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Salesforceの基本的なキーワードを理解する

Salesforceを利用する上でよく出てくるキーワードや概念を理解する。

0.はじめに

Salesforceと一言に言ってもその種類や機能は多岐にわたります。ここではSalesforceを構成する主要な製品について説明し、次に利用する上でよく出てくるキーワードについてまとめます。

これから業務でSalesforceを使い始める人は事前に基本的なキーワードを確認することで運用開始に役立てていただければとおもいます。

またすでにSalesforceを運用している人にとっても改めて見直すことにより利用の幅を広げていただけるかもしれません。

1.主な製品

SalesforceはクラウドベースのCRM・顧客管理やSFA・営業支援 サービスです。

このサービスを構成する主要な製品としてSales Cloud, Service Cloud, Chatter, Force.comがあります。
それぞれの概要はつぎのとおりです。

Sales Cloud

商品およびサービスの販売、顧客管理(関係を管理)、商談管理(成立支援)をサポートします。

Service Cloud

顧客サポートや問い合わせ管理、サービスコストの効率化をサポートします。

Chatter

会社の同僚、顧客、パートナー会社とのコミュニケーションツールとして各種情報共有をサポートします。

Force.com

Salesforceから営業支援 ・顧客サポート ツールとしての機能(Sales CloudおよびService Cloud)を除いた基本部分のことをForce.com(またはForce.comプラットホーム)とよばれています。
「オブジェクト」の定義と「レコード」の登録・変更・履歴管理がForce.comの主な機能です。


これらの4つのいずれかまたはすべてを組み合わせて利用者をとりまくさまざまなデータを管理することがSalesforceの基本的なコンセプトです。

2.オブジェクトとレコード

Salesforceで使われるキーワードのうちオブジェクトとレコードについて説明します。

オブジェクトとは?

「オブジェクト」とは情報の塊を1つの型として定義したものです。

たとえば取引先といったときそれを表す情報にはどういったものがあるでしょうか。
「取引先名」、「連絡先電話番号」、「取引先の責任者」、「事務所の所在地」などが考えられます。

このような「取引先」を表すための情報の構成要素をあらかじめ金型の「型」のように決めたものを「オブジェクト」と呼びます。

「オブジェクト」には「取引先」のほか、「商談」「活動」「ケース」など営業支援ツールとして思いつくものから「ドキュメント」「アイデア」「ユーザ」などシ ステム上利用するさまざまな情報があらかじめ用意されています。また、業務に合わせて独自に「オブジェクト」を作成もできます。(カスタムオブジェクト)

「オブジェクト」を構成するそれぞれの要素を「項目」と呼びます。

「項目」は「取引先名」など項目の画面上の名称である「項目名の表示ラベル」と、実際にシステム上で利用される「Name」などの「項目名」、その値が文字列から構成されるか数字のみで構成されるかなどを表す「データ型」という情報から構成されます。

レコードとは?

ここまで「型」に注目しましたが、「型」に入れられる情報自体はなんと呼ばれているのでしょうか。

型に流し込まれた情報1つ(項目一式)を、Salesforceでは「レコード」と呼びます。

「オブジェクト」が金型だとすると、「レコード」は金型から鋳造した実際の製品ということになります。そして、「レコード」が複数あるときにそれぞれを「●件」という単位で呼びます。

「●☓総研」「△□コーポレーション」という2つの取引先の情報がある場合、「取引先オブジェクトのレコードが2件ある」といった表現になります。

以下にオブジェクトとレコードの関係を図示します。obj_rec

3.オブジェクトの種類

標準で用意されたオブジェクトの種類にはどんなものがあるのでしょうか。それぞれをみていきます。
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リード

自社の顧客になっていなくても会社の商品やサービスに興味をもっている個人、団体、企業を表します。
リードの情報はファイルからインポート機能を使って一括で登録したり画面から入力したり、外部ソース(ウェブフォーム、外部システムなど)から登録されたりすることでSalesforce内に取り込まれます。

商談

収益をもたらす商談または営業イベントのことです。
Salesforce内で追跡する必要のあるものは、リードにマーケティング活動を行い商談に発展したもの、新しく取引先との間に発生したものなどが挙げられます。商談は作成してから、それが成約したか、失注(不成立)になったかどうかの情報も含まれます。
これらを両方追跡することで過去にどのようなものが成立したかまたは失注したかを知ることができます。

取引先

自社との間で何らかの関係が成立している団体、個人、企業のことです。顧客企業、競合企業、パートナー企業すべてが含まれます。

売上予測

四半期に見込まれる収益の推定値または販売が可能なサービス・商品の数量を推定したものです。

取引先責任者

取引、商談に直接関係のある、連絡先、個人、またはインフルエンサー(インターネットなどで一定の影響力をもつ発言を行うキーパーソン)です。

ケース

顧客から収集した問題点、質問、フィードバックなどを詳しく説明したものです。「Web-to-ケース」、「メール-to-ケース」という機能を使えば自社のウェブサイトや メールから ケースを自動的に取得できます。もちろん手動でケースを作成することも可能です。

ソリューション

顧客の問題および解決方法を詳しく説明したものです。ソリューションが蓄積されると、過去事例をもとに今起こっている問題の解決をすすめることができます。

ダッシュボード

企業統計値や主だったパフォーマンス指標をリアルタイムまたはある時点のスナップショットとして確認できます。
ダッシュボードは レポート機能により作成された情報を図やグラフの集まりで構成されます。

活動

TODOまたは予定されたカレンダーイベントです。キャンペーン・取引先・取引先責任者・リードなどに関する活動を一元的に定義して追跡できます。

商品

自社の商品・サービスおよび、見積に基づいて販売した商品・サービスの品目のことです。

レポート

Salesforceのデータを集計して分析したものです。画面に表示または印刷することが可能でCSVやExcelとしてファイル出力できます。さらに集計結果をもとに図やグラフを作成したりできます。

契約

2社以上の会社間でとりかわされた書面による合意のことです。


最後はオブジェクトではありませんが、上記のオブジェクトを扱う上で重要になるツールです。

Chatter

Salesforceのさまざまな画面に組み込まれたコラボレーションツールです。
Salesforceユーザ間でビジネス情報を安全かつリアルタイムに共有できます。
また、iPhoneやAndroid端末などスマートフォンやタブレット用のアプリケーションも提供されています。


以上がSalesforceを構成するデータの種類とその概要になります。

それぞれのオブジェクトとツールについて理解しておくことで、はじめて操作する画面でもスムースに運用を開始できます。
細かく覚える必要はありませんが、簡単な説明ができるように概要は理解してください。

4.オブジェクトの項目

それぞれのオブジェクトには、固有の「項目」があります。
そのオブジェクトの特性、属性を現したものが項目として用意されています。あらかじめ用意された項目を「標準項目」といいます。

これに対しユーザが独自に定義ができる項目もあります。これを「カスタム項目」といいます。ここでは主に「標準項目」についてみていきます。

ID

オブジェクトの各レコードに一意に設定される項目です。SalesforceIdと呼ばれるときもあります。
この値をみれば、会社の中で唯一のレコードを特定できます。

IDはたとえば「0031000000alUJO」のような15桁の英数文字からなります。
レコードの詳細画面のURLは、末尾がそのレコードのIDになっています。

このことを覚えておくと、IDがわかる場合は簡単にそのレードの詳細画面を表示できます。

4-5

レコード名

IDとは別にそのレコードを識別するために用意された項目です。
IDのように一意でなくても構いません。こちらは、検索結果や詳細画面、条件設定などの最初の列として表示されます。
そのレコードを特定するために利用者がみて分かりやすいものが登録されます。

レコード名を表す項目の表示ラベルはオブジェクトによって異なります。

たとえばリードや取引先責任者 オブジェクトなら「名前」、取引先なら「取引先名」がレコード名項目の表示ラベルになります。
ただし、レコード名項目の項目名は常に「Name」です。

カスタムオブジェクトの場合レコード名の項目の表示ラベルは自由に設定できます。

所有者

レコードの所有者です。ユーザまたはキュー(ユーザグループ)が割り当てられます。
そのレコードの所有者を表し、割り当てられたユーザはレコードに対する特権(所有権)を持つことができます。
つまり所有者以外はレコードを参照・更新を禁止できます。
作成時は作成したユーザが所有者に割り当てられます。その後所有者は変更することが可能です。

システム情報(作成者/最終更新者/作成日/最終更新日)

システムで自動的に管理される項目です。
通常変更できません。ごく例外的にシステム移行で過去に別のシステムに登録されてデータをSalesforceに登録したい場合は、事前に申請をすれば値を設定できます。

TOPICS

2種類のID

ID項目の値を構成する15桁の英数字には大文字と小文字が含まれています。同じ読み方の’A’と’a’でも違うものとして扱われます。

しかしこのままだと、大文字と小文字を区別しないシステムに一時的にレコードを保存してからその後Salesforceにデータを書き戻しする場合に、データが一意に識別できなくなる問題がおこります。

それを解決するためにSalesforceでは、大文字小文字を区別しないID表記方が用意されています。
具体的には、15桁の英数字の末尾に3桁の追加コードを追加した18桁のコードです。

この2つのIDを互いに変換を可能にすることで、大文字小文字を区別しないシステムとのID情報の連携が可能になります。

15 桁表記 0031000000alUJO 大文字小文字を区別する
18桁表記 0031000000alUJOAA2 大文字小文字を区別しない

2種類のIDの変換方法については以下のサイトを参照してください。(外部サイト)
http://blogjp.sforce.com/2013/10/id1518-0e1e.html
https://www.adminbooster.com/tool/15to18

ここまででSalesforceの構成する主要なオブジェクトとツールおよびオブジェクトの標準項目について説明しました。

5.組織

Salesforceでは、利用者の会社または団体のことを「組織」と呼びます。

設定メニューの[管理]|[組織プロファイル]|[組織情報]を選ぶと、組織の情報が確認できます。組織の詳細情報から、組織名や住所などの識別情報からタイムゾーンや使用する通貨、使用中のディスク容量、ライセンス数などが確認できます。

世界中の何千、何万もの組織がSalesforceが提供するクラウドプラットホーム上で動いております。
各組織で完全にデータの機密性が保持されていますので、自社の組織のデータが他の組織から参照、変更されることはありません。(設定で組織の間でデータを連携することは可能です)

前の段落で説明した「ID」がこの組織にも決まっています。

Salesforceの製品問い合わせや各種申し込みの際にはこの組織のIDが必要になります。
組織の詳細情報([管理]|[組織プロファイル]|[組織情報])の「salesforce.com 組織 ID」をみることで組織のIDを確認できます。

右上の [ 歯車マーク ] | [ 設定 ] をクリックし、[ クイック検索 ] に「組織情報」と入力し [ 組織情報 ] をクリックすると、組織の情報が確認できます。組織の詳細情報から、組織名や住所などの識別情報からタイムゾーンや使用する通貨、使用中のディスク容量、ライセンス数などが確認できます。

世界中の何千、何万もの組織がSalesforceが提供するクラウドプラットホーム上で動いております。
各組織で完全にデータの機密性が保持されていますので、自社の組織のデータが他の組織から参照、変更されることはありません。(設定で組織の間でデータを連携することは可能です)

前の段落で説明した「ID」がこの組織にも決まっています。

Salesforceの製品問い合わせや各種申し込みの際にはこの組織のIDが必要になります。
組織の詳細情報の「salesforce.com 組織 ID」をみることで組織のIDを確認できます。

6.タブとアプリケーション

タブ

Salesforceの「タブ」は1つの機能を表しています。任意のアプリケーションを選ぶとそのアプリケーションで利用可能な機能がタブとして表示されます。このタブを切り替えることでアプリケーションの中で複数の機能を使い分けることができます。

アプリケーション

Salesforceの「アプリケーション」は「タブ」の集まりを定義したものです。

通常「アプリケーション」というと1製品と考えられることが多いですが、Salesforceでは「タブ」の集合になるので異なるアプリケーションに同じ機能が存在することも可能になります。
たとえば標準で用意されている「セールス」と「マーケティング」というアプリケーションには、同じ「レポート」という機能があります。

そしてオブジェクトと同じくアプリケーションも独自に作成できます。(カスタムアプリケーション)

アプリケーションの切り替えは、画面左上のアイコン[ アプリケーションランチャー] より切り替えます。

 

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クリックしてアプリケーションを選択します

 

7.演習

今回はあらかじめ用意されている標準オブジェクトについて説明しました。ここで、業務にあわせて新しく独自のオブジェクトを作成する場合を想定し、次の要件を満たすカスタムオブジェクトを作成してください。

  1. カスタムオブジェクトを利用するために、カスタムアプリケーションを作成してください。アプリケーション名は「Activation!トレーニング」にします
  2. カスタムオブジェクト名は「トレーニング」としてください
  3. カスタム項目に「トレーニング内容」を追加してください。この項目には、テキストエリアで複数行にわたって文字を入力・登録できるようにしてください
  4. 「トレーニング」オブジェクトのレコードを1件追加しトレーニング名を「Salesforceの基本的なキーワードを理解する」、トレーニングに学んだ内容をまとめて入力してください
ヒント:
関連情報のページをご確認ください。

10.拡張パッケージでより使いやすくする

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