サンドボックスに設定・データをコピーし、検証した設定を本番にリリースする
サンドボックス(Sandbox)を利用して、本番組織の内容をテストの環境にコピーする。またテスト環境で検証した設定を本番に反映(リリース)する
0.はじめに
Sandbox(サンドボックス)とは、プログラムやデータの状態をテストするために実際に運用している組織とは別にもう一つのテスト用の組織を作成することの出来る機能です。
※ 「子供を砂場(サンドボックス)の外で遊ばせない」という意味が語源
Salesforce では実際に運用している組織(本番組織)とほぼ全く同じ状態の組織をSandbox機能を使って作成することが出来ます。データ、オブジェクトの設定、ユーザなどほとんど本番組織と同じです。アクセスするURLは異なります。
本番環境から一度作成したSandboxの組織にコピーをおこなうことで定期的に設定、データの内容の同期をおこなうことが出来ます。
Sandboxは、主に本番運用前の設定のテストまたは他のテキストで説明している「トリガー」を作成する際に必要になります。
今回はSandboxの作成方法とコピーの方法について説明します。
1.Sandboxの種類
Sandboxにはいくつかの種類があります。
Sandboxの種類 | 本番組織からコピーされる内容 | ストレージ |
Developer | 設定と組織に登録されたプログラム(Apex)、ユーザ情報 | 200MB |
Developer Pro | 設定と組織に登録されたプログラム(Apex)、ユーザ情報 | 1GB |
Partial Copy | 設定と組織に登録されたプログラム(Apex)、ユーザ情報、一部のレコード | 5GB |
Full | 設定と組織に登録されたプログラム(Apex)、ユーザ情報、すべてのレコード | 本番組織と同じ |
設定とプログラムを検証するなら [ Developer または Developer Pro ] を、データを利用した検証を行う場合は [ Partial Copy ] または [ Full ] を選ぶようにします。
今回は 種類が [ Developer ] と [ Full ] のSandboxの作成手順を説明します。
それ以外の種類のSandboxについては [ Developer Prol ] は [ Developer ] に、 [ Partial Copy ] は [ Full ] のSandboxの作成手順に準じます。
2.Sandboxの作成方法(Developer)
[ リリース ] [ Sandbox ] を選択します。
ここにはSandboxの一覧と作成可能なSandboxの残り数が表示されています。
組織によって作成できるSandboxの数には限りが有ります。
[ 新規 Sandbox ] を押して 新しくSandboxを作成します。
右上の [ 歯車マーク ] | [ 設定 ] をクリックし、[ クイック検索 ] に「Sandbox」と入力し [ Sandbox ] をクリックします。
ここにはSandboxの一覧と作成可能なSandboxの残り数が表示されています。
組織によって作成できるSandboxの数には限りが有ります。
[ 新規 Sandbox ] を押して 新しくSandboxを作成します。
ここでは 「Developer」を選びます。
Sandboxの作成が始まります。あとは他の画面に移動しても問題ありません。
Sandboxの作成が終わるとユーザのアドレスに完了連絡のメールが送信されます。
Sandbox にログインするには、Sandbox の一覧が表示された画面から、対象のSandboxの [ ログイン ] リンクをクリックします。
通常のSalesforceと同じくログイン画面が表示されます。ただし、ユーザ名の入力部分には、ユーザ名の後ろに点(ドット)に続いてSandbox名が追加されています。
このまま、パスワードを入力してログインします。
Sandboxでは通常の組織と同じようにレコードの追加、オブジェクトの登録などが行えます。
3.Sandboxの作成(Full)
先ほどの「Developer」のときと同じく、Sandboxの一覧で「新規 Sandbox」 をクリックしてSandboxの種類を選択する画面に移動します。
ここで、「Full」のSandboxの「次へ」をクリックします。
「Developer」のときと異なる画面が表示されます。ここで、すべてのオブジェクトを参照するのか予め作成していたSandboxテンプレートを使ってSandboxを作成するかを選択できます。Sandboxテンプレートには、あらかじめ本番組織 からコピーして作成するオブジェクトの種類を決めておく機能です。(後述で説明)
ここではすべてにチェックをいれて、項目の変更履歴、Chatterのデータも選択可能な 最大の範囲を指定して次へすすみます。
Sandboxの作成が開始しました。あとは完了後、メールで通知されます。
Sandboxの作成が完了したら、Sandboxにログインします。
SandboxAllにログインしたところです。ほぼ本番環境と同じ状態です。
データもコピーされています。
4.Sandboxテンプレート
5. リリース
Sandbox で検証した設定を本番に反映する作業をリリースといいます。
リリースをおこなうには、リリースする内容がある組織と、リリースする対象(設定を反映する)の組織の間で「リリース接続」を設定します。
そしてリリースの対象を「変更セット」という設定に登録します。
「変更セット」に登録された複数の設定の一つ一つをコンポーネントと呼びます。
この「変更セット」に登録されたいくつかの設定をまとめてリリース対象組織に反映(リリース)することが出来ます。
イメージとしては、箱のなかに幾つもの設定をまとめていれて、箱ごと本番の組織にリリースするということになります。
リリースの手順を見ていきます。
[ リリース ] | [ リリース設定 ] をクリックします。
右上の [ 歯車マーク ] | [ 設定 ] をクリックし、[ クイック検索 ] に「リリース設定」と入力し [ リリース設定 ] をクリックします。
最初に概要説明が表示されますので、一読してから必要に応じて [ 次回から表示しない ] にチェックをいれて [ 次へ ] をクリックします。
リリース接続の一覧画面が表示されます。ここにはリリースをおこなうために接続可能な組織が表示されます。本番組織に対して2つのSandboxが作成されており、ここでは2つの対象組織が表示されています。
今回、種類が「Developer」である「Sandbox」からのリリースが可能にするため、「Sandbox」の「編集」リンクをクリックします。
リリース接続の編集画面で、「変更着信を許可」にチェックをいれます。
これはSandboxからのリリースを許可する、という意味です。
保存すると、リリース接続の一覧が変わっていることがわかります。Sandboxから本番のリリースが可能になっているということになります。
次に、Sandbox(sandbox)にログインします。
[ 設定 ] | [ リリース ] | [ 送信変更セット ] を選択します。ここで [ 新規 ] をクリックします。
変更セットの名前を入力します。リリースする内容に合わせて名前をつけて入力します。必要に応じて説明を入力します。
保存すると、変更セットの詳細画面が表示されます。
この状態ではコンポーネントはひとつもありません。この画面から [ 追加 ] をおして、コンポーネントを追加します。
この詳細画面をみてわかるとおり、変更セットには プロファイルも追加することができます。
コンポーネントの追加画面です。
ここでリリースするオブジェクトやカスタム項目などを選びます。
ここで選ぶコンポーネントは、Sandboxでテストして、問題のないと判断されたコンポーネントです。
リリースするコンポーネントとプロファイルがすべて選び終えたら、 [ アップロード ] をクリックします。
一度アップロードをおこなうと、変更セットのなかのコンポーネントを増やしたり減らしたりすることは出来ません。
アップロードする先の組織(この場合はひとつです)を選んで [ アップロード ] をクリックします。
アップロード中の画面です。完了するとメールで通知されます。
アップロードが完了した画面です。これでSandboxでの設定は終わりです。
次に本番組織に戻ってから、[ 設定 ] | [ リリース ] | [ 受信変更セット ] を選択します。
次に本番組織に戻り、右上の [ 歯車マーク ] | [ 設定 ] をクリックし、[ クイック検索 ] に「受信変更セット」と入力し [ 受信変更セット ] をクリックします。
Sandboxでアップロードした変更セットが表示されています。
「変更セット名」をクリックします。
[ ソースを表示 ] で内容を確認することもできます。リリース対象に問題がないことを確認してから [ 検証 ] をクリックします。
検証するテスト内容を選び、 [ 検証 ] をクリックします。
確認メッセージが表示されますので [ OK ] を選択します。
変更セットの確認中の画面です。
問題なく確認が完了すると、リリース履歴に結果が表示されます。
リリース自体はまだ実行されていません。状況欄に「検証:成功」にチェックが入っていることでそれが分かります。
[ リリース ] をクリックします。
テスト内容を選び、 [ リリース ] をクリックします。
確認メッセージが表示されますので [ OK ] を選択します。
変更セットのリリース中の画面です。
リリースが成功すると、リリース履歴に結果が表示されます。状況欄に「リリース:成功」にチェックが入っていることで成功したことが分かります。
実際にリリースされているかを本番組織で確認します。