその講演内容のポイント(一部)をご紹介します。
テーマ1:「集客効果を徹底的に最大化させる」
株式会社ロックオン コンサルティングサービス本部 笹井俊宏さん
あらゆる企業規模でトップクラスの導入率を誇るマーケティングプラットフォーム「アドエビス」。基本的な「広告計測」から、お客様の「行動フローの可視化」まで、一気通貫したマーケティングを実現できるサービスです。アドエビスサポート時代に培った製品経験を活かし、業種問わずさまざまなお客様の導入支援を行われています。
集客効果を徹底的に最大化させるということは、CVを徹底的に増やすということです。そのためにやるべきことは、シンプルに「効果の悪い施策の予算を削って、効果の高い施策に配分する」だけ。しかし、多くの企業はそれができていません。
理由は大きく2つあります。
- マーケティング手段が複雑化することで要因の把握が困難になっている
ユーザーは複数メディアに接触することが当たり前となっていて、マーケティング手段はより複雑化してきています。 - 何が本当に効果の良い施策で何が本当に効果の悪い施策なのか、正しく把握しきれていない
上記の理由から、現場では色々な施策が同時に走り、要因の把握がますます困難になります。
マーケティング手段の複雑化によって起きる現象
CVの重複
CVに至るまでに複数広告を経由すると、正しい成果が追えなくなります。CVの獲得だけではなく、役割を明確にする必要があります。多媒体を跨いで一気通貫して分析することで、CVの重複を防ぐことができます。
評価指標が断片的になる
広告効果はCPAだけでみていればいいのでしょうか?CPAは断片的な評価指標でしかなく、チャネルや広告をまたがった評価には適していません。アシストした広告も見ていく必要があります。
アドエビスを使ったソリューション
CVフローの可視化
CVに至るまでの全パターンを分析し、どういった経路で CV に至っているのかを把握します。CPA評価(直接効果)だけではアシスト(間接効果)が評価されません。
※ちなみに、アドエビスの全データから、全体の7割近くが複数接触の後CVしているという結果も出ています。
施策の評価指標の見直し
アドエビスでは、広告毎の間接効果を可視化できます。直接効果だけでなく、間接効果も評価する事で、より立体的に広告の効果を評価します。
- 間接効果も込みの貢献度・・・再配分CV
- 広告コスト÷再配分CV ・・・TCPA
質の高いCVを獲得する仕組みづくり
アドエビスで取得しているCVの詳細データを分析することで、後のユーザー継続率や購入単価などの「質」までを明確に可視化することができます。
まとめ
集客効果(CV)を徹底的に最大化(増やす)ためのポイント
- 自社のマーケティング状況を正しく把握する
- 間接効果込みで施策の効果を把握する
- CVの「質」までみてあげる
- 予算を徹底的に再配分する
テーマ2:「広告と顧客データを掛け合わせることは有益である」
シナジーマーケティング株式会社 アドレサビリティー事業部 光山誠一
広告代理店の営業から転職し、CRMコンサルティングに従事。広告とCRMをかけ合わせて何ができるかを模索中。さまざまなソリューションを開発中。
顧客データを使って広告効果を把握する
例えば、このような課題があったりしませんか?
- 資料請求していてもビジネスゴールに到達していない
- 広告の反応は良いが、サンプルだけ購入して辞めてしまうユーザーが多い
そもそも、自社にとって来て欲しいユーザーが訪問しているのでしょうか?広告測定データのみで評価するのではなく、収益率まで追うことが重要です。
顧客データを使って広告を配信する
ところで広告といえば昨今さまざまなデータが溢れていますが、データにはいろいろな種類があります。
- 1stパーティデータ
企業が保持している顧客が自主的に提供しているデータ - 2ndパーティデータ
企業間でお互いにメリットを持って、顧客情報を相互交換することで得られるデータ(なかなか実現が難しい) - 3rdパーティデータ
ビッグデータの保有者や複数メディアの、DMP経由で購入できるデータ(いろんなメディアのデータを集めているのでボリュームはとても大きい)
以下のように各データごとの特徴がありますが、ものすごい大きなデータに注目されがちです。
しかし、本当に大切なのは1stパーティデータです!
☆1stパーティデータが必要な理由
- 購買している方のデータ=広告に使いやすいデータ
- 他社に無いデータだから=自社の差別化要素
このように、顧客データは有効なマーケティング資産なのです。
顧客データの活用方法「メールアドレスの活用」
今、一番広告に使えるデータはメールアドレスです。
- メールアドレスに紐づく多様な情報(購買金額、購入商品、アンケート結果など)を活用することができる
- Yahoo! JAPANやFacebook、Google広告にダイレクトに活用することができる(もちろんハッシュ化しているのでセキュリティの心配はありません)
ちなみに、「データの有効性の問題」や「貯まらない」といった大きく2つの理由から、Cookieではなくメールアドレスを活用した方がより成果が出るという背景もあります。
参加者の声
参加いただいた方からは総じて高い評価をいただきました。いくつかコメントをご紹介します。
間接効果の重要性がとてもわかりやすかった。
1stパーティデータの話が興味深かった、事例をもっと聞きたい。
広告とCRMはやはり重要ですね。
メールアドレスで連携していることは知りませんでした。
今回はロックオン社との共催セミナーでした。次回はEC通販向けに7月に開催予定です。次回もお楽しみに!
レポート記/光山