DupeCatcher を使って 重複するリード・取引先責任者のレコードを整理するには?
Salesforceを利用していると、メールアドレスや名前が重複、類似するリードが複数できることがあります。またリードと取引先責任者に同一人物の情報が登録されることがあります。
今回は、「DupeCatcher 」を使ってこれらのレコード情報をマージして、組織の顧客情報をメンテナンスする方法を説明します。
1. DupeCatcher のインストール
DupeCatcher は無料で提供されているSalesforce上で動くアプリケーションです。
Salesforceにログインしてから、Appexchangeサイトにアクセスしてインスールを行います。
Appexchange にアクセスしてDupeCatcher の インストールページを表示します。
ここで、[Get It Now]ボタンを押します。
提供元の情報と利用同意画面が表示されます。
内容を確認してから同意チェックをオンにして[Confirm and Install !]ボタンをクリックします。
インストールする環境を選択します。
「次へ」をクリックします
ここでも「次へ」をクリックします。
セキュリティレベルの選択を行います。
「セキュリティ設定の確認」をオンにして、各プロファイルごとに適用するアクセス権を指定します。
アクセス権は予め用意された次のものから選択します。
マージのオペレーションを全く行う必要のないプロファイルは「アクセス権限なし」を選びます。
DupeCather Alert Access | マージはできるが、重複のルールの管理はできない |
DupeCathcer Admin | マージ・重複のルールの管理ができる(フルアクセスと同じ) |
インストールの最終確認画面が表示されます。「インストール」をクリックします。
インスールが完了すると、メールで通知されます。
2. リードと取引先責任者をマージする
リードと取引先責任者の重複を整理するための設定を行います。
右上のアプリケーションメニューから[DupeCatcher]を選びます。初期状態で[DupeCather Filter]というタブが選択されています。
「Fileter」はレコードの重複を検知する条件をひとまとまりにしたものです。
複数のFiterを登録することが可能で、いずれかに合致するレコードが作成・または更新されたときに「重複」したとみなされます。
「新規」ボタンをクリックします。
Filter の新規作成画面が表示されます。
それぞれ設定する内容について表にまとめて説明します。
項目名 | 説明 | 選択肢 | 今回設定する値 |
---|---|---|---|
Filter Name | Filter の名前 | Lead-Contact | |
Filter Type | 対象のオブジェクト |
|
Lead To Contact |
Match on Insert Action | 重複時のアクション |
|
Report Duplicate |
Mathc on Update Action | 重複時のアクション | Match on Insert Action と同様 | Report Duplicate |
Bypass Security | 実行ユーザの権限を超えて重複をチェックするか | オン | |
Active | 有効フラグ | オン | |
Create Tasks for Alerts | タスク(To Do) |
|
Yes - Filter Owner |
Error Message | 登録させない時に画面上表示するエラーメッセージ | (初期状態のまま) | |
Blocked Dupulicates | 登録させない場合、なんか何回までブロックするか | (初期状態のまま) |
上記の表に従って設定し、[保存]ボタンをクリックします。
Filterを作成した後は、そのFilterに対して「FilterRule」を新規追加します。
Ruleとは、一つ一つの重複をチェックする条件です。
Filterに関連付けられたすべてのRuleが一致したときにはじめてそのFilterによって「重複」したとみなされます。
「新規DupeCather Filter Rule」をクリックします。
Ruleの作成画面が表示されます。
初期状態で「Email」の完全一致(Exact)が設定されているので、このまま[Save]をクリックします。
これでFilterおよびRuleの設定が完了しました。
3. 重複のマージ
ここまででDupeCatcherの設定が完了しました。あとは日々の業務中にリードや取引先責任者に登録・更新が実行される中で、レコードの重複が発生します。
今回の設定では、リードや取引先責任者の間でメールアドレスにおいて重複が発生(レコードの登録や更新により)すると、ユーザの「ホーム」画面に「ToDo」タスクとして、新しくレコードが追加されます。
このタスクの [関連先]にある「Alert-X」をクリックします。(Xはその発生の都度追加される番号です)
「Alert」は、レコードが重複した時に作成される報告用のオブジェクトです。
このレコードの内容をみるとどのオブジェクトのどのレコードが、いつ、何件重複したかがわかります。
この画面から、重複の内容を確認したら、[Merge or Convert Dyuplicates]をクリックしてレコードのマージに進みます。
例では、リードが3件と取引先責任者が1件、計4件の重複が発生しています。
レコードのマージ画面では、マージするレコードを選びます。
リードと取引先責任者のマージの場合は、選択されたリードはすべて取引先責任者に変換されます。
取引先責任者が複数の場合は、どの責任者にまとめるかを選ぶことができます。
リードが複数件ある場合は、一番古いレコードに項目がマージされ、取引先責任者に値が引き継がれます。
ですので、リードの中で予めマージをしておいてから、取引先責任者にマージをすると良いでしょう。
Dupecatherによるリード同士のマージは、Salesforceの上限である3リード以上を一度にマージ可能です。
例では、一番古いものに集約するものとしてリードをマージして、すべて取引先責任者に変換するように指定します。
[Next >>]をクリックすると、取引開始画面が表示されます。
Salesforce標準のものが適用されず、DupeCatcher専用の画面となります。
組織の言語設定に関係なく英語メッセージになりますが、特に難解な説明はないので問題なくすすめます。
取引先責任者の所有者、Statusなどが指定できます。今回はマージが目的ですので初期状態のままにしておきます。
また、[Do Not Creat Opportunity]にチェックして、商談オブジェクト作成しないようにしておきます。
Task が必須になっているため、件名とStatus、優先度を指定します。
マージの結果何かするべきことがあれ登録しておくとよいでしょう。
運用上タスクの作成が必要ない場合でも現在は必須となっていますので、「Other」などをいれておき、マージの確認後、タスクを完了させるようにします。
入力が完了したら、[Submit]をクリックします。
マージが完了しました。
取引先責任者に選択されたリードがすべてマージされていることが確認できます。
「ホーム」画面の「ToDo」を見ると、重複が発生した時の「Alert-X」が消えて、取引開始時に指定した「Other」タスクが作成されています。
マージができていることを確認したので、「完了」列にある「☓」をクリックしてタスクを完了させます。
以上Dupecatherの基本的な使い方を説明しました。
いかがでしたでしょうか。インストール後に設定する作業は2画面のみで、すぐに利用を開始することができます。
また、重複情報はすべて専用オブジェクトになっているので、既存のオブジェクトに全く影響を与えることはありません。
Filter は リード、取引先責任者のみではなく、リードから取引先責任者にマージしながら変換することもできるのはとても便利です。
また、Ruleはメールだけでなく原則すべての項目に対して、完全一致・部分一致、桁数指定一致など様々な指定が複数可能です。
そして「個人取引先」にも対応しています。
これを期にDupeCacher のご利用を是非ご検討ください。